室井のマーケット視点
5月26日の米国市場は、S&P500とNASDAQがともに史上最高値を更新する強い一日となりました。一方でDow30は下落しており、市場全体が全面高というより、「AI関連を中心に一部へ資金が集中する相場」の色合いがさらに強まっています。私は今回の市場を見て、単なる楽観相場というより、「勝ち組企業へ資金が極端に集中する局面」に入っていると感じています。
特に象徴的だったのが、Micron Technologyの急騰です。HBM(AI向け高速メモリー)需要拡大への期待に加え、トランプ大統領がMicronを「素晴らしい企業」と絶賛したことも投資家心理を強く刺激しました。現在のAI相場は、NVIDIAだけが主役ではありません。メモリー、ストレージ、検査装置、電力制御、さらにはデータセンター建設関連まで物色対象が広がっています。私はデータセンターの工事に関わった経験によると、今後はGPU性能競争だけでなく、水冷設備、変電設備、電源冗長化(複数系統化)など、“AIを支えるインフラ”そのものが巨大テーマになっていくと見ています。
一方で、原油価格は-3%超下落し、VIX指数は上昇しました。つまり市場は「AIによる未来の利益成長」を強く織り込みながらも、「景気減速リスク」への警戒感を同時に抱えています。住宅価格指数の伸び鈍化や消費関連株の下落も、その空気感を示していました。現在の米国市場は、「どんな銘柄でも上がる相場」ではなく、「高金利環境でも利益成長を維持できる企業だけが買われる相場」へ完全に移行しているように見えます。
私は長期投資では、こういう局面ほど冷静さが重要だと思っています。コロナショックの時も、暴落局面で積立を止めなかった人が、結果的には市場成長の恩恵を受けました。短期的にはAI関連の過熱感も感じますが、米国企業全体の利益成長力そのものは依然として世界トップクラスです。だからこそ、日々のニュースを確認しつつも、短期値動きに振り回されず、市場に居続けることが何より重要だと改めて感じた一日でした。
S&P500ヒートマップ
5%以上上昇したS&P500構成銘柄
- MU:Micron Technology, Inc.(先端技術) +19.29%
MicronはHBM(高帯域幅メモリ=AI向け高速メモリ)需要拡大への期待から急騰しました。AIサーバー向けDRAM価格の上昇観測もあり、半導体メモリー市況の改善が鮮明になっています。生成AIブームではGPUばかり注目されがちですが、実際にはメモリー供給能力も極めて重要です。私は、AIインフラ投資が続く限り、データセンター向け半導体全体へ資金循環が広がる流れは当面続くと感じています。 - ON:ON Semiconductor Corporation(先端技術) +9.29%
ON SemiconductorはEV(電気自動車)や産業機器向け半導体需要の底入れ期待から大きく上昇しました。特に電力制御向けSiC(炭化ケイ素)半導体は、AIデータセンターの高電力化とも相性が良く、中長期テーマとして再評価されている印象です。足元では景気減速懸念も残りますが、電力効率改善という世界的テーマは継続しており、単なる短期材料だけでは説明しにくい資金流入が見られました。 - TER:Teradyne, Inc.(先端技術) +8.56%
半導体検査装置を手掛けるTeradyneも堅調でした。AI向け高性能半導体では、製造後のテスト工程がより重要になっており、不良検出精度や高速検査需要が増えています。半導体市場では、GPUやメモリーだけでなく、その周辺設備企業まで恩恵が波及している状況です。私は建設業界でBIM導入を進めた経験がありますが、AI時代も結局は「周辺インフラ」が市場全体を支える構図になると感じています。 - WDC:Western Digital Corporation(先端技術) +8.34%
Western Digitalはストレージ需要回復への期待から上昇しました。生成AIでは学習データ量が爆発的に増加しており、SSDや大容量ストレージ需要も拡大しています。市場では「AI=GPU」という単純な見方だけではなく、データ保存や高速転送関連企業まで物色対象が広がっています。データセンター建設では、冷却や電源だけでなくデータ保存設備も巨大化しており、今後も設備投資は継続しそうです。 - AMD:Advanced Micro Devices, Inc.(先端技術) +7.78%
AMDはAI向けGPU市場での競争力期待から上昇しました。依然としてNVIDIA優位の構図は続いていますが、AI需要拡大によって市場規模自体が急拡大しており、AMDにも十分な成長余地があるとの見方が強まっています。株価水準だけを見ると過熱感を感じる場面もありますが、AIデータセンター投資が本格化している現状では、単なるテーマ株相場ではなく、実需ベースの設備投資循環が背景にあるように見えます。 - APP:AppLovin Corp.(通信サービス) +6.76%
AppLovinはAI活用型広告配信技術への期待から買われました。広告業界ではAIによるターゲティング精度向上が収益性改善へ直結しやすく、クラウド企業以外にもAIテーマが広がっています。市場全体を見ると、現在のAI相場は半導体だけでなく、広告、ソフトウェア、クラウドへと投資対象が拡散している印象です。一方で、成長期待がかなり織り込まれている銘柄も多く、ボラティリティ(価格変動)は大きくなりやすい局面だと思います。 - KLAC:KLA Corporation(先端技術) +6.51%
KLAは半導体検査装置需要の拡大期待から上昇しました。AI向け先端半導体では回路微細化が進んでおり、製造工程の品質管理重要性が一段と高まっています。半導体業界では、最先端GPUだけでなく、製造装置や検査装置企業も利益成長が期待される局面です。長期投資家としては、こうした「AIインフラ全体」を俯瞰して見ることが重要だと感じています。 - UAL:United Airlines Holdings, Inc.(工業・産業) +5.96%
United Airlinesは旅行需要の底堅さが好感され上昇しました。高金利環境でも米国個人消費が想定以上に堅調であり、航空・旅行関連株への見直し買いが続いています。一方で、原油価格変動は航空会社収益へ直接影響するため、中東情勢や景気減速リスクには注意が必要です。ただ、現在の米国経済は「完全な景気後退」というより、消費が強弱入り混じる状態に近いように感じます。
5%以上下落したS&P500構成銘柄
- AZO:AutoZone, Inc.(一般消費材) -8.99%
自動車部品販売大手のAutoZoneは大きく下落しました。決算そのものは極端に悪い内容ではありませんでしたが、既存店売上高の伸び鈍化が嫌気されたようです。高金利環境が長期化する中で、米国消費者の支出行動に慎重さが見え始めており、市場では「消費減速」の兆しに敏感になっています。一方で、米国雇用環境は依然として底堅く、全面的な景気後退というより、消費の選別色が強まっている印象です。 - TSCO:Tractor Supply Company(一般消費材) -5.76%
農業関連用品や郊外向け小売を展開するTractor Supplyも軟調でした。地方消費や住宅関連需要の減速懸念が背景にあるようです。特に高金利環境では、郊外住宅関連やDIY需要が鈍化しやすく、消費関連株の中でも明暗が分かれる展開となっています。現在の米国市場はAI関連へ資金が集中する一方、景気敏感な消費関連には利益確定売りも出やすい状況です。長期投資家としては、こうした資金循環の変化も冷静に見ておきたい局面だと感じています。
セクター別騰落率
市場全体では、AI関連や半導体株への資金流入が続き、先端技術(Technology)や素材(Basic Materials)が相場を牽引しました。特に半導体・データセンター関連への買いが強く、NASDAQ優位の地合いが継続しています。一方で、原油価格下落の影響を受けたエネルギー(Energy)や、ディフェンシブ色の強い生活必需品(Consumer Defensive)は軟調でした。高金利環境下でも利益成長が期待できる分野へ資金が集中する、選別色の強い相場だったと感じます。
- 素材(Basic Materials) +2.49%
素材セクターは大きく上昇しました。AIデータセンター建設やインフラ投資拡大への期待から、銅や工業素材関連企業へ資金流入が続いています。生成AIの普及ではGPUだけでなく、送電設備や建設資材、冷却設備向け素材需要も増加するため、市場では「AIインフラ全体」を意識した物色が広がっている印象です。私の考えでは、今後は電力関連インフラ需要がさらに重要になると感じています。 - 工業・産業(Industrials) +1.94%
工業・産業セクターは堅調でした。航空、防衛、インフラ、物流関連へ幅広く買いが入り、景気敏感株への資金循環も確認されています。米国経済は減速懸念を抱えながらも、設備投資需要は底堅く推移しており、AI関連データセンター建設も産業機械需要を押し上げています。現在の相場は、単なる金融相場というより、実際の設備投資循環が伴っている点が特徴的だと感じます。 - 先端技術(Technology) +1.69%
先端技術セクターでは半導体関連を中心に強い買いが続きました。MicronやAMDなどAI関連銘柄への資金流入が目立ち、高性能メモリーやGPU需要拡大期待が市場心理を押し上げています。現在は「AI相場第2幕」とも言える状況で、GPUだけでなくストレージ、検査装置、電力制御まで物色対象が広がっています。一方で、株価上昇スピードも速く、ボラティリティの高さには注意したい局面です。 - 通信サービス(Communication Services) +1.00%
通信サービスは広告関連やデジタルサービス株を中心に堅調でした。AI活用による広告効率改善期待やクラウドサービス需要の拡大が背景にあります。従来の通信インフラだけでなく、データ活用型ビジネスへ市場の関心が移っている印象です。現在の米国市場では、AIテーマが半導体だけで完結せず、広告やソフトウェア分野へ波及している点も特徴的だと思います。 - 生活必需品(Consumer Defensive) -1.44%
生活必需品セクターは軟調でした。市場全体がリスクオン(投資家が積極的にリスク資産を買う状態)へ傾く中で、ディフェンシブ株から資金が流出したようです。高配当株や安定収益銘柄は金利動向の影響も受けやすく、米10年債利回りの高止まりも逆風となっています。現在は「安全性」より「利益成長性」が重視される相場環境が続いているように見えます。 - エネルギー(Energy) -2.31%
エネルギーセクターは大きく下落しました。WTI原油先物の下落が重荷となり、石油関連株への売りが優勢となっています。市場では世界景気減速による需要鈍化懸念も意識されており、中東情勢への警戒感だけでは原油価格を押し上げにくい状況です。一方で、AIデータセンター拡大による電力需要増加という長期テーマは残っており、今後はエネルギー供給構造そのものの変化にも注目したいところです。
主要3指数とドル円の動き
- S&P500(7,519.12、前日比+0.61%)
S&P500は続伸しました。市場全体ではAI関連や半導体株への資金流入が続いており、特に大型ハイテク企業が指数を押し上げています。一方で、Dow30が下落している点を見ると、全面高というより「成長性の高い分野へ資金が集中している相場」と感じます。私は長期投資家として、現在の市場は金利高止まり環境でも利益成長できる企業が選別される局面に入っているように見ています。 - Dow30(50,461.68、前日比-0.23%)
Dow30は小幅安となりました。景気敏感株やディフェンシブ株への利益確定売りが目立ち、NASDAQとの温度差が意識される展開です。高金利環境では、高配当株や伝統的大型株への資金流入が鈍りやすく、投資家の視線はAI関連など高成長分野へ向かっています。ただ、米国企業全体の収益基盤は依然として強く、長期視点では短期的なセクター間の強弱に振り回されすぎない姿勢も大切だと思います。 - NASDAQ(26,656.18、前日比+1.19%)
NASDAQは半導体関連を中心に大きく上昇しました。MicronやAMDなどAI関連銘柄への買いが強く、生成AI向けデータセンター投資拡大への期待が相場を牽引しています。現在のAI相場は、GPUだけではなくメモリー、検査装置、ストレージまで資金循環が広がっている点が特徴的です。今後は電力設備や冷却技術まで含めた巨大投資テーマへ発展していく可能性を感じています。 - ドル円(159.3140、前日比+0.29%)
ドル円は159円台前半まで円安が進みました。米国の長期金利が高水準を維持している一方、日銀の追加利上げ観測は限定的であり、金利差を背景としたドル買い・円売りが続いています。日本の投資家にとっては、米国株高と円安が同時進行することで、円建て資産評価額が押し上げられやすい環境です。ただし、160円接近では為替介入警戒感も強く、為替市場の変動率は今後さらに高まりそうです。
原油先物・米10年国債利回り・VIX・金先物の動き
- WTI原油先物(93.68ドル、前日比-3.02%)
WTI原油先物は大きく下落しました。市場では世界景気減速による需要鈍化懸念が改めて意識されているようです。中東情勢への警戒感は依然として残るものの、足元では「供給不足」よりも「需要減速」を重視する流れが強まっています。エネルギー株には利益確定売りが出やすい一方、原油価格下落はインフレ圧力緩和につながるため、株式市場全体には安心感を与える側面もあります。 - 米10年国債利回り(4.4930%、前日比-1.43%)
米10年債利回りは低下しました。債券買いが優勢となり、市場ではFRB(米連邦準備制度)の追加利上げ懸念がやや後退しています。長期金利低下は通常、ハイテク株やグロース株にプラスに働きやすく、NASDAQ上昇の背景にもなっています。ただし、金利低下が「景気減速懸念」によるものなのか、「インフレ鈍化期待」によるものなのかで市場の意味合いは変わるため、今後の経済指標には引き続き注意したいところです。 - VIX指数(17.01、前日比+2.53%)
VIX指数(恐怖指数=市場の不安心理を示す指数)は上昇しました。ただ、17台は依然として極端な警戒局面という水準ではなく、市場にはリスクオン姿勢が残っています。NASDAQが強い一方で、Dow30やディフェンシブ株が弱いことからも、投資家心理は「全面強気」というより、AI関連へ選別的に資金が集中している状況に見えます。個人的には、過熱感と慎重姿勢が同居する独特な相場環境だと感じています。 - 金先物(4,506.30ドル、前日比-0.37%)
金先物は小幅下落しました。ドル円が円安方向へ進み、ドル指数も底堅く推移したことで、ドル建て金価格にはやや売り圧力がかかっています。一方で、地政学リスクや財政赤字問題への警戒感は依然として根強く、金市場そのものが崩れている印象ではありません。私は長期投資では、金は値上がり益を狙うというより、インフレや金融不安への保険として一定割合を保有する考え方が有効だと思っています。
私の米国株ポートフォリオ
私のポートフォリオは小幅な下落となりました。米国市場ではNASDAQや半導体関連が強かったものの、日本市場では円高方向への警戒感や利益確定売りもあり、FANG+やNASDAQ100系ETFがやや軟調でした。一方で、S&P500系ETFは比較的落ち着いた値動きで、全体としては「AI関連だけが突出して強い相場」という印象です。
個人的には、こういう局面ほど分散投資の重要性を感じます。結局は市場に居続けた人が最後に報われる世界だと思っています。最近はAI関連への資金集中がかなり強く、過熱感を感じる場面もありますが、短期的な値動きよりも、米国企業全体の利益成長が今後も続くかを重視して見ています。ドル建MMF代替として保有しているGX超短期米国債も含め、全体では比較的落ち着いた構成を維持できていると感じています。
経済指標発表結果
- S&Pケース・シラー住宅価格指数(20都市、前年比+0.8%)
S&Pケース・シラー住宅価格指数は前年比+0.8%となり、市場予想の+0.9%をやや下回りました。米国住宅市場では高金利による住宅ローン負担増加が続いており、価格上昇ペースは鈍化傾向です。一方で、住宅価格そのものは依然として高水準を維持しており、米国個人資産への影響も無視できません。株式市場では「急激な景気悪化ではないが、住宅市場は確実に減速している」という受け止め方が広がっています。 - 消費者信頼感指数(5月、93.1)
消費者信頼感指数は93.1となり、市場予想91.9を上回りました。高金利やインフレ環境が続く中でも、米国消費者心理が底堅いことが確認されています。現在の米国株市場では、「景気減速懸念」と「消費の強さ」が同時に存在する複雑な局面となっており、これがNASDAQ高・Dow30軟調というセクター間の温度差にもつながっています。FRBとしても、個人消費の粘り強さは簡単に利下げへ踏み切れない要因になりそうです。 - ダラス連銀製造業活動指数(5月、0.4)
ダラス連銀製造業指数は前回-2.3から0.4へ改善しました。米国製造業はこれまで高金利の影響を受けて停滞感が続いていましたが、設備投資やAI関連需要の広がりが徐々に下支えしているようです。特にデータセンターや電力設備関連では実需ベースの投資が継続しており、単なる金融相場ではない点が現在の米国市場の特徴だと感じます。ただ、製造業全体が力強く回復している段階とはまだ言い切れません。 - 2年物米国債入札(4.071%)
2年債入札は比較的安定した結果となりました。短期債利回りが高水準を維持していることから、市場ではFRBの利下げ開始時期が依然として後ずれするとの見方が残っています。一方で、長期金利は低下方向へ動いており、債券市場では「将来的な景気減速」も織り込み始めているようです。株式市場では、高金利環境でも利益成長できるAI関連企業へ資金が集中する流れが続いています。
主要銘柄の決算発表結果
- AZO:AutoZone, Inc.(一般消費材)
AutoZoneはEPSが38.07ドルと市場予想36.18ドルを上回り、売上高も484.4億ドルと予想を超えました。しかし株価は-8.99%と大きく下落しています。市場では単なる「予想超え」よりも、今後の既存店売上高の伸び鈍化や消費減速リスクが警戒されたようです。現在の米国市場はAI関連へ資金が集中している一方、消費関連株にはかなり厳しい目線が向けられています。決算数値だけでは株価が上がりにくい、期待値主導の相場だと感じます。時間外取引でもさらに軟調な動きが続いています。 - ZS:Zscaler, Inc.(先端技術)
サイバーセキュリティ企業のZscalerはEPS1.08ドルと市場予想1.01ドルを上回り、売上高も850.48百万ドルと予想超えとなりました。AI普及によってクラウドセキュリティ需要が拡大しており、企業のIT投資継続が確認されています。株価は通常取引で+1.22%と堅調でしたが、時間外取引では-16%超と急落しました。市場では今後の成長率鈍化やガイダンス(企業見通し)への慎重な評価が広がったようです。現在のハイテク株は期待値が非常に高く、良い決算でも将来見通し次第で大きく売られる難しい局面が続いています。
主な経済ニュース
- AI向け半導体投資が再加速
MicronやAMDなど半導体関連株が大きく上昇し、NASDAQを押し上げました。生成AI向けデータセンター投資が引き続き市場の中心テーマとなっており、GPUだけでなく高性能メモリーや検査装置まで資金循環が広がっています。私はデータセンター建設現場に関わった経験がありますが、今後は水冷設備や電源冗長化(複数系統化)まで含めた巨大インフラ投資へ発展していく可能性を感じています。(Bloomberg:05/26) - 米長期金利低下でハイテク株優勢
米10年国債利回りが4.49%台へ低下し、グロース株中心に買いが入りました。市場ではFRBの追加利上げ懸念がやや後退しているようです。一方で、Dow30は下落しており、全面高ではなく「利益成長が期待できる企業」へ資金が集中する相場が続いています。現在の米国市場は、高金利環境でも成長を維持できる企業とそうでない企業の選別がかなり鮮明になっています。(Reuters:05/26) - ドル円は159円台へ円安進行
ドル円は159円台前半まで円安が進みました。米国金利が依然として高水準を維持する一方、日銀の追加利上げ観測は限定的であり、日米金利差が意識される状況です。日本の投資家にとっては、米国株高と円安が同時進行することで円建て評価額が押し上げられやすい環境となっています。ただし、160円接近では為替介入への警戒感も強く、市場の神経質さは残っています。(Reuters:05/26) - 原油価格急落でエネルギー株軟調
WTI原油先物は-3%超の下落となり、エネルギー株には売りが広がりました。市場では世界景気減速による需要鈍化懸念が改めて意識されています。一方で、原油安はインフレ圧力緩和にもつながるため、株式市場全体には一定の安心感もあります。現在は「景気悪化」と「インフレ鈍化期待」が入り混じる難しい局面であり、投資家心理もかなり複雑になっている印象です。(Reuters:05/26) - 米消費者心理は予想以上に底堅い
5月の消費者信頼感指数は93.1と市場予想を上回りました。高金利や物価高が続く中でも、米国個人消費は比較的堅調さを維持しています。現在の米国経済は「景気後退入り目前」というより、消費分野ごとの強弱感が広がる段階に近いようです。旅行関連やAI関連には資金流入が続く一方、生活必需品や一部小売株には利益確定売りも見られています。(Yahoo!Finance:05/26) - 住宅価格指数は伸び鈍化
S&Pケース・シラー住宅価格指数は前年比+0.8%となり、市場予想を下回りました。米住宅市場では高金利による住宅ローン負担増加が重荷となっています。ただ、価格そのものは依然として高水準であり、住宅市場が急崩壊しているわけではありません。FRBとしては、住宅価格上昇圧力の鈍化を確認しつつも、インフレ警戒を完全には緩めにくい状況が続いています。(Reuters:05/26) - AI相場は周辺インフラへ拡大
今回の相場ではGPU関連だけでなく、ストレージ、電力制御、検査装置企業まで上昇が広がりました。AI市場は「ソフトウェア革命」というより、巨大なインフラ投資サイクルへ発展している印象があります。建築・設備の視点で見ると、今後は変電設備や冷却システム不足も大きなテーマになる可能性があります。半導体企業だけではなく、電力・建設関連企業にも長期的な恩恵が及ぶかもしれません。(Financial Times:05/26) - ディフェンシブ株から資金流出
生活必需品(Consumer Defensive)や高配当株は軟調でした。市場ではリスクオン(積極的に株を買う状態)が続いており、投資家資金は成長期待の高いAI関連へ集中しています。現在の相場は非常にテーマ性が強く、指数全体を見るだけでは市場の実態が分かりにくい局面です。私は長期投資家として、こういう時こそセクター分散の重要性を改めて感じています。(Bloomberg:05/26) - 金価格は小幅下落も安全資産需要継続
金先物は小幅安となりましたが、依然として高値圏を維持しています。ドル高や金利動向が短期的には逆風となる一方、地政学リスクや米財政赤字問題への警戒感は根強い状況です。個人的には、金は短期売買対象というより、インフレや金融不安への保険資産として一定割合を保有する考え方が有効だと思っています。(Reuters:05/26) - VIX上昇でも市場は過度悲観ではない
VIX指数は17台へ上昇しました。ただし、歴史的に見ると依然として低位圏であり、市場が全面的なリスクオフへ傾いているわけではありません。NASDAQ高・Dow安という構図を見る限り、現在は「慎重な強気相場」に近い雰囲気です。AI関連への期待は非常に強い一方、景気減速や金利変動への警戒感も同時に存在しており、投資家心理はかなり繊細な状態が続いています。(Investing.com:05/26)
経済指標発表予定
以下の経済指標が発表される予定です。
主要銘柄の決算発表予定
以下の主要銘柄の決算発表がなされる予定です。
おわりに
米国株市場は、AI関連を中心とした強さが続く一方で、Dow30やディフェンシブ株にはやや弱さも見られ、相場全体としては「選別色の強い一日」だったように感じています。特に今回は、半導体だけではなく、メモリー、検査装置、ストレージ、電力関連まで物色が広がっており、AI投資が単なる流行ではなく、巨大なインフラ投資サイクルへ発展していることを改めて実感しました。
一方で、VIX上昇や原油価格下落を見ると、市場には景気減速への警戒感も同時に存在しています。こういう局面ほど、短期的な値動きに振り回されず、長期視点で市場に居続ける姿勢が重要だと思っています。
毎朝こうして市場を整理し、皆さまと一緒に学べることを嬉しく思っています。本ブログが皆さまの資産形成や市場理解のお役に立てましたら幸いです。
それでは、今日も一日、明るく元気に笑顔で過ごしましょう。
※誠に勝手ながら、28日と29日はブログを休ませていただきます。
ご参考になりましたらこちらから応援いただけると嬉しいです。
おことわり
投資は自己責任にてお願いします。
このブログには広告が挿入されています。この広告はGoogle社が読者の好みに応じて選んで提供しているものです。興味がございましたらご覧いただければ幸いです。投資に関する広告が表示されても、私の推奨ではないことをご理解ください。
図表のレファレンス
- S&P500ヒートマップ: finviz
- 主要3指数とドル円: Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
- セクター別騰落率: finviz
- 経済指標結果/予定: investing.com日本語版
- 決算発表結果/予定: investing.com日本語版
- 主要指数の動き : Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
- 自分の米ドル建ポートフォリオ: Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
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