室井のマーケット視点
6月2日の米国市場を振り返ると、表面的にはS&P500が+0.13%、NASDAQが+0.03%と小幅な上昇にとどまりました。しかし、私は指数以上に市場内部で起きている資金の流れに注目しています。
この日の最大のポイントは、AI投資の恩恵が半導体からインフラ全体へ広がっていることです。Hewlett Packard Enterprise、Corning、Ciena、Lumentumなど、これまで主役ではなかった通信・ネットワーク関連企業が大きく買われました。エヌビディアだけを見ていては見えない変化が起きています。
私はデータセンターの工事に携わった経験がありますが、AIはGPUだけでは動きません。大量の電力、高速通信網、冷却設備、バックアップ電源が必要です。今回、公益事業(Utilities)や工業・産業(Industrials)、素材(Basic Materials)が上昇したのも、AIインフラ投資の裾野の広さを市場が評価し始めているからではないでしょうか。
また、JOLTS求人件数が予想を大きく上回ったことから、米国経済の底堅さも確認されました。高金利環境が続いているにもかかわらず企業の採用意欲は衰えておらず、景気後退シナリオはやや後退した印象です。一方で、労働市場の強さはインフレ圧力を残すため、FRBの利下げが想定より遅れる可能性も残っています。
さらに見逃せないのが中東情勢です。トランプ大統領がネタニヤフ首相に停戦維持を強く求めたとの報道は、市場に一定の安心感を与えました。原油価格は依然高水準ですが、投資家は最悪のシナリオを織り込みながらも冷静さを保っています。
私は長年ETF中心の投資を続けてきましたが、市場で最も利益を得る人は、毎日の値動きに一喜一憂せず、市場に居続けた人だと思っています。長期的に見れば、AI、データセンター、電力インフラといったテーマは数年単位で成長を続ける可能性があります。
指数の小さな上昇よりも、「市場のお金がどこへ流れ始めているのか」。私はそこに、今後の投資機会のヒントが隠れているように感じています。
投資は自己責任にてお願いします。
S&P500ヒートマップ
5%以上上昇したS&P500構成銘柄
- HPE:Hewlett Packard Enterprise +19.47%
AIサーバー需要の拡大期待から大幅高となりました。生成AI向けの計算需要はGPUだけでなく、サーバー、ネットワーク、電源、冷却設備まで広がっており、AIインフラ投資の裾野の広さを示す上昇です。 - COHR:Coherent +17.63%
AIデータセンター向け光通信部品への期待から急伸しました。GPU同士を高速につなぐ光通信技術の重要性が高まっており、半導体本体だけでなく通信部品にも資金が向かっています。 - LITE:Lumentum Holdings +13.72%
光通信関連株として大きく買われました。生成AIでは膨大なデータを高速で処理する必要があり、データセンター内外の通信能力強化が重要になります。AI投資の波及先として注目されました。 - GLW:Corning +13.41%
光ファイバー需要の拡大期待から上昇しました。AIデータセンターの増設では、半導体だけでなく通信ケーブルや光ファイバーも不可欠です。AI相場がインフラ企業にも広がっている点が特徴です。 - CIEN:Ciena +10.08%
通信ネットワーク機器への需要拡大期待から上昇しました。AI処理の増加によりデータ通信量が急増しており、高速ネットワーク設備への投資が続くとの見方が強まりました。 - APTV:Aptiv +7.65%
自動車向け電子部品や車載ソフトウェア分野への期待から買われました。電動化、自動運転、車載AIの流れが続いており、従来型の自動車部品企業から電子制御企業への評価が進んでいます。 - SMCI:Super Micro Computer +7.02%
AIサーバー需要の拡大期待から上昇しました。株価変動の大きい銘柄ですが、AIインフラ投資の中心に近い企業として市場の関心は高い状態です。短期的には値動きの荒さにも注意が必要です。 - FCX:Freeport-McMoRan +6.98%
銅需要の拡大期待から上昇しました。AIデータセンター、電力網、電気自動車には大量の銅が必要です。AI投資が素材(Basic Materials)分野にも広がっている点が印象的です。 - AMAT:Applied Materials +6.96%
半導体製造装置株として買われました。AI向け半導体の需要拡大により、製造装置への投資継続が期待されています。AI相場は半導体メーカーだけでなく、製造装置企業にも波及しています。 - DE:Deere +6.79%
農業機械大手ですが、スマート農業や米国景気の底堅さを背景に上昇しました。工業・産業(Industrials)にも買いが広がっており、AI関連一辺倒ではない資金循環も見られました。
5%以上下落したS&P500構成銘柄
- INTU:Intuit Inc. -8.94%
会計ソフトや税務ソフトを提供するIntuitは大幅下落となりました。決算そのものは堅調でしたが、これまでの株価上昇によって市場の期待値が非常に高くなっていたことから利益確定売りが優勢となりました。AI関連銘柄へ資金が向かう中で、安定成長銘柄から一部資金が移動する動きも見られました。 - CBOE:Cboe Global Markets -8.44%
オプション取引所運営会社であるCBOEは大きく売られました。VIX指数が低水準で推移する中、市場の変動率低下によって取引収益の伸びが限定的になるとの見方が背景にあります。投資家のリスク選好が高まる局面では、同社のような市場インフラ銘柄は相対的に注目度が低下しやすい傾向があります。 - CVNA:Carvana -7.61%
中古車販売大手のCarvanaは大幅安となりました。これまで急騰していた反動に加え、高金利環境が自動車ローン需要に与える影響を警戒する投資家も増えています。中古車市場の回復期待は残るものの、バリュエーション(企業価値評価)が高い銘柄には利益確定売りが入りやすい状況です。 - HPQ:HP Inc. -6.99%
パソコンメーカーのHPは決算発表後に売られました。売上は市場予想を上回ったものの、中国関連コストや利益率への懸念が残りました。AIパソコン市場への期待はあるものの、現時点では企業向け需要の回復速度を慎重に見る投資家が多かったようです。 - DELL:Dell Technologies -6.58%
決算ではAIサーバー受注が好調だったものの、利益率への懸念から株価は下落しました。AI関連銘柄は市場の期待が非常に高く、良い決算でも期待を大幅に上回らなければ売られるケースが増えています。現在のAI相場の難しさを象徴する動きと言えそうです。 - NOW:ServiceNow -6.04%
企業向け業務ソフトウェアを提供するServiceNowは利益確定売りに押されました。AI機能の導入による成長期待は続いていますが、これまでの株価上昇幅が大きかったため、一時的な調整局面となりました。長期的には企業のDX(デジタル変革)需要の恩恵を受ける有力企業です。 - TSCO:Tractor Supply Company -5.57%
農業・園芸用品販売大手の同社は消費関連株の一角として売られました。米国消費は依然底堅いものの、高金利環境の長期化による消費者負担増加を警戒する見方も残っています。景気敏感な個人消費関連銘柄には慎重な資金配分が続いています。 - WDAY:Workday -5.31%
人事・会計クラウド大手のWorkdayは決算後の利益確定売りに押されました。企業のIT投資需要は維持されていますが、成長率の鈍化を懸念する投資家も存在します。AI機能強化を進めていますが、市場はより高い成長を求めている状況です。 - NDAQ:Nasdaq Inc. -5.28%
ナスダック市場運営会社は金融株の中で軟調な動きとなりました。市場全体は堅調でしたが、金融インフラ企業への資金流入は限定的でした。投資資金がAI関連や半導体関連へ集中する中で、相対的な魅力が低下した形となっています。 - PLTR:Palantir Technologies -5.28%
AI関連の代表銘柄であるPalantirは下落しました。業績への期待は依然高いものの、PER(株価収益率)が非常に高いことから利益確定売りが入りやすい状況です。ただし政府向け案件や企業向けAI需要は引き続き拡大しており、長期的な成長期待そのものが崩れたわけではありません。 - ACN:Accenture plc -5.27%
コンサルティング大手のAccentureは売られました。企業のIT投資は継続しているものの、景気減速局面でコンサルティング支出が抑制されるリスクも意識されています。一方でAI導入支援案件は増加しており、中長期的な成長余地は依然として大きいと考えられます。
セクター別騰落率
市場全体では公益事業(Utilities)、素材(Basic Materials)、エネルギー(Energy)、先端技術(Technology)、工業・産業(Industrials)がそろって上昇し、景気敏感株とAI関連株への資金流入が目立つ一日となりました。一方で、通信サービス(Communication Services)とヘルスケア(Healthcare)には大きな売りが入り、セクター間で明暗が分かれています。特に半導体やデータセンター関連への強い買いが市場全体を押し上げる一方、利益確定売りが集中した大型グロース株も見られました。金利上昇局面でも景気への楽観が優勢となり、資金循環が活発な相場だったと言えそうです。
- 公益事業(Utilities) +1.79%
公益事業セクターは全セクター中で最大の上昇となりました。データセンター建設ラッシュによる電力需要拡大期待が背景にあります。AI向けデータセンターでは膨大な電力が必要となるため、発電・送電事業者への注目が高まっています。従来はディフェンシブ銘柄とされてきましたが、現在はAIインフラ投資の恩恵を受ける成長分野としても評価され始めています。 - 素材(Basic Materials) +1.51%
銅や工業用金属関連企業を中心に買いが入りました。AIデータセンターや電力網整備、電気自動車普及には大量の銅や素材が必要です。Freeport-McMoRanなど資源関連企業が上昇しており、AI投資が半導体だけでなく資源需要にも波及していることを示しています。景気減速懸念より設備投資拡大への期待が優勢となりました。 - エネルギー(Energy) +1.35%
原油価格の上昇と中東情勢への警戒感を背景にエネルギー株が堅調でした。加えてAIデータセンターの電力需要増加が長期的なエネルギー需要拡大につながるとの見方もあります。景気後退懸念が後退しつつある中で、エネルギー関連企業の収益環境改善を期待する資金流入が続いています。 - 先端技術(Technology) +1.19%
半導体、通信機器、データセンター関連銘柄が市場を牽引しました。エヌビディア決算後もAI投資拡大への期待が継続しており、Applied Materials、Cisco Systems、KLA、Lam Researchなど幅広いAI関連企業へ資金が向かいました。現在の相場は単なるAIブームではなく、AIインフラ全体への投資拡大を織り込む段階に入っているように感じます。 - 工業・産業(Industrials) +1.04%
建設機械、空調設備、産業機械関連銘柄が上昇しました。AIデータセンター建設やインフラ投資拡大が追い風となっており、CaterpillarやComfort Systems USAなどが買われています。私自身、データセンター建設に携わった経験からも、AI時代には建物、電力、冷却設備への投資が不可欠であり、この流れは今後もしばらく続く可能性が高いと考えています。:contentReference[oaicite:1]{index=1} - ヘルスケア(Healthcare) -1.49%
市場全体がリスクオン(投資家が積極的にリスクを取る状態)となる中で、比較的ディフェンシブなヘルスケア株から資金流出が見られました。業績が安定している一方で成長期待が限定的な銘柄が多く、AI関連や景気敏感株へ資金が移動した形です。ただし高齢化という長期テーマは変わらず、中長期的な投資魅力が失われたわけではありません。 - 通信サービス(Communication Services) -2.30%
通信サービスセクターは全セクター中で最大の下落となりました。大型インターネット企業やメディア関連企業への利益確定売りが中心です。AI関連銘柄全体が強かったにもかかわらず、一部大型銘柄への売りがセクター全体を押し下げました。現在の市場はAI関連でも企業ごとの選別色が強く、指数全体より個別企業の成長性が厳しく評価される局面となっています。
主要3指数とドル円の動き
市場は終日方向感に欠ける展開でしたが、AI・半導体関連への買いが継続する一方で、一部大型グロース株には利益確定売りも見られました。結果としてS&P500、Dow30、NASDAQはいずれもプラス圏で取引を終えています。特にDow30の上昇が目立ち、景気敏感株やディフェンシブ株にも買いが広がるバランスの良い相場となりました。一方、ドル円は160円目前まで上昇し、為替市場ではドル高・円安基調が続いています。
- S&P500(7,609.78、前日比+0.13%)
S&P500は小幅ながら続伸しました。AI関連や半導体関連への資金流入が続く一方、一部の高PER(株価収益率が高い銘柄)には利益確定売りも入り、指数全体としては落ち着いた上昇となりました。私は現在の相場を「AIブームの第2段階」と見ています。GPUメーカーだけでなく、通信、電力、冷却設備などインフラ全体へ投資テーマが広がっている点が特徴です。 - Dow30(51,307.79、前日比+0.45%)
Dow30は主要3指数の中で最も大きく上昇しました。工業・産業(Industrials)、金融(Financial)、エネルギー(Energy)など景気敏感株への買いが目立ちました。NASDAQ主導だけではなく市場全体へ資金が広がっていることは相場の健全性を示しています。長期投資家としては、一部のAI銘柄だけでなく市場全体に資金が循環している点を前向きに評価したいところです。 - NASDAQ(27,093.90、前日比+0.03%)
NASDAQはほぼ横ばいでした。半導体やAI関連には買いが続いたものの、PalantirやServiceNowなど高成長株の一部には利益確定売りが入りました。現在の市場は「AIなら何でも上がる」段階ではなく、業績やバリュエーションを厳しく見極める局面に移っています。短期的には値動きが大きくなりやすいものの、長期的なAI投資テーマそのものは継続していると感じています。 - ドル円(159.92円、前日比+0.22%)
ドル円は159円台後半まで上昇しました。米国経済の底堅さが続く一方、日本では日銀の追加利上げペースが限定的との見方があり、金利差を背景としたドル買い・円売りが続いています。160円は心理的な節目でもあり、政府・日銀による為替介入への警戒感も残ります。ただし米国株へ投資する日本人にとっては、円安による円建て資産評価額の押し上げ効果も無視できない状況です。
原油先物・米10年国債利回り・VIX・金先物の動き
市場全体では株式市場が堅調に推移する中で、VIX指数と米10年国債利回りが低下し、投資家心理は比較的落ち着いた状態が続きました。一方で、原油価格と金価格はともに上昇しており、中東情勢への警戒感やインフレ再燃リスクも完全には消えていません。株式市場はリスクオン(投資家が積極的にリスクを取る状態)を維持しながらも、地政学リスクへの備えも同時に進める複雑な相場環境となっています。
- WTI原油先物(93.45ドル、前日比+1.40%)
原油先物は続伸しました。中東情勢の緊張が続く中で供給懸念が意識されているほか、夏場の需要増加も価格を押し上げています。AIデータセンター向け電力需要の増加も長期的なエネルギー需要拡大要因として注目されています。ただし、90ドル台の原油価格はインフレ圧力にもつながるため、FRBの金融政策や企業収益への影響も今後の焦点となりそうです。 - 米10年国債利回り(4.455%、前日比-0.45%)
米10年国債利回りは低下しました。債券買いが優勢となり、金利上昇への警戒感がやや後退しています。通常、長期金利の低下は高PER銘柄やグロース株に有利に働きますが、この日はNASDAQよりもDow30の上昇が目立ちました。私は、市場がAI関連一辺倒から景気敏感株やインフラ関連へと投資対象を広げつつある局面に入っているように感じています。 - VIX指数(15.77、前日比-1.74%)
VIX指数は15台まで低下しました。VIXは「恐怖指数」と呼ばれ、市場参加者の不安心理を示す指標です。20を下回る水準は比較的落ち着いた相場環境を意味します。株式市場では大きな混乱を警戒する動きは限定的であり、投資家は企業業績やAI関連投資の拡大を重視している状況です。ただし、低VIX局面では予想外のニュースによる急変動にも注意が必要です。 - 金先物(4,519.50ドル、前日比+0.29%)
金先物は上昇しました。通常は金利低下とドル安が金価格を押し上げる要因となりますが、今回は地政学リスクへの備えとしての安全資産需要も背景にあります。原油高と金価格上昇が同時に進んでいる点は、市場が中東情勢やインフレ再加速の可能性を完全には無視していないことを示しています。長期投資家としては、純金を資産の一部に組み入れる考え方も引き続き有効だと考えています。
私の米国株ポートフォリオ+0.50%(前日比)
昨夜の米国市場ではS&P500が+0.13%、Dow30が+0.45%、NASDAQが+0.03%とまちまちの動きでしたが、日本市場で取引されるETFや投資信託には先週末の米国市場の上昇が反映され、比較的堅調な一日となりました。
特にeMAXIS Slim米国株式(S&P500)が+0.46%、iFreeETF FANG+が+0.11%、GX超短期米国債も+0.28%と安定した動きとなりました。一方で、MAXISナスダック100上場投信はわずかに下落しましたが、全体としてはS&P500連動資産がポートフォリオを押し上げる結果となっています。
個人的には、最近の相場はAI関連銘柄への期待が続く一方で、利益確定売りも頻繁に見られ、一本調子の上昇相場ではなくなってきたと感じています。それでも、VIX指数は15台と低水準を維持しており、市場全体のリスク許容度は比較的高い状態です。
経済指標発表結果
- JOLTS求人件数(761.8万件、予想686.0万件、前回688.7万件)
この日の経済指標で最も市場への影響が大きかったのはJOLTS求人件数でした。結果は761.8万件と市場予想を大幅に上回り、前月からも大きく増加しました。米国企業の採用意欲が依然として強いことを示しており、景気の底堅さが改めて確認された形です。一方で、労働市場の強さは賃金上昇圧力につながる可能性もあるため、FRBの利下げ時期が後ずれするとの見方も浮上しました。それでも株式市場は景気拡大期待を好感し、Dow30を中心に堅調な値動きとなりました。 - IBD/TIPP景気楽観指数(42.5、予想44.5、前回42.6)
個人投資家や消費者の景況感を示すIBD/TIPP景気楽観指数は42.5となり、市場予想を下回りました。依然として50を下回る水準であり、米国消費者は経済やインフレ環境に対して慎重な姿勢を維持していることがうかがえます。ただし、この日の市場ではJOLTS求人件数のインパクトが大きく、景況感指数の弱さはあまり重視されませんでした。長期投資家としては、企業の採用動向と消費者心理にやや温度差が見られる点に注目しています。 - レッドブック売上高(前年比+9.0%)
レッドブック売上高は前年比+9.0%となり、前週と同水準でした。米国小売売上の先行指標として注目されますが、高金利環境にもかかわらず消費活動が底堅く推移していることを示しています。米国経済は個人消費が約7割を占めるため、小売関連指標の安定は企業業績にとっても重要です。市場は引き続き「景気後退ではなく景気減速程度」との見方を維持しているようです。 - 米週間原油在庫(予想-360万バレル、発表は引け後待ち)
原油在庫統計は米国市場終了後の発表予定でしたが、市場では原油価格上昇と合わせて注目されていました。足元では中東情勢の緊張もあり、エネルギー市場は供給動向に敏感な状態が続いています。原油価格が高止まりするとインフレ再燃リスクにつながるため、FRBの金融政策や今後の金利動向を考える上でも重要な指標となります。
主要銘柄の決算発表結果
- PANW:Palo Alto Networks(先端技術)
サイバーセキュリティ大手のPalo Alto Networksは、EPSが0.85ドルと市場予想の0.79ドルを上回り、売上高も30億ドルと予想の29.4億ドルを上回りました。AI活用の拡大に伴い企業のセキュリティ投資需要は引き続き堅調です。市場時間中の株価は1.10%下落したものの、決算内容とガイダンスが評価され、時間外取引では7.53%上昇しました。AI時代はデータセンターやクラウドだけでなく、サイバー攻撃対策の重要性も高まっており、長期的な成長テーマは継続していると感じます。 - DG:Dollar General(生活必需品(Consumer Defensive))
ディスカウントストア大手のDollar Generalは、EPSが2.00ドルと予想の1.90ドルを上回り、売上高も108億ドルと市場予想の108.2億ドルにほぼ一致しました。通期見通しの引き上げも発表され、消費者の節約志向が続いていることが確認されました。株価は通常取引で3.33%上昇し、時間外でも0.25%高となっています。高インフレと高金利が続く環境では、低価格業態の強みが改めて評価される結果となりました。 - ULTA:Ulta Beauty(一般消費材(Consumer Cyclical))
化粧品販売大手のUlta Beautyは、EPSが7.74ドルと予想の6.87ドルを大幅に上回り、売上高も31.6億ドルと市場予想の31.1億ドルを上回りました。市場時間中の株価は1.18%下落していましたが、決算発表後に業績の底堅さが評価され、時間外取引では5.20%上昇しています。消費者の選別消費が進む中でも美容関連支出は比較的堅調であり、米国個人消費の強さを示す内容となりました。
主な経済ニュース
- JOLTS求人件数が予想を大幅に上回る
4月のJOLTS求人件数は761.8万件となり、市場予想の686.0万件を大きく上回りました。米国企業の採用意欲が依然として強く、景気後退懸念が後退するきっかけとなっています。一方で、労働市場の強さは賃金上昇圧力を通じてインフレ再燃リスクにもつながるため、FRBの利下げペースには引き続き注意が必要です。株式市場では景気敏感株を中心に買いが広がりました。(Reuters:06/02) - AIインフラ関連銘柄への資金流入が継続
AI関連投資の拡大期待から、半導体だけでなく通信機器、光通信、電力設備、冷却設備関連企業まで幅広く買われました。私はデータセンター建設に携わった経験がありますが、AI時代はGPUだけでは成立せず、電力・通信・冷却設備まで含めた巨大なインフラ投資が必要です。市場も徐々にその構造を織り込み始めているように感じます。(Bloomberg:06/02) - トランプ大統領がネタニヤフ首相に停戦維持を強く要求
トランプ大統領はイスラエルのネタニヤフ首相に対し、イランとの停戦合意を損なう行動を控えるよう強く求めたと報じられました。市場では中東情勢のさらなる悪化を警戒していたため、この報道は原油価格の急騰リスクをやや和らげる要因となりました。原油高はインフレ再燃や企業収益圧迫につながるため、株式市場にとっては停戦維持への期待が安心材料となりました。ただし情勢は依然として流動的であり、地政学リスクは引き続き注視が必要です。(Reuters:06/02) - 中東情勢を背景に原油価格が上昇
WTI原油先物は93ドル台まで上昇しました。イスラエルとイランを巡る地政学リスクが続いており、原油供給への懸念が残っています。エネルギー株にはプラス要因となる一方で、原油高は企業コストや消費者物価を押し上げる要因にもなります。今後のインフレ動向を考える上で重要なテーマの一つです。(Reuters:06/02) - 米10年国債利回りが低下
米10年国債利回りは4.455%まで低下しました。債券市場ではインフレ再加速への過度な警戒感が後退しつつあります。通常であればグロース株に有利な環境ですが、この日はNASDAQよりもDow30の上昇が目立ち、資金が市場全体へ広がる展開となりました。AI関連一辺倒から景気敏感株への資金循環も見られています。(Reuters:06/02) - ドル円は160円目前まで上昇
ドル円は159.9円台まで上昇しました。米国景気の底堅さと日米金利差が背景にあります。日本人投資家にとっては米国資産の円建て評価額を押し上げる要因ですが、160円台に接近するにつれて為替介入への警戒感も高まっています。株式市場だけでなく為替市場の動向も無視できない局面です。(Bloomberg:06/02) - Palo Alto Networks決算を市場が好感
サイバーセキュリティ大手Palo Alto Networksは市場予想を上回る決算を発表し、時間外取引で大きく上昇しました。AI活用が進むほど企業データの価値は高まり、サイバー攻撃リスクも増加します。AIブームの恩恵は半導体だけでなく、セキュリティ分野にも広がっています。(Yahoo! Finance:06/02) - Dollar Generalが通期見通しを引き上げ
低価格小売大手Dollar Generalは業績見通しを引き上げました。高インフレ環境が続く中でも節約志向の消費者を取り込んでいます。米国消費は依然として底堅く、景気後退シナリオを想定する投資家が減少する要因となりました。個人消費が米国経済を支えている構図に変化はありません。(Reuters:06/02) - 公益事業セクターが市場を牽引
この日は公益事業(Utilities)セクターが全セクター中で最大の上昇となりました。AIデータセンターの増設によって電力需要が急増するとの見通しが背景です。従来は安定配当銘柄として見られていた電力会社ですが、現在はAIインフラ関連銘柄としても評価されるようになっています。(Bloomberg:06/02) - VIX指数は15台まで低下
VIX指数は15.77まで低下し、市場参加者の不安心理が後退しました。投資家は企業業績や景気動向に対して比較的楽観的な姿勢を維持しています。ただし、VIXが低い局面では予想外のニュースによる急変動が起こりやすいことも事実です。長期投資家としては冷静な資金管理を続けたいところです。(Reuters:06/02) - AI投資テーマが半導体からインフラへ拡大
今年前半はエヌビディアを中心とした半導体株が市場を牽引しましたが、足元では光通信、電力設備、冷却設備、建設機械、素材企業などにも資金が広がっています。私は現在の相場を「AI投資の第2段階」と考えています。AIを支えるインフラ企業群への評価が高まり始めており、市場テーマがより広範囲になってきました。(Financial Times:06/02)
経済指標発表予定
以下の経済指標が発表される予定です。
主要銘柄の決算発表予定
以下の主要銘柄の決算発表がなされる予定です。
おわりに
米国株市場は、AI関連への期待、雇用の底堅さ、中東情勢、原油高、為替の円安進行が重なり、単純に強気とも弱気とも言い切れない一日でした。それでも市場全体としては落ち着きを保ち、投資家は企業業績と成長テーマを冷静に見極めているように感じます。
長期投資では、日々の値動きに振り回されすぎず、市場に居続ける姿勢が大切だと思っています。本ブログが、皆さまの市場理解に少しでも役立てば嬉しいです。
それでは、今日も一日、明るく元気に笑顔で過ごしましょう。
ご参考になりましたらこちらから応援いただけると嬉しいです。
おことわり
投資は自己責任にてお願いします。
このブログには広告が挿入されています。この広告はGoogle社が読者の好みに応じて選んで提供しているものです。興味がございましたらご覧いただければ幸いです。投資に関する広告が表示されても、私の推奨ではないことをご理解ください。
図表のレファレンス
- S&P500ヒートマップ: finviz
- 主要3指数とドル円: Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
- セクター別騰落率: finviz
- 経済指標結果/予定: investing.com日本語版
- 決算発表結果/予定: investing.com日本語版
- 主要指数の動き : Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
- 自分の米ドル建ポートフォリオ: Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
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