【20260603】米国株式市場 投資研究レポート

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室井のマーケット視点

6月3日の米国市場を振り返ると、表面的な株価の動き以上に、「景気はまだ強いが、利下げ期待は簡単には膨らまない」という市場の迷いが強く出た一日だったと感じます。

この日の経済指標で特に重要だったのは、ISM非製造業PMIとADP雇用統計でした。ISM非製造業PMIは54.5と市場予想を上回り、米国のサービス業がなお拡大を続けていることを示しました。米国経済は個人消費とサービス業の比重が大きいため、この数字は景気後退懸念を和らげる内容です。一方で、ISM非製造業価格指数は71.3と高水準で、インフレ圧力がまだ残っていることも確認されました。

ADP非農業部門雇用者数も122Kと予想を上回りました。雇用が急速に悪化していないことは、企業収益や個人消費にとっては安心材料です。しかし、FRBから見れば、景気も雇用も底堅く、サービス価格も高いとなれば、利下げを急ぐ理由は弱くなります。株式市場にとっては、「景気が強いから買える」という面と、「金利が下がりにくいから買いにくい」という面が同時に存在する、判断の難しい相場だったと思います。

さらに、原油在庫が市場予想を大きく上回って減少したことも見逃せません。原油在庫の大幅な取り崩しは、需給の引き締まりを示します。原油高はエネルギー(Energy)株にはプラスに働きやすい一方、ガソリン価格や輸送コストを通じてインフレ再燃リスクにつながります。株式市場は、AIや企業業績だけでなく、エネルギー価格とインフレの関係も再び見直し始めているように感じます。

決算では、BroadcomとCrowdStrikeの動きが印象的でした。両社とも売上高と1株当たり利益は市場予想を上回りましたが、時間外取引では大きく下落しました。これは、現在のAI関連株や成長株に対する市場の期待値が相当高くなっていることを示しています。良い決算でも、投資家が期待していたほど強い将来見通しでなければ売られる。これは、AI相場が「何でも買われる段階」から「業績と期待値の差を厳しく見る段階」に移っている証拠だと思います。

一方で、Medtronicは決算内容が評価され、株価も大きく上昇しました。AIや半導体に資金が集中する一方で、医療機器のような安定収益企業にも投資資金が向かう場面があることは、長期投資家として重要な視点です。相場が不安定なときほど、成長性だけでなく、景気変動に左右されにくい収益基盤を持つ企業の存在感が増します。

私は長年ETF中心の投資を続けてきましたが、こうした相場を見ると、改めて分散投資の大切さを感じます。AI関連の成長力は非常に魅力的ですが、期待値が高くなりすぎた銘柄は、好決算でも大きく売られることがあります。逆に、地味に見えるヘルスケアや生活必需品のような分野が、相場の揺れを和らげる場面もあります。

今日の市場は、米国経済の底堅さを確認する一方で、インフレと金利への警戒も残る内容でした。短期的には、金利、原油価格、企業決算への反応で値動きが荒くなる可能性があります。しかし、長期投資家としては、毎日の上下に一喜一憂するよりも、米国企業全体の利益成長が続くか、そして投資テーマが一部の銘柄だけでなく広がりを持っているかを見ていきたいと思います。

株式市場は、楽観と警戒が常に同居する場所です。だからこそ、短期の値動きに振り回されず、自分のリスク許容度に合った投資を続けることが大切だと感じています。

投資は自己責任にてお願いします。

S&P500ヒートマップ

5%以上上昇したS&P500構成銘柄

  • TPL:Texas Pacific Land +9.69%
    原油価格の上昇を背景に、パーミアン盆地の土地・ロイヤルティ収入への期待から大幅高となりました。
  • MRNA:Moderna +7.49%
    ヘルスケア関連銘柄への資金流入を受けて上昇しました。
  • SNDK:Sandisk +6.71%
    AI向けデータセンター需要の拡大を背景に、ストレージ関連銘柄として買われました。
  • INCY:Incyte +6.22%
    新薬パイプラインへの期待から買いが入りました。
  • URI:United Rentals +6.21%
    インフラ投資やデータセンター建設需要の拡大が追い風となりました。
  • MDT:Medtronic +5.69%
    医療機器大手として安定収益が評価され、ディフェンシブ銘柄として買われました。
  • WDC:Western Digital +5.51%
    AI向けデータセンター投資拡大に伴う記憶装置需要の増加期待から上昇しました。

5%以上下落したS&P500構成銘柄

  • LITE:Lumentum Holdings ▲8.86%
    前日にAIデータセンター向け光通信関連銘柄として大幅上昇していた反動から利益確定売りが優勢となりました。AI関連銘柄の一角に利益確定の動きが広がりました。
  • GPN:Global Payments ▲8.35%
    決済サービス大手ですが、競争激化や成長率鈍化への懸念から売られました。フィンテック関連銘柄への資金流出も重しとなりました。
  • CHTR:Charter Communications ▲8.03%
    ケーブルテレビ・インターネットサービス大手です。通信業界の競争激化や加入者動向への懸念から下落しました。
  • NOW:ServiceNow ▲7.64%
    企業向け業務効率化ソフトウェアを提供するクラウド企業です。高PER銘柄への利益確定売りが入りました。
  • IBM:International Business Machines ▲7.17%
    AI関連事業への期待は継続しているものの、この日は大型ハイテク株全般の調整の影響を受けました。
  • DDOG:Datadog ▲6.99%
    クラウド監視ソフトウェアを提供する企業です。高成長ソフトウェア銘柄からの資金流出を受けて下落しました。
  • PLTR:Palantir Technologies ▲6.55%
    AI・データ分析ソフトウェア企業です。年初来の大幅上昇を受けた利益確定売りが入りました。
  • COIN:Coinbase Global ▲6.19%
    暗号資産関連銘柄への利益確定売りが広がり下落しました。
  • FICO:Fair Isaac ▲6.15%
    高バリュエーション銘柄への売り圧力が強まり下落しました。
  • HOOD:Robinhood Markets ▲6.02%
    フィンテック関連銘柄全般の利益確定売りの影響を受けました。
  • XYZ:Block ▲5.87%
    デジタル決済サービス銘柄への売りが広がる中で下落しました。
  • ORCL:Oracle ▲5.83%
    クラウド事業拡大への期待は継続しているものの、直近上昇の反動から利益確定売りが優勢となりました。
  • APP:AppLovin ▲5.75%
    急騰後の利益確定売りが入りました。
  • PANW:Palo Alto Networks ▲5.64%
    AI関連・ソフトウェア関連銘柄全般の調整の影響を受けました。
  • SMCI:Super Micro Computer ▲5.48%
    AIサーバー関連銘柄への利益確定売りが入りました。
  • CMCSA:Comcast ▲5.35%
    通信業界の成長鈍化懸念から売りが優勢となりました。
  • GDDY:GoDaddy ▲5.16%
    高成長テクノロジー銘柄への利益確定売りが影響しました。
  • CRM:Salesforce ▲5.09%
    クラウドソフトウェア銘柄全般の調整を受けて下落しました。
  • HON:Honeywell International ▲5.09%
    景気敏感株への利益確定売りが入りました。

セクター別騰落率

  • 一般消費材(Consumer Cyclical) ▲1.09%
    Amazonが▲2.50%下落したほか、自動車関連や旅行関連銘柄も軟調に推移し、セクター全体を押し下げました。
  • 金融(Financial) ▲1.29%
    Visa、Mastercard、American Expressなど決済関連銘柄の下落が目立ちました。フィンテック関連銘柄への利益確定売りも重しとなりました。
  • 先端技術(Technology) ▲1.60%
    NVIDIAが▲3.55%、Microsoftが▲3.13%、Oracleが▲5.83%下落するなど、AI関連大型株への利益確定売りが広がりました。相場全体の下落を主導したセクターとなりました。
  • 素材(Basic Materials) ▲1.64%
    化学、建材、特殊素材関連銘柄が幅広く売られ、全セクター中で最も下落率が大きくなりました。

主要3指数とドル円の動き

  • S&P500(7,553.68、前日比▲0.74%)
    S&P500は反落しました。NVIDIAやMicrosoftなど、これまで相場を牽引してきた大型AI関連株に利益確定売りが広がり、指数全体を押し下げました。一方で、ヘルスケア、生活必需品、エネルギーなどには買いが入り、全面安というよりは、AI主力株からディフェンシブ銘柄や資源関連銘柄へ資金が移動した相場でした。現在の市場は、AIブームそのものを否定しているわけではなく、上昇が急だった銘柄をいったん整理し、次の投資テーマを探る局面に入っていると見ています。
  • Dow30(50,687.07、前日比▲1.21%)
    Dow30は主要3指数の中で最も大きく下落しました。景気敏感株や金融株に売りが広がったことに加え、一部大型銘柄の下落が指数を押し下げました。原油価格の上昇を背景にエネルギー株は堅調でしたが、指数全体を支えるには力不足でした。長期金利の上昇も重しとなり、投資家は景気の底堅さとインフレ再燃リスクの両方を意識している状況です。短期的には調整色が強まりましたが、資金が完全に逃げているというより、業種間で循環している印象です。
  • NASDAQ(26,853.98、前日比▲0.89%)
    NASDAQは下落しました。AI関連、クラウドソフトウェア、高PER銘柄を中心に利益確定売りが入りました。Palantir、Oracle、ServiceNow、Datadogなどの下落が目立ち、AI・ソフトウェア関連の過熱感を冷ます動きとなりました。ただし、半導体関連の中でもAMD、Intel、Micron、Qualcommなどは上昇しており、AI投資の流れが完全に止まったわけではありません。市場は、AIの本命銘柄を一括で買う段階から、業績やバリュエーションを見極める段階へ移っていると考えます。
  • ドル円(160.07円、前日比+0.12%)
    ドル円は160円台に上昇しました。米10年国債利回りが4.491%まで上昇したことで、日米金利差が意識され、ドル買い・円売りが優勢となりました。日本側では日銀の追加利上げ観測もありますが、米国金利が高止まりしているため、円高方向への動きは限定的です。米国株に投資する日本人にとっては、円安がドル建て資産の円換算評価額を押し上げる一方、輸入物価や生活コストの上昇要因にもなります。株価下落と円安が同時に進む局面では、ドル建て資産の評価は円ベースで下支えされやすい状況です。

原油先物・米10年国債利回り・VIX・金先物の動き

  • WTI原油先物(7月限) +2.56%
    96.16ドル(前日比+2.40ドル)となりました。原油価格は大きく上昇し、エネルギーセクターの支援材料となりました。
  • 米10年国債利回り +0.81%
    4.491%(前日比+0.036%)となりました。長期金利の上昇は、ハイテク株や高PER銘柄の重しとなりました。
  • VIX指数 +1.84%
    16.06(前日比+0.29)となりました。株式市場の下落を受けて、投資家の警戒感がやや高まりました。
  • 金先物(8月限) ▲1.16%
    4,467.30ドル(前日比▲52.60ドル)となりました。米10年国債利回りの上昇を受けて、金利を生まない金には売りが出ました。

私の米国株ポートフォリオ

私のポートフォリオは前日比+0.36%となりました。昨夜の米国市場はS&P500が▲0.74%、NASDAQ総合指数が▲0.89%、Dow30が▲1.21%と下落しましたが、この値動きはまだ私のポートフォリオには反映されていません。本日の上昇は、前営業日の米国市場でS&P500やNASDAQが史上最高値圏で推移していた影響を受けたものです。MAXIS ナスダック100上場投信(2631)が+1.03%、MAXIS 米国株式(S&P500)上場投信(2558)が+0.60%、iシェアーズ S&P500 米国株 ETF(1655)が+0.41%と堅調に推移し、ポートフォリオ全体を押し上げました。

また、ドル円は160円台まで上昇しており、円安も円建て評価額の追い風となっています。特にS&P500連動商品とNASDAQ100連動商品の上昇が寄与し、FANG+が小幅安となる中でもポートフォリオ全体ではプラスを維持しました。なお、昨夜の米国市場ではAI関連大型株への利益確定売りが広がり、主要3指数は下落しました。この影響は明日以降の日本市場で反映される見込みです。ただし、私のポートフォリオはS&P500、NASDAQ100、FANG+、超短期米国債ETFを組み合わせた構成であり、特定銘柄への依存度が低いため、市場調整局面でも比較的安定した値動きが期待できます。

経済指標発表結果

  • ADP非農業部門雇用者数(122K、予想118K、前回105K)
    ADP雇用統計は122Kとなり、市場予想の118Kをやや上回りました。雇用の増加ペースは急加速ではありませんが、前回の105Kからは改善しており、米国の労働市場がまだ底堅いことを示しています。株式市場にとっては景気後退懸念を和らげる一方、FRBの利下げ開始を強く後押しするほど弱い内容ではありません。金利低下を期待する投資家には、やや判断の難しい数字でした。
  • ISM非製造業PMI(54.5、予想53.7、前回53.6)
    ISM非製造業PMIは54.5となり、市場予想と前回を上回りました。PMI(購買担当者景気指数)は50を上回ると景気拡大を示すため、米国のサービス業が引き続き堅調であることが確認されました。米国経済はサービス業の比重が大きいため、株式市場には景気の底堅さを示す内容です。一方で、景気が強すぎるとインフレ圧力も残りやすく、FRBの利下げ判断は単純には早まりにくい状況です。
  • ISM非製造業価格指数(71.3、予想72.3、前回70.7)
    ISM非製造業価格指数は71.3となり、予想は下回ったものの、前回からは上昇しました。70を超える水準は、サービス業の価格上昇圧力がなお強いことを示しています。特にサービス価格は一度上がると下がりにくく、インフレの粘着性(価格が下がりにくい性質)につながります。株式市場では、景気の強さを確認しながらも、金利高止まりへの警戒感が残る内容でした。
  • ISM非製造業新規受注(57.3、予想53.4、前回53.5)
    ISM非製造業新規受注は57.3となり、予想と前回を大きく上回りました。新規受注は将来の売上につながる先行指標であり、サービス需要がまだ強いことを示しています。これは企業収益には前向きな材料ですが、需要が強い状態が続くと、価格転嫁や人件費上昇を通じてインフレ圧力も残りやすくなります。株式市場にとっては、景気の底堅さと金利高止まりリスクが同時に見える内容です。
  • ISM非製造業雇用指数(47.9、予想48.8、前回48.0)
    ISM非製造業雇用指数は47.9となり、50を下回る状態が続きました。サービス業全体の景況感は強いものの、雇用面では企業が採用に慎重になっていることが読み取れます。景気が拡大しながら雇用の過熱感がやや抑えられている点は、FRBにとって悪くない組み合わせです。ただし、ADP雇用統計は予想を上回っており、労働市場全体を判断するには週末の雇用統計も確認したいところです。
  • S&Pグローバル・サービス業PMI(51.5、予想51.7、前回51.7)
    S&Pグローバル・サービス業PMIは51.5となり、予想と前回をやや下回りました。ただし50は上回っており、サービス業の景気拡大は維持されています。ISM非製造業PMIが強かった一方で、こちらはやや鈍化を示しており、米国経済は「強いが、部分的には減速感もある」という印象です。株式市場には、過熱しすぎない景気拡大として受け止められる余地もありました。
  • 製造業新規受注(前月比-3.7%、予想-2.900%、前回-3.327%)
    製造業新規受注は前月比-3.7%となり、市場予想より弱い内容でした。サービス業が底堅い一方で、製造業には減速感が残っています。米国経済全体ではサービス業の影響が大きいため、市場全体への影響は限定的でしたが、工業・産業(Industrials)や素材(Basic Materials)など景気敏感セクターには注意が必要です。景気の強弱が業種ごとに分かれる展開といえます。
  • 原油在庫量(-7.974M、予想-2.900M、前回-3.327M)
    原油在庫量は-7.974Mとなり、市場予想を大きく上回る取り崩しとなりました。在庫の大幅減少は需給の引き締まりを示し、原油価格を押し上げやすい内容です。エネルギー(Energy)セクターにはプラスに働きやすい一方、原油高はガソリン価格や輸送コストを通じてインフレ圧力につながります。株式市場にとっては、景気の底堅さとインフレ再燃リスクを同時に意識させる指標でした。

主要銘柄の決算発表結果

  • AVGO:Broadcom Inc.(先端技術(Technology))
    Broadcomは、1株当たり利益が2.44ドルと予想の2.39ドルを上回り、売上高も221.9億ドルと予想の220.4億ドルを上回りました。AI向け半導体やネットワーク関連需要は引き続き強い内容です。ただし、通常取引で株価は-0.61%となり、時間外取引では-12.42%と大きく下落しました。市場の期待値が非常に高く、好決算でも今後の成長ペースやガイダンスへの見方が厳しくなっている印象です。
  • CRWD:CrowdStrike Holdings Inc.(先端技術(Technology))
    CrowdStrikeは、1株当たり利益が1.10ドルと予想の1.07ドルを上回り、売上高も13.9億ドルと予想の13.6億ドルを上回りました。サイバーセキュリティ需要はAI時代にますます重要になっていますが、株価は通常取引で-2.78%、時間外取引では-10.71%と大きく下落しました。決算自体は堅調でも、成長株には高い期待が織り込まれており、投資家は売上成長率や今後の見通しをかなり厳しく見ているようです。
  • MDT:Medtronic plc(ヘルスケア(Healthcare))
    Medtronicは、1株当たり利益が1.55ドルと予想の1.54ドルを小幅に上回り、売上高も98億ドルと予想の96.3億ドルを上回りました。医療機器大手として安定した需要を維持しており、ヘルスケア(Healthcare)らしい底堅さが確認されました。通常取引では+5.80%と大きく上昇し、時間外取引も+0.14%と小幅高でした。AI関連株に比べると派手さはありませんが、長期投資家にとっては景気変動に比較的左右されにくい業績の安定性が注目点です。

主な経済ニュース

  • 中東情勢の緊張で米国株が反落
    6月3日の米国株市場は、中東情勢の緊張拡大と原油高を受けて反落しました。S&P500、Dow30、NASDAQはいずれも下落し、最高値圏にあった相場では利益確定売りも出やすい一日でした。原油高はインフレ再燃リスクにつながるため、FRBの利下げ期待にも影響します。長期投資家としては、地政学リスクが相場の過熱感を冷ます局面として冷静に見たいところです。(Reuters:06/03)
  • ISM非製造業PMIが54.5へ上昇
    5月のISM非製造業PMIは54.5となり、前月の53.6から上昇しました。50を上回ると景気拡大を示すため、米国サービス業の底堅さが確認された内容です。一方で、サービス業の強さは需要の強さを示す反面、インフレが下がりにくい環境にもつながります。株式市場にとっては景気後退懸念を和らげる一方、利下げ期待を抑える複雑な材料となりました。(Reuters:06/03)
  • ISM価格指数が71.3と高水準を維持
    ISM非製造業価格指数は71.3となり、サービス業のコスト上昇圧力が依然として強いことを示しました。価格指数は企業が仕入れやサービス価格の上昇をどの程度感じているかを示す指標です。原油や建設資材などの価格上昇が続けば、企業利益を圧迫し、FRBの利下げ判断も難しくなります。株式市場では、景気の強さよりもインフレ再燃を警戒する空気が強まりました。(Reuters:06/03)
  • ADP雇用統計は122Kで予想を上回る
    ADP非農業部門雇用者数は122Kとなり、市場予想を上回りました。雇用が急速に崩れていないことは、米国消費と企業収益にとって前向きです。ただし、労働市場が底堅いほど賃金インフレへの警戒も残り、FRBが急いで利下げに動く理由は弱まります。金曜日の雇用統計を前に、市場は「景気は強いが金利は下がりにくい」という難しい組み合わせを意識する展開でした。(WSJ:06/03)
  • 米10年国債利回りが上昇し株式市場を圧迫
    米10年国債利回りは4.49%近辺まで上昇し、株式市場の重い空気につながりました。長期金利が上がると、将来利益を現在価値に割り引く計算上、グロース株(成長株)の評価は下がりやすくなります。特にAIやソフトウェアなど高PER(株価収益率が高い銘柄)には利益確定売りが出やすい環境です。米国株ETFへ長期投資する立場では、金利上昇時の値動きの荒さは織り込んでおきたいところです。(Investors Business Daily:06/03)
  • 原油価格上昇でインフレ再燃リスクが浮上
    中東情勢の悪化を背景に原油価格が上昇し、WTI原油は96ドル台に接近しました。原油高はエネルギー(Energy)株にはプラスに働きやすい一方、輸送費、ガソリン価格、企業コストを押し上げます。インフレ再燃リスクが高まると、FRBの利下げ時期は後ずれしやすくなります。株式市場は、AI関連の成長期待だけでなく、原油高が企業利益に与える影響も同時に見始めています。(Investors Business Daily:06/03)
  • Broadcom決算後の時間外下落がAI相場の難しさを示す
    Broadcomは決算で1株当たり利益と売上高が市場予想を上回りましたが、時間外取引では大きく下落しました。AI向け半導体やネットワーク需要は強いものの、株価には相当高い期待が織り込まれていました。現在のAI相場は「良い決算なら上がる」という単純な段階ではなく、ガイダンス(会社の業績見通し)や利益率まで厳しく見られています。大型AI関連株ほど、期待値との差が株価を大きく動かします。(WSJ:06/03)
  • CrowdStrike決算後にサイバーセキュリティ株へ利益確定売り
    CrowdStrikeは売上高と1株当たり利益が市場予想を上回りましたが、時間外取引では大きく下落しました。サイバーセキュリティ需要はAI時代にますます重要ですが、成長株には高い評価が付いており、少しでも成長ペースや見通しに不安が出ると売られやすい状況です。長期的には企業のデータ防衛需要は続くと考えますが、短期的にはバリュエーション(企業価値評価)の高さが値動きを荒くしています。(Yahoo! Finance:06/03)
  • Medtronic決算がヘルスケアの安定感を示す
    Medtronicは決算で1株当たり利益、売上高ともに市場予想を上回り、通常取引で大きく上昇しました。AIや半導体株に注目が集中する中でも、医療機器のようなヘルスケア(Healthcare)分野は景気変動に比較的左右されにくい特徴があります。市場が不安定になった日に、安定収益企業へ資金が向かう動きは自然です。ETF長期投資の視点では、成長株とディフェンシブ銘柄の両方を持つ意味を再確認する内容でした。(Investing.com:06/03)
  • 原油在庫の大幅減少でエネルギー市場に注目
    米週間原油在庫は-7.974Mとなり、市場予想の-2.900Mを大きく上回る取り崩しとなりました。在庫減少は需給の引き締まりを示し、原油価格を押し上げやすい材料です。中東情勢の緊張と在庫減少が重なると、エネルギー価格の上昇がインフレ指標に波及する可能性があります。株式市場では、エネルギー(Energy)株には買いが入りやすい一方、消費関連や輸送関連には負担が増える構図です。(Investing.com:06/03)
  • VIX上昇で市場の警戒感が強まる
    VIX指数は上昇し、投資家の警戒感が強まりました。VIXは「恐怖指数」と呼ばれ、今後の株価変動に対する市場の不安を示します。中東情勢、原油高、金利上昇、決算後の大型株下落が重なり、最高値圏にあった米国株には一度ブレーキがかかりました。ただし、企業業績とAI投資テーマが崩れたわけではありません。長期投資家としては、こうした調整局面でも投資方針を急に変えない姿勢が大切だと感じます。(Reuters:06/03)

経済指標発表予定

以下の経済指標が発表される予定です。

主要銘柄の決算発表予定

以下の主要銘柄の決算発表がなされる予定です。

おわりに

米国株市場は、サービス業の底堅さ、雇用の安定、原油在庫の大幅減少、そして主要企業の決算反応が重なり、投資家が景気とインフレの両方を見極める一日となりました。特に、ISM非製造業PMIの強さは米国経済の粘り強さを示しましたが、価格指数の高止まりはFRBの利下げ判断を難しくしています。

好決算でもBroadcomやCrowdStrikeが時間外で大きく売られたことを見ると、現在の市場は期待値がかなり高くなっていると感じます。長期投資では、こうした短期の反応に振り回されすぎず、企業の利益成長と市場全体の流れを冷静に見ていきたいところです。

それでは、今日も一日、明るく元気に笑顔で過ごしましょう。

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おことわり

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図表のレファレンス

    • S&P500ヒートマップ: finviz
    • 主要3指数とドル円:  Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
    • セクター別騰落率: finviz
    • 経済指標結果/予定: investing.com日本語版
    • 決算発表結果/予定: investing.com日本語版
    • 主要指数の動き : Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
    • 自分の米ドル建ポートフォリオ:  Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ

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