室井のマーケット視点
今回の米国市場は、NVIDIA決算を中心にAI関連への期待が改めて確認される一方で、航空、素材、金融など景気敏感株へも資金が広がり、「AIだけの相場」から少し裾野が広がった一日だったように感じています。NASDAQが強いのは当然として、Dow30までしっかり上昇した点には、米国経済そのものへの安心感もにじんでいました。
特に印象的だったのは、AI関連投資が半導体だけで終わらなくなってきたことです。電力株や公益事業株まで買われている姿を見ると、市場は「AIを動かす現実インフラ」へ視線を移し始めているようです。私は過去にデータセンター建設や改修工事に関わりましたが、実際の現場ではGPUを並べれば終わりではありません。受変電設備、無停電化、水冷空調、通信ネットワークなど、巨大な設備投資が必要になります。現在の市場は、その現実を少しずつ織り込み始めている段階なのかもしれません。
一方で、原油価格が5%以上急落したにもかかわらず、株式市場が大きく崩れなかった点も興味深いところです。市場は「景気後退」を恐れるより、「金利低下の可能性」を好感しているようにも見えました。ただ、こういう局面は市場心理が短期間で大きく変わることも多く、私は過度に強気へ傾き過ぎないことも重要だと思っています。
最近のAI関連株を見ていると、「次のNVIDIA探し」のような話題も増えています。しかし、私は昔から、テンバガー探しは投資というより賭けに近いと思っています。長期投資では、優秀な企業群へETFで広く分散し、時間を味方につける方が再現性は高いと感じています。コロナショック時も積立だけは止めませんでしたが、結果として「市場に居続けた人」が強かったのだと思います。
相場は毎日動きますが、長期で見れば米国企業全体の利益成長こそが最も重要です。短期的なニュースや値動きに振り回され過ぎず、冷静に市場を見続けていきたいですね。
投資は自己責任にてお願いします。
S&P500ヒートマップ
5%以上上昇したS&P500構成銘柄
- UAL:United Airlines Holdings, Inc.(工業・産業) +9.99%
航空需要の底堅さが改めて確認され、夏季旅行シーズンに向けた予約動向への期待が強まりました。原油価格が比較的落ち着いて推移していることも航空会社にとって採算改善要因となっています。米国景気の減速懸念が完全には消えていない中でも、消費者の旅行支出は依然として強く、サービス消費の強さを象徴する動きとなりました。 - SMCI:Super Micro Computer, Inc.(先端技術) +9.49%
AIサーバー需要の拡大期待から大きく上昇しました。NVIDIA製GPUを搭載したAIサーバーへの需要が継続しており、データセンター投資テーマが再び市場の中心へ戻りつつある印象です。私自身、データセンター建設に関わった経験から、AI向け設備投資はGPUだけでなく、電源・冷却・通信設備まで広範囲に波及すると感じています。 - DAL:Delta Air Lines, Inc.(工業・産業) +9.39%
デルタ航空も旅行需要拡大期待から強い上昇となりました。米国消費者の支出意欲が高水準を維持していることに加え、ビジネス渡航需要の回復も続いているようです。金利高止まり環境でも旅行関連株へ資金が向かっている点は、米国経済の底堅さを市場が再確認している動きとも言えそうです。 - CCL:Carnival Corporation(一般消費材) +8.96%
クルーズ需要の回復継続が好感されました。コロナ禍では壊滅的打撃を受けた業界でしたが、現在は予約状況や客室単価の改善が続いています。高金利環境にもかかわらずレジャー関連消費が維持されていることは、米国の個人消費の強さを示す材料の一つであり、市場心理改善にもつながったようです。 - NRG:NRG Energy, Inc.(公益事業(Utilities)) +8.30%
電力需要拡大期待を背景に上昇しました。AIデータセンターの急増によって米国では電力不足懸念まで語られるようになっており、公益事業株への資金流入が続いています。AI相場というと半導体ばかり注目されますが、実際には電力インフラ企業も恩恵を受ける構図が鮮明になりつつあります。 - AMD:Advanced Micro Devices, Inc.(先端技術) +8.10%
半導体株全体への買い戻しの流れの中で大きく反発しました。AI向けGPU市場でNVIDIA一強状態が続いているものの、AMDにも代替需要への期待が集まっています。AI関連銘柄は値動きが非常に大きく、短期的には過熱感もありますが、長期ではデータ処理需要そのものが拡大している点が重要だと感じています。 - CEG:Constellation Energy Corporation(公益事業(Utilities)) +7.90%
原子力発電を含む安定電源への期待から上昇しました。AIデータセンター増設による電力需要拡大が背景にあり、24時間安定供給可能な電源への注目度が高まっています。私は建築・設備分野の経験からも、今後のAI社会では「電力確保」が極めて重要なテーマになると感じています。 - INTC:Intel Corporation(先端技術) +7.36%
半導体株全体の反発局面の中で買いが入りました。IntelはAI競争で出遅れ感があるものの、米国内半導体生産強化や政府支援への期待も残っています。市場では依然として厳しい視線もありますが、米国内製造回帰というテーマでは重要企業の一つであり、長期視点では設備投資動向に注目したいところです。 - FSLR:First Solar, Inc.(先端技術) +7.28%
再生可能エネルギー関連への買い戻しが入りました。長期金利低下局面では設備投資型ビジネスへの資金回帰が起こりやすく、太陽光関連株もその流れに乗った形です。AIデータセンター増設に伴う電力需要増加から、再エネ投資拡大期待も残っており、エネルギー供給構造の変化が続いています。 - TER:Teradyne, Inc.(先端技術) +7.10%
半導体検査装置需要への期待から上昇しました。AI向け半導体の高性能化によって、検査工程の重要性も増しています。半導体市場ではGPUメーカーだけでなく、製造装置・検査装置・電源・冷却など周辺分野にも投資テーマが広がっており、相場全体の裾野が広がっている印象です。 - VST:Vistra Corp.(公益事業(Utilities)) +6.90%
公益事業株の中でもAI向け電力需要関連として強く買われました。特にデータセンター向け電力供給能力への期待が高まっています。かつては公益事業株というとディフェンシブ(景気に左右されにくい)な印象でしたが、現在はAIインフラ関連として成長株的な側面も持ち始めているように感じます。
5%以上下落したS&P500構成銘柄
- HAS:Hasbro, Inc.(一般消費材(Consumer Cyclical)) -8.83%
玩具大手Hasbroは大きく下落しました。米国消費は全体として底堅さを維持しているものの、玩具やホビー分野では消費者の選別色が強まっているようです。高金利環境が長期化する中、生活必需品以外への支出には慎重さも見られます。さらに、関税問題や物流コスト上昇への懸念も残っており、利益率悪化への警戒感が株価に反映された印象です。AI・半導体関連へ資金が集中する一方で、伝統的消費関連株には厳しい視線も続いています。
セクター別騰落率
市場全体では、一般消費材(Consumer Cyclical)や先端技術(Technology)を中心にリスクオン(投資家が積極的にリスク資産を買う状態)の流れが強まりました。航空・旅行関連や半導体株への資金流入が目立ち、NASDAQ主導の上昇色が強い一日でした。一方で、エネルギー(Energy)は原油価格下落の影響を受けて軟調となり、ディフェンシブ(景気変動の影響を受けにくい)銘柄にも利益確定売りが見られました。AI関連インフラ需要への期待が続く中、景気敏感株へ資金が戻る動きも確認されています。
- 一般消費材(Consumer Cyclical) +2.36%
航空・旅行・クルーズ関連株が市場を牽引しました。米国の個人消費は高金利環境でも底堅く、夏休みシーズンを前に旅行需要への期待が高まっています。特に航空会社株への買いが強く、景気後退懸念が後退したことも消費関連株全体の上昇につながりました。 - 先端技術(Technology) +2.12%
半導体やAI関連銘柄への資金流入が再び強まりました。AMDやSuper Micro ComputerなどAIインフラ関連株の上昇が目立っています。生成AIブームはGPUだけでなく、サーバー、冷却設備、通信インフラまで広がっており、データセンター関連全体への期待が続いている印象です。 - 素材(Basic Materials) +2.09%
景気敏感株への買い戻しが進み、素材セクターも堅調でした。米国景気の底堅さが確認される中で、工業用金属や建設関連需要への期待が高まっています。AIデータセンター建設では銅・鉄鋼・電力設備材料の需要も増えるため、単なる景気循環だけではない構造的テーマも感じられます。 - 工業・産業(Industrials) +1.64%
航空、防衛、輸送関連を中心に上昇しました。物流やインフラ需要への期待に加え、米国内設備投資の底堅さも支援材料となっています。AI関連設備投資は半導体メーカーだけでなく、空調・電源・建設・輸送など幅広い産業へ波及しており、相場の裾野が広がっているようです。 - 金融(Financial) +1.57%
米景気の底堅さと株式市場のリスクオンムードを背景に金融株も上昇しました。長期金利の安定推移によって銀行収益環境への過度な警戒感が後退しています。一方で、FRBの利下げ時期は依然として不透明であり、今後も経済指標次第で金融株の値動きは大きくなりそうです。 - 不動産(Real Estate) +1.27%
米10年債利回りが落ち着いたことで、不動産株への買い戻しが入りました。不動産セクターは金利に敏感なため、利下げ期待が再浮上すると反応しやすい特徴があります。ただし、オフィス需要の低迷や借入コスト上昇問題は残っており、銘柄ごとの選別は続いている印象です。 - エネルギー(Energy) -1.96%
原油価格の下落を受けてエネルギー株は大きく下落しました。市場では景気減速による需要鈍化への懸念も残っており、原油相場には上値の重さが見られます。一方で、中東情勢など地政学リスクは依然として不安定であり、原油市場は短期的なニュースで振れやすい状況が続いています。
主要3指数とドル円の動き
- S&P500(7,432.97、前日比+1.08%)
S&P500は幅広い銘柄に買いが入り、堅調な上昇となりました。特に一般消費材(Consumer Cyclical)や先端技術(Technology)が相場を牽引しており、市場全体にリスクオンの雰囲気が広がっています。AI関連株への資金流入が続く一方で、旅行・航空関連にも買いが波及しており、米国景気の底堅さが改めて確認された印象です。私は、現在の相場は単なるAIバブルというより、「利益成長できる企業へ資金が集中している局面」と感じています。 - Dow30(50,009.35、前日比+1.31%)
Dow30は節目となる50,000ドル台を回復しました。景気敏感株や金融株、工業株への買いが広がり、NASDAQだけでなく伝統的な大型株にも資金循環が起きています。航空株の急伸や素材株の上昇もあり、「米国経済はまだ崩れていない」という安心感が市場全体に広がった一日でした。一方で、FRB(米連邦準備制度)の利下げ時期は依然不透明であり、金利動向次第では値動きが荒くなる場面も残りそうです。 - NASDAQ(26,270.36、前日比+1.54%)
NASDAQはAI・半導体関連を中心に強い上昇となりました。AMDやSuper Micro ComputerなどAIインフラ関連株への買いが続いており、データセンター投資テーマが再び市場の主役となっています。私自身、データセンター建設に携わった経験から、今後はGPUだけでなく、電力・冷却・通信インフラまで含めた巨大投資が続くと感じています。ただ、AI関連株にはかなり高い期待も織り込まれており、短期的には値動きが大きくなりやすいと考えています。 - ドル円(158.8940、前日比-0.09%)
ドル円は158円台後半でやや円高方向へ推移しました。米国株市場は強かったものの、米10年債利回りの落ち着きや為替介入警戒感がドル買いを抑える展開となっています。依然として日米金利差は大きく、長期的には円安圧力が続きやすい構造ですが、日本当局による介入への警戒も根強く、160円方向へ一気に進みにくい雰囲気も感じられます。米国ETFへ投資する日本人にとっては、株価だけでなく為替変動も無視できないとは思いますが、為替はあまり気にしないで株価の成長を期待したいところです。
原油先物・米10年国債利回り・VIX・金先物の動き
- WTI原油先物(98.47ドル、前日比-5.45%)
原油先物は大きく下落しました。中東情勢への警戒感は依然として残るものの、市場では「供給不足」より「景気減速による需要鈍化」への意識が強まったようです。特に中国景気の減速懸念や世界的な製造業活動の鈍化が重荷となっています。エネルギー株も軟調でしたが、一方で原油安は航空・輸送関連企業にとってコスト低下要因となり、旅行関連株の上昇につながりました。 - 米10年国債利回り(4.5720%、前日比-2.04%)
米10年債利回りは低下しました。市場ではFRB(米連邦準備制度)の追加利上げ懸念がやや後退し、債券買いが優勢となったようです。金利低下によってハイテク株や不動産株には買いが入りやすくなり、NASDAQ上昇を後押ししました。ただ、米国経済そのものは依然として底堅く、利下げ開始時期については市場もまだ迷いが大きい状況と感じています。 - VIX指数(17.44、前日比-3.43%)
VIX指数(投資家不安指数)は低下し、市場心理の改善が見られました。17台は極端な楽観水準ではありませんが、投資家のリスク回避姿勢がやや和らいでいることを示しています。AI関連株や景気敏感株へ資金が戻っている一方で、VIXが低下し過ぎる局面では市場が過度に安心感へ傾く場合もあるため、長期投資家としては冷静さを保ちたいところです。 - 金先物(4,548.30ドル、前日比+0.82%)
金先物は上昇しました。米長期金利低下によって金利を生まない金(ゴールド)の相対的魅力が高まった形です。加えて、地政学リスクやドル不安への備えとして、安全資産需要も続いています。私は、純金は資産全体の一部をインフレ対策として保有する考え方に合理性があると感じています。株式市場が強い日でも金が買われている点には、市場の慎重さもにじんでいます。
私のポートフォリオ -0.29%(前日比)
私のポートフォリオは小幅な下落となりました。米国市場そのものはNASDAQを中心に強い上昇でしたが、日本市場では円高方向への動きや前日までの上昇に対する利益確定売りも入り、S&P500系ETFや投資信託はやや軟調でした。一方で、iFreeETF FANG+やNASDAQ100系は比較的しっかりした動きとなっており、AI・半導体関連への資金流入の強さは依然続いていると感じます。ポートフォリオに加えた133A「GX 超短期米国債」は、私の中では米ドル建MMFの代用品という位置づけで保有しています。為替リスクはあるものの、米国超短期国債を中心に運用されているため、株式市場の急変時に備える待機資金として活用しています。以前のように外貨建MMFをそのまま保有するのではなく、日本市場で売買できるETFで管理することで、法人運用との整合性も取りやすくなりました。
経済指標発表結果
- EIA週間原油在庫統計(原油在庫 前週比-7.863M)
米国原油在庫は市場予想の-2.500Mを大きく上回る取り崩しとなりました。在庫減少自体は需給引き締まりを示す内容ですが、市場では世界景気減速懸念の方が強く意識され、原油価格は大幅下落となりました。エネルギー株には逆風となった一方、航空・輸送関連には燃料コスト低下期待から買いが入り、セクター間で資金移動が見られました。 - ガソリン在庫(前週比-1.548M)
ガソリン在庫は市場予想の-2.100Mほどではなかったものの減少となり、米国消費活動の底堅さを示しました。夏場のドライブシーズンを前に需要は依然高水準を維持しているようです。ただ、市場全体では「景気加速」より「成長鈍化」を意識する流れが強く、エネルギー関連株への買いにはつながりにくい状況でした。 - MBA住宅ローン申請指数(前週比-2.3%)
住宅ローン申請件数は前週の+1.7%からマイナスへ転じました。30年住宅ローン金利も6.56%へ上昇しており、高金利環境が住宅市場へ重荷となっていることがうかがえます。住宅関連の鈍化は景気全体への警戒材料でもありますが、一方でインフレ抑制にはプラスとなるため、市場では米10年債利回り低下につながりました。 - MBA30年住宅ローン金利(6.56%)
住宅ローン金利は前回の6.46%から上昇しました。依然として高水準であり、住宅取得環境は厳しい状態が続いています。米国では住宅価格自体も高止まりしているため、消費者の負担感は強い状況です。ただ、FRB(米連邦準備制度)としては住宅市場の過熱が抑えられることはインフレ抑制につながるため、金融政策面では複雑な状況と言えそうです。 - FOMC議事要旨公表
市場ではFOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨の内容にも注目が集まりました。インフレ鈍化ペースや利下げ時期に関するFRB内部の温度感を探る動きが続いています。最近の市場はAI関連株主導で強気ムードもありますが、結局のところ米金利動向が株式市場全体を左右している構図に大きな変化はありません。長期投資家としては、短期的な政策観測に振り回され過ぎない姿勢も重要だと感じています。
主要銘柄の決算発表結果
- NVDA:NVIDIA Corporation(先端技術)
NVIDIAはEPSが1.87ドルと市場予想1.77ドルを上回り、売上高も816億ドルと予想791.9億ドルを超える強い内容となりました。生成AI向けGPU需要が依然として極めて強く、データセンター事業が引き続き市場成長を牽引しています。特にクラウド大手によるAI投資拡大が続いており、GPU供給不足が完全には解消されていない状況も高収益維持につながっているようです。一方で、市場の期待値自体が非常に高く、決算後の時間外取引ではやや利益確定売りも見られました。ただ、私自身は現在のAIブームは単なる一時的流行ではなく、「社会インフラ更新」に近い変化だと感じています。データセンター建設ではGPUだけでなく、受変電設備、冷却システム、水冷設備、通信ネットワークまで巨大投資が必要になります。私は過去にデータセンター工事に関わった経験がありますが、AI時代では電力確保と冷却能力がボトルネックになる可能性も高いと感じています。NVIDIAは単なる半導体企業ではなく、AIインフラ全体の中心に位置する企業として市場から評価されている状況と言えそうです。 - ADI:Analog Devices, Inc.(先端技術)
アナログ・デバイセズはEPS・売上高とも市場予想を上回りましたが、株価は下落しました。産業機器や自動車向け半導体需要には回復の兆しも見られる一方、市場ではAI関連銘柄ほどの高成長期待が織り込まれていない状況です。半導体業界全体では「AI関連」と「それ以外」の温度差がかなり広がっている印象であり、投資家の資金集中も鮮明になっています。 - TJX:TJX Companies Inc.(一般消費材(Consumer Cyclical))
TJXはEPS、売上高とも市場予想を上回り、株価も上昇しました。高インフレ環境が続く中でも、ディスカウント型小売への需要は堅調です。消費者の節約志向が強まる局面では、割安感を打ち出せる企業へ資金が向かいやすい特徴があります。米国消費は全体として底堅いものの、消費者が「価格」をより重視する傾向が強まっている点も感じられます。 - LOW:Lowe’s Companies, Inc.(一般消費材(Consumer Cyclical))
Lowe’sは市場予想を上回る決算となりました。高金利環境によって住宅市場は減速気味ですが、リフォーム需要は一定の底堅さを維持しているようです。一方で、住宅ローン金利上昇が続く中、住宅関連消費全体には慎重な見方も残っています。米国景気は急減速していないものの、「強すぎもしない」という微妙な温度感が伝わる決算内容でした。 - INTU:Intuit Inc.(先端技術)
IntuitはEPS、売上高とも市場予想を上回りましたが、株価は下落しました。会計ソフトや個人向け税務サービスは堅調だったものの、市場の期待値が高かったこともあり利益確定売りが優勢となったようです。AI機能強化による将来成長期待は残る一方、現在の米国市場では「AIインフラ」に資金が集中しており、ソフトウェア企業にはやや厳しい視線も向いています。 - TGT:Target Corporation(一般消費材(Consumer Cyclical))
TargetはEPS、売上高とも市場予想を上回ったものの株価は下落しました。生活必需品分野では価格競争が激しく、利益率への警戒感が残っています。また、米国消費者が高価格商品への支出を慎重化している様子もうかがえます。小売株全体では「勝ち組」と「苦戦組」の差が大きくなっており、消費の選別色がかなり強まっている印象です。 - NDSN:Nordson Corporation(工業・産業(Industrials))
Nordsonは市場予想を上回る決算を発表しました。電子部品・精密機器向け製造装置需要が底堅く、産業向け設備投資が一定水準を維持していることが確認されています。AI関連設備投資は半導体だけでなく、製造装置や自動化分野にも波及しており、工業・産業セクターの一部には長期成長テーマが広がっているようです。 - HAS:Hasbro, Inc.(一般消費材(Consumer Cyclical))
HasbroはEPSこそ市場予想を上回ったものの、株価は大きく下落しました。玩具市場では消費者の選別消費が強まっており、高金利環境による家計負担の影響も見られます。また、関税問題や物流コスト上昇への警戒感も残っています。現在の市場ではAI関連へ資金集中が続いており、伝統的消費関連株には厳しい評価が向けられている状況です。
主な経済ニュース
- AI向けデータセンター投資が再加速
米国大手クラウド企業によるAI向け設備投資拡大が続いています。NVIDIA決算でもデータセンター需要の強さが改めて確認され、市場ではAIインフラ関連への資金流入が継続しました。私の経験から見ても、今後はGPUだけでなく、水冷設備や受変電設備、非常用電源など建築・設備分野への投資もさらに拡大していく可能性を感じています。(Bloomberg:05/20) - Dow30が再び50,000ドル台を回復
米国株市場では景気敏感株への買いが広がり、Dow30が50,000ドル台を回復しました。航空、金融、工業株など幅広い銘柄が上昇しており、「AI一極相場」から市場全体へ資金循環が広がる動きも見え始めています。ただし、FRBの金融政策次第では相場の変動率が再び高まる可能性も残っています。(Reuters:05/20) - FRB高官発言で利下げ観測が揺れる
FRB関係者からはインフレ鈍化には時間が必要との慎重姿勢も聞かれています。市場では年内利下げ期待が残る一方、米国景気の底堅さから「高金利長期化」シナリオも完全には後退していません。最近の米国株市場はAI期待で強い動きを見せていますが、結局は金利が市場全体の方向性を左右している状況に変化はないようです。(Reuters:05/20) - 原油価格急落でエネルギー株が下落
WTI原油先物は5%を超える大幅下落となりました。米国原油在庫の大幅減少という強材料があったにもかかわらず、市場では世界景気減速による需要鈍化への懸念が優勢だったようです。一方で、航空株や輸送株には燃料コスト低下期待から買いが入り、相場全体ではセクター間の資金移動が鮮明な一日でした。(Investing.com:05/20) - 米住宅市場に高金利の影響続く
MBA住宅ローン申請件数は前週比-2.3%となり、住宅ローン金利も6.56%へ上昇しました。米国住宅市場は高金利の影響を強く受けています。住宅関連の減速は景気全体への警戒材料でもありますが、一方でFRBにとってはインフレ抑制効果も期待されるため、市場では米10年債利回り低下につながりました。(Reuters:05/20) - 米消費関連株に強弱感
TJXや航空・旅行関連株は上昇した一方、HasbroやTargetなどには厳しい売りも入りました。米国消費は全体として崩れていないものの、「価格重視」「体験消費優先」という消費者行動の変化が鮮明になっています。現在の市場では、企業ごとの差がかなり大きくなっている印象です。(Yahoo!Finance:05/20) - AI電力需要で公益事業株が上昇
Constellation EnergyやVistraなど電力関連株が大きく上昇しました。AIデータセンター増設によって、米国では電力不足リスクまで議論され始めています。私は建築・設備分野に携わってきましたが、今後のAI社会では「半導体」だけでなく「電力供給能力」そのものが戦略資産になっていく可能性を感じています。(Financial Times:05/20) - 半導体市場でAI関連への集中続く
AMDやSuper Micro ComputerなどAI関連銘柄への買いが続く一方、アナログ半導体や一般ソフトウェア企業にはやや厳しい視線も残っています。現在の市場は「AI関連なら何でも買われる」という単純相場ではなく、「利益成長へ直結する企業」が選別される局面へ移り始めているように感じます。(Bloomberg:05/20) - 金価格が堅調推移
米10年債利回り低下や地政学リスク警戒を背景に、金先物は上昇しました。株式市場が強い日でも金が買われている点には、投資家心理の慎重さも表れています。私は純金を資産の一部として保有する考え方には合理性があると感じており、インフレや通貨価値低下への備えとして一定の役割があると思っています。(Reuters:05/20) - ドル円は158円台後半で推移
ドル円は158円台後半でやや円高方向へ動きました。米金利低下に加え、日本政府による為替介入への警戒感もドル買いを抑えています。ただ、日米金利差そのものは依然大きく、円安圧力が完全に解消された状況ではありません。米国ETFへ投資する日本人にとっては、株価だけでなく為替変動も重要なテーマが続いています。(Investing.com:05/20)
経済指標発表予定
以下の経済指標が発表される予定です。
主要銘柄の決算発表予定
以下の主要銘柄の決算発表がなされる予定です。
おわりに
米国株市場は、AI関連を中心とした強い資金流入が続く一方で、航空・素材・金融など景気敏感株にも買いが広がり、相場全体の裾野が広がった一日となりました。私は、現在は単なるテーマ株相場ではなく、「実際に利益を伸ばせる企業」が選別されている状況ではないかと感じています。一方で、金利、為替、地政学リスクなど不確実性も依然として大きく、相場が一直線に上がり続けるとは限りません。だからこそ、日々の値動きに振り回されず、ETFを活用しながら市場に居続ける姿勢が大切だと思っています。
毎朝こうして市場を整理し、皆さまと一緒に学べることを嬉しく思っています。本ブログが皆さまの資産形成や市場理解のお役に立てましたら幸いです。
それでは、今日も一日、明るく元気に笑顔で過ごしましょう。
ご参考になりましたらこちらから応援いただけると嬉しいです。
おことわり
投資は自己責任にてお願いします。
このブログには広告が挿入されています。この広告はGoogle社が読者の好みに応じて選んで提供しているものです。興味がございましたらご覧いただければ幸いです。投資に関する広告が表示されても、私の推奨ではないことをご理解ください。
図表のレファレンス
- S&P500ヒートマップ: finviz
- 主要3指数とドル円: Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
- セクター別騰落率: finviz
- 経済指標結果/予定: investing.com日本語版
- 決算発表結果/予定: investing.com日本語版
- 主要指数の動き : Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
- 自分の米ドル建ポートフォリオ: Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
コメントを残す