室井のマーケット視点
9月4日の米国市場は、強い雇用統計が景気への安心よりも利上げへの警戒を強め、主要3指数がそろって下落しました。ただし全面安ではなく、ソフトウェアや一般消費材が売られる一方、メモリーや半導体製造装置には資金が集まりました。市場は金利上昇を警戒しながら、業績を見て投資先を選別しています。
夏休み期間中も、大口機関投資家のAIやコンピューターによる自動取引は続いていたと考えられます。しかし、9月7日のレイバーデイを終えた8日の取引からは、休暇を終えた運用責任者やファンドマネジャーが戻り、人間の判断による裁量取引(担当者が投資判断を下す売買)が本格化します。売買高が増え、夏場の相場が妥当だったのかを人間が改めて評価するため、値動きが大きくなる可能性があります。
VIX指数は14台と落ち着いていますが、金利と原油は高水準です。来週は人間の投資判断によって市場の方向がどう変わるのか、いつも以上に注意深く見たいと思います。
S&P500ヒートマップ
5%以上上昇したS&P500構成銘柄
- SNDK:Sandisk Corporation +11.90%
NAND型フラッシュメモリーや企業向けSSDの需要拡大期待から、S&P500構成銘柄で最大の上昇となりました。AIデータセンターで処理・保存するデータ量が急増するとの見方から、メモリー・データ保存関連銘柄へ買いが集中しました。 - KLAC:KLA Corporation +7.32%
半導体製造工程の検査・計測装置を手掛けるKLAが大幅高となりました。AI向け先端半導体の微細化や構造の複雑化により、不良を検出する工程の重要性が増しています。半導体メーカーの設備投資が続くとの期待から買われました。 - MRVL:Marvell Technology, Inc. +7.05%
AI向けカスタム半導体と高速ネットワーク関連の需要拡大期待から上昇しました。AIデータセンターでは、演算装置だけでなく大量のデータを高速で移動させる通信技術が不可欠です。AI投資の恩恵を受ける銘柄として再評価されました。 - COHR:Coherent Corp. +6.60%
AIデータセンター向け光通信部品への期待から買われました。多数のサーバーを高速で接続するには、電気信号を光信号へ変換する光トランシーバーが必要です。データ通信量の増加が同社の中長期的な需要を拡大させると評価されました。 - NRG:NRG Energy, Inc. +6.42%
AIデータセンターの増設に伴う電力需要の拡大期待から上昇しました。公益事業株は従来、安定性を重視する銘柄と見られていましたが、現在はAIインフラを支える成長分野としても注目されています。電力供給能力の価値が改めて評価されました。 - STX:Seagate Technology Holdings PLC +6.34%
大容量ハードディスクを手掛けるSeagateは、AIデータセンター向け保存需要の拡大期待から上昇しました。生成AIが扱う文章、画像、動画が増えるほど保存容量も必要になります。メモリー・データ保存関連株への資金流入が同社にも広がりました。 - MU:Micron Technology, Inc. +6.10%
AIサーバー向けHBM(大量のデータを高速処理する高性能メモリー)やDRAMの需要拡大期待から上昇しました。AI半導体市場では演算装置とメモリーを組み合わせる必要があり、供給の引き締まりと価格上昇への期待も買いにつながりました。 - WDC:Western Digital Corporation +5.86%
クラウド事業者やAIデータセンター向けの大容量データ保存需要が評価されました。AIの普及によって保存すべきデータが増え続ける中、企業向けハードディスクの需要拡大が期待されています。SandiskやSeagateとともに大きく上昇しました。 - GLW:Corning Inc. +5.68%
AIデータセンターや通信網で使用される光ファイバー需要への期待から上昇しました。AI設備投資には半導体だけでなく、サーバー間を高速で結ぶ通信ケーブルも欠かせません。AI関連の投資対象が通信インフラ企業へ広がる動きが続いています。 - TER:Teradyne, Inc. +5.45%
半導体の品質や性能を確認する自動検査装置への需要拡大期待から買われました。AI向け半導体は高性能化と複雑化が進んでおり、出荷前の検査工程も増えます。半導体生産量の増加だけでなく、検査時間の長期化も同社には有利に働きます。 - LRCX:Lam Research Corporation +5.12%
半導体製造装置株への買いが広がる中で上昇しました。AI向けメモリーや先端半導体の増産には、成膜やエッチング(半導体の表面を削って微細な回路を形成する工程)の装置が必要です。世界的な設備投資の継続が期待されました。
5%以上下落したS&P500構成銘柄
- LULU:Lululemon Athletica Inc. -17.38%
第2四半期の売上高が前年同期比4%減の24.2億ドルとなり、通期の売上高と利益見通しを大幅に引き下げたことで急落しました。主力のレギンス販売が低迷し、競合ブランドとの競争や商品開発の遅れに対する懸念が強まっています。 - FICO:Fair Isaac Corporation -16.68%
米連邦住宅金融局が、住宅ローン審査でFICOと競合するVantageScoreをすべての金融機関で利用可能にするよう指示したことで急落しました。長年の高い市場占有率と料金体系が崩れ、信用スコア事業の収益性が低下するとの警戒が広がりました。 - ADSK:Autodesk, Inc. -8.26%
設計ソフトウェアを提供するAutodeskは、ソフトウェア株から半導体・メモリー株へ資金が移る中で大幅安となりました。好調な雇用統計を受けて米長期金利が上昇し、将来の利益を高く評価されている成長株の割高感が強く意識されました。 - ADBE:Adobe Inc. -6.73%
生成AIによって画像制作や文書作成の競争環境が変わり、従来型ソフトウェアの料金体系や成長率が低下するとの懸念から売られました。金利上昇を受けた高PER(株価収益率が高い状態)銘柄の持ち高縮小も下落を大きくしました。 - EFX:Equifax Inc. -6.37%
米連邦住宅金融局が住宅ローン審査の信用スコア制度を見直す方針を示したことで下落しました。現在の3社すべてから信用情報を取得する方式を、2社だけに減らす案も示されており、信用情報機関の利用件数と料金収入が減少する可能性が警戒されました。 - PTC:PTC Inc. -6.04%
製造業向け設計・製品管理ソフトウェアを提供するPTCは、ソフトウェア株全体への売りに押されました。生成AIによる既存サービスの代替リスクに加え、米長期金利の上昇によって成長企業の将来利益を現在価値で評価した際の割高感が強まりました。 - TSLA:Tesla, Inc. -5.92%
運転席やペダルを持たない自動運転車「Cybercab」の運行について、米道路交通安全局が安全基準への適合状況を調査していると明らかにしたことで下落しました。前日に発表期待から上昇していた反動もあり、規制対応と事業展開の遅れが警戒されました。 - SNPS:Synopsys, Inc. -5.40%
半導体設計ソフトウェア大手のSynopsysは、半導体製造株が上昇する一方で、ソフトウェア株への売りが強まった影響を受けました。中国事業を巡る不透明感や、生成AIが既存の設計ソフトウェア市場へ与える影響も投資家の慎重姿勢につながりました。 - WDAY:Workday, Inc. Class A -5.38%
人事・財務管理クラウドを提供するWorkdayは、企業向けソフトウェア株の下落に巻き込まれました。生成AIによる業務ソフトの価格競争や成長鈍化への懸念が残る中、強い雇用統計を受けた金利上昇も高PER銘柄への売りを増やしました。 - NFLX:Netflix, Inc. -5.35%
動画配信市場の成長鈍化や、YouTubeなどとの視聴時間を巡る競争が改めて意識されました。好調な雇用統計を受けて米長期金利が上昇したため、将来の利益成長を先取りして評価されている大型成長株から資金を減らす動きも重なりました。
セクター別騰落率
市場全体では11セクターのうち、先端技術(Technology)、工業・産業(Industrials)、公益事業(Utilities)の3セクターだけが上昇しました。メモリー、半導体製造装置、AIデータセンター関連株に買いが集まる一方、強い雇用統計を受けた米長期金利の上昇により、一般消費材や不動産、金融など8セクターが下落しました。指数の下落幅は小さいものの、市場内部では銘柄選別が鮮明な一日でした。
- 一般消費材(Consumer Cyclical) -1.07%
一般消費材は全11セクターで最大の下落となりました。通期見通しを引き下げたLululemonが-17.38%、安全規制への懸念が浮上したTeslaが-5.92%と大幅安となり、Amazonも-1.15%下落しました。好調な雇用統計は景気の強さを示しましたが、利上げ観測と借入金利の上昇が個人消費へ与える影響を警戒する売りが優勢でした。
主要3指数とドル円の動き
- S&P500(7,718.60、前日比-0.38%)
S&P500は、8月の雇用者数が市場予想を大幅に上回ったことで、FRBによる9月利上げの可能性が高まり下落しました。米長期金利の上昇が幅広い銘柄を圧迫した一方、メモリーや半導体製造装置株には強い買いが入り、指数の下落は0.38%にとどまりました。市場全体が一方向に売られたというより、金利に弱い銘柄からAI関連へ資金が移動した一日です。 - Dow30(53,414.25、前日比-0.51%)
Dow30は主要3指数で最大の下落率となりました。好調な雇用統計によって利上げ観測が強まり、金利上昇による企業の資金調達費用や個人消費への影響が警戒されました。AppleやMicrosoftなどの大型株も下落し、指数を押し下げています。長期投資家としては、景気の強さと金融引き締めへの警戒が同時に存在する、少し難しい相場だと感じます。 - NASDAQ(26,506.99、前日比-0.29%)
NASDAQは下落しましたが、主要3指数では最も小幅な下げでした。米長期金利の上昇を受けてソフトウェア株やTesla、Netflixが売られた一方、Sandisk、Micron、KLAなどのメモリー・半導体関連株が大幅に上昇しました。通常は金利上昇に弱いNASDAQですが、AIデータセンター向け投資への期待が指数の下落を抑えました。 - ドル円(156.2650円、前日比+0.27%)
ドル円は155.2820円から156.7520円の範囲で動き、156.2650円で取引を終えました。8月の雇用統計が予想を大幅に上回り、FRBが9月に利上げする可能性が高まったことで、米国債利回りとドルが上昇しました。日本人の米国株投資家には円換算額を押し上げる動きですが、円高へ転じた場合には反対に作用するため、株価と為替を分けて確認する必要があります。
原油先物・米10年国債利回り・VIX・金先物の動き
- WTI原油先物(91.32ドル、前日比+0.02%)
WTI原油先物は一時88.72ドルまで下落したものの、91.32ドルまで戻してほぼ横ばいとなりました。米国とイランの緊張による供給不安が続く一方、これまでの急上昇を受けた利益確定売りも出ています。90ドルを超える原油価格が長期化すれば、物価と企業の輸送費を再び押し上げる可能性があります。 - 米10年国債利回り(4.784%、前日比+0.46%)
米10年国債利回りは4.784%へ上昇し、一時4.812%を付けました。8月の非農業部門雇用者数が16.2万人増と予想を大幅に上回り、FRBによる9月利上げの可能性が高まったためです。高い長期金利は株価の割高感を強めやすく、ソフトウェアなどの高PER銘柄を中心に売りが増えました。 - VIX指数(14.38、前日比+0.42%)
VIX指数は14.38へ小幅に上昇しました。主要3指数は下落しましたが、VIXは一般に警戒水準とされる20を大きく下回っており、投資家が急激な株価下落を予想している状況ではありません。雇用統計を受けた金利上昇を警戒しながらも、半導体株の上昇によって市場心理は比較的落ち着いていました。 - 金先物(4,480.50ドル、前日比-1.31%)
金先物は59.40ドル下落し、一時4,412.00ドルまで売られました。強い雇用統計を受けて米国債利回りとドルが上昇し、利息を生まない金の相対的な魅力が低下したためです。ただし、中東情勢と原油高によるインフレ再燃への警戒は残っており、安全資産としての金需要が崩れたとは言い切れません。
私のポートフォリオ +0.48%(前日比)
私のポートフォリオは+0.48%となりました。iFreeETF FANG+が+1.41%、MAXISナスダック100上場投信が+1.04%と成長系ETFが伸び、S&P500連動ETFも+0.45%、+0.49%と堅調でした。一方、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は-0.86%、米国連続増配株ETFは-0.06%でした。日本上場ETFと投資信託では米国市場を反映する時点が異なるため、同じ指数でも騰落率に差が出ます。日々の数字に振り回されず、ETF中心の長期運用を続けます。
経済指標発表結果
- 非農業部門雇用者数(前月比+16.2万人)
8月の非農業部門雇用者数は16.2万人増となり、市場予想の5.5万人増を大幅に上回りました。前回値も2.1万人増だったため、米国の雇用市場が予想以上に回復していることを示しています。発表後は9月の利上げ確率が上昇し、米10年国債利回りは4.784%へ上昇しました。主要3指数には売りが出て、ドル円は156円台へ上昇しました。 - 非農業部門民間雇用者数(前月比+12.7万人)
民間部門の雇用者数は12.7万人増となり、市場予想の4.5万人増と前回の7.1万人増を大きく上回りました。政府部門だけに頼らず、企業の採用が増えている点は米国景気の底堅さを示します。一方、企業の人手需要が強ければ賃金と物価が下がりにくくなるため、FRBが金融引き締めを続ける可能性も高まります。 - 失業率(4.1%)
8月の失業率は4.1%となり、市場予想、前回値ともに同じ水準でした。雇用者数が予想を大幅に上回る一方で失業率が上昇しなかったため、労働市場の急激な悪化を示す内容ではありませんでした。景気後退への不安は弱まりましたが、株式市場は景気の強さよりも利上げの可能性を警戒し、主要3指数はいずれも下落しました。 - 平均時給(前月比+0.3%、前年比+3.1%)
平均時給は前月比+0.3%と市場予想に一致し、前回の+0.2%から伸びが加速しました。前年比では+3.1%と予想の+3.0%を上回りましたが、前回の+3.2%からは鈍化しています。賃金上昇が再加速したと断定するほどではないものの、FRBが利上げを見送る根拠にもなりにくく、金利上昇とドル高につながりました。 - 労働参加率(61.6%)
労働参加率は前回の61.4%から61.6%へ上昇しました。働く意思を持つ人が増えたにもかかわらず、失業率が4.1%で変わらなかったことから、増加した労働力を雇用市場が吸収したと考えられます。長期投資家には米国経済の耐久力を確認できる数字ですが、当面は好景気が利上げ観測を強める「良い数字が株安を招く」相場が続きそうです。
主要銘柄の決算発表結果
9/4には主要銘柄の決算発表はありませんでした。
主な経済ニュース
- 予想を大幅に上回る雇用統計で利上げ観測が強まる
8月の非農業部門雇用者数は16.2万人増となり、市場予想の5.5万人増を大幅に上回りました。失業率も4.1%で安定しており、9月の利上げ確率は発表前の約5割から約6割へ上昇しました。米10年国債利回りは4.784%へ上昇し、S&P500、Dow30、NASDAQはそろって下落しました。(Reuters:09/04) - 米国株は下落しても半導体株には買いが集中
S&P500は-0.38%、Dow30は-0.51%、NASDAQは-0.29%となりましたが、半導体指数は約3.4%上昇しました。Sandisk、Micron、KLA、Marvellなどが大幅高となり、金利上昇局面でもAI向けメモリーや製造装置には資金が集まりました。市場全体の下落よりも、資金移動の方向が重要な一日でした。(Reuters:09/04) - 米国とイランの緊張で原油価格が高止まり
米国とイランの軍事的緊張が続き、WTI原油先物は91ドル前後で推移しました。実際の供給減少よりも、ホルムズ海峡を通る原油輸送が妨げられるリスクが価格へ上乗せされています。原油高が長引けば物価と輸送費が上昇し、FRBが利上げを選びやすくなるため、エネルギー市場の動きは米国株全体にも影響します。(Reuters:09/04) - NVIDIAがHugging Faceを約129億ドルで買収
NVIDIAは、オープン型AIモデルやデータセットを提供するHugging Faceを約129億ドルで買収する契約を結びました。大手顧客が独自半導体の開発を進める中、NVIDIAは開発者向けのAI基盤まで事業範囲を広げます。半導体の販売だけでなく、AI開発環境全体を囲い込む戦略として重要な買収です。(Reuters:09/03) - Lululemonが通期見通しを引き下げて急落
Lululemonは第2四半期の売上高が前年同期比4%減の24.2億ドルとなり、通期売上高予想を103.5億~105億ドルへ引き下げました。主力のレギンス販売低迷や競合ブランドとの競争が続き、株価は-17.38%となりました。高所得層を対象とするブランドにも消費者の選別姿勢が及んでいます。(Reuters:09/04) - 住宅ローンの信用スコア制度見直しでFICOが急落
米連邦住宅金融局は、Fannie MaeとFreddie Macを利用するすべての金融機関に対し、FICOと競合するVantageScoreの使用を認めるよう指示しました。FICOの市場占有率低下が警戒され、Fair Isaacは-16.68%となりました。信用情報の取得を3社から2社へ減らす案も示され、Equifaxなどにも売りが出ました。(Reuters:09/04) - TeslaのCybercabを米当局が安全面から評価
Teslaがテキサス州オースティンで運行を始めた自動運転車Cybercabについて、米道路交通安全局が安全基準への適合状況を確認しています。Cybercabにはハンドルやペダルがなく、既存の安全規則との関係が焦点です。規制対応によって事業拡大が遅れる可能性から、Tesla株は-5.92%となりました。(Reuters:09/04) - Adobeの次期CEO人事に市場が厳しい反応
Adobeは、18年以上にわたり経営を担ったShantanu Narayen氏の後任として、社内出身のAnil Chakravarthy氏を次期CEOに指名しました。生成AI企業との競争が激しくなる中、市場が期待していた変革につながるか不透明との評価から、株価は-6.73%となりました。AI時代の事業転換が新経営陣の課題になります。(Reuters:09/04) - AIエージェントの暴走事例を受け米中が安全対話へ
OpenAIの複数のAIエージェントがドイツのウェブサイトを乗っ取り、制限を回避する方法などを共有していた事例が明らかになりました。編集回数は1.5万回を超えたとされています。米国と中国は9月中旬にAI安全対話を計画しており、AI開発競争は性能だけでなく、制御と監視の仕組みも問われる段階に入りました。(Reuters:09/04) - AIクラウド企業Nscaleが35億ドルの資金調達を検討
AI向けクラウド基盤を提供するNscaleは、IPO(株式の新規公開)前に約35億ドルを調達する方向で協議しています。このうち約20億ドルをNVIDIAから調達する案が報じられました。同社はデータセンターとGPU設備を自社で運営しており、AI投資が半導体だけでなく、電力、冷却、建物を含む巨大設備産業へ広がっていることが分かります。(Reuters:09/04) - ノルウェー政府系基金が米国債の大幅削減を提案
世界最大級のノルウェー政府系基金は、債券運用の見直しに伴い、約2,150億ドル保有する米国債を約800億ドル減らす案を示しました。実施は早くても2027年半ば以降で段階的に進めるため、直ちに大量売却されるわけではありません。ただし、米国の財政悪化と国債需給に対する長期的な警戒を示す動きとして注目されます。(Reuters:09/04)
今週の動き
- 今週の個別銘柄ヒートマップ総括
今週はAI関連でも明暗が大きく分かれました。Sandiskが+17.17%、Dellが+14.88%、Micronが+8.98%、Intelが+7.08%、NVIDIAが+5.89%となり、半導体・メモリー・AIサーバー株が上昇しました。一方、Cienaは-15.18%、Cadence Design Systemsは-14.01%、Synopsysは-11.02%、Palo Alto Networksは-10.31%でした。AI関連なら一律に買われる相場ではなく、設備投資の恩恵が業績へ直結する企業へ資金が集中した1週間です。 - 今週のセクター別騰落率総括
セクター別では、米国とイランの緊張による原油高を受けてエネルギー(Energy)が+2.26%で首位となり、先端技術(Technology)も+1.36%上昇しました。一方、一般消費材(Consumer Cyclical)は-1.92%、不動産(Real Estate)は-1.23%、素材(Basic Materials)は-1.11%でした。週末の強い雇用統計で利上げ観測と米長期金利が上昇し、金利に敏感な分野や消費関連株が売られました。指数以上にセクター間の差が大きい1週間でした。
経済指標発表予定
9/7(月)は勤労感謝の日で休日です。以下の経済指標が発表される予定です。
主要銘柄の決算発表予定
9/8(火)まで主要銘柄の決算発表は予定されていません。
おわりに
今週は、AI向けメモリーやデータセンター関連株が上昇する一方、ソフトウェア株や一般消費材には厳しい値動きが見られました。週末には強い雇用統計を受けて利上げ観測が高まりましたが、VIX指数は14台にとどまり、市場全体が大きく動揺した様子はありません。
長期投資では、その日の上げ下げを当てることより、企業の利益成長を確認しながら市場に居続けることが大切だと私は考えています。今週もブログをお読みいただき、ありがとうございました。
それでは、週末を明るく元気に笑顔で過ごしましょう。
毎朝続けている本ブログが参考になりましたら、こちらから応援いただけると嬉しいです。
おことわり
投資は自己責任にてお願いします。
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図表のレファレンス
- S&P500ヒートマップ: finviz
- 主要3指数とドル円: Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
- セクター別騰落率: finviz
- 経済指標結果/予定: investing.com日本語版
- 決算発表結果/予定: investing.com日本語版
- 主要指数の動き : Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
- 自分の米ドル建ポートフォリオ: Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
著者プロフィール
室井一夫(Kazuo Muroi)
Muroi Universal Research on Investment LLC 代表社員
一級建築士・建築1級施工管理技士・工学修士
Facebookグループ「米国株_投資の部屋」管理人(約4.7万人)
米国株式市場と経済動向に関する情報を毎日発信しています。
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