はじめに
私が米国株投資を始めた頃、多くの投資家と同じように個別株への憧れがありました。
Apple、Microsoft、Amazon、NVIDIA。
素晴らしい企業を見つけて長期保有すれば大きな利益が得られると考えていました。
しかし、投資経験を重ね、そして67歳になった今、私の結論は少し違います。
現在の私の資産運用の中心は個別株ではなくETFと投資信託です。
なぜそう考えるようになったのか。
今日は私自身の経験を踏まえながらお話ししたいと思います。
理由① 個別株は「当たり」を引いても安心できない
投資を始めた頃は、
「次のテンバガー(株価が10倍になる銘柄)を探そう」
と考えていました。
しかし現実はそれほど簡単ではありません。
たとえ優良企業であっても、
・経営者の交代
・競争激化
・規制強化
・技術革新
によって状況は大きく変わります。
実際、過去に世界を席巻した企業でも姿を消した企業は数多くあります。
個別株投資は、企業分析が当たった後も、その企業を継続して監視しなければなりません。
67歳になった私は、その労力をできるだけ減らしたいと考えるようになりました。
理由② ETFなら企業の新陳代謝を自動で行ってくれる
私がETFを好む最大の理由はここです。
例えばS&P500連動ETFや投資信託は、以下のものを掲げることができます。
- VOO、IVV、SPLG、SPY(米国株式市場)
- 2558:MAXIS米国株式(S&P500)上場投信
- 1655:iシェアーズ S&P 500 ETF
- 1547:上場インデックスファンド米国株式(S&P500)
- 1557:SPDR S&P 500 ETF
- eMAXI SSlim米国株式(S&P500)
- SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
- 楽天・プラス・S&P500インデックス・ファンド
- iシェアーズ 米国株式(S&P500)インデックス・ファンド
これらのETFや投資信託は、米国を代表する約500社で構成されています。
ちなみに何を基準で選ぶかは、
- 自分が口座開設している証券会社で購入できるか
- 信託報酬の年率が低いもの
が参考になれると思います。
業績が悪化した企業は指数から外れ、成長した企業が新たに組み入れられます。
つまり、投資家自身が銘柄を選び直さなくても、市場が自動的に優秀な企業へ入れ替えてくれるのです。
私はこれを
「経営者を選ぶ投資ではなく、アメリカそのものに投資する方法」
だと思っています。
理由③ コロナショックで学んだこと
2020年のコロナショックでは、株価が何日も暴落しました。
私も評価額が大きく減りました。しかし、ひとつだけ守ったことがあります。
それは、
「積立を止めなかったこと」
です。
結果として、その後の回復局面で大きな恩恵を受けました。
あの経験から学んだのは、株で最も儲ける人は売買が上手な人ではなく、
市場に居続けた人だということです。
ETFはその考え方と非常に相性が良い投資商品です。
理由④ 私は対数正規分布で考える
私は建築技術者として長年実験データを扱って、定量的な評価を行ってきました。
そして多くの自然現象や経済現象は、正規分布よりも対数正規分布(値が0未満にならず、大きく成長する可能性を持つ分布)で考えた方が現実に近いと感じています。
株価も同じではないかと考えています。
短期的には上下しますが、長期的には企業利益の成長とともに右肩上がりになる傾向があります。
だから私は、次の大化け銘柄を探すよりも、米国経済全体の成長を取り込むETFを選びます。
株価を対数でグラフ化してみると、日々のボラティリティよりも全体的な傾向が見えてきます。
皆様も、投資されている銘柄の株価の推移を対数軸で見てみるとよいかもしれません。
理由⑤ 67歳だからこそ守りも考える
若い頃なら失敗しても取り返す時間があります。
しかし67歳になると、残された時間は有限です。
金融関係で有名な両学長は
「残された人生で今日が一番若い日」
と言っておられますが、それを実感する年齢に達しています。
私は生活費の約2年分の現金を確保し、それ以外を投資に回しています。
また、純金も資産の約5%程度保有しています。
投資で重要なのは、大儲けすることではなく、
人生最後まで資産を維持しながら増やしていくこと
だと考えています。
その意味でもETFは非常に合理的な選択肢だと思います。
理由⑥ お金は働かせてから使う
私は若い頃から車が好きでした。いつかはメルセデスに乗りたいと思っていました。
退職金を受け取ったとき、多くの人がそうであるように、高級車を買うという選択肢もありました。
しかし私は少し違う考え方をしました。
退職金は消費する前に、まず投資へ回そう。
そう考えたのです。
投資で年率5%のリターンが得られると仮定すると、1000万円は毎年50万円を生み出します。
2000万円なら100万円です。
私は長期投資において重要なのは、どの銘柄を買うかよりも、どれだけの資金を市場で働かせるかだと思っています。
投資の世界では、10万円を100万円にするテンバガーを探すことが注目されます。
しかし確率的に考えると、10万円を100万円にして90万円を増やすよりも、110万円を200万円にして90万円を増やす方が現実的です。
市場から得られるリターンは投資額に比例します。また、テンバガー銘柄に投資するには暴落リスクも考えなけれななりません。
だから私は、退職金を受け取った直後に高級車を買うのではなく、まず投資資産を積み上げることを優先しました。
そして投資によって得られた利益の一部で、メルセデスを無理なく購入することができました。
私にとって車は「退職金で買った車」ではなく、「市場が買ってくれた車」と思っております。
もちろん、人生を楽しむためのお金は必要です。
ただ、資産形成の初期段階では、消費よりも投資を優先した方が、将来得られる自由は大きくなると感じています。
おわりに
個別株投資を否定するつもりはありません。
実際に個別株で大きな資産を築いた方も数多くおられます。
ただ、67歳になった今の私にとって最も重要なのは、
「次のテンバガーを当てること」ではなく、
「市場に居続けること」
です。
ETFは地味な投資かもしれません。
しかし、私は地味だからこそ長く続けられると思っています。
投資の世界では派手さより継続が重要です。
これからも私はETFを中心に、米国企業の成長を長く楽しんでいきたいと思います。
投資は自己責任にてお願いします。
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