室井のマーケット視点
昨日の米国市場は、AI関連への買い戻しが指数を押し上げた一日でした。SpaceXの好決算と、AIサーバーを手がけるスーパーマイクロ・コンピューター(SMCI)の強気な業績見通しを受け、S&P500は+0.58%、NASDAQは+1.05%で終えています。一方、通信サービスは-1.11%と下落し、Netflix(NFLX)とAT&T(T)は決算内容を嫌気した売りに押されました。
私が気になったのは、上昇と下落の線引きがはっきりしている点です。先端技術が+1.67%と大きく上げた半面、生活必需品、ヘルスケア、不動産などの守りのセクターは軟調でした。米10年国債利回りは5.15%、WTI原油も97ドル台と高止まりしており、12月のFRB(米連邦準備制度理事会)による追加利上げを見込む声が強まっています。こうした環境では、セクターローテーション(資金が分野ごとに入れ替わる動き)が進んでいる可能性を否定できないと感じます。
だからこそ、特定のテーマに賭けるより、AIを含む11セクターへまとめて分散できるS&P500の力を思い出したい日です。主役が入れ替わりながら全体として伸びていくのが指数の強みだと、私は考えています。毎月の積立とドル・コスト平均法(毎回同じ金額を定期的に買い続ける方法)を、淡々と続けていきましょう。投資は自己責任にてお願いします。
S&P500のヒートマップ
5%以上上昇したS&P500構成銘柄
- SMCI:Super Micro Computer Inc.(先端技術) +9.55%
AIサーバーを手がける会社です。10/20の取引終了後に、直近の四半期の売上高を185億〜195億ドル、粗利益率を12〜12.5%とする見通しを示し、市場予想を上回ったとロイターが報じました。AIデータセンター向けの需要が底堅いと確認され、時間外から買いが集まって、一日を通じて約9.5%高で終えました。 - CRL:Charles River Laboratories International Inc.(ヘルスケア) +9.33%
新薬開発の試験を請け負う会社です。当日に確認できる同社固有の材料は乏しい一方、同じ日にダナハーとサーモフィッシャーが予想を上回る決算を出し、ライフサイエンス関連が軒並み買われました。Medpace、Illumina、Brukerも6%前後上がっており、その流れに乗って52週高値を更新しています。 - ECHO:EchoStar Corp(通信サービス) +7.23%
SpaceXの株式を保有する通信会社で、市場ではSpaceXの値動きに連動しやすい銘柄とみられています。SpaceXが売上高前年比+161%の決算を発表して株価が上昇したため、同社にも買いが入りました。同日のSpaceXの上昇に歩調を合わせた動きです。 - BE:Bloom Energy Corp(工業・産業) +7.13%
燃料電池でAIデータセンターに電力を供給する会社です。10/22に第3四半期決算を控えており、市場予想は1株利益が0.67〜0.69ドル、売上高が約10億7,000万ドルでした。直近1か月は約2割下げていたため、決算を見越した買いが先行したとみられます。 - DDOG:Datadog Inc(先端技術) +6.50%
クラウドの稼働状況を監視するソフトウェアの会社です。当日に確認できる同社固有の材料は乏しく、SpaceXとスーパーマイクロの結果でAI投資への不安が和らぎ、AIの利用拡大で恩恵を受けるソフトウェア株にも買いが広がったとみられます。半年で約98%上昇してきた銘柄のため、値動きは大きくなりがちです。 - CIEN:CIENA Corp(先端技術) +5.67%
データセンター同士を結ぶ光通信装置の大手です。同社固有の新しい材料は確認できず、AI関連の買い戻しに乗る形で上昇しました。半年では約34%下げていたため、反発しやすい位置にあった面もありそうです。 - ILMN:Illumina Inc(ヘルスケア) +5.57%
遺伝子解析装置の会社です。10/21に新しいソフトウェアを加えた「Illumina BioInsight Platform」の拡充を発表し、ライフサイエンス関連株の上昇も重なりました。1年で約168%上昇した銘柄で、上がるときも下がるときも値幅が大きくなります。短期間で急に上がった後は反落もしやすいため、値動きの大きさには注意が必要です。 - DELL:Dell Technologies Inc(先端技術) +5.27%
AIサーバーの大手です。スーパーマイクロの強気な見通しが、同業のAIサーバー需要の強さを裏づける材料と受け止められ、買いが集まりました。10/20の時間外取引でもDellは5%台上昇しており、その流れが昨日の通常取引に続いています。決算を控えたAI関連株への関心の高さがうかがえます。 - CRWD:CrowdStrike Holdings Inc(先端技術) +5.26%
サイバーセキュリティの大手です。NVIDIAとの提携拡大(AIの動きをチップの段階から守る取り組み)を発表し、AI関連のソフトウェア株への買いとも重なりました。AIの導入が広がるほど守るべき対象も増えるため、成長期待が先行しています。ソフトウェア株のなかでも、AIの安全面に関わる銘柄として買われやすい局面です。
5%以上下落したS&P500構成銘柄
- EXPE:Expedia Group Inc(一般消費材) -5.03%
オンライン旅行予約の大手です。当日に確認できる個別材料は乏しく、原油の高止まりや高い金利が消費に与える影響への警戒から、旅行・消費関連が売られたとみられます。市場全体が上昇した日に逆行した点は、個別の需給の影響もありそうです。 - CMG:Chipotle Mexican Grill Inc.(一般消費材) -5.16%
ブリトー専門のチェーンです。TD Cowenが投資判断を「買い」から「中立」へ引き下げ、目標株価を44ドルから32ドルに下げました。10月の売上が期待を下回りそうだという分析が理由です。Wells Fargoも目標株価を45ドルから40ドルへ下げ、10/28の決算を前に売りが膨らんで、株価は52週安値の近くまで下げました。 - NFLX:Netflix Inc.(通信サービス) -5.31%
10/20の取引終了後に発表した決算で、1株利益は0.87ドルと予想の0.82ドルを上回りました。ただ、2026年の広告収入の見通しを約30億ドルから約27億ドルへ下げ、10〜12月期の売上高見通しも134億ドルと予想の135億ドルに届きませんでした。成長の鈍化を警戒する売りが続き、52週安値を更新しています。 - DXCM:Dexcom Inc(ヘルスケア) -6.39%
血糖値を連続で測るセンサー(CGM)の会社です。当日に確認できる個別材料は乏しく、10月下旬の決算発表を前にした持ち高の調整や、CGM分野での競争への警戒が背景にあるとみられます。ヘルスケア全体も-0.49%と軟調でした。 - T:AT&T Inc.(通信サービス) -6.45%
10/21の取引開始前に発表した7〜9月期は、売上高が323億ドルで予想の317億ドルを上回り、調整後1株利益も0.65ドルと予想の0.60ドルを超えました。2026年の調整後1株利益の見通しも約2.40ドルに引き上げています。それでも、新規契約者の純増が37.9万件と予想の約38.7万件に届かず、メキシコ事業の減損(約26億ドル)や周波数の買収後の借入の重さも嫌気されました。
セクター別騰落率
昨日のS&P500は+0.58%でした。11セクターを代表する主要ETFで見ると、上昇は先端技術(+1.67%)、工業・産業(+0.91%)、金融(+0.57%)、公益事業(+0.29%)、エネルギー(+0.28%)、素材(+0.18%)、一般消費材(+0.03%)の7つ。下落は通信サービス(-1.11%)、不動産(-0.76%)、生活必需品(-0.73%)、ヘルスケア(-0.49%)の4つです。AI関連に資金が集まり、守りのセクターが売られる、濃淡のはっきりした日でした。
- 先端技術(Technology) +1.67%
半導体とAIサーバーが全体を引っ張りました。NVIDIAは+2.50%、AMDは+3.36%、スーパーマイクロは+9.55%、Dellは+5.27%です。SpaceXの好決算で、AI向けの計算需要が衰えていないと確認できたことが大きく、前週の金利上昇や半導体株の下落で積み上がった売りが、買い戻しに変わった印象です。金利が高いままでも、業績で上回るAI関連株には資金が戻ることを示しました。 - 通信サービス(Communication Services) -1.11%
Netflix(-5.31%)とAT&T(-6.45%)が決算を受けて大きく売られ、アルファベット(GOOGL)も-1.65%と下げました。一方でMeta(META)は+0.47%と持ちこたえています。AI関連が買われる日に、成長鈍化や借入の重さが見えた銘柄から資金が抜けた形で、資金が分野の中でも選別されています。
主要3指数とドル円の動き
昨日は3指数がそろって上昇し、上昇率はNASDAQ、Dow30、S&P500の順でした。AI関連と景気敏感株が主役で、守りの大型株は売られました。
- S&P500(7,757.17、前日比+0.58%)
SpaceXやスーパーマイクロの材料でAI関連に資金が戻り、上昇して終えました。始値は7,736.43、日中高値は7,770.40、安値は7,709.34で、終値は値幅の約78%の位置と、高値圏での引けです。先端技術が+1.67%で全体を牽引した一方、通信サービス、不動産、生活必需品、ヘルスケアは下落しました。広く買われたというより、AIに資金が集中した日で、この偏りが続くかを数日単位で見ていきたいところです。 - Dow30(52,856.09、前日比+0.69%)
始値は52,652.85、高値は52,860.11、安値は52,392.28で、終値はほぼ日中高値の水準でした。IBM(+3.96%)、NVIDIA(+2.50%)、ゴールドマン・サックス(+2.25%)、キャタピラー(+2.06%)が押し上げた一方、P&G(-1.56%)、コカ・コーラ(-0.87%)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(-0.61%)、ユナイテッドヘルス(-0.54%)など守りの大型株は下落しました。景気敏感株と守りの株で、はっきり明暗が分かれています。 - NASDAQ(26,702.86、前日比+1.05%)
3指数で最大の上昇率でした。始値は26,601.73、高値は26,778.90、安値は26,507.07で、終値は値幅の約72%の位置です。AMD(+3.36%)、NVIDIA(+2.50%)、マイクロン(+1.96%)、スーパーマイクロ(+9.55%)といった半導体・AIサーバー株に加え、時価総額の大きいSpaceX(+7.79%)の上昇が指数を押し上げました。前日は-0.02%と小幅安だったため、AIグロース株への資金の戻りが数字に表れた形です。 - ドル円(158.19円、前日比+0.03%)
始値は158.14円、高値は158.39円、安値は157.83円で、ほぼ横ばいでした。米10年債利回りが5.1%台と高く、12月の追加利上げ観測も強いため、ドルは下がりにくい一方、日本の当局による為替介入への警戒が上値を抑えているとみられます。日本から米国株へ投資する私たちにとって、円安は円建ての評価額を押し上げる方向に働きますが、為替は予想が難しく、一喜一憂しないことが大切です。
原油先物・米10年国債利回り・VIX・金先物の動き
昨日は金利と原油が高止まりするなか、VIX指数は低下し、株式市場に落ち着きが戻りました。各指標の「前日比%」は、水準そのものではなく変化率である点にご注意ください。
- WTI原油先物(97.79ドル、前日比-0.03%)
日中は高値100.40ドル、安値96.26ドルと約4ドルの幅で動き、終値は前日とほぼ同じでした。湾岸での船舶への攻撃が2週間で18件以上確認されたこと、イランが米国との対話に否定的な姿勢を見せたことで上昇する場面がありました。一方で外交による打開への期待も残り、上げ幅を縮めています。原油高はガソリン価格やインフレを通じて金利に波及するため、株式市場にとって最も重要な変数の一つです。 - 米10年国債利回り(5.15%、前日比+0.57%)
前日比+0.57%は利回りの変化率で、0.57ポイント上昇の意味ではありません。実際の上昇幅は0.03ポイントです。朝方は5.1%前後まで低下していましたが、終値は5.15%と前日を上回りました。FRBの12月利上げ観測が強いなか、長期金利が高い水準にあると企業の借入負担が重くなり、将来の利益で値付けされる高PERのグロース株には逆風です。それでも昨日はAI関連の業績が上回りました。 - VIX指数(16.63、前日比-3.93%)
VIX指数(S&P500の今後約30日間の予想変動率を示す指標)の前日比-3.93%も変化率で、0.68ポイント低下の意味です。一般に20を下回る水準は、市場の警戒感が強くない状態とされます。日中は17.25で始まり、高値17.58、安値16.51と低下しました。金利と原油が高くても、決算が堅調な銘柄が買われたことで、投資家の不安は和らいでいます。ただ、利上げ観測次第で急に変わる点には注意が必要です。 - 金先物(4,153.30ドル、前日比+0.26%)
10.70ドル上昇し、高値は4,160.60ドル、安値は4,122.30ドルでした。ドル指数が101.52(-0.08%)とやや弱く、中東情勢の緊迫も続いたため、安全資産としての買いが入りました。金は利息を生まないため金利の高い局面では不利ですが、インフレへの備えという側面もあります。私自身は、純金は資産の5%程度をインフレ対策として持つのが有効だと考えています。
私の米国株ポートフォリオ 前日比+0.26%
前日比は+0.26%と、小幅ながらプラスでした。内訳では、NASDAQ100連動のETFが+0.66%、米国連続増配株ETFが+0.63%、S&P500連動のETFが+0.46〜+0.52%と堅調で、インデックスファンドも+0.16%でした。一方、FANG+連動のETFだけが-0.44%と下げています。日本市場のETFや投信には、1営業日前の米国市場の動きが映る時間差があり、ダウが強く、NASDAQが横ばいだった10/20の傾向がそのまま出た形です。昨日のAI関連の上昇は、今日の値動きに反映されるでしょう。コロナショックのときも積立を続けた経験から、日々の数字に一喜一憂せず、分散して持ち続けることを大切にしています。
経済指標発表結果
- 20年物米国債入札(落札利回り:5.469%、前回5.420%)
財務省が行う20年債の入札で、落札利回りは前回より0.049ポイント高くなりました。長期の借入コストが一段と高い水準で決まったことを示し、住宅ローン金利や企業の借入負担に波及します。10年債の利回りは朝方5.1%前後まで下がっていましたが、終値は5.15%でした。長期金利が高いままだと高PERのグロース株の評価に逆風となるため、今後の入札でも需要の強さを見ていきたいところです。 - EIA原油在庫(前週比:-306万バレル、予想-10万バレル、前回-856万バレル)
予想を大きく上回る減少で、国内の需給が引き締まっていることを示します。イラン情勢で供給への不安が続くなか、在庫の取り崩しが重なると、原油相場を押し上げる方向に働きやすくなります。原油高はガソリン価格を通じて物価に波及し、FRBの利上げ観測を強めます。ただし昨日のWTIはほぼ横ばいで終えており、減少は事前の民間統計である程度伝わっていたとみられます。 - ガソリン在庫(前週比:-295万バレル、予想-40万バレル、前回+352万バレル)
前回の増加から一転して、予想の約7倍の減少幅となりました。需要が底堅いか、供給が細っている可能性を示し、ガソリン価格の高止まりを通じて消費の重荷になります。米エネルギー省が世界の製油会社と燃料の増産に向けて動いているとロイターが伝えており、供給面の対応がどこまで効くかが焦点です。 - 留出油在庫(前週比:+168万バレル、予想-120万バレル、前回-253万バレル)
ディーゼルや暖房油などの在庫で、予想に反して増加しました。他の在庫が大きく減るなかで、軽油の供給不安がやや和らいだことを示す数字です。物流コストを通じて物価に影響するため、インフレを警戒する市場には安心材料になりますが、冬場に向けた需要も続くため、今後の推移を確認する必要があります。 - MBA 30年住宅ローン金利(7.41%、前回7.50%)
前週より0.09ポイント低下しましたが、7%台の高い水準が続いています。住宅建設業者の景況感を示すNAHB指数は10月に29と、2012年6月以来の低さでした。住宅ローン金利は長期金利に連動するため、5%台の10年債利回りが続く限り、住宅市場の回復は遠いままです。不動産セクターが-0.76%と下げた背景でもあります。 - MBA住宅ローン申請件数指数(前週比:-5.3%、前回-2.7%)
2週連続の減少です。購入向けの指数は129.2(前回139.3)、借り換え向けは503.1(前回513.5)と、どちらも低下しました。金利が前週より下がっても申請が減ったことは、購入者の様子見が強いことを示します。住宅は金利の影響を最も受けやすい分野のため、FRBの利上げ観測が株式市場に与える重さを映しています。
指標を総合すると、エネルギー在庫の取り崩しと住宅の弱さが目立ちました。物価と金利を通じて、12月のFRBによる追加利上げ観測を裏づける内容です。
主要銘柄の決算発表結果
※時間外の値動きは、日本時間10/22の早朝時点の数字です。
- META:Meta Platforms Inc.(通信サービス)
売上高は646億ドルで予想の633.4億ドルを上回り、前年同期比+26%でした。1株利益は3.83ドルと予想の3.57ドルを上回りましたが、約100億ドルの訴訟関連の費用が含まれる数字です。2026年の設備投資は1,350億〜1,450億ドルに絞り込まれ、市場予想の約1,383億ドルの範囲内でした。時間外では約3%上昇しており、AIへの巨額投資が続くなかでも広告が伸びている点が評価された形です。 - TSLA:Tesla Inc.(一般消費材)
売上高は280.5億ドルで予想の279.2億ドルをわずかに上回り、調整後1株利益は0.48ドルと予想の0.45ドルを上回りました。粗利益率は19.6%と前の四半期の16.8%から回復した一方、営業利益はAIやロボットへの支出増で前年同期比約56%減の7.18億ドルでした。時間外は約1.7%高です。通常取引でも、SpaceXの好決算と合併観測を受けて3.41%上昇していました。 - LRCX:Lam Research Corp(先端技術)
1株利益は2.20ドルで予想の2.18ドル、売上高は82.2億ドルで予想の81.3億ドルをそれぞれ上回りました。それでも時間外では約7.4%下落しています。決算前には連日の下落が続いていましたが、見通しの詳しい中身までは確認できていません。数字が予想を上回っても売られたのは、期待が先に株価へ織り込まれていた可能性があります。 - PM:Philip Morris International Inc.(生活必需品)
1株利益は2.36ドルで予想の2.30ドル、売上高は114億ドルで予想の113.2億ドルを上回りました。それでも株価は-1.22%と下落しています。決算前から生活必需品セクターが-0.73%と弱く、守りの株全体に売りが出たなかで、予想超えが株価に反映されにくかったとみられます。 - TXN:Texas Instruments Inc.(先端技術)
売上高は60.6億ドルで前年同期比+28%、1株利益は2.62ドルと予想の2.42ドルを大きく上回りました。産業、自動車、データセンター向けが伸びています。10〜12月期の見通しは売上高58億〜63億ドル、1株利益2.45〜2.79ドルでした。時間外は約0.5%高と小幅で、通常取引で2.47%上がっていた分が、すでに株価に織り込まれた形です。 - TMO:Thermo Fisher Scientific Inc.(ヘルスケア)
1株利益は6.68ドルで予想の6.40ドル、売上高は121.4億ドルで予想の119.5億ドルを上回りました。株価は+0.97%と小幅高です。同じ日にダナハーも好決算を出し、新薬開発や研究向けの機器・サービス需要が戻りつつあるとの見方から、ライフサイエンス関連株が全体に買われました。 - IBM:International Business Machines Corp.(先端技術)
売上高は171億ドルで前年同期比+5%、予想の168.2億ドルを上回りました。ソフトウェアが+8%と伸び、7月に株価が25%急落した原因だった成長鈍化への不安を和らげています。1株利益は2.95ドルで予想の2.86ドルを上回り、年間のフリーキャッシュフロー(企業が自由に使える現金)の見通しも引き上げました。時間外は約5.0%高です。 - ABT:Abbott Laboratories(ヘルスケア)
1株利益は1.42ドルで予想と同じ、売上高は130.1億ドルで予想の129.9億ドルをわずかに上回りました。大きな上振れがなかったため、株価は-1.89%と売られています。ヘルスケア全体が弱かった点も重なりました。 - DHR:Danaher Corp(ヘルスケア)
調整後1株利益は2.11ドルで予想の1.92ドルを約10%上回り、売上高は66億ドルで前年同期比+8.5%でした。通期の調整後1株利益の見通しは8.57〜8.62ドルです。株価は+4.29%と大きく上昇し、ライフサイエンス関連株の上昇を先導しました。 - NEE:NextEra Energy Inc.(公益事業)
1株利益は1.24ドルで予想の1.18ドルを上回りましたが、売上高は80.9億ドルと予想の88.7億ドルを約9%下回りました。利益は予想超えでも売上高が大きく届かなかった点が嫌気され、株価は-0.74%でした。金利の高い局面では、電力会社の借入負担にも目が向きやすくなります。
主な経済ニュース
- SpaceXが7〜9月期決算で売上高161%増、AI関連株に資金が戻る
SpaceXが10/20の取引終了後に発表した決算は、売上高が145.8億ドルと前年同期比+161%、調整後EBITDA(利払い・税・償却前の利益)が88億ドル、純利益が44億ドルでした。AI計算事業の急成長が確認され、株価は一時11%高、終値でも約8%高となりました。AI投資の収益化が数字で示されたことで、半導体やAIサーバー関連に資金が戻っています。長期投資では、他の大型株の決算でも同じ傾向が続くかを確認したいところです。(AP通信、Yahoo!Finance、Teslarati:10/21) - Super Micro、四半期売上高の見通しを185億〜195億ドルに
AIサーバーのSuper Micro Computerが、四半期の売上高見通しを185億〜195億ドル、粗利益率を12〜12.5%とし、市場予想を大きく上回ったとロイターが報じました。株価は取引前に約13%上昇し、同業のDellも買われました。AIデータセンター向けの需要が底堅いと示された一方で、粗利益率が低めな点は、価格競争の厳しさも映しています。数字が良くても利益の質を見極める姿勢が大切です。(Reuters:10/21) - エコノミスト100人全員が12月のFRB利上げを予想
ロイターが10/16〜20に行った調査で、エコノミスト100人のうち94人が、10/27〜28のFOMC(米連邦公開市場委員会)で政策金利を3.75〜4.00%に据え置くと予想しました。一方で100人全員が12月の追加利上げを見込んでおり、前回調査では半数に届いていませんでした。FRBは9月に全会一致で0.25ポイントを引き上げています。利上げ局面では株式の評価が上がりにくいため、長期投資では、金利の水準そのものより、変化の方向を見ていきたいところです。(Reuters:10/20) - 原油は5か月ぶり高値圏、湾岸の船舶攻撃が続きイランは対話に否定的
ブレント原油は一時110ドル台、WTIは99ドル近辺まで上昇しました。調査会社のKplerによると、直近2週間で少なくとも18件の船舶攻撃が確認され、イランは米国との対話に否定的な姿勢を示しています。調査会社PVMは、中東とロシア・ウクライナの二つの対立のいずれにも緊張緩和の兆しがないと指摘しました。原油高は物価を押し上げるため、利上げ観測を通じて株式市場に響きます。為替の円安とあわせ、円建て投資家の評価額にも影響が出ます。(Reuters:10/21) - Meta、2026年の設備投資を1,350億〜1,450億ドルに絞り込み
Metaは7〜9月期の売上高が前年同期比+26%の646億ドルとなり、AIデータセンターなどへの設備投資の見通しを、従来の1,300億〜1,450億ドルから1,350億〜1,450億ドルに絞り込みました。ロイターによれば、マイクロソフト、グーグル、アマゾン、Metaの4社だけで、今年のAI関連投資は7,000億ドルを超える見込みです。巨額投資が利益に見合うのかが、今後も市場の最大の論点です。長期投資では、投資額の大きさより、そこから生まれる売上の伸びを確認したいところです。(CNBC、Reuters:10/21) - 米長期金利は5.1%台、イラン戦争前の水準を大きく上回る
10年国債の利回りは5.09%まで下がる場面があったものの、イランとの戦争が始まる前の3.97%を大きく上回る水準が続いています。AP通信によると、利回りの低下はAI関連株の上昇を後押ししました。一方、20年債の入札では落札利回りが5.469%と前回の5.420%から上昇し、長期の資金調達コストの高さが改めて示されています。金利が高い状態は、住宅ローンや企業の借入に重く響きます。(AP通信、Investing.com:10/21) - 米住宅建設業者の景況感、2012年以来の低水準
NAHB(全米住宅建設業者協会)の指数は10月に29と、2012年6月以来の低さでした。30年固定の住宅ローン金利はフレディマックの調べで平均7.40%と約3年ぶりの高さで、値下げに踏み切った業者は43%と、2020年以降で最も高い割合です。購入者の来場者数も約14年ぶりの水準まで減っています。住宅は景気に先行しやすい分野のため、個人消費への波及を見ていく必要があります。(Reuters、NAHB:10/19) - 台湾、AIサーバーと先端半導体を輸出管理の対象に追加へ
台湾の経済部長が10/16、AIサーバーや先端半導体を輸出管理の対象に加え、許可なく中国へ出荷することを犯罪とする方針を明らかにしたと報じられています。NVIDIAの中国向け売上はすでに見通しに織り込まれておらず、影響が出やすいのは、台湾で製造し、過去に中国向けの不正輸出が問題となったサーバーメーカーとみられます。米中の技術競争が供給網に与える影響は、AI関連株にとって見えにくいリスクです。(24/7 Wall St.、TIKR:10/17) - TeslaとSpaceXの合併観測が再燃、12月前の発表を予想する声も
投資情報サイトのInvesting.comは10/21、マスク氏が合併の可能性を検討する委員会に言及したことで、SpaceXとTeslaの株価が上昇したと伝えています。Barclaysのアナリストは10/14、12月6日までに開かれるTeslaの株主総会の前に発表される可能性があるとの見方を示しました。ただし、現時点で正式な発表はなく、あくまで観測の段階です。うわさに左右されず、本業の業績を見て判断したいところです。(Investing.com、Benzinga:10/21) - 米エネルギー省、世界の製油会社と燃料増産で連携
ロイターによると、エネルギー省の当局者2人が10/20、世界の製油会社と燃料の生産を増やすために協力していると明らかにしました。米原油在庫は、業界団体のAPI統計で週490万バレル減ったと伝えられ、需給の引き締まりを示す数字です。イラン情勢で供給が細るなか、政府が供給面から物価を抑えようとする動きです。インフレが落ち着かない限り利上げ観測は消えにくいため、燃料価格の動きを引き続き確認したいところです。(Reuters:10/21)
経済指標発表予定
以下の経済指標が発表される予定です。
主要銘柄の決算発表予定
以下の主要銘柄の決算発表がなされる予定です。

おわりに
毎朝、市場の数字を眺めていると、昨日のようにテーマがはっきりした日と、そうでない日があることに気づきます。ただ、どんな日でも私がやることは変わりません。決まった額を決まった日に積み立てて、あとは市場の流れを静かに見守るだけです。AIを含む11セクターに分散できる米国株の指数に、長い時間をかけて資金を預けていく考え方を、これからも大切にしていきます。いつも読んでくださる皆さんに、心から感謝しています。こちらから応援いただけると嬉しいです。それでは、今日も明るく元気に、笑顔で過ごしましょう。
おことわり
投資は自己責任にてお願いします。
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図表のレファレンス
- S&P500ヒートマップ: finviz
- 主要3指数とドル円: Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
- セクター別騰落率: finviz
- 経済指標結果/予定: investing.com日本語版
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著者プロフィール
室井一夫(Kazuo Muroi)
Muroi Universal Research on Investment LLC 代表社員
一級建築士・建築1級施工管理技士・工学修士
Facebookグループ「米国株_投資の部屋」管理人(約4.7万人)
米国株式市場と経済動向に関する情報を毎日発信しています。