室井のマーケット視点
6月12日の米国株式市場は、S&P500が+0.50%、Dow30が+0.70%、NASDAQが+0.31%と、主要3指数がそろって上昇しました。数字だけ見れば「まずまずの一日」なのですが、私が気になるのはいつも「どのセクターにお金が流れたか」なんですよね。
この日は素材(Basic Materials)が+2.28%、金融(Financial)が+1.32%と元気でした。金価格の上昇や資源株への買い、米10年国債利回りの上昇を受けた金融株の動きが目立ちましたね。一方、原油先物は-3.87%と大幅安。インフレへの不安を少し和らげてくれる動きです。VIX指数(市場の不安度合いを示す恐怖指数)も17.94まで下がって、市場全体の空気は落ち着いています。
個別銘柄では、Seagate・Western Digital・Sandiskといったストレージ(データ記憶装置)関連や、Micron・Intel・Teradyne・KLAなど半導体・製造装置関連に買いが集まりました。「AI相場=NVIDIA」という見方だと、もう全体像は見えません。生成AIが動くためには、GPUだけでなく、膨大なデータを格納するストレージ、半導体の品質を調べる検査装置、高速通信インフラ、電力、そして冷却設備まで必要です。AIデータセンター(AI計算処理の施設)は、建物・電源・通信・空調・水冷まで含む「総合インフラ投資」です。市場も、じわじわとその裾野の広さを織り込み始めているように感じます。
SpaceXが株式を一般に販売する手続きを始めましたが、私は個別銘柄を積極的に買う方針ではないので、今回は応募しませんでした。企業が大きく成長してS&P500やNASDAQ100のような主要指数に組み込まれれば、ETFを保有しているだけで自然とその恩恵が入ってきます。個別株で当てに行くよりも、米国企業全体の成長の流れに乗る。若い頃と違って年齢を重ねてからこの考え方に切り替えました。これが自分には一番しっくりきます。
今週は大型ハイテク株の一部で利益確定売りが出る一方、素材・金融・生活必需品にも資金が分散しました。「Sell in May(5月に売れ)」という相場の格言がありますが、正確には「5月に売って9月に買え」というものです。毎年必ずそうなるわけではないのですが、夏場は市場の出来高(売買される株の量)が細って、ちょっとしたニュースで値動きが荒くなりやすいのは確かです。9月までは無理に動かず、保有したまま静かに待つ、というのが今の私のスタンスです。
私のポートフォリオは前日比+1.12%でした。ただ、これは日本市場で取引されている米国株ETFや投資信託の数字なので、主に6月11日の米国株の大幅反発が遅れて反映されたものです。6月12日の米国市場の結果そのものとは少しズレがありますので、その点はご承知おきください。
最後に、いつもお読みいただいている皆さまへ。最近、この朝の市場レポートを楽しみにしてくださる読者の方が増えているようで、本当にありがたいです。申し訳ないのですが、来週1週間はブログをお休みします。市場が動いているときに手を止めるのは少し気が引けるのですが、休み明けにまた落ち着いた目で一緒に米国株を見ていきましょう。
短期的な値動きは毎日変わります。でも長期投資で一番大事なのは、市場に居続けること、そして企業成長の流れから降りないことだと私は思っています。ETFを通じて米国企業全体の成長をじっくり受け取りながら、焦らず、無理せず、淡々と続けていく。これが私のスタイルです。
投資は自己責任にてお願いします。
S&P500ヒートマップ
5%以上上昇したS&P500構成銘柄
- STX:Seagate Technology Holdings +7.25%
データ保存需要の拡大期待から大幅高となりました。生成AIではGPUによる計算だけでなく、学習データや推論結果を保存する大容量ストレージが必要になります。AIデータセンター投資が半導体からHDD(磁気記録装置)や記憶装置関連へ広がっている点が、この日の上昇に表れています。 - ALB:Albemarle +7.14%
リチウム関連株として大きく買われました。電気自動車や蓄電池向け需要への期待に加え、資源株全体へ資金が向かった流れもありました。リチウム価格は変動が大きく、同社の業績も資源市況に左右されやすいですが、脱炭素や電池需要という長期テーマは残っています。 - INTC:Intel +6.51%
半導体株への買いが広がる中で、Intelも大きく上昇しました。AI向け半導体ではNVIDIAやBroadcomが目立ちますが、半導体製造能力やPC向け需要回復への期待もあり、出遅れ感のある大型半導体株として見直し買いが入りました。ただし、事業再建の進捗は引き続き確認が必要です。 - WDC:Western Digital +6.35%
AIデータセンター向けストレージ需要の拡大期待から上昇しました。生成AIは画像、動画、音声、学習データを大量に扱うため、計算用半導体だけでなく保存装置の重要性も増しています。Seagateと同様に、AI投資の波がデータ保存インフラへ広がっていることを示す動きです。 - COHR:Coherent +5.90%
光通信部品やレーザー技術への期待から買われました。AIデータセンターではGPU同士を高速につなぐため、光通信技術の重要性が高まっています。私自身、データセンターは電力、冷却、通信がそろって初めて機能すると感じており、AI相場が通信部品まで広がっている点は注目に値します。 - TER:Teradyne +5.72%
半導体検査装置への需要期待から上昇しました。AI向け半導体は高性能化が進むほど、製造後の検査工程も重要になります。検査装置は地味に見えますが、半導体の品質を確認するために欠かせない分野です。AI投資が半導体メーカーだけでなく、周辺装置企業にも波及しています。 - KLAC:KLA +5.55%
半導体製造装置株として買われました。KLAは半導体製造工程の検査・計測装置に強みを持つ企業で、微細化(半導体回路をより細かく作る技術)が進むほど役割が大きくなります。AI半導体需要の拡大が続く中で、製造装置関連にも改めて資金が向かいました。 - SNDK:Sandisk +5.24%
メモリー・ストレージ関連株として上昇しました。AIデータセンターでは演算能力だけでなく、データを高速かつ大量に保存する能力も必要です。SandiskはNAND型フラッシュメモリー(電源を切ってもデータが残る記憶装置)関連として注目され、AIストレージ需要の拡大を織り込む動きとなりました。
5%以上下落したS&P500構成銘柄
- SATS:EchoStar Corporation Class A -10.97%
EchoStarは大幅下落となりました。通信衛星や無線通信関連の事業を抱える企業ですが、業績面では赤字が続いており、希薄化EPS(1株当たり利益)が-50.12ドルと厳しい数値になっています。通信インフラ関連はAI時代にも重要な分野ですが、財務内容や収益改善の見通しが不透明な銘柄には、投資家の売りが出やすい相場環境です。 - ADBE:Adobe Inc. -6.76%
Adobeは大きく下落しました。生成AI機能をソフトウェアに組み込む取り組みは進んでいますが、市場ではAI投資がどれだけ売上成長に結び付くかを厳しく見る姿勢が強まっています。PER(株価収益率)は11.67倍と極端な割高ではないものの、クリエイティブソフト市場での競争激化や成長鈍化への警戒から、利益確定売りが優勢となりました。 - CVNA:Carvana Co. Class A -5.49%
中古車販売のCarvanaは下落しました。株価はこれまで大きく上昇してきましたが、自動車ローン金利の高さが中古車需要に与える影響はなお残っています。希薄化EPSは1.99ドルと黒字化している一方、PERは32.17倍と成長期待を織り込んだ水準です。高金利環境では、消費者ローンに依存する小売業には慎重な見方が出やすいと感じます。
セクター別騰落率
市場全体では、素材(Basic Materials)と金融(Financial)が大きく上昇し、景気敏感株へ資金が向かう一日となりました。原油は下落したものの、金価格の上昇や資源関連への買いが素材セクターを押し上げました。一方で、ヘルスケア(Healthcare)だけが小幅に下落し、守りのセクターよりも景気回復や資産価格上昇を取りに行く相場だったと感じます。
- 素材(Basic Materials) +2.28%
素材セクターは全セクターの中で最も大きく上昇しました。金先物が大きく上昇したことに加え、リチウムや銅などの資源関連株にも買いが入りました。AIデータセンター、電力網、電気自動車には大量の金属資源が必要であり、半導体だけでなく素材にも資金が回る流れが続いています。景気敏感株への投資家心理が強まった一日でした。 - 金融(Financial) +1.32%
金融セクターは大きく上昇しました。米10年国債利回りが4.487%へ上昇したことで、銀行や保険会社の収益改善期待が高まりました。金利上昇はグロース株には負担となりやすい一方、金融株には利ざや(貸出金利と預金金利の差)の改善期待につながります。Dow30が主要3指数の中で最も強かったこととも整合する動きです。
主要3指数とドル円の動き
- S&P500(7,431.46、前日比+0.50%)
S&P500は上昇して取引を終えました。半導体やAI関連の一角に買いが入り、市場全体としてはリスクオン(投資家が積極的にリスクを取る状態)の流れが続きました。ただし、日中高値は7,456.40まであり、終値ではやや伸び悩んでいます。強い相場ではありますが、上値では利益確定売りも出ており、長期投資家としては過熱感を少し確認しながら見たい局面です。 - Dow30(51,202.26、前日比+0.70%)
Dow30は主要3指数の中で最も強い上昇となりました。景気敏感株や大型バリュー株にも買いが入り、NASDAQだけに偏らない相場展開となっています。AI・半導体株だけでなく、工業・産業(Industrials)や金融(Financial)などにも資金が回ると、相場の厚みは増します。短期的な値動きよりも、米国企業全体の利益成長が続いているかを確認したいところです。 - NASDAQ(25,888.84、前日比+0.31%)
NASDAQは上昇しましたが、S&P500やDow30と比べると上昇率は控えめでした。AI関連や半導体株には引き続き資金が向かっている一方で、これまで大きく上昇したグロース株(成長期待の高い株)には利益確定売りも見られます。現在の相場は「AIなら何でも買われる」という段階から、業績と株価水準を見極める段階に移っているように感じます。 - ドル円(160.198円、前日比+0.18%)
ドル円は160円台前半まで上昇しました。米国株が堅調に推移し、米国経済への安心感が残る中で、ドル買い・円売りの流れが続いています。日米金利差(日本と米国の金利の差)が大きい状態では、円が買われにくい構図が続きます。ただし、160円台は政府・日銀の為替介入が警戒されやすい水準でもあり、円建てで米国株ETFを保有する投資家にとっては、株価だけでなく為替変動にも注意が必要です。
原油先物・米10年国債利回り・VIX・金先物の動き
- WTI原油先物(84.32ドル、前日比-3.87%)
原油先物は大きく下落しました。中東情勢への警戒感は残るものの、足元では供給不安よりも、今後の需要鈍化への見方が強まりました。原油価格の下落はインフレ圧力を和らげる面があり、株式市場には一定の安心感を与えます。一方で、エネルギー(Energy)関連株には売りが出やすく、景気敏感セクターの中でも明暗が分かれやすい一日でした。 - 米10年国債利回り(4.487%、前日比+0.54%)
米10年国債利回りは上昇しました。米国株が堅調に推移する一方で、債券市場ではFRBの利下げ時期を慎重に見る動きが続いています。長期金利の上昇は、将来の利益を高く評価されやすいグロース株(成長株)には負担となりやすいです。ただ、この日は株式市場全体が上昇しており、投資家は金利上昇を警戒しながらも企業業績への期待を優先した印象です。 - VIX指数(17.94、前日比-7.71%)
VIX指数は大きく低下しました。VIXは「恐怖指数」と呼ばれ、投資家の不安心理を示す指標です。20を下回る水準は、比較的落ち着いた市場環境を示します。主要3指数がそろって上昇したこともあり、短期的な急落への警戒感はいったん後退しました。ただし、VIXが低い局面では市場が油断しやすく、地政学リスクや金利変動には引き続き注意が必要です。 - 金先物(4,228.80ドル、前日比+2.79%)
金先物は大きく上昇しました。通常、金利上昇は金にとって逆風になりやすいですが、この日は安全資産としての需要が強く出ました。地政学リスクやインフレ再燃への警戒が残る中で、株式市場が上昇していても、投資家は守りの資産を手放していないように見えます。長期投資家としては、株式中心の資産配分でも、金を一部持つ意味は残っていると感じます。
私の米国株ポートフォリオ
私の米国株ポートフォリオは前日比+1.12%となりました。ここで注意したいのは、これは日本市場で取引されている米国株ETFや投資信託の6/12時点の値動きであり、主に6/11の米国株式市場が大幅に反発したことを受けて反映された上昇だという点です。6/12の米国市場の値動きそのものが直接反映されているわけではありません。
内訳を見ると、MAXISナスダック100上場投信が+2.03%、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)が+1.48%、MAXIS米国株式(S&P500)上場投信が+1.40%、iFreeETF FANG+が+1.37%と、米国株式連動型の商品がそろって堅調でした。6/11の米国市場では、AI関連や大型ハイテク株を中心に買い戻しが入り、その反発が日本市場のETFや投資信託にも反映された形です。
一方で、GX超短期米国債は-0.09%と小幅に下落しました。米10年国債利回りが上昇したことで、債券系資産にはやや逆風となりました。株式ETFが大きく上がる日は気分も明るくなりますが、これは前日の米国市場の反発を受けた結果です。長期投資家としては、1日の上昇に過度に強気になるのではなく、株式と債券系資産を組み合わせながら、市場に居続ける姿勢を大切にしたいと感じています。
経済指標発表結果
- ミシガン大学期待インフレ率・6月速報値(4.6%、予想4.9%、前回4.8%)
ミシガン大学期待インフレ率は4.6%となり、予想の4.9%、前回の4.8%を下回りました。期待インフレ率とは、消費者が将来の物価上昇をどの程度見込んでいるかを示す指標です。FRBはこの数値を重視しており、低下はインフレ心理の落ち着きを示します。株式市場にとっては、利下げ期待を極端に後退させにくい内容であり、金利上昇への警戒をやや和らげる結果でした。 - ミシガン消費者信頼感指数・6月速報値(49.3、予想44.3、前回44.1)
消費者信頼感指数は49.3となり、予想の44.3を大きく上回りました。米国の個人消費はGDP(国内総生産)の約7割を占めるため、消費者心理の改善は株式市場にとって重要です。足元では高金利や物価高への不満は残るものの、消費者心理が想定より悪化していなかった点は、景気後退懸念を和らげる内容でした。一般消費材(Consumer Cyclical)や大型株には比較的前向きな材料です。 - ミシガン5年インフレ予測・6月速報値(3.4%、予想3.8%、前回3.9%)
5年先のインフレ予測は3.4%となり、予想の3.8%、前回の3.9%を下回りました。短期の物価見通しだけでなく、中長期のインフレ心理が落ち着いてきた点は重要です。FRBにとって、長期の期待インフレが高止まりすると金融引き締めを緩めにくくなります。今回の低下は、長期金利の過度な上昇を抑える方向に働きやすく、グロース株(成長株)にも一定の安心感を与える内容でした。 - ミシガン大学消費者期待指数・6月速報値(48.9、予想46.1、前回44.8)
消費者期待指数は48.9となり、予想の46.1と前回の44.8を上回りました。これは、家計が今後の景気や雇用、収入環境をどう見ているかを示す指標です。消費者の先行き不安がやや和らいだことは、米国経済の底堅さを示す一方、消費が強すぎればインフレ圧力が残る可能性もあります。この日の株式市場では、景気の底堅さとインフレ鈍化の両方を確認する内容として受け止められました。 - ミシガン消費者信頼感予備・6月速報値(48.4、予想46.2、前回45.8)
ミシガン消費者信頼感予備は48.4となり、予想と前回を上回りました。消費者心理が改善したことで、米国景気への過度な悲観は後退しました。ただし、50を下回る水準にとどまっており、家計が全面的に楽観へ転じたわけではありません。長期投資家としては、米国消費が崩れていないことを確認しつつ、FRBの利下げ判断に影響するインフレ期待の低下をより重視したい内容です。 - ベーカー・ヒューズ社リグ・カウント(433、前回431)
米国の石油・ガス掘削設備数を示すリグ・カウントは433となり、前回の431から小幅に増加しました。原油先物が大きく下落した日に発表された指標としては、供給面の確認材料になります。掘削活動が急減していないことは、エネルギー供給への安心感につながる一方、原油価格の上値を抑える要因にもなります。原油安はインフレ抑制にはプラスですが、エネルギー(Energy)株にはやや厳しい内容です。
主要銘柄の決算発表結果
6/12には主要銘柄の決算発表はありませんでした。
主な経済ニュース
- SpaceXが上場初日に急伸、時価総額2兆ドル突破
SpaceXが上場初日に大きく上昇し、初値は150ドル、時価総額は2兆ドル規模に達しました。AI、宇宙通信、衛星インターネット、将来のデータセンター構想まで含めて、投資家の成長期待が一気に集まった形です。一方で、期待先行の色合いも強く、米国市場全体のリスク許容度を測る象徴的なニュースだと感じます。大型テック株には利益確定売りも見られましたが、成長テーマへの資金意欲はなお強い状態です。(Reuters:06/12) - S&P500は上昇、原油下落とトランプ氏発言で安心感
S&P500は上昇し、主要3指数もそろってプラスで取引を終えました。原油価格が大きく下落したことで、インフレ再燃への警戒がやや和らぎました。さらに、トランプ氏の発言を受けて米国とイランを巡る緊張緩和期待も出ています。原油安は消費者や企業コストにはプラスですが、エネルギー(Energy)株には厳しい面もあります。市場全体では、地政学リスクを見ながらも株式を買う姿勢が残りました。(Bloomberg:06/12) - ミシガン消費者マインド指数、6月は48.9に上昇
ミシガン大学消費者マインド指数は48.9となり、前回の44.8から改善しました。米国の個人消費はGDP(国内総生産)の約7割を占めるため、消費者心理の改善は株式市場にとって重要です。ガソリン価格の低下が家計心理をやや改善させた面もあります。ただし、指数水準そのものはまだ低く、消費者が全面的に楽観へ転じたわけではありません。景気後退懸念を和らげる一方、慎重さも残る内容でした。(Reuters:06/12) - 期待インフレ率が低下、FRBの政策判断に影響
ミシガン大学の1年先期待インフレ率は4.6%、5年先インフレ予測は3.4%へ低下しました。期待インフレ率とは、消費者が将来の物価上昇をどの程度見込むかを示す指標です。FRBはこの数値を重視しており、低下は金利上昇への警戒を和らげる方向に働きます。ただし水準はまだ高く、すぐに利下げへ向かうほど安心できる数字ではありません。株式市場にはほどよい安心感を与えたと見ています。(Reuters:06/12) - 米10年国債利回りは上昇、金融株に資金流入
米10年国債利回りは4.487%へ上昇しました。金利上昇はグロース株(成長期待が高い株)には負担になりやすい一方、銀行や保険会社など金融(Financial)には収益改善期待を生みます。この日は金融セクターが+1.32%と上昇し、Dow30も主要3指数の中で最も強い動きでした。市場はAI関連だけでなく、金利上昇を収益機会にできる銘柄にも資金を振り向けています。(Bloomberg:06/12) - ECB利下げ直後、金融大手は早くも利下げ転換を見込む
ECB(欧州中央銀行)が利下げを進める中、金融大手は次の政策転換を早くも織り込み始めています。欧州景気の弱さとインフレ鈍化が背景にありますが、米国では消費者心理の改善やインフレ期待の高止まりもあり、FRBの判断はより慎重になりそうです。米欧で金融政策の方向感に差が出ると、ドル円や米国株のバリュエーション(企業価値評価)にも影響します。(Bloomberg:06/12) - 米国でプラスチック価格が上昇、インフレの新たな火種
米国ではプラスチック価格の上昇が報じられ、コスト転嫁が本格化する可能性が出ています。プラスチックは包装材、日用品、自動車部品、電子機器など幅広い製品に使われるため、価格上昇は企業コストや消費者物価に波及しやすいです。原油価格は下落しましたが、素材価格の一部には上昇圧力が残っています。インフレが単純に沈静化しているわけではない点に注意が必要です。(Bloomberg:06/12) - SpaceX、データセンター運用で壁一面アンテナ向けに資源採用
SpaceXがデータセンター運用や衛星通信インフラ強化に向け、壁面アンテナ関連の資源を採用したと報じられました。AIや宇宙通信では、計算能力だけでなく、通信回線、電力、冷却、設置場所の確保が重要になります。私自身、データセンターは建物、電源、通信、冷却がそろって初めて機能すると感じています。AI相場は半導体だけでなく、通信設備や素材分野へも広がっています。(Bloomberg:06/12) - ミストラルAI、30億ユーロ調達巡り協議
欧州AI企業のミストラルAIが30億ユーロ規模の資金調達を巡り協議していると報じられました。AI開発競争ではモデル性能だけでなく、データセンター、GPU、電力、クラウド利用料など膨大な資金が必要になります。米国のOpenAIやAnthropicだけでなく、欧州でもAI投資競争が続いている点は重要です。AI関連投資は一時的なブームではなく、資本を大量に吸収する長期テーマになっています。(Bloomberg:06/12) - アンソロピックやOpenAI幹部、G7首脳会議で先端AI巡り議論へ
AnthropicやOpenAIの幹部がG7首脳会議で先端AIを巡る議論に参加すると報じられました。AIは企業収益だけでなく、安全保障、雇用、規制、電力需要にも関わる国家的テーマになっています。規制が強まれば一部企業には負担となりますが、同時に資本力と技術力を持つ大手企業には参入障壁(新規参入を難しくする壁)となる可能性もあります。長期投資家として、AI規制と収益機会の両面を見ていきたいところです。(Bloomberg:06/12) - HSBCに新たな不良債権問題、中東消費財大手向けで焦げ付き
HSBCに中東消費財大手向けの不良債権問題が出ていると報じられました。金融株全体は金利上昇で堅調でしたが、個別金融機関では信用リスク(貸したお金が返ってこないリスク)も残っています。米国市場では金融(Financial)が上昇しましたが、金利上昇がすべての金融機関にプラスとは限りません。景気減速や地域リスクが表面化すると、銀行株には選別色が強まりやすいと感じます。(Bloomberg:06/12) - ドローン戦の進化、スターリンク接続が焦点に
AI誘導の攻撃ドローンが進化し、ウクライナではスターリンク接続が重要な論点になっていると報じられました。宇宙通信、衛星インターネット、AI、軍事技術が結び付くことで、テクノロジー企業の役割は急速に広がっています。これはSpaceXへの投資熱にもつながりますが、同時に地政学リスクや規制リスクも伴います。テクノロジー株を見る際には、成長性だけでなく政策・安全保障面も無視できません。(Bloomberg:06/12)
今週の動き
- 今週の個別銘柄ヒートマップ総括
今週は大型ハイテク株の中で明暗が大きく分かれました。Microsoft、Apple、Amazon、Google、Metaが下落し、特にMicrosoftとAppleの弱さが指数の上値を抑えました。一方で、Micron、AMD、Intel、Applied Materials、KLA、Western Digital、Seagateなど半導体・ストレージ関連は強く、AI投資がGPUだけでなくメモリー、検査装置、記憶装置へ広がっていることが確認できます。私は、AI相場が「大型ハイテク一括買い」から「インフラ関連の選別買い」へ移りつつあるように感じています。 - 今週のセクター別騰落率総括
セクター別では、素材(Basic Materials)が+3.58%と最も大きく上昇し、生活必需品(Consumer Defensive)が+2.76%、金融(Financial)が+2.59%と続きました。資源価格や金価格の上昇、米10年国債利回りの上昇を受けて、素材株や金融株に資金が向かいました。一方で、通信サービス(Communication Services)は-1.52%と唯一大きく下落しました。大型ネット企業の弱さが響いた形です。今週はNASDAQ一辺倒ではなく、素材、金融、生活必需品などへ資金が分散した点が特徴でした。
経済指標発表予定
以下の経済指標が発表される予定です。
主要銘柄の決算発表予定
来週は以下の主要銘柄の決算発表がなされる予定です。
おわりに
今週の米国株市場は、大型ハイテク株の一部に利益確定売りが出る一方で、素材、金融、生活必需品などにも資金が広がり、単純なAI相場だけでは説明しにくい一週間でした。6/12は原油安、期待インフレ率の低下、消費者心理の改善が重なり、市場全体としては比較的落ち着いた上昇となりました。
長期投資では、毎日の値動きに一喜一憂するよりも、市場のお金がどこへ流れているのかを見続けることが大切だと思っています。私自身もETF中心の投資を続けながら、短期的な上げ下げより、米国企業全体の成長力を確認する姿勢を大切にしています。
毎朝こうして市場を整理し、皆さまと一緒に学べることを嬉しく思っています。本ブログが市場理解や資産形成の参考になりましたら幸いです。
それでは、今日も一日、明るく元気に笑顔で過ごしましょう。
ご参考になりましたらこちらから応援いただけると嬉しいです。
おことわり
投資は自己責任にてお願いします。
このブログには広告が挿入されています。この広告はGoogle社が読者の好みに応じて選んで提供しているものです。興味がございましたらご覧いただければ幸いです。投資に関する広告が表示されても、私の推奨ではないことをご理解ください。
図表のレファレンス
- S&P500ヒートマップ: finviz
- 主要3指数とドル円: Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
- セクター別騰落率: finviz
- 経済指標結果/予定: investing.com日本語版
- 決算発表結果/予定: investing.com日本語版
- 主要指数の動き : Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
- 自分の米ドル建ポートフォリオ: Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
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