【20260625】米国株式市場 投資研究レポート

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室井のマーケット視点

6月25日の米国市場は、S&P500が-0.01%とほぼ横ばい、Dow30が+0.14%、NASDAQが-0.46%となりました。指数だけを見ると方向感の乏しい一日ですが、その内側では、AI投資を巡る資金の移動が激しく起きています。

この日の主役は、Micronでした。好決算と強い需要見通しを受けて株価は+15.74%となり、SanDiskは+21.97%、Applied Materialsは+13.42%、Teradyneは+10.48%まで上昇しました。KLA、Lam Researchなども買われており、AI相場の中心がGPUだけでなく、HBM(高速・大容量メモリー)、製造装置、検査装置へ広がっていることが分かります。

一方、Appleは-6.12%となり、NASDAQを押し下げました。AIデータセンター向けの需要増加によってメモリー価格が上昇し、MacBookやiPadなど一般消費者向け製品にもコスト上昇が波及しています。AI需要は半導体企業の利益を増やす半面、部品を購入する企業や消費者には負担となります。同じAIというテーマでも、恩恵を受ける側とコストを負担する側が明確に分かれ始めました。

何度も繰り返しますが、AIはGPUやメモリーだけでは動きません。大量の電力、高速通信網、空調や水冷設備、非常用発電機、無停電電源、建物そのものが必要です。この日はCaterpillarやUnited Rentalsが上昇し、工業・産業(Industrials)が+1.63%で全セクターの首位となりました。AI投資が工場内の半導体製造から、実際の建設現場や電力インフラへ広がっていることを示す動きです。

ヘルスケア(Healthcare)も+1.39%となりました。Bio-Techneの買収をきっかけに、RevvityやCharles River Laboratoriesなどライフサイエンス関連にも資金が向かっています。半導体株だけが上昇したのではなく、M&Aを通じて別の成長分野へも資金が循環しました。反対に、一般消費材(Consumer Cyclical)は-1.56%、通信サービス(Communication Services)は-1.04%となり、全面高とは程遠い相場でした。

経済指標を見ると、第1四半期GDPは+2.1%と予想を上回り、新規失業保険申請件数も21.5万件と雇用の底堅さを示しました。一方、PCE物価指数は前年比+4.1%、コアPCEは+3.4%となり、インフレはFRBの目標である2%を大きく上回っています。景気が強いことは企業業績にはプラスですが、利下げを遠ざける要因にもなります。現在の米国市場は、「強い経済」と「高い物価」が同時に存在する難しい局面です。

WTI原油先物は+1.78%、金先物は+0.80%、VIX指数も+1.40%となりました。ホルムズ海峡周辺の緊張が続くなか、株式市場が大きく崩れていないにもかかわらず、原油、金、VIXがそろって上昇しています。投資家はAI関連の成長を期待しながらも、中東情勢やインフレ再燃への備えを完全には解いていません。

ドル円は161.798円まで上昇しました。円安は日本から米国株へ投資する人の円建て評価額を押し上げますが、永久に続くとは限りません。私のポートフォリオが+0.41%となったのも、NASDAQ系ETFの上昇に加え、為替の影響が含まれています。株価上昇と円安による上昇を区別して見ることが大切です。

私は個別株の急騰を当てるよりも、ETFを通じて成長企業を幅広く保有する方が、自分には合っていると考えています。Micronのような企業が成長すれば、いずれS&P500やNASDAQ連動ETFの中で存在感が高まります。反対に、Appleのような大型株が急落しても、分散されたポートフォリオなら影響を抑えられます。

この日の市場から私が感じたのは、AI相場が終わったのではなく、恩恵を受ける企業の範囲が広がり、同時に企業間の選別も厳しくなっているということです。指数のわずかな上下よりも、市場のお金がメモリー、製造装置、建設、電力、素材へどう流れているのか。そこを見ることで、今後の米国市場の姿が少しずつ見えてくるのではないでしょうか。

投資は自己責任にてお願いします。

S&P500ヒートマップ

5%以上上昇したS&P500構成銘柄

  • SNDK:Sandisk Corporation +21.97%
    Micronの好決算を受け、メモリー・データストレージ関連株へ買いが集中しました。AIデータセンターでは計算用半導体だけでなく、大量のデータを保存するNAND型フラッシュメモリーも不可欠です。需給逼迫と価格上昇が長期化するとの期待から、この日のS&P500構成銘柄で最大の上昇となりました。
  • TECH:Bio-Techne Corporation +20.08%
    ドイツのMerck KGaAがBio-Techneを約113億ドルで買収すると発表し、株価は買収提示価格に近づく形で急騰しました。1株73ドルの現金買収は前日終値を約24%上回ります。研究用試薬、抗体、細胞・遺伝子治療関連技術の価値が高く評価された大型M&Aです。
  • MU:Micron Technology +15.74%
    決算と次四半期見通しが市場予想を大幅に上回り、過熱感を警戒していた投資家を再びAI関連へ呼び戻しました。AIサーバーで使われるHBM(高速・大容量メモリー)やDRAMの需要が強く、顧客から約220億ドルの供給確保契約を得たことも、業績の先行きに対する信頼を高めました。
  • AMAT:Applied Materials +13.42%
    Micronの好決算から、メモリー各社による製造設備投資が拡大するとの期待が強まりました。同社は半導体の成膜や加工に使う製造装置を供給しており、HBMや先端DRAMの生産能力増強による恩恵が見込まれます。半導体本体から製造装置へ資金が広がったことを示す上昇です。
  • GLW:Corning +10.78%
    AIデータセンター向け光ファイバーと光接続部品の需要拡大を期待する買いが入りました。生成AIではサーバー間を高速で接続する通信網が必要であり、データ量が増えるほど銅線から光通信への移行が進みます。AIインフラ企業としての評価が一段と高まりました。
  • TER:Teradyne +10.48%
    半導体検査装置を手掛けるTeradyneは、Micronの決算を受けた製造装置株高の流れに乗りました。HBMや先端メモリーは構造が複雑で、製造工程が増えるほど性能試験や品質検査の重要性も高まります。半導体の出荷数量だけでなく、1個当たりの検査工程増加も収益機会になると受け止められました。
  • KLAC:KLA Corporation +7.62%
    半導体製造工程の検査・計測装置大手として、メモリー設備投資の拡大期待から上昇しました。回路が微細化し、HBMのような積層構造が普及すると、製造途中の欠陥を早く発見する技術の価値が高まります。Micronの強い需要見通しが、装置メーカーの中長期的な受注増を連想させました。
  • RVTY:Revvity +7.48%
    Bio-Techneの大型買収を受け、研究機器や診断技術を持つライフサイエンス企業全体にM&A期待が広がりました。Revvityも試薬、分析装置、診断システムなどを提供しており、同業企業の買収価格が事業価値を見直す基準になりました。この日は個別材料というより、業界全体の評価修正による上昇と考えられます。
  • LRCX:Lam Research +7.21%
    DRAMやNAND型フラッシュメモリーの製造装置に強みを持つため、Micronの好決算が直接的な業績拡大期待につながりました。AI需要によってメモリー供給が不足すれば、メーカーは新工場や既存工場の能力増強を進めます。装置受注が数年単位で増える可能性を見込み、投資資金が流入しました。
  • FLEX:Flex +7.01%
    サーバー、電源装置、冷却・通信設備などを生産する電子機器受託製造企業として、AIデータセンター投資拡大の恩恵が期待されました。AI設備はGPUだけでは完成せず、ラック、電源、配線、冷却機器を一体で整備する必要があります。Micronの決算が、AIインフラ投資の継続性を再確認させました。
  • CAT:Caterpillar +6.29%
    工業・産業株への資金移動が強まり、Dow30を押し上げました。建設機械に加え、Caterpillarはデータセンター向けの発電機や非常用電源システムも展開しています。AI施設の建設増加と電力インフラ整備という2つの需要を取り込める企業として、成長期待が改めて評価されました。
  • Q:Qnity Electronics +5.52%
    半導体や電子機器向けの高機能材料を供給するため、Micronを起点とする半導体関連株高が波及しました。先端メモリーの生産拡大には、微細加工用材料、絶縁材料、配線材料などが欠かせません。半導体メーカーだけでなく、その製造を支える素材企業まで買われた点が、この日の資金循環の広さを示しています。
  • CRL:Charles River Laboratories International +5.25%
    Bio-Techneの買収発表により、製薬研究支援や実験サービスを手掛ける企業の事業価値が見直されました。Charles River Laboratoriesは新薬候補の試験や研究開発支援を提供しており、製薬会社が研究を外部委託する流れの恩恵を受けます。ライフサイエンス分野での再編期待が株価を押し上げました。
  • VLO:Valero Energy +5.21%
    原油価格の上昇に加え、ガソリンや軽油の堅調な需要と製品在庫の低さから、製油所の採算改善を期待する買いが入りました。Valeroは原油価格そのものより、原油を加工した製品との価格差である精製マージンの影響を強く受けます。夏場の移動需要もあり、エネルギー株の中で上昇が目立ちました。
  • URI:United Rentals +5.15%
    工業・産業セクターが市場を牽引する中、建設機械レンタル最大手にも買いが集まりました。データセンター、発電設備、送電網、製造工場などの大型建設では、多数の重機や高所作業車が必要になります。AI投資が半導体から建設現場へ広がるほど、同社のレンタル需要も増えるとの期待が強まりました。

5%以上下落したS&P500構成銘柄

  • AAPL:Apple Inc. -6.12%
    AppleはMacBookやiPadなどの価格を引き上げ、販売数量の減少を警戒した売りが膨らみました。AIデータセンター需要によるメモリー不足で部品価格が上昇しており、製品価格への転嫁が消費者の買い控えにつながる可能性があります。大型値がさ株だけに、S&P500とNASDAQを押し下げる主因となりました。
  • TJX:TJX Companies -6.04%
    TJ Maxxなどを運営するTJXは、同業のRoss Storesとともに大幅安となりました。業績悪化を示す新たな発表よりも、これまでの上昇でPER(株価収益率)が高まっていた反動とみられます。インフレ率の再上昇が消費者の購買力を圧迫するとの警戒もあり、半導体や工業・産業株へ資金が移る中で利益確定売りが増えました。
  • ROST:Ross Stores -5.89%
    Ross StoresもTJXと歩調を合わせて下落しました。直近の決算は好調で株価も高値圏まで上昇していたため、明確な業績悪化というより、短期的な過熱を解消する売りの側面が強そうです。低価格店への需要は底堅いものの、株価が好材料を先回りして織り込んでいたため、資金循環の影響を受けやすい局面でした。
  • DELL:Dell Technologies -5.67%
    Micronの好決算で半導体株が上昇した一方、Dellは売られました。AIサーバー需要は強いものの、サーバー事業は部品コストが高く、売上拡大がそのまま利益率の上昇につながるとは限りません。メモリー価格の上昇に加え、巨額のAI設備投資を継続できるのかという市場の疑念が、サーバー関連企業にも波及しました。
  • MSCI:MSCI Inc. -5.67%
    株価指数や投資分析データを提供するMSCIは大幅安となりました。目立った新規悪材料よりも、安定成長企業として高い評価を受けてきた反動と、半導体・素材・工業・産業株への資金移動が中心と考えられます。継続課金型で収益の安定性は高いものの、成長期待を織り込んだ銘柄には利益確定売りが出やすい一日でした。
  • CTSH:Cognizant Technology Solutions -5.53%
    ITサービス大手のCognizantは、ソフトウェア・IT支援企業への売りが続く中で下落しました。企業のIT予算がAIへ集中する一方、従来型のシステム開発や運用サービスの成長が鈍るとの警戒があります。AIを活用する側であると同時に、既存業務を代替される側でもある点が評価を難しくしています。
  • AKAM:Akamai Technologies -5.52%
    クラウド配信とサイバーセキュリティを手掛けるAkamaiは続落しました。AIによる通信量増加は長期的な需要要因ですが、クラウド大手との競争や事業拡大に伴うコスト増加への懸念が残っています。この日は半導体製造装置やメモリー株に資金が集中し、ソフトウェアやネットワークサービス企業から資金が抜ける流れに巻き込まれました。
  • PLTR:Palantir Technologies -5.49%
    Palantirは続落し、株価の調整が続きました。企業向けAI事業の成長期待は維持されていますが、将来の高成長を前提とした株価評価がなお高く、AI関連株の選別が進む局面では売りが大きくなりやすい銘柄です。業績の問題だけでなく、株価に織り込まれていた期待が修正される過程と見る必要があります。
  • CPAY:Corpay -5.36%
    法人向け決済や経費管理サービスを提供するCorpayは、金融テクノロジー株の一角として売られました。明確な個別悪材料というより、成長株から半導体、工業・産業、素材など景気敏感株へ資金が移った影響が大きいと考えられます。安定した決済収入を持つ一方、企業活動や海外取引量の変化に左右されるため、景気と金利の見通しにも敏感です。
  • COIN:Coinbase Global -5.06%
    Coinbaseは暗号資産市場の軟調さを受けて下落しました。暗号資産価格の下落によって、売買代金の減少や個人投資家の取引意欲低下が警戒されました。同社は取引手数料への依存度が高いため、暗号資産価格だけでなく市場の売買活発度にも業績が左右されます。株価変動の大きさを改めて示す一日となりました。

セクター別騰落率

市場全体では、工業・産業、ヘルスケア、素材が上昇する一方、一般消費材と通信サービスが下落し、資金の移動が鮮明となった。Micronの好決算を起点に、半導体そのものだけでなく、データセンター建設、電力設備、製造装置、素材へ買いが波及した。一方、小売株や大型成長株には利益確定売りが入り、指数の動き以上にセクター間の差が大きい一日であった。

  • 工業・産業(Industrials) +1.63%
    工業・産業は全セクターで最大の上昇となった。CaterpillarやUnited Rentalsなど、建設機械、発電設備、レンタル機器を手掛ける企業が買われた。AIデータセンターの増設には建物、非常用電源、送電設備、冷却設備が必要であり、半導体投資が実際の建設需要へ波及する流れが鮮明となっている。
  • ヘルスケア(Healthcare) +1.39%
    Bio-Techneの買収発表をきっかけに、研究用試薬、診断機器、医薬品開発支援などライフサイエンス関連へ買いが広がった。Bio-Techne、Revvity、Charles River Laboratoriesなどが上昇し、同業企業の事業価値を見直す動きにつながった。景気循環の影響を受けにくい分野に、M&Aという成長要因が加わった形である。
  • 素材(Basic Materials) +1.24%
    素材は、半導体製造やデータセンター建設に必要な高機能材料、銅、化学材料への需要拡大期待から上昇した。先端メモリーの生産には微細加工用材料や配線材料が欠かせず、電力網整備にも大量の金属資源が必要となる。AI投資の恩恵が半導体メーカーから素材企業へ広がっていることを示す値動きであった。
  • 一般消費材(Consumer Cyclical) -1.56%
    一般消費材は全セクターで最大の下落となった。TJX CompaniesやRoss Storesなど小売株が大きく売られ、これまでの株価上昇に対する利益確定が膨らんだ。物価上昇や高金利が消費者の購買力を圧迫する懸念も残っており、投資資金が小売株から半導体、建設、素材など設備投資関連へ移動した一日である。
  • 通信サービス(Communication Services) -1.04%
    通信サービスは、大型インターネット、広告、メディア関連株への売りによって下落した。市場の資金がMicronを中心とする半導体関連や工業・産業へ集中し、これまで上昇していた大型成長株には持ち高を減らす動きが出た。AI関連でも一律に買われる相場ではなく、足元の利益成長や株価水準を比べる選別が強まっている。

主要3指数とドル円の動き

  • S&P500(7,357.49、前日比-0.01%)
    S&P500はほぼ横ばいで取引を終えました。Micronの好決算を受けて半導体製造装置、素材、工業・産業株が上昇した一方、Apple、小売、通信サービス関連の下落が相殺しました。指数だけを見ると動きの乏しい一日ですが、市場内部ではAI投資の恩恵を受ける企業への資金移動が活発でした。長期投資家としては、指数の小幅な変動よりも、上昇銘柄と下落銘柄の背景を見極めたい局面です。
  • Dow30(51,920.62、前日比+0.14%)
    Dow30は小幅に上昇しました。Caterpillarをはじめとする工業・産業株が買われ、一般消費材や大型ハイテク株の弱さを補いました。AIデータセンター投資が半導体だけでなく、建設機械、非常用発電機、電力設備へ波及するとの期待が続いています。NASDAQが下落する中でDow30が上昇したことは、投資資金が一部の成長株から設備投資関連や景気敏感株へ移動したことを示しています。
  • NASDAQ(25,358.60、前日比-0.46%)
    NASDAQは主要3指数で最も大きく下落しました。Micron、Applied Materials、KLA、Lam Researchなど半導体関連は大幅に上昇しましたが、指数への影響が大きいAppleの急落に加え、Palantir、Dell、Akamaiなども売られました。AI関連株が一斉に上昇する相場ではなく、メモリーや製造装置が選ばれる一方、高PER(株価収益率が高い)銘柄や利益率への懸念がある企業は売られる選別相場となっています。
  • ドル円(161.798円、前日比+0.03%)
    ドル円は161円台後半で小幅に上昇しました。米国経済の底堅さと日米の金利差を背景にドルが買われやすい状態は続いていますが、162円に近づくにつれて日本政府・日銀による為替介入への警戒も強まり、上値は限定的でした。米国株へ投資する日本人にとって円安は円換算評価額を押し上げますが、将来の円高局面では逆方向に作用します。株価と為替を分けて考えず、長期的な資産配分で受け止めたいところです。

原油先物・米10年国債利回り・VIX・金先物の動き

  • WTI原油先物(71.59ドル、前日比+1.78%)
    WTI原油先物は反発しました。オマーン沖で貨物船が攻撃を受け、ホルムズ海峡を通る原油輸送への不安が再燃しました。米国とイランの暫定合意で供給正常化への期待が高まっていましたが、合意の不安定さを改めて示す出来事です。原油高が続けばインフレと企業コストを押し上げるため、株式市場にとっても無視できません。
  • 米10年国債利回り(4.392%、前日比-0.23%)
    米10年国債利回りは約1ベーシスポイント(0.01%)低下しました。5月のPCE物価指数(個人消費支出を基にした物価指標)は前年比+4.1%と高水準でしたが、市場予想と一致したため、直ちにFRBが利上げへ動くとの警戒がやや後退しました。金利低下は株式の理論価値を高めますが、この日は大型ハイテク株への売りが残りました。
  • VIX指数(18.89、前日比+1.40%)
    VIX指数は上昇しました。S&P500はほぼ横ばいでしたが、Appleなど大型ハイテク株の下落と、Micronを中心とする半導体株の急騰が同時に起こり、指数の内側では大きな値動きが続きました。18台は強い恐怖を示す水準ではないものの、AI関連株の高い評価や中東情勢を巡り、投資家が完全には安心していないことが分かります。
  • 金先物(4,040.70ドル、前日比+0.80%)
    金先物は反発しました。PCE物価指数が市場予想の範囲内に収まり、米長期金利とドルが低下したことで、利息を生まない金の相対的な魅力が改善しました。貨物船攻撃による中東情勢への不安も、安全資産としての需要を強めています。株式市場が大きく崩れていない中でも金が上昇した点から、投資家が地政学とインフレへの備えを続けていることがうかがえます。

私の米国株ポートフォリオ

私の米国株ポートフォリオは前日比+0.41%となりました。MAXISナスダック100上場投信が+1.17%と最も大きく上昇し、MAXIS米国株式(S&P500)上場投信も+0.58%、iシェアーズ S&P500 米国株 ETFも+0.46%でした。一方、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)とGX超短期米国債はほぼ横ばいでした。

日本市場のETFや投資信託には、前日の米国市場や為替の動きが時間差で反映されます。今回はNASDAQ系が強く、円安も円建て評価にはプラスに働きました。ただ、昨夜の米国市場では半導体株が急騰する一方、Appleなど大型株が下落しており、全面高ではありません。ETFを中心に分散しているため、個別株の急変に振り回されにくいポートフォリオでした。

経済指標発表結果

  • 個人消費支出価格指数(PCE、前年比+4.1%、コア前年比+3.4%)
    FRBが重視するPCE物価指数は、総合が前年比+4.1%、食品とエネルギーを除くコアが+3.4%となり、いずれも市場予想と一致しました。ただし前回の+3.8%、+3.3%から上昇しており、インフレが再び強まっています。予想の範囲内だったため市場に大きな衝撃はありませんでしたが、早期利下げを期待しにくい内容で、高PER(株価収益率が高い)銘柄には厳しい環境が続きます。
  • 国内総生産(GDP、前期比+2.1%)
    第1四半期GDPは前期比+2.1%となり、市場予想の+1.6%を上回りました。前回発表の+0.5%から大幅に上方修正され、米国経済が想定以上に底堅かったことが確認されました。景気後退への不安を和らげる一方、成長が強いほどFRBは利下げを急ぐ必要がなくなります。この日は工業・産業や素材が上昇し、NASDAQが下落したことからも、強い景気と高金利の綱引きが表れています。
  • 個人支出(前月比+0.7%)・個人所得(前月比+0.7%)
    個人支出は市場予想の+0.6%を上回る+0.7%、個人所得も予想の+0.4%を上回る+0.7%となりました。米国経済の中心である個人消費が堅調で、小売業やサービス企業の売上を支える内容です。一方、物価上昇を考慮した実質個人消費は+0.3%にとどまっており、支出額の増加には値上がりの影響も含まれます。消費の強さとインフレ圧力が同時に確認されました。
  • 新規失業保険申請件数(21.5万件)
    新規失業保険申請件数は21.5万件となり、市場予想の22.5万件、前回の22.7万件を下回りました。申請件数が少ないほど解雇が限定的であることを示すため、米国の雇用市場は依然として底堅いと判断できます。ただし、失業保険継続受給者数は182.1万人と予想の180.0万人を上回りました。新たな失業者は少ないものの、再就職に時間がかかる人がやや増えている可能性があります。
  • 耐久財受注(前月比-4.5%、コア受注+1.3%)
    耐久財受注は前月比-4.5%と大幅に減少しましたが、市場予想の-5.0%ほど悪化しませんでした。航空機など変動の大きい項目を除くコア受注は+1.3%となり、予想の+0.5%を大きく上回っています。さらに、企業の設備投資の先行指標となるコア資本財受注も+1.6%でした。見かけ上は弱い数字ですが、企業の基礎的な設備投資意欲は強く、工業・産業株の上昇と整合する内容です。
  • アトランタ連銀GDPNow(第2四半期+2.5%)
    アトランタ連銀のGDPNowは、第2四半期の成長率を+2.5%と推計しました。前回および市場予想の+3.0%から低下しましたが、景気後退を示すマイナス成長ではありません。第1四半期GDPの上方修正と合わせると、米国経済は減速しながらも拡大を続けていると考えられます。長期投資家としては、景気が急失速しないことは安心材料ですが、高金利が長引く可能性も同時に見ておく必要があります。

主要銘柄の決算発表結果

  • DRI:Darden Restaurants, Inc.(一般消費材(Consumer Cyclical))
    Olive GardenやLongHorn Steakhouseを運営するDarden Restaurantsは、調整後EPSが3.66ドルと市場予想の3.63ドルを上回りました。一方、売上高は37.2億ドルと予想の37.3億ドルをわずかに下回っています。既存店売上高は+4.6%と堅調でしたが、次年度は成長率が鈍化する見通しを示しました。株価は-0.26%の212.89ドルとなり、好決算よりも今後の成長速度を慎重に見る反応でした。
  • MKC:McCormick & Company, Incorporated(生活必需品(Consumer Defensive))
    香辛料大手のMcCormickは、調整後EPSが0.80ドルとなり、市場予想の0.70ドルを大きく上回りました。売上高も19.3億ドルと予想の19.1億ドルを上回り、価格改定や買収効果、コスト削減が業績改善につながっています。年間の業績見通しも維持され、株価は+1.72%の48.42ドルまで上昇しました。景気の影響を受けにくい生活必需品企業として、利益率を維持できている点が評価された決算です。

主な経済ニュース

  • Micronの好決算で世界の半導体株が急騰
    Micronは市場予想を大きく上回る決算と強い業績見通しを発表し、株価は+15%を超える急騰となりました。AIサーバー向けHBM(高速・大容量メモリー)やDRAMの供給不足が2027年まで続く可能性を示し、顧客から約220億ドルの供給確保契約を得たことも注目されました。SanDiskや半導体製造装置株にも買いが広がり、AI投資の継続性を確認する内容でした。(Reuters:06/25)
  • PCE物価指数が前年比+4.1%まで上昇
    FRBが金融政策で重視するPCE物価指数は前年比+4.1%となり、2023年以来の高い伸びとなりました。食品とエネルギーを除くコア指数も+3.4%へ上昇し、FRBの目標である2%を大きく上回っています。ただし結果は市場予想と一致し、前月比では予想を下回ったため、発表直後の金利上昇は限定的でした。利下げよりも追加利上げの可能性を考える局面が続きます。(Reuters:06/25)
  • AppleがMacBookとiPadを値上げ、株価は急落
    Appleはメモリーとストレージ用半導体の価格高騰を受け、MacBookやiPadなどの販売価格を引き上げました。AIデータセンター向け需要が急増し、半導体メーカーが高収益のAI関連製品を優先しているため、一般向け電子機器の部品調達費が上昇しています。販売価格の上昇が需要減少につながるとの懸念からApple株は-6%を超えて下落し、NASDAQを押し下げました。(Reuters:06/25)
  • 半導体株高でもS&P500とNASDAQは下落
    Micronを中心に半導体関連株が大幅に上昇した一方、Apple、NVIDIA、Microsoft、Alphabetなど大型ハイテク株には売りが出ました。S&P500は-0.01%とほぼ横ばい、NASDAQは-0.46%となり、Dow30は工業・産業、ヘルスケア、素材の上昇によって+0.14%でした。指数以上に銘柄間の差が大きく、AI関連でも業績と株価水準による選別が進んでいます。(Reuters:06/25)
  • 米GDPは+2.1%へ上方修正、AI設備投資が成長に寄与
    第1四半期の米GDPは年率換算で+2.1%となり、従来発表の+1.6%から大幅に上方修正されました。輸入減少に加え、AI関連の設備や知的財産への企業投資が成長を押し上げています。一方、個人消費は+0.5%へ下方修正され、見かけの成長率ほど家計部門は強くありません。米国経済の底堅さは確認されましたが、消費と企業投資の温度差には注意が必要です。(Reuters:06/25)
  • 失業保険申請は減少、雇用市場の底堅さを確認
    新規失業保険申請件数は21.5万件となり、市場予想の22.5万件と前回の22.7万件を下回りました。企業による大規模な人員削減が広がっていないことを示しています。一方、継続受給者数は182.1万人へ増加しており、失業後の再就職には時間がかかり始めています。雇用市場は急速に悪化していませんが、採用活動は徐々に慎重になっていると考えられます。(Reuters:06/25)
  • ホルムズ海峡付近で貨物船攻撃、原油価格が反発
    オマーン沖を航行していた貨物船が攻撃を受け、米当局者はイラン側から発射されたと説明しました。国連の国際海事機関は、ホルムズ海峡を通る船舶の避難支援を一時停止しています。米国とイランの暫定合意によって原油輸送正常化への期待が高まっていましたが、合意の不安定さが露呈しました。WTI原油先物は+1.78%となり、インフレ再燃への警戒も残りました。(Reuters:06/25)
  • MerckがBio-Techneを約113億ドルで買収
    ドイツのMerck KGaAは、米ライフサイエンス企業Bio-Techneを約113億ドルで買収すると発表しました。買収価格は1株73ドルで、前日終値を約24%上回ります。Bio-Techneは研究用タンパク質、抗体、分析装置などを提供し、細胞・遺伝子治療や精密診断分野で強みを持っています。Bio-Techne株は+20%を超えて上昇し、同業のヘルスケア企業にも買いが広がりました。(Reuters:06/25)
  • Qualcommがデータセンター事業で年間150億ドルを目標
    Qualcommはデータセンター向け半導体事業の売上高について、2029年までに年間150億ドルを目指す方針を示しました。同社はスマートフォン向け半導体への依存を減らし、AIサーバー市場へ事業領域を広げようとしています。Micronの好決算と合わせて、AI投資がGPUだけでなく、メモリー、通信、サーバー用CPUへ広がっていることを示しました。ただしNVIDIAなど既存企業との競争は厳しくなります。(Reuters:06/25)
  • ドル円は161円台後半、約40年ぶりの円安水準に接近
    ドル円は一時161.9円台まで上昇し、1986年以来となる円安水準に迫りました。米国ではインフレ率が高止まりし、FRBの利下げ期待が後退する一方、日本銀行の利上げ速度は緩やかとの見方が続いています。日米金利差によるドル買い・円売りの構図は変わっていません。ただし、日本政府・日銀による為替介入への警戒が強く、162円付近では値動きが急変する可能性があります。(WSJ:06/25)
  • Xboxも値上げ、メモリー不足が消費者向け製品へ波及
    MicrosoftのXboxは、メモリーとストレージ価格の急騰を理由に、8月からゲーム機を世界的に値上げすると発表しました。部品価格は従来の2.5倍以上に上昇し、2027年秋までにさらに倍増する可能性があると説明しています。Appleに続く値上げによって、AIデータセンター需要の急増が一般消費者の負担にも波及していることが明確になりました。半導体企業には好材料ですが、電子機器販売には逆風です。(Reuters:06/25)

経済指標発表予定

以下の経済指標が発表される予定です。

主要銘柄の決算発表予定

6/26には主要銘柄の決算発表が予定されていません。

おわりに

本日の米国株市場は、Micronを中心に半導体関連が大きく上昇する一方、Appleなどの大型株が下落し、強弱がはっきり分かれる一日でした。指数だけを見ると小動きでも、その内側では資金の移動が活発に起きています。

私は、こうした局面ほど個別株の急騰や急落に振り回されず、ETFを通じて市場全体に居続けることが大切だと考えています。毎日の値動きよりも、米国企業の利益成長が続いているかを丁寧に見ていきたいと思います。

本日もお読みいただき、ありがとうございました。それでは、今日も一日、明るく元気に笑顔で過ごしましょう。

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おことわり

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図表のレファレンス

  • S&P500ヒートマップ: finviz
  • 主要3指数とドル円:  Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
  • セクター別騰落率: finviz
  • 経済指標結果/予定: investing.com日本語版
  • 決算発表結果/予定: investing.com日本語版
  • 主要指数の動き : Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
  • 自分の米ドル建ポートフォリオ:  Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ

著者プロフィール

室井一夫(Kazuo Muroi)
Muroi Universal Research on Investment LLC 代表社員
一級建築士・建築1級施工管理技士・工学修士
Facebookグループ「米国株_投資の部屋」管理人(約4.7万人)

米国株式市場と経済動向に関する情報を毎日発信しています。


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