20261105_AI・半導体が3指数そろって急落

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室井のマーケット視点

11/5の米国株式市場は、選挙後の上昇を一日で帳消しにする急落でした。S&P500は-4.36%と2025年4月以来の下げ幅で、NASDAQは-5.52%、直近の高値から1割ほど下げて調整局面(高値から10%以上の下落)に入っています。VIX指数(S&P500の今後約30日間の予想変動率を示す指標)は27.76と、前日比+66.69%の急上昇でした。

売りの中心は、半導体、メモリー、光通信、データセンター関連です。民主党が上下両院を制したことで、AIデータセンターの建設に規制がかかるのではという警戒が出ました。加えて、年末を前にしたヘッジファンドの利益確定や、個人投資家の売り越しも重なったと報じられています。業績が急に悪化したわけではなく、需給の巻き戻しだとする専門家の指摘もあります。時価総額100億ドル以上の107銘柄が5%以上下げた点に、売りの広がりが表れています。

私は、AI投資の先行きが良いか悪いかを、この一日だけで断定できないと考えています。期待が先行していた面と、規制という新しい不確実性の両方があるからです。一方で、全11セクターが下げた日でも、生活必需品と公益事業の下げは1%未満でした。11セクターに分散したS&P500を、ドル・コスト平均法(毎月一定額を買い続ける方法)で積み立てる姿勢は変わりません。コロナショックで下落が続いた時も、積立だけはやめませんでした。落ち着いて過ごしましょう。投資は自己責任にてお願いします。

S&P500のヒートマップ

5%以上上昇したS&P500構成銘柄

  • APP:AppLovin Corp.(通信サービス) +31.04%
    11/4の引け後に発表した7〜9月期決算が好感されました。売上高は21.8億ドルで予想の20.7億ドルを上回り、1株利益も4.30ドルと予想4.04ドルを超えています。10〜12月期の売上高見通しは23.7億〜24.0億ドルで、予想の22.5億ドルを大きく上回りました。AI関連が売られる中でも、業績で独歩高となった一日です。
  • TPR:Tapestry Inc.(一般消費材) +7.07%
    11/5に発表した決算が、予想を上回りました。1株利益は1.82ドルで予想1.56ドルを16.67%上回り、売上高も19.0億ドルと予想18.5億ドルを超えています。市場全体が急落するなか、決算内容の良さがそのまま買いにつながりました。時間外は-0.85%とほぼ横ばいです。
  • VRSK:Verisk Analytics Inc.(工業・産業) +6.88%
    11/5に決算を発表し、1株利益は1.96ドルで予想1.93ドル、売上高は8.09億ドルで予想8.06億ドルと、小幅ながら上振れました。保険会社向けのデータ分析が主力で、景気やAI投資の波に左右されにくい事業です。全面安の日に、逃避先として買われた面もあるでしょう。
  • CPAY:Corpay Inc.(先端技術) +6.78%
    11/4の引け後に決算発表が予定されていたとされ、その内容を受けた買いとみられます。ただ、私が確認できた範囲では、数値までは把握できていません。法人向けの決済サービスという、AI投資の動向に左右されにくい事業へ資金が向かった側面もありそうです。
  • CF:CF Industries Holdings Inc.(素材) +6.17%
    11/4の引け後に7〜9月期決算を発表しました。純利益は4.36億ドル(1株あたり2.87ドル)、調整後EBITDA(利払い・税・償却前の利益)は8.33億ドルです。窒素肥料の需給は2027年に向けて引き締まった状態が続くとの見通しも示しました。1株利益は一部の集計の予想(約3ドル)をわずかに下回りますが、需給の明るさが評価されたようです。

5%以上下落したS&P500構成銘柄

  • C:Citigroup Inc.(金融) -5.04%
    大手銀行株は広く売られました。上院銀行委員会の委員長に民主党のウォーレン議員が就く見通しで、大手銀行や投資ファンドへの調査が強まる可能性が報じられています。リスク回避の流れも重なり、金融株全体が下げました。
  • MLM:Martin Marietta Materials Inc.(素材) -5.16%
    骨材(建設用の砂利・砕石)の大手です。データセンターを含む建設投資の鈍化を警戒した売りが出ました。素材セクター全体も-2.77%と下げています。当日の個別材料は確認できていません。
  • FERG:Ferguson Enterprises Inc.(工業・産業) -5.18%
    配管・空調資材を扱う流通大手で、商業施設やデータセンターの建設需要に業績が左右されます。建設関連から資金が抜ける流れに巻き込まれました。当日の個別材料は乏しいようです。
  • WMB:Williams Companies Inc.(エネルギー) -5.32%
    天然ガスのパイプライン大手です。データセンター向けの電力需要増を見込んだ買いが先行していた分、規制への警戒で期待が剥がれた形です。原油は反発していましたが、エネルギー株全体(-2.81%)に連れて売られました。
  • TPL:Texas Pacific Land Corp.(エネルギー) -5.38%
    テキサス州に広大な土地を持ち、石油・ガスのロイヤルティ収入が柱の企業です。同州では知事選と上院選で民主党が勝利しており、地域の政治環境の変化が嫌気された可能性があります。当日の個別材料は確認できていません。
  • EQIX:Equinix Inc.(不動産) -5.38%
    データセンターを運営するREIT(不動産投資信託)です。民主党が議会を握り、データセンター建設に規制がかかる懸念が出たことで、設備投資の先行きに売りが出ました。同業のデジタル・リアルティも-5.52%でした。
  • FTNT:Fortinet Inc.(先端技術) -5.39%
    サイバーセキュリティ大手です。AI関連のソフトやセキュリティ銘柄が売られる流れに乗りました。パロアルト(-9.59%)やクラウドストライク(-9.88%)に比べると、下げは小さめでした。
  • RVTY:Revvity Inc.(ヘルスケア) -5.39%
    ライフサイエンス機器の企業です。民主党の経済政策がヘルスケアを重点に据えるとの報道があり、医療関連にも警戒売りが出ました。ヘルスケアセクター全体は-2.53%でした。
  • PODD:Insulet Corp.(ヘルスケア) -5.39%
    インスリンポンプの企業です。成長株として評価されてきた分、株式市場が崩れる日には売りが重なりました。当日に確認できる個別材料は乏しく、市場全体の地合いの影響が大きいとみられます。
  • FFIV:F5 Inc.(先端技術) -5.45%
    データセンター向けのネットワーク機器とソフトの企業です。ネットワーク機器株の下げ(アリスタ-10.82%、シスコ-7.57%)に連れて売られました。
  • AMCR:Amcor Plc(一般消費材) -5.48%
    包装材の大手で、AIとは距離のある事業です。それでも株式全体が崩れる中で、景気への不安から売られました。当日の個別材料は確認できていません。
  • CDNS:Cadence Design Systems Inc.(先端技術) -5.49%
    半導体設計ソフトの大手です。半導体株が総崩れになったことで、設計の需要も細るのではという連想から売られました。ただ、半導体指数の下げに比べると小幅にとどまっています。
  • DLR:Digital Realty Trust Inc.(不動産) -5.52%
    データセンターREITです。建設規制への警戒が直撃しました。賃貸需要が急に落ちたわけではなく、先行した期待を修正する動きとみられます。
  • CCL:Carnival Corp.(一般消費材) -5.52%
    クルーズ船の大手です。WTI原油が+2.76%と反発し、燃料費の上昇を嫌った売りが重なりました。株価急落で消費者心理が冷えることへの警戒もあったようです。
  • HON:Honeywell International Inc.(工業・産業) -5.55%
    産業機器や航空宇宙を手がける複合企業で、工業セクター全体(-4.34%)の下げに歩調を合わせました。ビル向けの空調・制御機器も扱うため、設備投資への警戒が波及したとみられます。
  • WAB:Westinghouse Air Brake Technologies Corp.(工業・産業) -5.59%
    鉄道機器の大手です。景気敏感株として売られた面が強く、工業セクターの下げに沿った動きでした。当日の個別材料は確認できていません。
  • HST:Host Hotels & Resorts Inc.(不動産) -5.67%
    ホテルREITです。株価急落で消費者心理が悪化し、旅行需要が弱まることへの不安から売られました。同じ旅行関連のエクスペディアも-13.78%と大きく下げています。
  • TWLO:Twilio Inc.(先端技術) -5.87%
    通信機能をクラウドで提供するソフト企業です。Yahoo Financeによると、この日はAIの勝ち組とされたソフトウェア株が選んで売られ、同社もその流れに入りました。
  • NOW:ServiceNow Inc.(先端技術) -5.93%
    業務ソフトの大手です。セールスフォースとアドビはほとんど動かなかった一方で、AI期待の強かった銘柄に売りが偏りました。AIの恩恵を先に織り込んだ分が、巻き戻された日です。
  • HWM:Howmet Aerospace Inc.(工業・産業) -5.93%
    航空機エンジン部品の企業です。好調な銘柄ほど利益確定売りが出やすい地合いで、売りに押されました。当日の個別材料は確認できていません。
  • MS:Morgan Stanley(金融) -5.94%
    株式市場の急落で、取引や資産運用の収益が伸びにくくなるとの警戒から売られました。金融セクター全体(-2.81%)を大きく上回る下げで、リスク回避の色が濃い日でした。
  • AME:Ametek Inc.(工業・産業) -5.95%
    電子計測機器の企業です。電力や半導体の設備投資に連なる銘柄として、AI投資への警戒売りの対象になりました。
  • NDSN:Nordson Corp.(工業・産業) -6.11%
    精密な塗布・分注装置の企業で、半導体や電子部品の製造向けにも需要があります。半導体株の急落に連れて売られました。
  • CDW:CDW Corp.(先端技術) -6.14%
    企業向けITの販売会社です。サーバーやネットワーク機器の販売期待が大きく、ハード関連の売りに巻き込まれました。
  • VST:Vistra Corp.(公益事業) -6.15%
    電力会社ですが、データセンター向けの電力需要の成長期待で買われてきた銘柄です。規制への警戒で期待が剥がれ、公益事業セクター全体(-0.73%)と比べて大きく下げました。11/6に決算発表を予定しています。
  • DLTR:Dollar Tree Inc.(生活必需品) -6.16%
    ディスカウントストアで、本来は景気に左右されにくい銘柄です。生活必需品セクターは-0.70%と小幅でしたが、同社は個別に大きく売られました。当日の個別材料は確認できていません。
  • TEL:TE Connectivity Plc(先端技術) -6.29%
    コネクター(電子部品をつなぐ部品)の大手です。AIサーバーやデータセンター向けの需要が期待されており、AI関連の調整に巻き込まれました。
  • GS:Goldman Sachs Group Inc.(金融) -6.36%
    株式市場の急落で、取引や投資銀行業務の収益が伸びにくくなるとの警戒が出ました。この日は109人の新パートナー昇格も発表しましたが、株価への影響は限られました。
  • CAT:Caterpillar Inc.(工業・産業) -6.37%
    建設機械の大手で、データセンター向けの発電機やエンジンも扱います。景気敏感株としてもAIインフラ関連としても売られやすい位置にあります。
  • TDY:Teledyne Technologies Inc.(先端技術) -6.37%
    センサーや画像機器の企業です。電子部品や半導体関連の下げに連れました。当日の個別材料は確認できていません。
  • JCI:Johnson Controls International Plc(工業・産業) -6.45%
    ビル向けの空調・冷却機器の大手で、データセンターの冷却需要への期待もありました。規制への警戒が響いた形ですが、同業のバーティブ(-14.02%)ほどの下げではありません。
  • IBKR:Interactive Brokers Group Inc.(金融) -6.66%
    ネット証券です。個人投資家が2020年3月17日以来の規模で売り越したと、Vanda Researchが指摘しています。売買が活発でも、投資家心理の冷え込みを嫌った売りが出ました。
  • MRNA:Moderna Inc.(ヘルスケア) -6.70%
    11/6に7〜9月期決算の発表を控えています。市場全体の急落に加え、決算前のポジション調整の売りが出たとみられます。
  • EME:Emcor Group Inc.(工業・産業) -6.87%
    電気・機械設備工事の企業で、データセンターなど大型建設案件を多く抱えます。規制で案件が減るのではという連想から売られました。
  • ORCL:Oracle Corp.(先端技術) -6.93%
    クラウドとデータベースの大手で、AIデータセンターへの投資が大きい企業です。ソフト株の中でも、AI投資への依存が強い銘柄として売られました。
  • CVNA:Carvana Co.(一般消費材) -7.07%
    中古車のネット販売企業です。株価の変動が大きく、市場全体の急落で売りが膨らみました。当日の個別材料は確認できていません。
  • URI:United Rentals Inc.(工業・産業) -7.12%
    建設機械レンタルの大手で、データセンターや工場の建設ラッシュによる需要が期待されてきました。建設規制への警戒から売られました。
  • RL:Ralph Lauren Corp.(一般消費材) -7.35%
    11/5に発表した決算は、1株利益4.64ドルが予想4.23ドルを、売上高21.9億ドルが予想21.2億ドルを上回りました。それでも市場全体の急落に巻き込まれ、好決算が株価に反映されない日になりました。
  • Q:Qnity Electronics Inc.(先端技術) -7.36%
    半導体向けの材料や電子部品を手がける企業です。半導体関連が総崩れになった流れに乗りました。
  • BKR:Baker Hughes Co.(エネルギー) -7.36%
    石油サービスの大手で、データセンター向けの発電設備にも事業を広げています。原油が上昇した日にもかかわらず、エネルギー全体(-2.81%)を大きく上回って売られました。データセンター関連として見られた面が大きいようです。
  • ETN:Eaton Corp Plc(工業・産業) -7.38%
    電力機器の大手で、データセンター向けの配電・電源設備が成長の柱です。AIインフラ投資への警戒売りが出ました。
  • DDOG:Datadog Inc.(先端技術) -7.41%
    クラウドの監視ソフトの企業です。AI関連のソフトウェアを売る動きが広がり、売りの対象になりました。
  • GEV:GE Vernova Inc.(工業・産業) -7.48%
    発電設備の大手で、データセンター向けの電力需要増が期待されてきました。AP通信は日中に9.1%安まで下げたと伝えています。終値では下げ幅を縮めました。
  • FCX:Freeport-McMoRan Inc.(素材) -7.51%
    銅の大手です。電力網やデータセンターの拡張で銅の需要が増えるとの期待が先行していたため、AI投資への警戒が波及しました。素材セクター全体は-2.77%です。
  • CSCO:Cisco Systems Inc.(先端技術) -7.57%
    ネットワーク機器の大手です。CNBCは、200日移動平均線(過去200日の平均株価)を割り込んだ銘柄の一つに挙げています。AIデータセンター向けのネットワーク投資への期待が強い銘柄でした。
  • STLD:Steel Dynamics Inc.(素材) -7.59%
    電炉メーカーの鉄鋼大手です。建設やインフラ需要の鈍化を警戒した売りが出ました。同業のニューコア(-8.30%)も下げています。
  • NXPI:NXP Semiconductors NV(先端技術) -7.77%
    車載・産業向けの半導体の企業です。半導体指数が日中に1割を超えて下げるなか、車載中心でも売りを免れませんでした。
  • J:Jacobs Solutions Inc.(工業・産業) -7.85%
    エンジニアリングと建設管理の企業です。データセンターや半導体工場の案件を含むインフラ関連として、建設投資への警戒から売られました。
  • RDDT:Reddit Inc.(通信サービス) -7.93%
    SNS企業で、AI向けのデータ提供による収益期待も株価に織り込まれていました。AI関連への警戒に、リスク回避の売りが重なりました。
  • ZTS:Zoetis Inc.(ヘルスケア) -7.95%
    動物用医薬品の大手で、11/5に発表した決算は予想を上回りました(1株利益1.75ドルに対し予想1.51ドル、売上高24億ドルに対し予想23億ドル)。通常取引では売られましたが、時間外は+1.36%と持ち直しています。
  • IVZ:Invesco Ltd.(金融) -8.02%
    資産運用会社です。運用資産の残高が株価に連動しやすく、株式市場の急落で手数料収入が減るとの連想から売られました。
  • ILMN:Illumina Inc.(ヘルスケア) -8.18%
    遺伝子解析装置の企業です。民主党議会による医療政策への警戒と、成長株全般の売りが重なりました。当日の個別材料は確認できていません。
  • NUE:Nucor Corp.(素材) -8.30%
    鉄鋼大手で、建設やインフラ需要の鈍化を警戒した売りが出ました。素材セクターの中でも、下げが大きい部類です。
  • SMCI:Super Micro Computer Inc.(先端技術) -8.51%
    AIサーバーのメーカーで、データセンター投資の動向に株価が敏感です。AI関連のハードウェア株として売られました。
  • JBL:Jabil Inc.(先端技術) -8.59%
    電子機器の受託製造大手です。AIサーバー関連の受注が期待されており、ハード関連の下げに連れました。フレックス(-13.67%)と同じ構図です。
  • KEYS:Keysight Technologies Inc.(先端技術) -8.83%
    電子計測器の企業で、半導体や通信の開発投資に業績が連動します。半導体株の急落に連れて売られました。
  • ECHO:EchoStar Corp.(通信サービス) -8.89%
    衛星通信と周波数免許を持つ企業です。当日の個別材料は確認できず、リスク回避の売りが膨らんだとみられます。
  • GNRC:Generac Holdings Inc.(工業・産業) -8.97%
    発電機のメーカーで、データセンター向けの非常用電源への期待で買われてきました。AI投資への警戒から売られました。
  • NVDA:NVIDIA Corp.(先端技術) -9.27%
    AP通信は、S&P500への影響が最も大きい銘柄だと伝えています。前日にも3.2%下げており、2日続けて大幅安です。CNBCによると、最終1時間に入る時点で、前日の終値から約3,740億ドルの時価総額が失われていました。200日移動平均線も割り込みました。
  • APH:Amphenol Corp.(先端技術) -9.33%
    AIサーバー向けの高速コネクターで評価されてきた企業です。期待が大きかった分、AI関連の調整で下げが目立ちました。
  • DASH:DoorDash Inc.(一般消費材) -9.43%
    10/29にインスタカートの買収(1株65ドル、現金75%以上)を発表しており、資金負担を心配する売りが出ている可能性があります。ただ、当日に新たな個別材料は確認できていません。
  • QCOM:Qualcomm Inc.(先端技術) -9.49%
    11/4の引け後に発表した決算は予想を上回りましたが、次の四半期の見通しが予想より弱く、売られました。スマートフォン向け半導体の販売の弱さも指摘されています。
  • AKAM:Akamai Technologies Inc.(先端技術) -9.51%
    11/5の引け後に決算を発表し、1株利益は1.77ドルで予想1.67ドルを上回りました(売上高は11.2億ドルで予想と同水準)。通常取引の下げは決算前の市場全体の売りによるもので、時間外では-4.93%と売りが続いています。
  • PANW:Palo Alto Networks Inc.(先端技術) -9.59%
    Yahoo Financeは、AI関連ソフトの急落銘柄として名前を挙げています。サイバーセキュリティでも、AI期待が強かった銘柄に売りが集中しました。
  • COIN:Coinbase Global Inc.(金融) -9.69%
    ビットコインが一時7.6万ドルを割り、5%超下げました。先週の約63億ドルとされるバイナンスのハッキング被害に加え、暗号資産の法案(Clarity Act)の年内成立が難しくなったことも重なりました。
  • NTAP:NetApp Inc.(先端技術) -9.75%
    データの保存・管理の企業です。ウエスタンデジタル(-17.46%)やシーゲイト(-16.40%)と同じ、データ関連ハードの売りに巻き込まれました。
  • AXON:Axon Enterprise Inc.(工業・産業) -9.81%
    通常取引の下げは市場全体の急落によるもので、決算は引け後に発表されました。1株利益は1.72ドルで予想1.91ドルを下回り、売上高も9.09億ドルで予想9.40億ドルに届かず、時間外は-13.74%と下げが加速しています。
  • PLTR:Palantir Technologies Inc.(先端技術) -9.83%
    Yahoo Financeによると、時価総額が約400億ドル減り、10/9の最高値から約4分の1下げた水準です。AIソフトの勝ち組への売りが際立ちました。
  • CRWD:Crowdstrike Holdings Inc.(先端技術) -9.88%
    日中に10%を超えて下げる場面があった、AI関連ソフトの代表格です。セールスフォースなど動かなかった銘柄との差から、AI期待の巻き戻しが鮮明でした。
  • MPWR:Monolithic Power Systems Inc.(先端技術) -10.28%
    AIサーバー向けの電源用半導体を手がけ、株価が1,100ドルを超える高値圏にある銘柄です。半導体指数の急落に連れて1割超下げました。
  • HOOD:Robinhood Markets Inc.(金融) -10.32%
    個人投資家向けの取引アプリの企業です。個人の売り越しが2020年3月以来の規模になり、ビットコイン安も加わって、顧客の取引意欲が冷え込む懸念が強まりました。
  • OKTA:Okta Inc.(先端技術) -10.41%
    ID管理のセキュリティ企業です。Yahoo Financeは、AI関連ソフトの急落銘柄として名前を挙げています。
  • AVGO:Broadcom Inc.(先端技術) -10.50%
    AI向け半導体の大手で、時価総額は1.39兆ドルとS&P500でも上位です。CNBCは、NVIDIAとともに全体の下落をけん引した銘柄に挙げています。
  • INTC:Intel Corp.(先端技術) -10.55%
    半導体指数の急落に連れて、1割を超えて下げました。当日の個別材料は確認できていません。
  • TXN:Texas Instruments Inc.(先端技術) -10.70%
    アナログ半導体の大手です。産業・車載向けが中心でAI依存は高くありませんが、半導体という括りで売られました。アナログ・デバイセズ(-11.13%)も同様の下げです。
  • ANET:Arista Networks Inc.(先端技術) -10.82%
    データセンター向けネットワーク機器の代表銘柄です。AI投資の見通しに敏感で、売りが集中しました。
  • TSLA:Tesla Inc.(一般消費材) -10.85%
    Yahoo Financeによると、スペースXとともに日中に9%超下げました。民主党の勝利で、データセンター建設の規制や、両社の合併計画の承認が難しくなるとの懸念が出ています。
  • IRM:Iron Mountain Inc.(不動産) -11.09%
    11/5に発表した7〜9月期決算は、1株利益0.64ドルが予想0.61ドルを上回りました。ただ、データセンター事業を持つREITとして、建設規制への警戒が先に立ち、好決算を評価する動きにはなりませんでした。
  • ADI:Analog Devices Inc.(先端技術) -11.13%
    アナログ半導体の大手です。産業向けの回復期待で買われてきましたが、半導体からの資金流出が止まりませんでした。
  • FIX:Comfort Systems USA Inc.(工業・産業) -11.58%
    空調設備工事の大手で、データセンターの冷却工事で受注を伸ばしてきた企業です。データセンター建設の先行きへの警戒が、そのまま下げにつながりました。株価は約965ドルと高く、値動きが大きくなりやすい銘柄です。
  • ON:ON Semiconductor Corp.(先端技術) -11.61%
    車載・電力向けの半導体の企業です。半導体指数の急落に連れ、売りが優勢でした。
  • HPE:Hewlett Packard Enterprise Co.(先端技術) -11.84%
    サーバーとネットワーク機器の企業です。AI向けサーバーの需要期待で買われてきたため、ハード関連の売りに巻き込まれました。
  • PWR:Quanta Services Inc.(工業・産業) -12.30%
    送電網や電力インフラ工事の大手です。データセンター向けの電力工事への期待が株価に織り込まれていました。規制警戒でその前提が揺らぎ、売りが膨らみました。
  • GLW:Corning Inc.(先端技術) -12.92%
    光ファイバーの大手で、AIデータセンター向けの光接続の需要が評価されてきました。光関連のルメンタム(-18.68%)、コヒレント(-12.98%)も大きく下げています。
  • COHR:Coherent Corp.(先端技術) -12.98%
    光部品とレーザーの企業です。ルメンタムやシエナなど光通信関連と並んで、下げが大きくなりました。
  • NWS:News Corp(通信サービス) -13.30%
    決算発表は11/9の予定で、当日に確認できる個別材料は乏しい状況です。クラスA株のNWSAとほぼ同じ下げ幅で、会社固有の要因があった可能性もあります。
  • NWSA:News Corp(通信サービス) -13.35%
    メディア大手で、決算発表は11/9の予定です。当日の個別材料は確認できていません。時価総額が約148億ドルと比較的小さく、市場の混乱時に売りの影響を受けやすい面もあります。
  • KLAC:KLA Corp.(先端技術) -13.53%
    半導体の検査装置の大手です。ラムリサーチ(-16.66%)、アプライドマテリアルズ(-13.58%)と並び、製造装置株が大きく下げました。
  • AMAT:Applied Materials Inc.(先端技術) -13.58%
    半導体製造装置の最大手です。Yahoo Financeによると、過去1か月で約30%下げていたところに、さらに売りが重なりました。
  • FLEX:Flex Ltd(先端技術) -13.67%
    電子機器の受託製造企業で、AIサーバー関連の受注が評価されてきました。ハード関連の売りに連れて、1割を超えて下げました。
  • EXPE:Expedia Group Inc.(一般消費材) -13.78%
    11/4の引け後に決算発表が予定されていたとされますが、数値は確認できていません。株価急落で旅行需要の鈍化を警戒する売りが重なり、旅行関連で最も大きな下げの一つになりました。
  • MCHP:Microchip Technology Inc.(先端技術) -13.86%
    制御用半導体の大手で、決算は引け後の発表です。実績が未発表のため、予想との比較は判定できません。時間外は-5.00%でした。
  • VRT:Vertiv Holdings Co.(工業・産業) -14.02%
    データセンターの電源・冷却設備の代表銘柄です。規制警戒の直撃を受け、工業セクターで最も大きな下げの一つになりました。
  • ROK:Rockwell Automation Inc.(工業・産業) -14.15%
    11/5の決算は、1株利益3.88ドルが予想3.69ドルを上回った一方、売上高23.3億ドルは予想24.1億ドルに届きませんでした。工場の自動化機器の企業で、設備投資への不安も重なり、1割超の下げになりました。
  • DELL:Dell Technologies Inc.(先端技術) -14.89%
    AIサーバーの大手メーカーです。時価総額は約2,015億ドルあり、ハード関連の売りで1.5割近く下げました。
  • CIEN:CIENA Corp.(先端技術) -15.22%
    光通信ネットワーク機器の企業で、ルメンタムなど光関連と同じ動きになりました。
  • TER:Teradyne Inc.(先端技術) -15.65%
    半導体テスト装置の企業です。製造装置株の売りが続き、下げ幅が拡大しました。
  • STX:Seagate Technology Holdings Plc(先端技術) -16.40%
    ハードディスクの大手です。データセンター向けの需要期待が強かった分、売りも大きくなりました。
  • P:Everpure Inc.(先端技術) -16.40%
    データストレージの企業で、シーゲイトと同じ下げ率になりました。AIデータの保存需要への期待が先行していた銘柄です。
  • BE:Bloom Energy Corp.(工業・産業) -16.41%
    データセンター向けの燃料電池を手がけ、AIデータセンターの電源として期待された銘柄です。規制警戒の直撃を受けました。
  • LRCX:Lam Research Corp.(先端技術) -16.66%
    半導体製造装置の大手です。Yahoo Financeによると、過去1か月で約36%下げていて、売りが積み上がっていました。
  • MRVL:Marvell Technology Inc.(先端技術) -16.75%
    AI向けカスタム半導体と光接続の企業です。日中に10%超下げ、200日移動平均線を割り込みました。
  • MU:Micron Technology Inc.(先端技術) -17.20%
    メモリー大手です。200日移動平均線を割り込み、前日までの上昇を帳消しにしました。
  • WDC:Western Digital Corp.(先端技術) -17.46%
    ハードディスク大手で、データセンター向けストレージの需要期待が高かった銘柄です。サンディスクやシーゲイトとともに大きく下げました。
  • AMD:Advanced Micro Devices Inc.(先端技術) -17.68%
    AI向けGPUの大手です。リサ・スーCEOはYahoo Financeの取材に「市場は少し近視眼的」と述べ、AI需要が鈍るとは見ていないと語りました。過去1か月では約22%下げていました。
  • LITE:Lumentum Holdings Inc.(先端技術) -18.68%
    光通信部品の大手で、決算発表は11/5の引け後でした。通常取引では、決算を前に市場全体の売りと光関連への売りが重なり、急落しています。
  • SNDK:Sandisk Corp.(先端技術) -22.26%
    S&P500の下落率で最大でした。直近の決算は予想を上回りましたが、AIデータセンター拡張の先行きへの懸念から売りが続き、ピークの2,354ドルから約65%下げた水準です(TheStreet)。年初来ではなお大幅な上昇が残っています。

セクター別騰落率

全11セクターが下落しました。最大は先端技術(Technology)の-7.18%で、工業・産業(Industrials)が-4.34%、一般消費材(Consumer Cyclical)が-4.06%と続きます。AIインフラに関わる銘柄が集中する3セクターが、全体の下げをけん引しました。一方、生活必需品(Consumer Defensive)は-0.70%、公益事業(Utilities)は-0.73%と小幅で、景気に左右されにくい業種に資金が逃げた格好です。ヒートマップでは、半導体、メモリー、光通信が濃い赤に染まり、AI関連への集中が際立ちました。なお、セクター別の騰落率は、S&P500構成銘柄の時価総額加重で算出した数値です。

  • 先端技術(Technology) -7.18%
    NVIDIAが-9.27%、マイクロンが-17.20%、ブロードコムが-10.50%と、半導体、メモリー、ネットワークが総崩れとなりました。Yahoo Financeによると、フィラデルフィア半導体指数は日中に10%を超えて下げる場面があります。アップル(-1.39%)のようなAI以外の銘柄は小幅な下げにとどまり、セクター内でも差が出ました。
  • 工業・産業(Industrials) -4.34%
    ヴァーティブが-14.02%、クアンタ・サービシズが-12.30%、GEヴェルノバが-7.48%と、データセンターの電力・冷却・建設に関わる銘柄の下げが目立ちました。キャタピラーも-6.37%で、景気敏感株としての売りも重なっています。AI投資の恩恵を先に織り込んだ銘柄ほど、反動が大きく出ました。
  • 一般消費材(Consumer Cyclical) -4.06%
    テスラが-10.85%と、セクターの下げをけん引しました。スペースXとの合併計画やデータセンター規制への懸念が背景です。アマゾンは-2.05%、ホーム・デポは-1.55%にとどまっています。旅行関連のエクスペディアは-13.78%と大きく下げ、成長期待の高い銘柄に売りが偏りました。
  • 金融(Financial) -2.81%
    JPモルガンが-4.20%、ゴールドマン・サックスが-6.36%、ロビンフッドが-10.32%、コインベースが-9.69%と、株価や暗号資産の値動きに収益が左右される銘柄の下げが大きくなりました。ビットコインが5%超下げたことも逆風です。上院銀行委員会をウォーレン議員が率いる見通しで、大手銀行への調査が強まる警戒も出ています。バークシャー・ハサウェイは-1.17%と小幅でした。
  • エネルギー(Energy) -2.81%
    エクソンモービルが-2.35%、シェブロンが-1.86%でした。WTI原油が+2.76%と反発した割に、株価は軟調です。ベーカー・ヒューズ(-7.36%)のようにデータセンター向け発電設備に関わる銘柄が大きく下げ、エネルギーも株式市場全体の売りから逃れられませんでした。
  • 素材(Basic Materials) -2.77%
    ニューコアが-8.30%、フリーポート・マクモランが-7.51%と、建設・インフラ需要に連なる銘柄が下げました。リンデは-0.67%と小幅で、肥料のCFインダストリーズは+6.17%と上昇しています。素材の中でも明暗が分かれた一日です。
  • ヘルスケア(Healthcare) -2.53%
    イーライリリーが-3.76%、アッヴィが-2.23%、ジョンソン・エンド・ジョンソンが-1.45%と、大型株の下げは限定的でした。一方、ゾエティスが-7.95%、イルミナが-8.18%と中型株が大きく下げています。民主党の経済政策がヘルスケアを重点に据えるとの報道が、警戒売りにつながった可能性があります。
  • 通信サービス(Communication Services) -1.92%
    アルファベットが-2.20%、メタが-3.86%と、AI投資を続ける大手が下げました。アップラビンは+31.04%と決算で急騰しましたが、セクター全体を押し上げるには至っていません。AT&Tは-0.05%、ベライゾンは-0.11%とほぼ横ばいで、通信と広告・AIで反応が分かれました。
  • 不動産(Real Estate) -1.80%
    アイアン・マウンテンが-11.09%、デジタル・リアルティが-5.52%、エクイニクスが-5.38%と、データセンターを持つREITが大きく下げました。ホテルREITのホスト・ホテルズも-5.67%です。一方で、セクター全体は-1.80%にとどまっており、データセンター以外のREITは下げが小さめでした。

主要3指数とドル円の動き

3指数は寄り付き後に下げ幅を広げ、終値は安値圏でした。S&P500とダウは、前日に上昇した分を帳消しにしています。為替は、リスク回避から円がわずかに買われました。

  • S&P500(7,353.73、前日比-4.36%)
    始値7,678.72に対し、安値は7,350.35で、終値は安値からわずか3ポイント高い水準でした。ほぼ一日中、売りが続いた形です。AP通信によると、2025年4月の関税ショック以来の下げ幅で、前日の3か月ぶりの大幅高を完全に打ち消しました。時価総額100億ドル以上の107銘柄が5%以上下げ、全11セクターが下落しました。
  • Dow30(51,523.06、前日比-3.44%)
    始値53,679.01から安値51,486.82まで約2,200ドル下げ、終値は安値圏でした。寄り付き直後は300ポイント超上げていましたが、午前中に急速に崩れました。NVIDIA(-9.27%)、シスコ(-7.57%)、キャタピラー(-6.37%)、ゴールドマン・サックス(-6.36%)など、AIインフラと景気敏感株が重なって下げ、ダウ平均でも1,800ドルを超える下げになりました。
  • NASDAQ(24,315.00、前日比-5.52%)
    始値25,558.11から安値24,262.14まで下げ、終値は安値から53ポイント高い水準です。AI、半導体、グロース株が集中するため、下げ幅は3指数で最大でした。CNBCによると、直近の高値から10%下げて調整局面に入り、200日移動平均線も割り込んでいます。
  • ドル円(157.75円、前日比-0.36%)
    日中は158.50円から157.53円の範囲で推移し、円が小幅に買われました。米10年国債利回りが低下し、株安でリスクを避ける動きが出たためです。158円台は為替介入への警戒が語られやすい水準ですが、当日に介入に関する報道は確認できていません。日本から米国株に投資する場合、円高は円建ての評価額を目減りさせます。今回の円高は小幅で、影響は限定的でした。

原油先物・米10年国債利回り・VIX・金先物の動き

株式が急落するなか、債券は買われ、VIXは急上昇しました。原油は4日続いた下落の後で反発しています。

  • WTI原油先物(90.55ドル、前日比+2.76%)
    Yahoo Financeによると、原油は11/4まで4日続けて下落し、水曜日は約8%下げていました。米国とイスラエルによるイラン攻撃を巡り、共和党が選挙で負けたことで、戦争の拡大リスクが下がるとの観測が広がっていたためです。11/5は、トランプ大統領が実際にイランとの合意を目指すか不透明だとして反発しました。株式市場の混乱が深まる中でも、原油は逆の動きになりました。
  • 米10年国債利回り(4.84%、前日比-1.16%)
    前日比-1.16%は利回りの変化率で、1.16ポイント低下の意味ではありません(実際は0.06ポイントの低下です)。株式からの資金が国債に向かい、利回りが下がりました。Yahoo Financeによると、前日の水曜日も、原油安と利回り低下が株高を後押ししていました。利回りが下がっても株が上がらなかった点に、この日の売りの強さが表れています。
  • VIX指数(27.76、前日比+66.69%)
    前日比+66.69%は変化率で、ポイントでは11.15ポイントの上昇です(16.61から27.76へ)。CNBCは、3月以来の高水準と伝えています。VIXは20を超えると警戒感が高まった状態、30を超えると強い不安の状態とされ、27台はその中間にあたります。1日の上げ幅としては2024年以来の大きさです(Yahoo Finance)。
  • 金先物(4,096.00ドル、前日比+0.56%)
    株式やビットコインが売られるなか、金は小幅に上昇しました。安全資産としての買いが入った一方、上げ幅は小さく、株安で現金化を急ぐ動きとの綱引きだったようです。米長期金利の低下は、金利を生まない金にとって買いやすい環境でした。

私の米国株ポートフォリオ 前日比+1.33%

日本時間11/5(木)の私のポートフォリオは、前日比+1.33%でした。東京市場の取引には、米国で選挙後に大きく上昇した11/4の相場(S&P500は+1.58%)が反映され、S&P500連動のETFや投信、増配株のETFが上昇しました。一方、半導体に絞ったETFは-6.63%と大きく下げ、アジアで半導体株が急落した影響を受けています。今回の米国市場の急落(11/5)は、日本時間11/6の値動きに現れます。次の損益表は、数字が大きく変わるかもしれません。

経済指標発表結果

  • 新規失業保険申請件数(189K、予想197K、前回195K)
    申請件数は予想より少なく、雇用の底堅さを示しました。企業が人員を減らしていない状況が続いており、景気が急に悪化している様子は見えません。ただ、強い雇用統計は利下げ観測を後退させ、株式にはかえって逆風になることがあります。この日は株安の勢いが強く、指標への反応はほとんど見られませんでした。長期投資では、雇用が安定している点を確認したいところです。
  • 非農業部門生産性(Q3前期比:3.6%、予想2.8%、前回2.1%)
    労働者1人あたりの生産量を示す指標で、予想を大きく上回りました。生産性が高まると、賃金が上がってもインフレに結びつきにくく、企業の利益率の改善にもつながります。AIや自動化の効果が出ているのかを見極める材料にもなります。米企業の利益拡大の背景として、押さえておきたい指標です。
  • 単位労働コスト(Q3前期比:-0.7%、予想0.3%、前回1.9%)
    製品1つを作るための人件費を示し、予想に反してマイナスでした。賃金上昇によるインフレ圧力が弱まっていることを示します。FRBが利下げを検討しやすくなる内容で、本来は株式や債券にとって好ましい結果です。ただ、この日は指標より政治と需給の話題が相場を動かしました。
  • 失業保険継続申請件数(1,718K、予想1,710K、前回1,695K)
    失業手当を受け続けている人の数で、予想をわずかに上回りました。新規の申請は少ないものの、一度職を失うと再就職に時間がかかる状況を示しています。企業が採用を絞る「低採用・低解雇」の状態が続いているとみられます。11/6の雇用統計とあわせて、雇用の方向感を確認したいところです。
  • チャレンジャー人員削減(10月:43,994人、前回43,281人)
    企業の人員削減計画の件数で、前年同月比は-71.3%と大幅に減りました。2023年以来の低い水準で、年末に向けて短期の季節雇用を増やす動きも出ています。解雇が少ない環境は消費を支えます。一方で、企業は長期の採用に慎重な姿勢を崩していません。

5つの指標を総合すると、解雇は少なく、人件費のインフレ圧力も弱い、落ち着いた雇用環境です。11/5の急落は、経済指標ではなく、政治とAI関連の需給が主因でした。

主要銘柄の決算発表結果

  • COP:ConocoPhillips(エネルギー)
    1株利益は3.27ドルで予想2.97ドルを10.10%上回り、売上高は190億ドルで予想184.5億ドルを2.98%上回りました。原油価格が高めに推移したことが業績を押し上げたとみられます。ただ、株価は-1.08%と、市場全体の急落の中で売りに押されました。好決算でも買われない日だったといえます。
  • PH:Parker-Hannifin Corp.(工業・産業)
    1株利益は8.90ドルで予想8.21ドルを8.40%上回り、売上高は59.9億ドルで予想58.1億ドルを3.10%上回りました。産業機械向けの部品が主力で、工業セクター全体(-4.34%)の下げと比べると、株価は-1.97%と持ちこたえました。好決算が買いを呼んだ様子です。
  • SO:Southern Co.(公益事業)
    1株利益は1.77ドルで予想1.68ドルを5.36%上回り、売上高は88.4億ドルで予想83.7億ドルを5.62%上回りました。株価は+0.24%と、全面安の日にプラスで引けています。電力会社の安定した収益性が、リスクを避ける資金を引き寄せました。
  • DUK:Duke Energy Corp.(公益事業)
    1株利益は1.99ドルで予想1.88ドルを5.85%上回り、売上高は91億ドルで予想89.1億ドルを2.13%上回りました。株価は+0.38%でした。公益事業セクター全体の下げ(-0.73%)の中で、決算内容の良さが上昇につながりました。
  • ABNB:Airbnb Inc.(一般消費材)
    1株利益は3.16ドルで予想2.85ドルを10.88%上回り、売上高は48.7億ドルで予想47.5億ドルを2.53%上回りました。通常取引は-3.54%でしたが、引け後の時間外では+10.99%と急伸しています。旅行需要の底堅さが確認できた内容で、旅行関連が売られた日の流れを一変させる可能性があります。
  • SPG:Simon Property Group Inc.(不動産)
    1株利益は1.54ドルで予想1.68ドルを8.33%下回りました。一方、売上高は18.1億ドルで予想16.3億ドルを11.04%上回っています。利益は予想に届かなかったものの、売上は大きく伸びました。株価は-0.85%、時間外は-0.74%と、小幅な動きにとどまっています。
  • CI:The Cigna Group(ヘルスケア)
    1株利益は7.98ドルで予想7.52ドルを6.12%上回り、売上高は737億ドルで予想726.5億ドルを1.45%上回りました。株価は-1.29%でした。ヘルスケア全体が政治の影響を警戒されるなか、決算の良さがあっても買いは限定的でした。
  • ROK:Rockwell Automation Inc.(工業・産業)
    1株利益は3.88ドルで予想3.69ドルを5.15%上回りましたが、売上高は23.3億ドルで予想24.1億ドルを3.32%下回りました。売上の未達が嫌気され、株価は-14.15%と急落しています。時価総額が約423億ドルの工場自動化の大手で、設備投資の先行きに敏感な銘柄です。

主な経済ニュース

  • S&P500が4.4%安、AI関連株の売りが全面に広がる
    AI向けのデータセンター建設に関わる銘柄を中心に売りが膨らみ、S&P500は2025年4月以来の下げ幅になりました。NASDAQは直近の高値から約1割下げています。前日の上昇を完全に打ち消し、午前中の上昇も夕方にかけて消えました。長期投資では、1日の下落率より、何が売られたのかを見ておきたいところです。(AP、CNBC:11/05)
  • 民主党が上下両院を制し、データセンターへの規制に警戒
    中間選挙で民主党が議会を握ったことで、AIデータセンターの建設に歯止めがかかるのではという懸念が出ました。Yahoo Financeによると、ダウは選挙後の第2営業日として1896年以降で最悪の下げになる見通しでした。政策リスクが数字に出るのは、これからです。規制の具体的な内容を確認する必要があります。(Yahoo Finance、CNBC:11/05)
  • ヘッジファンドが年末を前に利益確定、個人投資家も売り越し
    野村證券のマッケルゴット氏は「将軍たちを撃っている」と述べ、2026年に上昇したテーマ株から資金を引き上げる動きが1か月以上続いていると指摘しました。急落の主因は業績悪化ではなく、需給の巻き戻しだとしています。個人投資家も2020年3月以来の規模で売り越しました。(Yahoo Finance:11/05)
  • アジアでも半導体株が急落、韓国は5%超の下げ
    米国の選挙結果を受けて、アジアの半導体株も売られました。韓国総合株価指数は-5.28%、日経平均は-1.79%でした。米国で11/5に起きた下げは、時差の関係で日本市場には11/6に波及します。円建てで米国株を持つ投資家は、為替と株価の両方の動きを確認しておきたいところです。(AP、Investing.com:11/05)
  • アップラビンは決算で急伸、クアルコムは見通しが弱く下落
    アップラビンの7〜9月期は売上高21.8億ドル、1株利益4.30ドルといずれも予想を上回り、株価は+31.04%でした。クアルコムは決算が予想を上回りながら、先行きの見通しが弱く-9.49%です。全面安でも、業績の裏付けがある銘柄と、期待先行の銘柄で明暗が分かれました。(Yahoo Finance、CNBC:11/05)
  • 原油は4日続落の後で反発、イラン情勢の不透明感が残る
    米国とイスラエルによるイラン攻撃を巡り、選挙での共和党の敗北が戦争拡大の抑止につながるとの観測から、原油は約8%下げていました。バンス副大統領は「選挙に負けた理由は戦争だ」と投稿しています。ブレント原油は約97〜98ドルまで戻しました。中東情勢は、物価と金利の見通しに直結します。(Yahoo Finance、AP:11/05)
  • 英中銀が約3年ぶりに利上げ、政策金利は4%に
    イングランド銀行は8対1の賛成多数で0.25ポイント引き上げ、4%としました。2023年以来の利上げです。物価上昇率は2027年半ばに5%まで高まるとの見通しを示し、ベイリー総裁は「中東の紛争が解決しなければ、これが最後の利上げとは限らない」と語りました。世界的に、インフレの再燃が警戒されています。(Yahoo Finance:11/05)
  • 米企業の利益は前年比で約4割増、利下げ観測の後退要因に
    アポロのエコノミストによると、S&P500企業の利益は前年から約4割増えています。7〜9月期の実質GDPは年率3.4%の成長でした。企業の稼ぐ力が強いことは株式の支えですが、景気が強ければ金利は下がりにくくなります。強い業績と金利のバランスを見ておきたいところです。(Yahoo Finance:11/05)
  • 上院を民主党が握り、トランプ政権のFRBへの圧力に壁
    民主党が上院の主導権を取ったことで、FRB理事の人事を通した政権の影響力拡大は難しくなったと指摘されています。UBSのエコノミストは、FRB理事の新たな就任には民主党の承認が必要になると指摘しました。中央銀行の独立性が保たれやすくなる点は、債券市場にとって安心材料です。(Yahoo Finance:11/05)
  • ビットコインが一時7.6万ドルを割る、暗号資産法案の成立は遠のく
    ビットコインは5%超下げ、前日に超えた8万ドルを割り込みました。先週の約63億ドル規模のバイナンスのハッキング被害も尾を引いています。Stifelの分析では、暗号資産の市場構造法案(Clarity Act)は年内に進まない見通しで、ウォーレン議員による調査も予想されています。(Yahoo Finance:11/05)

経済指標発表予定

以下の経済指標が発表される予定です。

主要銘柄の決算発表予定

以下の主要銘柄の決算発表がなされる予定です。

おわりに

朝から大きな数字が並ぶ日になりました。AI関連への期待が膨らんだ分だけ、調整が急に来ると心が揺れるものです。私は米国市場のニュースを毎朝確認していますが、日々の値動きで売買を決めることはありません。分散されたS&P500を、淡々と積み立てていく方針は変わりません。
11/6は米国の雇用統計の発表日です。結果を見たうえで、また落ち着いて整理します。いつも読んでくださり、ありがとうございます。こちらから応援いただけると嬉しいです。それでは、今日も落ち着いて、笑顔で過ごしましょう。

おことわり

投資は自己責任にてお願いします。
このブログには広告が挿入されています。この広告はGoogle社が読者の好みに応じて選んで提供しているものです。興味がございましたらご覧いただければ幸いです。投資に関する広告が表示されても、私の推奨ではないことをご理解ください。

図表のレファレンス

  • S&P500ヒートマップ: finviz
  • 主要3指数とドル円:  Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
  • セクター別騰落率: finviz
  • 経済指標結果/予定: investing.com日本語版
  • 決算発表結果/予定: investing.com日本語版
  • 主要指数の動き : Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
  • 自分の米ドル建ポートフォリオ:  Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ

著者プロフィール

室井一夫(Kazuo Muroi)
Muroi Universal Research on Investment LLC 代表社員
一級建築士・建築1級施工管理技士・工学修士
Facebookグループ「米国株_投資の部屋」管理人(約4.7万人)

米国株式市場と経済動向に関する情報を毎日発信しています。

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