室井のマーケット視点
7月6日の米国市場を振り返ると、S&P500は+0.72%、Dow30は+0.29%、NASDAQは+1.12%となり、主要3指数はそろって上昇しました。ただし、相場全体が一様に買われたわけではありません。私は、「AI投資の裾野が、半導体からデータセンターの周辺設備へ引き続き広がっている」と見ています。
上昇銘柄では、Arista Networks、AMD、Western Digital、NetApp、Vertiv、Seagate Technology、QUALCOMMなどが並びました。GPUやAI半導体だけでなく、ネットワーク、ストレージ、電源、冷却設備まで幅広く買われています。AIは演算装置だけでは動きません。大量のデータを高速で移動させ、保存し、安定した電力を供給し、発生する熱を処理する必要があります。
そのほか、実際の施設では無停電化、複数系統の電源、非常用発電機、空調、水冷、高速通信網など、多数の設備が一体となって稼働します。VertivやArista Networksの上昇は、AI需要が単なる半導体ブームではなく、現実の設備投資へ広がっていることを示しているように感じます。
セクター別でも、先端技術(Technology)が+1.60%、通信サービス(Communication Services)が+1.57%、金融(Financial)が+1.30%、一般消費材(Consumer Cyclical)が+1.15%となりました。一方、ヘルスケア(Healthcare)は-1.02%でした。安定性を重視するディフェンシブ分野から、利益成長が期待される分野へ資金が移動した構図です。
ただし、ここで注意したいのは、強い相場ほど上昇の偏りを見落としやすいことです。S&P500は上昇しましたが、すべての銘柄が上がったわけではありません。O’Reilly AutomotiveとAutoZoneは6%を超えて下落し、ヘルスケアや生活必需品も軟調でした。指数が上昇しているからといって、市場全体が健全な全面高とは限りません。
経済指標では、ISM非製造業指数が54.0となり、米国サービス業は拡大を維持しました。雇用指数は51.2と予想を大きく上回り、米国景気の底堅さが確認されました。一方、価格指数は67.7と依然高く、サービス価格の上昇圧力は残っています。景気が強いことは企業業績には好材料ですが、FRBが利下げを急がない理由にもなります。
この日の米10年国債利回りは4.479%と小幅に低下しましたが、依然として高水準です。それでもNASDAQが1%を超えて上昇したことから、市場は金利よりもAI関連企業の利益成長を優先して評価したと考えられます。ただし、高PER(株価収益率が高い状態)の銘柄は、金利が再び上昇した場合に値動きが大きくなりやすいため、短期的な過熱には注意が必要です。
ドル円は162円台まで上昇しました。円建てで米国株や米国株ETFを保有している投資家にとっては、円安が評価額を押し上げます。一方で、この水準では政府・日銀による為替介入の可能性も高まります。株価が上昇していても、急な円高が進めば円建て評価額は減少します。米国株投資では、株価と為替を分けずに考える必要があります。
私のポートフォリオは前日比+0.56%となりました。S&P500、NASDAQ100、FANG+、超短期米国債を組み合わせているため、個別株の急変に振り回されにくく、市場全体の成長を受け取ることができました。テンバガーを探し当てるより、分散した資産へ長く投資し続ける方が、確率的には再現性が高いと私は考えています。
AI相場はまだ続く可能性があります。しかし、どの企業でも上がる段階から、実際に売上高と利益を伸ばせる企業が選別される段階へ進んでいます。今後は半導体だけでなく、通信、電力、冷却、ストレージ、セキュリティなど、AIを支えるインフラ全体を見ていくことが重要です。
指数の上昇だけを見るのではなく、「利益がどこで生まれ、設備投資がどこへ向かっているのか」。そこを確認することで、日々の値動きに振り回されず、長期的な市場の変化を捉えやすくなると考えています。
投資は自己責任にてお願いします。
S&P500ヒートマップ
5%以上上昇したS&P500構成銘柄
- ANET:Arista Networks +8.31%
AIデータセンター向けネットワーク関連株への買いが強まり、大幅高となりました。AI処理ではGPUだけでなく、膨大なデータを高速で移動させる通信設備が不可欠です。クラウド大手による設備投資の継続を見込む資金が、ネットワーク機器大手の同社へ戻りました。 - WDC:Western Digital +7.14%
半導体・メモリー関連株が反発する流れに乗り、データ保存装置を手掛けるWestern Digitalも大きく上昇しました。生成AIの普及によって、演算能力だけでなく保存するデータ量も増加します。AI向けストレージ需要と製品価格改善への期待が再評価されました。 - TSLA:Tesla +6.69%
AIを活用したロボタクシーサービスをフロリダ州マイアミへ拡大したことから、自動運転事業の成長期待が再び高まりました。前営業日に大きく下落した反動も重なっています。ただし、ロボタクシーの本格的な収益貢献には時間を要するため、期待先行による値動きの大きさには注意が必要です。 - AMD:Advanced Micro Devices +6.61%
半導体株全体が反発する中、AI向け需要の拡大を見込む評価が強まり、大幅高となりました。NVIDIAに対抗するAI半導体の供給拡大と、データセンター向け製品の成長を期待する買いが集まりました。AI半導体市場の競争が続く中、同社のシェア拡大余地が改めて注目されています。 - NTAP:NetApp +6.08%
AI関連株への資金回帰に伴い、企業向けデータ管理とストレージを手掛けるNetAppも上昇しました。生成AIでは学習用データを安全かつ高速に保存・読み出す仕組みが重要です。企業のクラウド移行とAI導入が進むほど、データ基盤への投資も増えるとの期待が株価へ反映されました。 - VRT:Vertiv Holdings +5.97%
AIデータセンター関連株の反発を受け、電源設備や冷却設備を提供するVertivが買われました。高性能GPUを大量に設置する施設では、消費電力と発熱量が急増するため、無停電電源や液冷設備への投資が欠かせません。AI投資の恩恵が半導体から建物設備へ広がる流れが続いています。 - STX:Seagate Technology +5.86%
Western Digitalと同様に、AI向けデータ保存需要への期待から上昇しました。生成AIが扱う文章、画像、動画などのデータ量は急速に増えており、大容量ハードディスクの需要拡大が見込まれます。直近の急激な値動きから反発した面もあり、AI関連への資金回帰を象徴する銘柄となりました。 - QCOM:QUALCOMM +5.80%
半導体株全体への買いが広がる中、スマートフォン向け半導体大手のQUALCOMMも上昇しました。端末上でAI処理を行うエッジAI(クラウドを介さず機器内でAIを動かす技術)への期待があり、AIスマートフォンやAIパソコンの普及による需要拡大が改めて評価されました。 - PCAR:PACCAR +5.36%
大型トラックを製造するPACCARは、景気敏感株への資金流入を受けて上昇しました。米国経済が急激な景気後退を回避し、物流や設備投資が一定の水準を保つとの期待が背景にあります。AI関連株だけでなく工業・産業株にも買いが広がり、市場の上昇銘柄が増えた点は注目されます。 - IBKR:Interactive Brokers Group +5.10%
取引件数と顧客口座数の増加が評価され、株価は上昇しました。株式市場の活況と個人投資家の取引拡大は、手数料収入や顧客資産の増加につながります。市場参加者の取引意欲が高い状態が続く中、証券取引プラットフォームとしての成長力が改めて評価されました。
5%以上下落したS&P500構成銘柄
- ORLY:O’Reilly Automotive -6.66%
自動車部品販売大手のO’Reilly Automotiveは、Genuine Partsが展開するNAPA事業の買収を検討しているとの報道を受け、大幅に下落しました。買収額が100億ドルを超える可能性に加え、店舗網の重複、規制当局の審査、買収後の統合作業や追加投資への懸念が強まりました。事業規模の拡大にはつながりますが、短期的には財務負担と収益性への不透明感が先行した形です。 - AZO:AutoZone -6.38%
AutoZoneは、競合するO’Reilly Automotiveによる大型買収観測を受けて売られました。買収が実現すれば、自動車補修部品市場の競争構造や店舗戦略が変化する可能性があります。また、同社は人件費や物流費などの上昇による利益率低下への警戒も続いています。この日は企業固有の悪材料というより、業界再編への不透明感から自動車部品販売株全体に売りが広がりました。
セクター別騰落率
市場全体では、先端技術(Technology)や通信サービス(Communication Services)、金融(Financial)、一般消費材(Consumer Cyclical)が上昇し、成長株と景気敏感株への資金流入が目立った。AI関連や半導体、大型インターネット企業に加え、金利上昇局面で収益改善が期待される金融株にも買いが広がった。一方、ヘルスケア(Healthcare)は下落し、ディフェンシブ株から成長分野へ資金が移る構図となった。
- 先端技術(Technology) +1.60%
半導体やAI関連、データセンター向け通信・ストレージ企業を中心に買いが集まり、全セクター中で最大の上昇となった。AMD、Arista Networks、Western Digitalなどが大きく上昇しており、AI投資の対象がGPUだけでなく、通信網、記憶装置、電源、冷却設備へ広がっている。高PER(株価収益率が高い)銘柄が多いため値動きは大きいが、設備投資の拡大を軸とした成長期待は継続している。 - 通信サービス(Communication Services) +1.57%
大型インターネット企業やデジタル広告関連株への買いが入り、大幅に上昇した。生成AIの活用による検索、広告配信、動画サービスの収益改善への期待が続いているほか、先端技術株の上昇と連動して成長株全体へ資金が戻った。通信サービスは少数の巨大企業がセクター指数へ与える影響が大きいため、主要銘柄への買いがセクター全体を強く押し上げた。 - 金融(Financial) +1.30%
銀行、証券、取引所運営会社などを中心に買いが広がった。長期金利が高い状態では、銀行の貸出金利と預金金利の差である利ざやが改善しやすく、収益拡大への期待につながる。また、株式市場の活況によって売買件数や資産運用残高が増えるとの見方から、Interactive Brokersなど証券関連株も上昇した。景気後退への警戒が弱まり、金融株へ資金が向かいやすい一日であった。 - 一般消費材(Consumer Cyclical) +1.15%
Teslaの大幅上昇がセクター全体を押し上げたほか、米国景気と個人消費の底堅さを見込む買いも入った。一般消費材は、自動車、ネット通販、旅行など景気の影響を受けやすい企業で構成される。高金利による家計負担は残るものの、雇用や所得が急激に悪化していないことから、消費の深刻な減速を警戒する資金が一部後退した。ただし銘柄ごとの値動きには大きな差がある。 - ヘルスケア(Healthcare) -1.02%
医薬品、医療保険、医療機器などのディフェンシブ銘柄が売られ、主要セクターで唯一1%を超える下落となった。市場ではAIや半導体、金融、一般消費材など成長性や景気回復の恩恵を受けやすい分野が選好され、業績が比較的安定するヘルスケアから資金が移動した。ただし、高齢化や新薬開発という長期的な需要は変わらず、短期的な資金循環と中長期の投資価値は分けて考える必要がある。
主要3指数とドル円の動き
- S&P500(7,537.43、前日比+0.72%)
S&P500は7,506.96で始まり、一時7,551.31まで上昇して堅調に取引を終えました。AI・半導体関連株への買いが戻り、先端技術(Technology)や通信サービス(Communication Services)が指数を押し上げました。ただし、下落銘柄数は上昇銘柄数を上回っており、大型成長株に上昇が集中した面もあります。長期投資家としては、指数の上昇率だけでなく、上昇銘柄の広がりも確認しておきたい一日でした。 - Dow30(53,055.91、前日比+0.29%)
Dow30は一時52,648.69まで下落しましたが、取引後半に切り返し、ほぼ高値圏で終了しました。金融(Financial)や工業・産業(Industrials)が上昇し、AI関連株だけに依存しない買いも確認されました。一方、ヘルスケア(Healthcare)や生活必需品(Consumer Defensive)などの安定成長分野は軟調で、全面高とは言いにくい内容です。それでも、下値から戻した動きには米国景気への一定の信頼が表れています。 - NASDAQ(26,121.16、前日比+1.12%)
NASDAQは主要3指数の中で最大の上昇となりました。AMD、Arista Networks、Western Digital、Seagate Technologyなど、AI半導体、通信、ストレージ関連株が大きく買われています。AI投資の対象がGPUからネットワーク、データ保存、電源・冷却設備へ広がっている点が、この日の特徴です。ただし、高成長株は期待の変化で値動きが大きくなりやすく、長期投資ではテーマの強さと株価評価を分けて見る必要があります。 - ドル円(162.0840円、前日比+0.46%)
ドル円は161.3290円で始まり、一時162.4270円まで上昇しました。米国の雇用指標が弱かったことで米利上げ観測は後退していますが、日米金利差の大きさや日本の金融・財政政策への警戒から、円を売る流れが続きました。円相場は約40年ぶりの安値圏にあり、政府・日銀による為替介入への警戒も高まっています。円建ての米国株資産にはプラスですが、急な円高反転への備えも必要な水準です。前回の為替介入による円高は一時的なものでした。市場のトレンドは円安です。
原油先物・米10年国債利回り・VIX・金先物の動き
- WTI原油先物(68.68ドル、前日比-0.01%)
WTI原油先物は一時69.26ドルまで上昇したものの、終値は68.68ドルとほぼ横ばいでした。中東情勢など供給面への警戒が続く一方、世界景気と原油需要の先行きには慎重な見方も残っています。70ドルを下回る水準は企業の燃料費や物流費を抑えやすく、株式市場にはインフレ再加速への不安を和らげる方向に働きます。 - 米10年国債利回り(4.479%、前日比-0.13%)
米10年国債利回りは一時4.491%まで上昇しましたが、終盤に低下して4.479%で取引を終えました。金利は依然として高い水準にあるものの、上昇が一服したことで、高PER(株価収益率が高い)銘柄の評価を圧迫する力がやや弱まりました。この日のNASDAQやAI関連株の上昇とも整合する動きですが、4.5%近辺では株価が金利変動に敏感になりやすい状況です。 - VIX指数(15.57、前日比-1.52%)
VIX指数は16.40から低下し、ほぼ安値となる15.57で終了しました。VIXは今後の株価変動に対する投資家の警戒度を示し、一般に20を下回ると市場心理は比較的安定しているとされます。主要3指数がそろって上昇する中で、急落への備えを強める動きは限定的でした。ただし、警戒感が薄い局面ほど予想外のニュースへの反応が大きくなる点には注意が必要です。 - 金先物(4,174.10ドル、前日比+1.17%)
金先物は48.40ドル上昇し、4,174.10ドルで取引を終えました。米10年国債利回りの低下によって、利息を生まない金を保有する不利がわずかに縮小したほか、地政学リスクや通貨価値への不安に備える需要も続いています。株式と金が同時に上昇しており、市場は強気を維持しながらも安全資産を手放していません。長期投資では分散資産としての役割を改めて確認できる動きです。
私の米国株ポートフォリオ
私の米国株ポートフォリオは、前日比+0.56%となりました。日本市場で取引されるS&P500連動ETFが堅調で、iシェアーズ S&P500 米国株 ETFは+0.73%、MAXIS 米国株式(S&P500)上場投信は+0.92%となり、全体を押し上げました。NASDAQ100やFANG+も上昇しましたが、値幅は比較的小さく、幅広い大型株へ資金が向かった印象です。
一方、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は+0.19%にとどまり、同じ指数への投資でも価格反映の時点によって差が出ています。GX超短期米国債も+0.82%となり、株式と短期債券の双方が上昇しました。個別株の急変に左右されにくいETF中心の分散投資だからこそ、相場全体の上昇を比較的素直に受け取れた一日でした。
経済指標発表結果
- ISM非製造業指数(54.0、予想54.2、前回54.5)
ISM非製造業指数は54.0となり、市場予想の54.2をわずかに下回り、前回の54.5からも低下しました。ただし、50を上回ると業況拡大を示すため、米国経済の中心であるサービス業は依然として成長を維持しています。景気の急減速を示す内容ではなく、株式市場では企業収益の底堅さを確認する材料となりました。一方、FRBが早期に大幅利下げへ動くほど弱い結果でもなく、金利高止まりへの警戒は残ります。 - ISM非製造業雇用指数(51.2、予想48.2、前回47.9)
雇用指数は51.2と、市場予想の48.2を大きく上回り、前回の47.9から改善しました。50を超えたことで、サービス業の雇用が縮小から拡大へ転じたことを示しています。労働市場の底堅さは個人消費を支え、景気後退懸念を弱める一方、賃金上昇を通じてインフレが長引く可能性もあります。株式市場には景気面で安心感を与えましたが、FRBの利下げ期待を強める内容ではありませんでした。 - ISM非製造業価格指数(67.7、予想67.5、前回71.3)
価格指数は67.7となり、前回の71.3から低下したものの、市場予想の67.5をわずかに上回りました。サービス業では人件費や仕入れコストの上昇がなお強く、インフレ圧力が完全には解消していないことを示しています。前月から鈍化した点は好材料ですが、水準そのものは高く、FRBが利下げを急ぎにくい状況です。高金利に弱いグロース株には警戒材料となる一方、景気の強さを伴うインフレである点から市場全体の反応は限定的でした。 - ISM非製造業新規受注指数(55.1、予想56.8、前回57.3)
新規受注指数は55.1と、予想の56.8および前回の57.3を下回りました。50を上回っているため受注は拡大していますが、その勢いはやや鈍化しています。サービス需要が急減しているわけではないものの、企業や消費者が高金利環境の中で支出姿勢を慎重にしている可能性があります。長期投資家としては、景気後退を示す水準ではない一方、今後の企業売上高の伸びが徐々に鈍る兆候として注意したい結果です。 - S&Pグローバル総合PMI(51.9、予想52.2、前回51.5)
総合PMIは51.9となり、市場予想の52.2を下回りましたが、前回の51.5からは上昇しました。PMIは企業の景況感を示し、50を超えると経済活動の拡大を意味します。製造業とサービス業を合わせた米国経済全体は緩やかな成長を維持しており、深刻な景気悪化は確認されませんでした。株式市場ではソフトランディング(景気後退を避けながらインフレを抑えること)への期待を保つ内容でした。 - サービス業購買部協会景気指数(51.2、予想51.3、前回51.3)
サービス業PMIは51.2と、市場予想と前回をわずかに下回りました。拡大基準の50は上回っているため、サービス業の成長は続いていますが、勢いは強くありません。ISM指数と合わせると、サービス業は景気を支え続けているものの、需要拡大のペースはやや落ち着いていると判断できます。FRBにとっては、景気を過度に冷やさずインフレ鈍化を待てる環境であり、株式市場もこのバランスを好意的に受け止めました。
主要銘柄の決算発表結果
7/6に主要銘柄の決算発表はありませんでした。
主な経済ニュース
- AI・半導体株がNASDAQを押し上げる
米国市場では、AI関連と半導体株への買いが再び強まり、NASDAQが主要3指数で最大の上昇となりました。直近まで利益確定売りに押されていた半導体株へ資金が戻り、AI投資が企業業績へ結び付くとの期待が先行しています。ただし、S&P500では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を上回っており、指数上昇が一部の大型株へ偏っている点には注意が必要です。(Reuters:07/06) - BroadcomとAppleが半導体供給契約を2031年まで延長
BroadcomとAppleは、カスタム半導体の開発・供給契約を2031年まで延長しました。Broadcom株は3%を超えて上昇し、半導体指数全体にも買いが広がりました。スマートフォンや端末内でAI処理を行うエッジAI(クラウドへ送らず機器内で処理するAI)の普及により、AI半導体需要がデータセンター以外にも拡大する可能性があります。(Reuters:07/06) - SKハイニックスが米国市場で大型株式売り出しへ
韓国の半導体大手SKハイニックスは、米国市場で最大280億ドル規模となる株式売り出しを進めています。AI向けHBM(高帯域幅メモリー)の需要拡大を背景に、大口投資家から強い関心が寄せられていると報じられました。AI相場が米国企業だけでなく世界の半導体供給網へ広がる一方、大型上場後の需給変化には注意が必要です。(Reuters:07/06) - Microsoftが約4,800人の追加人員削減を発表
Microsoftは約4,800人の人員削減を発表し、株価は小幅に下落しました。AIとクラウドへの巨額投資を続ける一方、既存部門では人員と費用の効率化を進めています。人員削減は必ずしも需要減少を意味せず、収益性を維持しながら設備投資資金を確保する面がありますが、AI導入が雇用構造を変え始めていることも示しています。(Reuters:07/06) - 米国サービス業は拡大を維持するも伸びは鈍化
6月のISM非製造業指数は54.0となり、前回の54.5から低下しました。ただし、景気拡大と縮小の境目である50は上回っており、米国経済の中心を占めるサービス業は成長を維持しています。雇用指数は予想を上回った一方、価格指数は依然高く、景気の底堅さとインフレ圧力が同時に残る結果となりました。(Reuters:07/06) - ウォラーFRB理事がインフレ再加速への警戒を強調
ウォラーFRB理事は、米国経済が直面する主要なリスクは雇用悪化よりも高いインフレへ移ったとの認識を示しました。失業率が安定する一方、物価上昇率はFRBの目標である2%を上回っています。市場では7月または9月の利上げ可能性が残っており、企業利益が伸びても、金利上昇が株価評価を抑える可能性があります。(Reuters:07/06) - OPECプラスの増産で原油価格は68ドル台
OPECプラスは原油生産枠を日量18.8万バレル増やす方針を決めました。ホルムズ海峡の船舶輸送が安定していることもあり、WTI原油先物は68ドル台で推移しています。原油価格の落ち着きはガソリン価格や物流費を抑え、インフレ鈍化に寄与します。一方、供給増が続けばエネルギー企業の収益には逆風となる可能性があります。(Reuters:07/06) - イラン情勢とホルムズ海峡の安定が市場心理を左右
イランを巡る緊張は続いているものの、ホルムズ海峡の原油輸送に大きな混乱は生じていません。市場は軍事衝突の再拡大を警戒しながらも、原油供給が維持されていることから過度なリスク回避には傾いていません。停戦や外交交渉が崩れれば、原油高、インフレ、長期金利上昇を通じて米国株へ影響するため、引き続き重要な地政学リスクです。(Reuters:07/06) - NATO首脳会議を前にウクライナ情勢への警戒が続く
トルコで予定されるNATO首脳会議を前に、ロシアとウクライナの軍事衝突が続いています。ウクライナによるロシア国内施設への無人機攻撃も報じられ、エネルギー設備や防衛政策への影響が注目されています。戦闘の長期化は防衛関連企業には受注増加要因となる一方、欧州景気やエネルギー市場には不確実性を残します。(Reuters:07/06) - ドル円は162円台へ上昇し為替介入への警戒が高まる
ドル円は162円台まで上昇し、円安が一段と進みました。米国の利下げ期待が限定的である一方、日本の金利上昇余地が小さいとの見方から、日米金利差を利用したドル買いが続いています。円建ての米国株資産には評価額を押し上げる効果がありますが、政府・日銀による為替介入が実施されれば、急速な円高へ振れる可能性があります。(Bloomberg:07/06) - AI相場への資金集中と過熱リスクが同時に進行
半導体株はこの日反発しましたが、ヘッジファンドは4週連続で半導体やハードウェア株を売り越したと報じられました。AI設備投資の規模が急拡大する一方、それがいつ利益として回収されるのかを慎重に見る投資家も増えています。AI需要の長期的な成長と、短期的な株価の過熱は別問題として考える必要があります。(Reuters:07/06)
経済指標発表予定
以下の経済指標が発表される予定です。
主要銘柄の決算発表予定
7/7には主要銘柄の決算発表は予定されておりません。
おわりに
7月6日の米国株市場は、AI・半導体関連株を中心に上昇しましたが、相場全体が一様に強かったわけではありません。サービス業の底堅さが確認される一方、インフレ圧力や高金利への警戒も残っています。指数の上昇だけで判断せず、どの分野へ資金が移っているのかを見ていくことが大切だと感じます。
長期投資では、毎日の値動きに振り回されるより、企業利益と経済の変化を確認しながら市場に居続ける姿勢が重要です。本日もお読みいただき、ありがとうございました。
それでは、今日も一日、明るく元気に笑顔で過ごしましょう。
ご参考になりましたら、こちらから応援いただけると嬉しいです。
おことわり
投資は自己責任にてお願いします。
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図表のレファレンス
- S&P500ヒートマップ: finviz
- 主要3指数とドル円: Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
- セクター別騰落率: finviz
- 経済指標結果/予定: investing.com日本語版
- 決算発表結果/予定: investing.com日本語版
- 主要指数の動き : Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
- 自分の米ドル建ポートフォリオ: Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
著者プロフィール
室井一夫(Kazuo Muroi)
Muroi Universal Research on Investment LLC 代表社員
一級建築士・建築1級施工管理技士・工学修士
Facebookグループ「米国株_投資の部屋」管理人(約4.7万人)
米国株式市場と経済動向に関する情報を毎日発信しています。
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