10月20日 テクノロジー|エヌビディア中国向けGPU・マイクロン台湾スト権・Jio上場

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今日の焦点は、昨日の米国でAI(人工知能)関連株が反発した一方、本日のアジア市場でKOSPI(韓国総合株価指数)が4.0%、日経平均株価が1.3%下がり、反発が太平洋を越えなかったことです(AP 10/20)。さらに、エヌビディアの中国向けGPUへの注文、マイクロンの台湾での労働争議、AI企業の資金調達が、今夜の決算発表(SpaceXとNetflixが米国時間の引け後)を前に確認したい材料です(Benzinga 10/20)。

前回までの記事で扱った内容(10月19日の半導体株急落、DeepSeekの更新版、ネオクラウドのCDS、ジオの初期情報、ロシュのEnspryng承認、CCCやIntuitの買収など)は繰り返さず、その後に出た進展と新しい材料に絞りました。技術発表、企業の目標、市場予測、本稿の分析を区別し、報道だけで確認できていない情報は、その旨を書いています。

■ 本日の要点

  • 🇺🇸 10月19日(月)の米国市場は、ナスダック総合が1.11%高、S&P500が0.41%高、ダウ工業株30種平均が0.07%安でした。フィラデルフィア半導体株指数は1.6%上がり、2008年以来で最長だった8営業日続落が止まりましたが、S&P500の構成銘柄の約65%は下がっています(Investing.com(Yahoo Finance) 10/20、GGMA(Bloomberg等引用) 10/20)。
  • 🇰🇷🇯🇵 本日のアジアは再び売られました。KOSPIは4.0%安の5,539.05、日経平均は1.3%安の64,075.42円、香港ハンセン指数は1.1%安でした(AP 10/20)。韓国のデータセンター企業Eliceは、コスダック(韓国の新興企業向け市場)への上場初日に最大33%下落しました(GGMA(Bloomberg等引用) 10/20)。
  • 🇨🇳🇺🇸 エヌビディアが中国向けに売る新型GPU「RTX PRO 5500」について、アリババ、テンセント、バイトダンスの3社だけで300万枚超(定価ベースで350億ドル超)の注文が入ったとロイターが報じました。ただし納入できるのは注文額の5〜10%にとどまる可能性があります(Stocktwits(Reuters引用) 10/20)。
  • 🇹🇼🇺🇸 マイクロンの台湾の労働組合が、スト権の投票で99%の賛成を得ました(Reuters(The Star) 10/7)。台湾の9月の輸出は872億ドルと過去最高で、前年同月比60.9%増でした(Trading Economics 10/8)。
  • 🇺🇸🇯🇵 OpenAIが約300億ドルの調達を急いでおり、評価額は1.4兆ドル超とされます(Investing.com(Yahoo Finance) 10/20)。ソフトバンクグループの5年物CDSは432ベーシスポイント(4.32%)と、2022年11月以来の高さです(GGMA(Bloomberg等引用) 10/20)。
  • 🇮🇳🇪🇺 リライアンス傘下のJio Platformsの上場は、上限価格で約32億ドル規模で、応募は10月21日に始まります(TechCrunch 10/14)。エヌビディアは欧州向けAI会議「GTCベルリン」を10月20〜22日に開いています(Mobile World Live 10/14)。

■ 🇺🇸 米国:反発は「AI・ハイテクだけ」、決算週の確認点

10月19日(月)の米国市場では、ナスダック総合が1.11%上がり、S&P500が0.41%上がり、ダウが0.07%下がりました(Investing.com(Yahoo Finance) 10/20)。個別では、アマゾンが4.95%高、パランティアが4.36%高、テスラが3.74%高、マイクロンが2.95%高でした(TheStreet 10/19)。エヌビディアは1.4%高でした(CNBC 10/20)。サンディスクも5.5%上がりましたが、取引時間中の価格(約1,370.85ドル)は、6月の過去最高値(約2,335ドル)から約41%低い水準です(本稿試算)(TheStreet 10/19)。半導体株指数の上昇率(1.6%)は、ナスダック総合(1.11%)の約1.4倍でした(本稿試算)(GGMA(Bloomberg等引用) 10/20)。

ただし、反発の中身は偏っています。ドイツ銀行のアナリストは、S&P500の構成銘柄のほぼ3分の2が下がったと指摘しています(Investing.com(Yahoo Finance) 10/20)。ゴールドマン・サックスの取引データでは、ヘッジファンド(運用成績を競う私募ファンド)は10月15日までの5営業日で、ハイテク株を2016年以来で最大の割合で減らしました。純投資比率(買い持ちから売り持ちを引いた比率)は48.6%と1年ぶりの低さですが、ハイテクへの配分は過去5年の上位10%の水準に残っています(GGMA(Bloomberg等引用) 10/20)。減らしたとはいえ保有はまだ多く、決算が悪ければ追加の売りが出うる、という読み方もできます(本稿の分析)。

寄り付き前の動きです。ナスダック100先物は0.2〜0.4%安、S&P500先物はほぼ横ばい、ダウ先物は0.2〜0.3%高と、まちまちです(Investing.com(Yahoo Finance) 10/20、Stocktwits 10/20、GGMA(Bloomberg等引用) 10/20)。米10年債利回りは5.12%で、前日は0.067ポイント(6.7ベーシスポイント)上がっていました(GGMA(Bloomberg等引用) 10/20)。市場は来週のFOMC(連邦公開市場委員会)での利上げを17%の確率で織り込み、12月までの累計では0.27ポイント(27ベーシスポイント)の引き締めを見込んでいます(GGMA(Bloomberg等引用) 10/20)。FRB高官の間では、AI投資の拡大が物価を押し上げるとの見方が強まり、ウォーシュ議長はAI投資を物価と需要へのショックと呼んでいます。来年のAI投資は約1兆ドル、GDP(国内総生産)の約3%に達する見通しです(GGMA(Bloomberg等引用) 10/20)。

今週の決算が、AI投資の継続を測る材料です。SpaceXとNetflixは本日の引け後、テスラ、メタ・プラットフォームズ、IBM、テキサス・インスツルメンツは21日の引け後に発表します(TheStreet 10/19)。インテルは、JPモルガンが投資判断を「アンダーウェイト」から「ニュートラル」へ引き上げ(目標株価は据え置きの85ドル)、寄り付き前に4%高となりました。アマゾンは、モルガン・スタンレーが目標株価を335ドルから350ドルへ上げています(TheStreet 10/19)。関連銘柄は、エヌビディア(NVDA・エヌビディア)、アマゾン(AMZN・アマゾン・ドット・コム)、インテル(INTC・インテル)、マイクロン(MU・マイクロン・テクノロジー)、サンディスク(SNDK・サンディスク)、テキサス・インスツルメンツ(TXN・テキサス・インスツルメンツ)、テスラ(TSLA・テスラ)、メタ・プラットフォームズ(META・メタ・プラットフォームズ)、IBM(IBM・インターナショナル・ビジネス・マシーンズ)です。

■ 🇰🇷🇯🇵 アジア:KOSPI4%安、ソフトバンクのCDS、Eliceの上場失敗

米国の反発は、アジアに届きませんでした。AP通信によると、KOSPIは4.0%安の5,539.05、日経平均は1.3%安の64,075.42円、香港ハンセン指数は1.1%安の23,927.47、上海総合指数は0.1%安の3,726.38でした(AP 10/20)。Bloombergによると、外国人投資家は取引開始後の2時間でKOSPI株を約4.8億ドル売り越し、指数は一時4.8%下がって、6月の史上最高値からほぼ40%低い水準になりました(GGMA(Bloomberg等引用) 10/20)。日経平均は、6月の最高値(73,007)と比べて約12%低い水準です(本稿試算)(Trading Economics 10/20)。

韓国では、データセンター事業のEliceがコスダックに上場し、初日に最大33%下落しました。公募で2,010億ウォンを集め、価格は上限でしたが、この下げが続けば、1億ドル以上を調達した韓国のIPO(新規上場)として最悪の初日になるとBloombergは伝えています。豪州ではFirmus Gridが、シドニーでの上場を取りやめました(GGMA(Bloomberg等引用) 10/20)。AI向けデータセンターが、株式市場から資金を集める窓口が狭まりつつあることを示します(本稿の分析)。

ソフトバンクグループ(9984)は、借入でAI投資を広げていることが意識されています。同社の5年物CDS(債務不履行に備える保険の料率にあたる指標)は432ベーシスポイント(4.32%)と、2022年11月以来の高水準で、日産自動車より130ベーシスポイント以上高い水準です。検討中とされるAllied Universalの買収も、資金面の懸念材料に挙がり、株価は6月の高値から約50%下がっています(GGMA(Bloomberg等引用) 10/20)。CDSは6月の約280から9月に400を超え(Reuters(The Star) 9/24)、今回の432になりました。6月比で約54%の上昇です(本稿試算)。10億ドルの債務を保険で守る場合の年間の保険料は約4,320万ドルです(本稿試算)。同社は9月に111億ドルの高利回り社債(世界最大規模)を発行しています(Reuters(The Star) 9/24)。これは市場が見る信用不安の度合いであり、債務不履行が起きることを示すものではありません。

日本の20年国債の入札では、応札倍率が5.84倍と過去最高になり、20年債利回りは最大0.06ポイント下がって3.71%でした(GGMA(Bloomberg等引用) 10/20)。金利が高くても買い手が出ていることを示します(本稿の分析)。米銀のアナリストは、KOSPIと日経平均に新たな売り持ちが積み上がり、均衡点がまだ見えないと分析し、日本の証券会社は、供給網全体のAI収益性が過小評価されているとの見方を示しています(GGMA(Bloomberg等引用) 10/20)。関連銘柄は、ソフトバンクグループ(9984・ソフトバンクグループ)、東京エレクトロン(8035・東京エレクトロン)、アドバンテスト(6857・アドバンテスト)、キオクシアホールディングス(285A・キオクシアホールディングス)、SKハイニックス(SKHY・SKハイニックス)です。サムスン電子(005930)とEliceは韓国市場の銘柄で、日本の個人投資家が通常の口座で買えるかは証券会社ごとの確認が必要です。

■ 🇨🇳🇺🇸 中国向けGPU:RTX PRO 5500の注文と、中国の金融政策

ロイターの報道として、Stocktwitsが10月20日に伝えた内容です。アリババ、テンセント、バイトダンスの3社が、エヌビディアのワークステーション(高性能な業務用パソコン)向けGPU「RTX PRO 5500」を300万枚超注文し、定価の合計は350億ドルを超えます。中国の顧客全体では600万枚超の注文があり、エヌビディアの生産計画を上回ると報じられています。エヌビディアは取引先に、注文を満たせる保証はないと伝え、納入できるのは注文額の5〜10%との見方が出ています(Stocktwits(Reuters引用) 10/20)。

背景は米国の輸出規制です。ブラックウェル世代のデータセンター向け「B300」は中国に売れず、旧世代の「H200」は個別審査で許可される仕組みです。RTX PRO 5500はこれらより性能が低いものの、中国企業は主にAIの推論(学習済みのAIが質問に答える処理)に使う狙いとされます(Stocktwits(Reuters引用) 10/20)。単純計算では、3社の注文は1枚あたり平均約1.17万ドルです(本稿試算)。同記事の見出しにある「全体で700億ドル超」が正しいと仮定すると、5〜10%の納入なら約35億〜70億ドルです(本稿試算)。

課題は三つです。第一に、これは報道であり、エヌビディアの公式発表ではありません。第二に、定価ベースの注文額は、実際の売上や契約確定額とは異なります。第三に、供給が足りなければ、注文は他社のGPUや中国国産品に流れる可能性があります(本稿の分析)。エヌビディア株は寄り付き前に0.18%安でした(Stocktwits(Reuters引用) 10/20)。関連銘柄は、エヌビディア(NVDA・エヌビディア)、アリババ(BABA・アリババ・グループ・ホールディング)、テンセント(TCEHY・テンセント・ホールディングスの米国店頭市場の預託証券)です。バイトダンスは非上場です。

中国の金融政策では、人民銀行が10月のローン・プライム・レート(LPR、銀行の貸出金利の目安)を17か月連続で据え置きました。1年物は3.0%、5年物は3.5%です。人民銀行は、政策金利の基準を7日物リバースレポ金利から翌日物金利へ移す案を検討しており、ある証券会社は新しい基準を1.25%と見て、現在の1.40%より0.15ポイント低いと分析しています。事実上の緩和になるとの見方です(GGMA(Bloomberg等引用) 10/20)。国家発展改革委員会の担当者は、経済は圧力に耐えているものの、回復の勢いはなお弱いと述べ、2026〜2030年の内需拡大計画を作成中です(GGMA(Bloomberg等引用) 10/20)。

■ 🇹🇼🇺🇸 台湾:輸出872億ドルと、マイクロンのストライキ懸念

台湾の9月の輸出は、前年同月比60.9%増の872.2億ドルと、過去最高でした。8月の41.0%増から伸びが加速しています。米国向けは106.2%増で、輸出全体の31.5%を占めます(Trading Economics 10/8)。この31.5%は約275億ドルです(本稿試算)。受注の先行指標である輸出受注は、8月に1,029.6億ドルと初めて1,000億ドルを超え、前年同月比71.4%増でした。情報通信分野は100.5%増の342.1億ドルです。経済部は9月の受注を1,060億〜1,091億ドル(50.7〜55.1%増)、2026年通年を約1.1兆ドルと予測しています(Focus Taiwan 9/22)。2025年(7,437.3億ドル)と比べると約48%増です(本稿試算)。9月の受注の実績値は、本稿の時点では確認できていません。

マイクロンの台湾事業では、労使の対立が強まっています。桃園の労組は、組合員1,994人(投票者の99%)がスト権に賛成したと発表しました。桃園と台中の二つの労組を合わせると、台湾の従業員の80%超を代表します。争点は、恒久的な利益配分の仕組みです。マイクロンは台湾の従業員に100万台湾ドル(約3.1万ドル)の一時金を示しましたが、労組は恒久的な仕組みの話にならないと反発しました(Reuters(The Star) 10/7)。台湾は同社最大の製造拠点で、台湾当局によれば同社は1.4兆台湾ドル(439億ドル)を投資し、DRAMとHBM(AI向けの広帯域メモリー)を生産しています(Reuters(The Standard) 9/1)。

Stocktwitsは、台湾の労組が22日(木)のストライキに向けて準備を進めているとの報道があると伝えています。時期や規模の詳細は確認できていません(Stocktwits 10/20)。参考になる前例が、韓国のサムスン電子です。最大4.8万人が参加する18日間のストライキが5月に回避され、半導体部門の営業利益の10.5%を特別賞与の原資とする合意になりました(Reuters(The Standard) 9/1)。同様の分配がマイクロンにも広がれば、営業利益の約1割が人件費として出ていく計算です(本稿試算)。ストが起これば、供給が逼迫しているメモリー市場に影響し得ますが、実際に生産が止まるかは未確認です(本稿の分析)。

マイクロン株は10月19日に2.95%上がりました(TheStreet 10/19)。投資家は、ストライキの有無、利益配分の合意内容、HBMの出荷への影響の3点を、決算書と報道で確認する必要があります。関連銘柄は、マイクロン(MU・マイクロン・テクノロジー)、TSMC(TSM・台湾積体電路製造の米国預託証券)、サンディスク(SNDK・サンディスク)、キオクシアホールディングス(285A・キオクシアホールディングス)です。

■ 🇮🇳🇪🇺 インドのジオ上場と、欧州でのエヌビディア投資

インドのJio Platformsの新規上場(IPO)は、10月21日から23日が応募期間です。新株2.7億株を1,065〜1,119ルピーで売り出し、上限価格での調達額は約3,021億ルピー(約32億ドル)です。上限価格での評価額は約10.3兆ルピー(約1,083億ドル)で、2020年のGoogleなどによる出資時の評価(約4.91兆ルピー)の約2.1倍です(本稿試算)(TechCrunch 10/14)。調達資金のうち最大2,750億ルピー(約91%)は、子会社Reliance Jio Infocommの借入返済に充てる計画です(TechCrunch 10/14)。

事業の数字です。2026年3月期の連結売上高は14.6%増の約1.47兆ルピーで、契約者は5.24億人超です(Outlook Business 10/15)。EBITDA(利払い・税・償却前の利益)は約7,626億ルピーで、売上に対する利益率は約52%です(本稿試算)(Bajaj Broking 10/15)。2026年4〜6月期の純利益は776億ルピーで、前年同期比9.2%増でした(Inc42 10/14)。この純利益を単純に4倍した年間利益に対し、評価額は約33倍です(本稿試算)。

株主構成は、リライアンス・インダストリーズが66.43%、Metaが9.98%、Googleが7.73%です。今回は新株の発行のみで、既存株主の売出しはなく、調達資金はすべて会社に入ります(Inc42 10/14)。課題は、評価額の高さと、AI関連株が揺れる局面で大型上場の需給が吸収できるかです。投資家は、応募倍率(募集株数に対する申込みの倍率)と上場日の初値を確認する必要があります。前回記事では上場を10月28日と見込みましたが(本サイト 10/19)、機関投資家への配分結果は本稿の時点で確認できていません。Jioは未上場、リライアンス・インダストリーズはインドの市場の銘柄で、日本から買えるかは証券会社ごとの確認が必要です。株主のメタ・プラットフォームズ(META・メタ・プラットフォームズ)とアルファベット(GOOGL・アルファベット)は米国で買えます。

欧州では、エヌビディアが10月20〜22日に「GTCベルリン」を開いています(Mobile World Live 10/14)。フアンCEOが10月13日に述べた追加20億ドルの欧州投資(過去1年は約80億ドル)の投資先として、フランスの新興4社が挙がっています。医療技術のDoctolib、ロボットのGenesis AI、業務ソフトのPigment、AIで化学・材料を研究するEntalpicです(ROIC 10/13)。英国では10月14日にロンドンで11.6億ドルの投資枠が示され、バイオのPrima MenteとBoltz、計画管理のForesight、アルゴリズムのHiverge、量子分野のRiverlaneの5社が挙がりました。エヌビディアの出資案件は2022年の12件から、今年は116件に増えています(NewsBytes 10/14)。ドイツ政府は10月16日、エヌビディアを含む産業AIの協力協定を翌週(今週)に発表すると述べました。金額は非公表です(TIKR 10/16)。

エヌビディアの過去12か月のフリーキャッシュフロー(事業で稼いだ自由に使える現金)は1,270.1億ドルで、20億ドルはその約1.6%です(TIKR 10/16)。出資先の多くは、将来エヌビディアのGPUを買う顧客になりえます。前回記事で触れた「循環取引」(半導体の売り手が買い手に資金を出す構図)への批判が、欧州でも出るかが論点です(本稿の分析)。関連銘柄は、エヌビディア(NVDA・エヌビディア)です。フランスやドイツの新興企業は非上場で、日本から買えません。

■ 🇺🇸 AI企業の資金調達とSpaceXの決算前

ロイターによると、OpenAIはAnthropicの上場(11月中旬の見通し)の前に出資の約束を固めようと、約300億ドルの調達を急いでいます。候補は既存のソフトバンクグループとアブダビのMGXで、評価額は1.4兆ドル超になりえます。OpenAIは投資家に、年換算の売上高が500億ドルで、GPT-6 Astraの投入後、年末までに700億ドルへ増えると説明しています。評価額は年換算売上の約28倍です(本稿試算)。Anthropicの7〜9月期の売上高は168億ドルで、前期の116億ドルから約45%増ですが、伸びの鈍化が評価額への疑問につながっていると報じられています(Investing.com(Yahoo Finance) 10/20)。なお、この記事を作成しているClaudeはAnthropicが開発したAIです。

Anthropicは10月18日、株式の5%を新設の公益基金へ拠出する方針を示しました(TheStreet 10/19)。また、Nscaleが、Anthropicと450億ドルの計算資源(AIを動かすサーバー設備)の契約を協議中とBloombergが伝えています(GGMA(Bloomberg等引用) 10/20)。ネオクラウド(AI向けの計算設備を貸す新興事業者)では、CoreWeaveがゴールドマン・サックスの投資判断引き上げ(買い推奨)を受け、10月19日に6.12%上がりました。同社の6月末の受注残は約1,040億ドルです(TheStreet 10/19)。ゴールドマンは、加重平均の借入コストが上がっても100〜200ベーシスポイントにとどまると見積もっています(GGMA(Bloomberg等引用) 10/20)。ただし本日の寄り付き前は約3%安です(Stocktwits 10/20)。

SpaceX(SPCX・スペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ)は、本日の引け後に決算を発表します。市場予想は1株利益0.14ドル、売上高127.4億ドルです(Benzinga 10/20)。前四半期(4〜6月期)の売上高は78億ドルだったため(本サイト 10/19)、予想は約63%の増加です(本稿試算)。株価は時間外で約147〜149ドルと、6月16日の最高値225.64ドルから約34〜35%低い水準です(本稿試算)(Benzinga 10/20、TheStreet 10/19)。S&Pグローバルは、SpaceXを含む大規模クラウド事業者6社について、一部の債務関連の義務が投資家や格付け会社には見えにくい可能性があると警告しています(Stocktwits 10/20)。確認点は、AI関連の売上、資金調達の必要額、Starlinkの拡大計画です。投資家のゲイリー・ブラック氏は、SpaceXがテスラを1株420ドルで買収する発表が数週間以内にあると予想していますが、これは個人の予想で、確認された事実ではありません(Stocktwits 10/20)。

関連銘柄は、SpaceX(SPCX)、テスラ(TSLA・テスラ)、ソフトバンクグループ(9984・ソフトバンクグループ)、CoreWeave(CRWV・コアウィーブ)です。OpenAIとAnthropicは未上場で、現時点では買えません。AI企業の資金調達は「誰が貸すか」の問題で、金利が5%台の局面では、借入の費用と調達の順番が株価を左右します(本稿の分析)。

■ 🇺🇸🇯🇵 ロボット・自動運転・金融、そして電力の価格

ロボットでは、モルガン・スタンレーの試算が具体的です。アマゾンの取扱個数のうち、ロボット対応の物流センターを通る割合が10%増えるごとに、年20億〜40億ドルのコストを減らせるとし、2027年の株価材料に挙げました。同社の決算は10月29日の引け後です(TheStreet 10/19)。

Stocktwitsは、アルファベット傘下のWaymoが2027年末までに保有台数を2万台へ広げる計画だと報じています。報道ベースで、公式発表は確認できていません。インテルは、外国製の先端ロボット機器への規制について、FCC(米連邦通信委員会)に適用除外を求めたと報じられました。ブロードコムはNTTドコモと10年間のクラウド基盤契約を結んだと伝えられましたが、金額と対象は確認できていません(Stocktwits 10/20)。関連銘柄は、アルファベット(GOOGL・アルファベット)、インテル(INTC・インテル)、ブロードコム(AVGO・ブロードコム)、日本電信電話(9432・NTT)です。

金融では、JPモルガン・チェース(JPM・JPモルガン・チェース)が、国家安全保障上重要な産業に50億ドルの株式投資を行ったとロイターが報じました。先進製造、エネルギー、供給網、防衛関連、分散型の蓄電池、製造の自動化などが対象です。1年前に始めた取り組みでこれまで約2,300億ドルを融資し、10年で1.5兆ドルを融資する目標です(TheStreet 10/19)。一方、米国の法人所得税の収入は、2026会計年度に約15%減の3,810億ドルとなり、約700億ドル減りました。昨年成立した税制で、企業がAI投資を早く損金に算入できるようになったためです(GGMA(Bloomberg等引用) 10/20)。AI投資の一部は、税収の減少という形で政府が負担していることになります(本稿の分析)。

電力と燃料の価格も確認点です。ブレント原油は109.97ドル、WTI原油は103.91ドルで、5か月ぶりの高値圏です。イエメンの武装組織フーシ派が、サウジアラビアの石油施設と空港への6回の攻撃を発表し、サウジは10月26〜29日の投資会議を2027年へ延期しました(TheStreet 10/19、GGMA(Bloomberg等引用) 10/20)。ホルムズ海峡の原油流量は7日平均で日量1,017万バレルと、開戦前より41%少ない水準で、米国の戦略石油備蓄は1982年以来の低水準です(GGMA(Bloomberg等引用) 10/20)。データセンターは電力を大量に使うため、エネルギー価格は設備投資の採算に影響します(本稿の分析)。

■ 投資家が確認したい指標

  • 米国株の決算:本日引け後のSpaceX(予想は1株利益0.14ドル、売上高127.4億ドル)とNetflix、21日引け後のテスラ、メタ、IBM、テキサス・インスツルメンツで、AI設備投資と需要の見通しが維持されるか(Benzinga 10/20、TheStreet 10/19)。
  • 半導体株指数:8営業日続落が止まった後に反発が続くか。VIX先物(市場の不安度を示す指数の先物)は18.55です(GGMA(Bloomberg等引用) 10/20)。
  • 金利:米10年債利回り5.12%、来週のFOMCでの利上げ確率17%、12月までの累計27ベーシスポイント(GGMA(Bloomberg等引用) 10/20)。
  • AIの資金調達:ソフトバンクグループの5年物CDS(432ベーシスポイント)、CoreWeaveの借入コスト、OpenAIの約300億ドル調達、Anthropicの上場(11月中旬の見通し)(GGMA(Bloomberg等引用) 10/20、Investing.com(Yahoo Finance) 10/20)。
  • メモリーと台湾:マイクロンの台湾でのスト(22日報道の真偽)、台湾の9月の輸出受注(予測1,060億〜1,091億ドル)(Stocktwits 10/20、Focus Taiwan 9/22)。
  • 中国:RTX PRO 5500の納入比率(5〜10%)、人民銀行の政策金利の基準変更案(Stocktwits(Reuters引用) 10/20、GGMA(Bloomberg等引用) 10/20)。
  • インド・欧州:Jioの応募倍率(21〜23日)と上場日の初値、GTCベルリンでのエヌビディアの発表内容、ドイツ政府との協定(TechCrunch 10/14、TIKR 10/16)。
  • 量子・医療・ロシア:IBMは21日の引け後に決算を発表し(TheStreet 10/19)、7月30日にシカゴ大学と量子優位性の実証を発表しています(IBM 7/30)。決算で量子コンピューターの進捗が説明されるかを確認します。医療とロシアでは、前回記事以降に投資判断に使える新しい技術発表は確認できませんでした。

10月20日の材料で新しいのは、AI関連の評価の軸が、需要そのものから「誰が資金を出し、誰が費用を負担するか」へ移っている点です。米国の反発は半導体とハイテクに限られ、アジアでは再び売られ、ソフトバンクグループのCDSは432ベーシスポイントに上がり、Eliceの上場は初日に最大33%下がりました(GGMA(Bloomberg等引用) 10/20)。一方で、中国からはエヌビディアのGPUに600万枚超の注文が入り(Stocktwits(Reuters引用) 10/20)、台湾の9月の輸出は過去最高で(Trading Economics 10/8)、ジオは約32億ドルの上場に挑みます(TechCrunch 10/14)。需要が強いのに資金の価格が上がる局面では、費用は社債の買い手(高い利回り)、政府(法人税収の約700億ドル減(GGMA(Bloomberg等引用) 10/20))、労働者(マイクロンやサムスンの利益配分)、株主に分かれて表れます。利益を得るのは、供給が足りない半導体、メモリー、電力の供給側です。実績に表れる時期は、決算が今夜から10月29日まで、ジオの応募が10月21〜23日、AI設備投資の資金繰りが数か月後、メモリーの利益配分が数四半期後、ロボットのコスト削減が2027年です。本稿は情報の整理であり、売買の推奨ではありません。

参考記事:
・Stocktwits 10/20
・AP 10/20
・Benzinga 10/20
・Investing.com(Yahoo Finance) 10/20
・GGMA(Bloomberg等引用) 10/20
・Stocktwits(Reuters引用) 10/20
・Reuters(The Star) 10/7
・Trading Economics 10/8
・TechCrunch 10/14
・Mobile World Live 10/14
・TheStreet 10/19
・CNBC 10/20
・Trading Economics 10/20
・Reuters(The Star) 9/24
・Focus Taiwan 9/22
・Reuters(The Standard) 9/1
・Outlook Business 10/15
・Bajaj Broking 10/15
・Inc42 10/14
・本サイト 10/19
・ROIC 10/13
・NewsBytes 10/14
・TIKR 10/16
・IBM 7/30

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