20260910_U.S. Stock Market Report

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室井のマーケット視点

9月10日の米国市場は、原油高を発端とするインフレ不安によって、株式・債券・金・ビットコインから一時的に資金が引き揚げられた一日でした。S&P500は-0.58%、Dow30は-0.60%、NASDAQは-0.65%と4営業日続落しましたが、いずれも下落率は1%未満です。VIX指数も18.02にとどまっており、恐怖に駆られた投げ売りではありません。

最大の原因は原油です。中東でタンカーへの攻撃が相次ぎ、WTI原油先物は+6.90%の102.68ドルまで急騰しました。原油が100ドルを超えると、ガソリン代や輸送費、製造コストを通じて幅広い物価を押し上げます。そこへ8月の生産者物価指数が前年比+5.4%と前月の+4.8%から加速したため、FRBが利上げに動くとの予想が強まりました。米10年国債利回りは4.944%まで上昇し、高PER(株価収益率が高い状態)のAI・半導体株を中心に売りが増えました。

興味深いのは、安全資産とされる金まで-2.15%下落し、ビットコインも売られたことです。通常なら地政学リスクの高まりで金が買われても不思議ではありません。しかし、この日は株式だけでなく金や暗号資産も下落しました。投機筋が損失拡大を避けるため、複数の市場で一時的にポジション(保有している取引)を減らし、現金化して様子を見ている可能性があります。米金利とドルの上昇によって、利息を生まない金やビットコインの魅力が相対的に低下した面もあるでしょう。

一方、全面的に悲観された相場ではありません。Appleは初の折りたたみ式端末「iPhone Duo」が注目され、株価は+3.56%上昇しました。1,999ドルという高価格でも、久しぶりの大きな形状変更が買い替え需要を生むとの期待が高まっています。スマートフォン市場が成熟していても、新しい製品に対して投資家がお金を出す姿勢は残っています。

引け後にはOracleが市場予想を上回る決算を発表し、時間外取引で+5.95%上昇しました。AI向けクラウド事業には、データセンターへの巨額投資や借入増加に対する不安がありましたが、売上高と利益がそろって予想を上回ったことで、その不安はいくらか和らぎました。Oracleの決算は、AIインフラ需要が数字を伴って続いていることを示しています。

今回の下落は、企業業績の崩壊ではなく、原油高によるインフレと金利上昇を織り直す動きだと見ています。ただし、原油高が長引けば企業利益と個人消費の両方を圧迫しますので、軽視はできません。長期投資家としては、指数が1%も下落していない段階で慌てて売る必要はなく、原油、金利、企業利益の変化を順番に確認していく局面です。短期的な値動きに振り回されず、市場に居続ける姿勢を守りたいと思います。

投資は自己責任にてお願いします。

S&P500ヒートマップ

5%以上上昇したS&P500構成銘柄

  • SWKS:Skyworks Solutions +9.79%
    Apple向け無線通信半導体を手掛けるSkyworks Solutionsは、Appleが発表したiPhone 18シリーズへの期待から大幅に上昇しました。Qorvoとの経営統合に向けた手続きが進んでいることも買いを誘いました。半導体株全体が軟調な中でも、スマートフォン需要の回復と統合後の収益改善を期待する資金が集まりました。
  • RDDT:Reddit +6.09%
    Redditは、S&P500への新規採用を受けて上昇しました。指数連動型ファンドによる組み入れ需要が見込まれるほか、8月の利用者数が2026年で最も強い伸びを示し、広告事業の拡大期待も高まりました。EPS成長率は前年同期比+263.04%と高く、AI検索の普及による利用者流出への懸念がやや和らいでいます。

5%以上下落したS&P500構成銘柄

  • COO:Cooper Companies -14.67%
    コンタクトレンズや女性医療機器を手掛けるCooper Companiesは、売上高が市場予想を下回り、通期の利益見通しも引き下げたため急落しました。米国内の流通在庫削減が続くことに加え、投資家が期待していたCooperSurgical事業の売却を見送ったことも失望売りにつながりました。
  • BKR:Baker Hughes -6.66%
    Baker Hughesは、買収したChart Industriesを反映した業績見通しを公表しましたが、EBITDA(利払い・税引き・減価償却前利益)が市場予想を下回り、大幅安となりました。LNG設備の採算性や水素関連需要の弱さも警戒され、原油高の恩恵より統合後の利益率への不安が勝りました。
  • FCX:Freeport-McMoRan -6.56%
    銅価格が約5%急落し、銅生産大手のFreeport-McMoRanも売られました。米政権が精製銅への関税導入を先送りする可能性が報じられ、関税を見込んで積み上がっていた買いが巻き戻されました。AIデータセンターや送電網による長期需要は残るものの、政策期待で上昇していた反動が表れています。
  • HPE:Hewlett Packard Enterprise -6.23%
    Hewlett Packard Enterpriseは、AIサーバー関連株への利益確定売りに押されました。同社は前週に業績見通しを引き上げましたが、メモリーやCPUなどの供給不足が需要への対応を難しくし、採算改善の速度には不透明感が残っています。米長期金利の上昇も高成長銘柄の評価を圧迫しました。
  • LRCX:Lam Research -5.65%
    半導体製造装置大手のLam Researchは、AI・半導体関連株全体への売りに巻き込まれました。原油高によるインフレ再加速への警戒から米10年国債利回りが4.9%台へ上昇し、高PER(株価収益率が高い状態)の銘柄が売られやすくなりました。TSMCの好調な月次売上でも買い戻しは広がりませんでした。
  • VRT:Vertiv Holdings -5.61%
    データセンター向け電源・冷却設備を手掛けるVertivは、AIインフラ関連株の調整を受けて下落しました。事業の成長期待は強い一方、PERは56倍台まで上昇しており、債券利回りが急上昇する局面では割高感が表れやすくなります。AI投資の先行き悪化というより、上昇後の持ち高調整とみられます。
  • INTC:Intel -5.57%
    Intelは、半導体株への幅広い売りの中で大きく下落しました。原油価格と米国債利回りの上昇により、FRBの利上げ観測が強まったためです。同社はAI半導体や受託製造への期待から買われていましたが、赤字が続く中で株価が上昇していたため、投資家がいったん利益を確定する動きが強まりました。
  • LITE:Lumentum Holdings -5.39%
    光通信部品大手のLumentumは、AIデータセンター関連株の利益確定売りを受けました。高速光通信への需要拡大は続いていますが、株価は将来の成長をかなり先まで織り込んでいます。米長期金利が急上昇したことで、高い成長率を前提に評価されてきた銘柄から資金を減らす動きが目立ちました。
  • DELL:Dell Technologies -5.38%
    Dell Technologiesは、AIサーバー関連株への売りが広がる中で下落しました。AIサーバーの受注は高水準ですが、部品価格の上昇や大型案件の低い利益率が収益面の課題です。株価が大きく上昇した後でもあり、原油高と金利上昇によって投資家が高PER銘柄への警戒を強めた影響が表れました。
  • ORCL:Oracle -5.23%
    Oracleは決算発表を控え、AI向けデータセンターへの巨額投資と資金調達に対する警戒から売られました。クラウド契約残高の拡大期待は強いものの、設備投資による現金流出と一部の大型顧客への依存が懸念されています。オプション市場が決算後の大幅な株価変動を見込む中、発表前に保有を減らす投資家が増えました。

セクター別騰落率

市場全体では11セクター中9セクターが下落し、通信サービス(Communication Services)と生活必需品(Consumer Defensive)だけが小幅に上昇した。原油価格の急騰と生産者物価の高止まりを受けて米10年国債利回りが4.9%台へ上昇し、株式全体の評価を圧迫した。特に銅価格が急落した素材と、高PER銘柄を多く含む先端技術の弱さが目立った。

  • 素材(Basic Materials) -2.88%
    素材セクターは全11セクターで最大の下落となった。米政権が精製銅への関税導入を先送りする可能性が報じられ、銅先物が約5%急落したためである。Freeport-McMoRanをはじめとする鉱山株へ売りが広がった。AIデータセンターや送電網による銅需要は長期的に増える可能性が高いが、この日は政策期待で上昇していた反動が大きく表れた。
  • 先端技術(Technology) -1.26%
    先端技術セクターは、半導体やAIインフラ関連を中心に下落した。原油高と生産者物価の上昇によってFRBの利上げ観測が強まり、米長期金利が急上昇したことが背景にある。NVIDIA、Micron、Intel、Lam Research、Dellなどが売られた一方、新型iPhoneを発表したAppleは上昇した。AI関連でも企業ごとの選別が進む相場であった。
  • 公益事業(Utilities) -1.07%
    公益事業セクターは、米国債利回りの急上昇を受けて下落した。電力会社は安定配当が魅力だが、安全性の高い国債利回りが上がると、配当目的の資金が債券へ移りやすくなる。また、原油や天然ガスの上昇は発電コストを押し上げる可能性もある。AIデータセンターによる電力需要の増加期待は続いているものの、この日は金利と燃料費への警戒が上回った。

主要3指数とドル円の動き

  • S&P500(7,591.70、前日比-0.58%)
    S&P500は4営業日続落しました。原油価格が急騰し、8月の生産者物価指数もインフレ圧力の根強さを示したため、FRBの利上げ観測が強まりました。米10年国債利回りが4.9%台へ上昇したことも株価の割高感につながり、素材や先端技術を中心に売りが広がりました。ただし、指数の下落率は1%未満で、投げ売りというほどの混乱は見られませんでした。
  • Dow30(52,064.10、前日比-0.60%)
    Dow30は316.56ドル下落しました。原油高による企業コストの増加と、国債利回り上昇による借入負担への警戒が、工業・産業や景気敏感株を圧迫しました。Appleは新型iPhone発表後の買いで上昇しましたが、指数全体を押し上げるには至りませんでした。高金利に比較的強い大型株で構成されるDow30まで下落した点に、この日の慎重な投資家心理が表れています。
  • NASDAQ(26,081.72、前日比-0.65%)
    NASDAQは主要3指数で最も大きく下落しました。米長期金利の上昇を受け、将来の利益成長を高く評価されてきたAI・半導体株が売られました。Intel、Lam Research、Dell、Vertivなどは5%を超えて下落しています。AI投資の長期的な成長期待が崩れたというより、原油高と利上げ観測を受けて、高PER(株価収益率が高い状態)の銘柄から資金を減らす動きが強まった一日でした。
  • ドル円(154.3500円、前日比+0.55%)
    ドル円は153.51円で始まり、一時154.67円まで上昇しました。米国の生産者物価が高い伸びを示し、原油高もインフレ再加速への不安を強めたため、米国債利回りとともにドルが買われました。日銀の高田委員が追加利上げに前向きな姿勢を示したものの、この日は米金利上昇の影響が上回りました。円建ての米国株資産には円安による押し上げ効果がある一方、為替の急変には注意が必要です。

原油先物・米10年国債利回り・VIX・金先物の動き

  • WTI原油先物(102.68ドル、前日比+6.90%)
    WTI原油先物は6.63ドル急騰し、100ドル台へ乗せました。米国とイスラエルによるイランとの戦闘が続き、ホルムズ海峡や紅海を通る原油輸送への不安が強まったためです。原油高はエネルギー企業には収益拡大要因となる一方、輸送費や製造コストを押し上げます。株式市場ではインフレ再加速とFRBの利上げを警戒する売りが広がりました。
  • 米10年国債利回り(4.9440%、前日比+2.21%)
    米10年国債利回りは一時4.9520%まで上昇し、約3年ぶりの高水準となりました。原油急騰に加え、8月の生産者物価指数が前年比+5.4%となり、インフレが長引くとの不安が強まりました。金利が上がると将来利益の現在価値が低下するため、高PER(株価収益率が高い状態)のAI・半導体株を中心に売りが増えました。
  • VIX指数(18.02、前日比+9.50%)
    VIX指数は18.02へ上昇し、投資家の警戒感が強まりました。原油価格の急騰、米長期金利の上昇、FRBによる追加利上げの可能性が重なり、株価変動への備えが増えています。ただし、一般に強い不安の目安とされる20は下回っており、市場が混乱状態に入ったとは言えません。長期投資家としては、短期の不安に反応しすぎない水準だと見ています。
  • 金先物(4,364.70ドル、前日比-2.15%)
    金先物は96.00ドル下落しました。中東情勢の緊迫化は通常、安全資産である金の買いにつながりますが、この日は米国債利回りとドルの上昇がそれを上回りました。金は利息を生まないため、債券利回りが上がると相対的な魅力が低下します。地政学リスクが高い中での金下落には違和感もありますが、資産の一部を守る長期的な役割まで失われたわけではありません。

私の米国株ポートフォリオ -0.08%(前日比)

私のポートフォリオは小幅な下落となりました。eMAXIS Slim米国株式(S&P500)が-0.49%となり、S&P500連動ETFやNASDAQ100もわずかに下落しています。一方、iFreeETF FANG+は+0.11%、米国連続増配株ETFは+0.33%となり、全体の下落をかなり吸収しました。米国市場が原油高と金利上昇に揺れる中でも、値動きの異なるETFを組み合わせている効果が表れた一日です。-0.08%なら日常的な変動の範囲ですので、長期投資家としては慌てず、積立と保有を続けます。

経済指標発表結果

  • 生産者物価指数(8月、前月比+0.4%、前年比+5.4%)
    生産者物価指数は前月比で市場予想と一致しましたが、前年比では予想の+5.3%を上回り、前月の+4.8%から伸びが加速しました。原油高に伴うエネルギー価格の上昇が企業の仕入れコストを押し上げています。インフレ再加速への不安からFRBの利上げ観測が強まり、米国債利回りの上昇と株安、ドル高につながりました。
  • コア生産者物価指数(8月、前月比+0.2%、前年比+4.6%)
    食品・エネルギーなどを除くコア生産者物価指数は前月比+0.2%となり、市場予想の+0.3%を下回りました。一方、前年比は+4.6%で前月の+4.3%から上昇しています。月単位では落ち着きも見えますが、基調的な物価上昇率は依然として高く、FRBが早期に金融引き締めを終えられる状況ではないと市場は受け止めました。
  • 新規失業保険申請件数(20.6万件)
    新規失業保険申請件数は20.6万件となり、市場予想の20.5万件をわずかに上回りましたが、前週の20.7万件から減少しました。低水準の申請件数は、米国の雇用市場がまだ底堅いことを示しています。景気後退への不安を和らげる内容である一方、賃金と物価の上昇が続きやすくなるため、FRBの利上げを後押しする要素にもなりました。
  • 米原油在庫(前週比-39.1万バレル)
    米原油在庫は39.1万バレル減少しましたが、市場予想の140万バレル減少ほどには減りませんでした。一方、ガソリン在庫は126.9万バレル増加し、予想の140万バレル減少に反する結果となっています。在庫統計だけなら原油価格を押し上げる内容ではありませんが、中東の輸送障害への不安が強く、WTI原油先物は6.90%上昇しました。
  • 30年物米国債入札(最高落札利回り5.308%)
    30年物米国債入札の最高落札利回りは5.308%となり、前回の5.216%を上回りました。長期間資金を貸す投資家が、インフレや財政赤字に対してより高い利回りを求めていることが分かります。超長期金利の上昇は住宅ローンや企業の資金調達コストへ波及しやすく、株式市場では高PER(株価収益率が高い状態)の成長株を中心に慎重な姿勢が強まりました。
  • アトランタ連銀GDPNow(第3四半期、年率+4.4%)
    アトランタ連銀のGDPNowは+4.4%となり、市場予想と前回の+4.7%を下回りました。それでも4%台の成長予測は、米国経済が高金利下でも強さを保っていることを示します。企業業績には前向きな内容ですが、景気が強すぎればFRBが利上げを続けやすくなります。この日は景気の底堅さより、金利上昇への警戒が株価へ強く表れました。
  • 中古住宅販売件数(8月、398万戸)
    中古住宅販売件数は年率398万戸となり、市場予想と一致しましたが、前月の406万戸から減少しました。前月比では-2.0%と、前月の-1.7%から減少幅が広がっています。住宅ローン金利の上昇が購入負担を重くしており、住宅市場の弱さが続いています。米長期金利がさらに上昇したため、住宅関連株や個人消費への影響にも注意が必要です。

 

主要銘柄の決算発表結果

  • ORCL:Oracle Corporation(先端技術(Technology))
    Oracleの調整後EPSは1.92ドルとなり、市場予想の1.73ドルを上回りました。売上高も193億ドルと予想の191.3億ドルを超えています。AI向けクラウドインフラの拡大が成長を押し上げ、通常取引で5.23%下落した株価は、決算発表後に5.95%上昇しました。巨額のデータセンター投資や借入負担への不安は残りますが、今回は利益成長が投資家に安心感を与えました。
  • ADBE:Adobe Inc.(先端技術(Technology))
    Adobeの調整後EPSは6.13ドルとなり、市場予想の6.07ドルを上回りました。売上高も67.6億ドルと予想の66.9億ドルを超え、通常取引で2.32%下落した株価は時間外取引で1.67%上昇しました。ただし、決算の上振れ幅は小さく、生成AIが既存の画像・動画制作ソフトに与える影響や経営トップ交代への不安も残っています。今後はAI利用者の増加を継続収益へ結び付けられるかが焦点です。
  • CPRT:Copart Inc.(工業・産業(Industrials))
    事故車や中古車のオンライン競売を運営するCopartは、第4四半期決算を発表しました。速報段階では添付表にEPSと売上高の実績値が反映されていませんが、通常取引で4.00%下落した株価は、決算発表後に2.93%上昇しました。保険会社から安定的に事故車が供給される独自の事業基盤が評価されたとみられます。中古車価格や保管・輸送費の動向が、今後の利益率を左右します。

主な経済ニュース

  • 原油が6%超急騰し100ドル台へ
    中東でタンカーへの攻撃が相次ぎ、WTI原油先物は102.68ドル、Brent原油先物は107.63ドルまで上昇しました。ホルムズ海峡と紅海という2つの重要航路で供給不安が強まり、原油高が一時的ではなく長期化する可能性も出ています。エネルギー企業には収益拡大要因ですが、米国経済全体には物価と企業コストを押し上げる厳しい変化です。(Reuters:09/10)
  • 生産者物価は前年比+5.4%へ加速
    8月の生産者物価指数は前月比+0.4%と市場予想に一致しましたが、前年比では+5.4%となり、7月の+4.8%から伸びが加速しました。エネルギー価格は前月比+4.2%、航空運賃も+4.2%上昇しています。企業の仕入れ価格上昇が消費者物価へ波及する可能性があり、FRBによる利上げ確率は約70%へ高まりました。(Reuters:09/10)
  • 米10年国債利回りが4.9%台へ上昇
    原油高と生産者物価の上昇を受け、米10年国債利回りは一時4.952%まで上昇し、約3年ぶりの高水準となりました。金利上昇によって債券の魅力が増す一方、株式の相対的な割高感が強まりました。特に将来の利益を先取りして評価されるAI・半導体株への売りが増え、S&P500、Dow30、NASDAQはそろって4営業日続落しました。(Reuters:09/10)
  • フーシ派が紅海沿岸で勢力を拡大
    イランと連携するフーシ派がイエメンの港湾都市モカを制圧し、紅海沿岸の戦略拠点へ進出しました。ホルムズ海峡に加えて紅海航路の安全性まで低下すれば、原油やLNGだけでなく、アジアと欧州を結ぶ幅広い物流へ影響します。輸送距離の長期化と保険料の上昇は、米国企業の原材料費や製品価格を押し上げる可能性があります。(Reuters:09/10)
  • ECBが政策金利を2.5%へ引き上げ
    ECBは政策金利を0.25%引き上げ、預金金利を2.5%としました。イラン戦争に伴うエネルギー高でユーロ圏のインフレ率が3%を超えたため、2026年で2回目の利上げに踏み切りました。欧州の金利上昇は世界的な債券売りを招き、米国債利回りにも上昇圧力を加えます。米国株にとっても、世界の金融引き締め再開を示す重要な動きです。(Reuters:09/10)
  • 米政権の銅関税計画が停滞
    米政権が検討していた精製銅への関税について、製造業のコストと物価を押し上げる懸念から決定が遅れていると報じられました。関税を見込んで上昇していた銅先物は約5%急落し、Freeport-McMoRanも6.56%下落しました。AIデータセンターや送電網による銅需要は続きますが、政策期待に依存した価格上昇の不安定さが表れました。(Reuters:09/10)
  • Appleが折りたたみ式iPhoneで新市場へ
    Appleは初の折りたたみ式端末「iPhone Duo」を1,999ドルで発表し、iPhone 18 Proシリーズも刷新しました。新CEOのジョン・ターナス氏にとって最初の大型製品発表であり、Apple株は3.56%上昇しました。高価格による需要への不安はありますが、成熟したスマートフォン市場に新たな買い替え需要を生み出せるかが、部品メーカーを含む業績を左右します。(Reuters:09/10)
  • Oracle決算がAIクラウドへの不安を和らげる
    Oracleは調整後EPS1.92ドル、売上高193億ドルとなり、ともに市場予想を上回りました。AI向けクラウドインフラの成長が確認され、通常取引で5.23%下落した株価は時間外取引で5.95%上昇しました。一方、データセンター建設に伴う巨額の設備投資と借入増加は続いており、受注拡大を利益と現金収入へ結び付けられるかが次の焦点です。(Investing.com:09/10)
  • OpenAIが金融業界向けChatGPTを発表
    OpenAIは投資銀行や株式調査部門向けの「ChatGPT for Financial Services」を発表しました。LSEG、PitchBookなどの金融データとGPT-6 Astraを組み合わせ、企業分析、財務モデル、顧客資料の作成を支援します。Morgan StanleyやEvercoreも開発に協力しており、生成AIが一般的な文章作成から、専門性と安全管理を求められる金融実務へ進む段階に入りました。(Reuters:09/10)
  • 米議会でAI規制を求める動きが強まる
    Anthropicの研究者がAIを人間の管理下に置き続ける難しさを警告したことを受け、米議会では新たな安全規制を求める声が強まりました。AI企業には開発費に加えて監査や安全対策の負担が増える可能性があります。しかしながら、明確な規則は企業利用を促す面もあります。AI市場では性能競争だけでなく、安全性と説明責任が企業価値を左右する段階に入りつつあります。(Reuters:09/10)

経済指標発表予定

以下の経済指標が発表される予定です。

主要銘柄の決算発表予定

以下の主要銘柄の決算発表がなされる予定です。

おわりに

原油が100ドルを超え、米長期金利も4.9%台まで上昇しました。株価は4営業日続落していますが、VIX指数は18台にとどまり、市場が混乱しているわけではありません。私自身、こうした局面では毎日の値動きよりも、企業利益と景気の方向を落ち着いて見るようにしています。

短期的には原油価格とFRBの判断に振り回されそうですが、長期投資では相場から離れず、無理のない範囲で保有を続けることが大切です。今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

それでは、今日も一日、明るく元気に笑顔で過ごしましょう。

毎朝続けている個人運営ブログです。ご参考になりましたらこちらから応援いただけると嬉しいです。

おことわり

投資は自己責任にてお願いします。
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図表のレファレンス

  • S&P500ヒートマップ: finviz
  • 主要3指数とドル円:  Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
  • セクター別騰落率: finviz
  • 経済指標結果/予定: investing.com日本語版
  • 決算発表結果/予定: investing.com日本語版
  • 主要指数の動き : Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
  • 自分の米ドル建ポートフォリオ:  Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ

著者プロフィール

室井一夫(Kazuo Muroi)
Muroi Universal Research on Investment LLC 代表社員
一級建築士・建築1級施工管理技士・工学修士
Facebookグループ「米国株_投資の部屋」管理人(約4.7万人)

米国株式市場と経済動向に関する情報を毎日発信しています。


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