室井のマーケット視点
9月1日の米国株式市場は、「原油高と金利上昇に挟まれた相場」でした。米軍によるイランへの攻撃再開でWTI原油先物が+5.87%となり、インフレ再加速への警戒から米10年国債利回りも4.796%へ上昇しました。主要3指数はそろって下落し、特に高PER(株価収益率)のAI、ソフトウェア、半導体関連が売られています。
一方、Dellの好決算からはAIサーバー需要の強さが確認されました。しかし、テキサス州では実現性の低いデータセンター計画による「幽霊需要」を調べるため、新規の電力接続を一時停止しています。私もデータセンター建設に携わりましたが、AI施設にはサーバーだけでなく、確実な電源、冷却設備、通信網が必要です。計画の数ではなく、実際に建設され稼働する案件を見極める段階に入ったと感じます。
VIX指数は16台にとどまり、市場が混乱しているわけではありません。長期投資家としては、9月の下落しやすい傾向に振り回されず、ETFを保有しながら企業利益と設備投資の実態を確認していきます。
S&P500ヒートマップ
5%以上上昇したS&P500構成銘柄
- MRNA:Moderna +9.93%
Modernaは154.27ドルまで上昇しました。GSKがmRNA季節性インフルエンザワクチンを最終段階の臨床試験へ進めると発表し、mRNA技術の応用拡大に関心が集まりました。8月に発表されたMerckとの皮膚がんワクチンの良好な試験結果や、インフルエンザワクチンの承認を受けた買いも続いています。ただし、直近12カ月のEPS(1株当たり利益)は-7.98ドルで、株価変動の大きさには注意が必要です。 - EIX:Edison International +8.93%
Edison Internationalは58.80ドルまで反発しました。カリフォルニア州議会が、電力会社への山火事損害賠償リスクを十分に軽減しない法案の審議を見送ったと報じられました。同社株は前日に20%を超えて急落していたため、法案成立への警戒がいったん後退し、買い戻しが入りました。ただし、山火事に伴う巨額賠償や電気料金への影響という根本的な問題は残っています。 - PCG:PG&E Corporation +5.95%
PG&Eは14.06ドルまで上昇しました。Edison Internationalと同様に、カリフォルニア州の山火事関連法案が棚上げされたとの報道を受け、前日の急落から反発しました。出来高は1億4,397万株と通常を大きく上回り、投資家の関心の高さが表れています。ただし、同社は過去に山火事の損害賠償で経営破綻した経験があり、今後も州政府による制度設計が株価を大きく左右しそうです。
5%以上下落したS&P500構成銘柄
- CDNS:Cadence Design Systems -7.60%
半導体設計ソフト大手のCadence Design Systemsは313.04ドルまで下落しました。米10年国債利回りが4.8%近くまで上昇し、PER(株価収益率)が62倍を超える高成長株から資金が流出しました。AI・半導体投資の長期的な拡大期待は続いていますが、金利上昇時には高い企業価値評価が修正されやすい銘柄です。 - IBKR:Interactive Brokers Group -7.09%
オンライン証券大手のInteractive Brokersは90.39ドルまで下落しました。原油高と金利上昇を受けて株式市場全体の警戒感が強まり、今年大きく上昇していた金融関連の成長株にも利益確定売りが入りました。同社の取引口座数や収益は伸びていますが、PERが約36倍と証券会社としては高く、株価調整が大きくなりました。 - CRWD:CrowdStrike Holdings -6.90%
サイバーセキュリティ大手のCrowdStrikeは215.07ドルまで下落しました。業績悪化を示す新たな発表よりも、米国債利回りの上昇による高PER銘柄売りの影響が大きかったとみられます。AIを利用したサイバー攻撃への対策需要は増えていますが、直近12カ月の利益が小さいため、金利や投資家心理の変化に株価が敏感に反応しました。 - DELL:Dell Technologies -6.80%
Dell Technologiesは425.00ドルまで下落しました。この日の取引終了後に決算発表を控え、急速に上昇してきたAIサーバー関連株の保有を減らす動きが出ました。AIサーバーの受注拡大が期待される一方、部品価格の上昇や通常のサーバーより低い利益率への警戒も残っています。好決算への期待が高いだけに、発表前の値動きも大きくなりました。 - ODFL:Old Dominion Freight Line -6.48%
貨物輸送大手のOld Dominion Freight Lineは187.01ドルまで下落しました。WTI原油先物が5%を超えて上昇し、トラック輸送に必要な燃料費の増加が警戒されました。米国の製造業や雇用関連指標にも減速感があり、荷動きの回復時期が遅れる可能性もあります。景気の変化を受けやすい輸送株として売りが膨らみました。 - COIN:Coinbase Global -6.01%
暗号資産交換所大手のCoinbaseは176.82ドルまで下落しました。米国債利回りの上昇で投資家がリスクを取りにくくなり、Bitcoinも一時7万6,000ドル台まで下落しました。暗号資産価格や売買高が同社の収益を大きく左右するため、Bitcoin以上の下落率となりました。直近12カ月のEPSは赤字で、相場環境への依存度が高い点にも注意が必要です。 - CIEN:Ciena -5.87%
光通信機器大手のCienaは360.33ドルまで下落しました。AIデータセンター向け高速通信需要への期待から株価が大きく上昇していたため、金利上昇をきっかけに利益確定売りが強まりました。業績の成長期待は高いものの、PERは約120倍です。将来の利益を先取りした企業価値評価が高く、AI関連株の調整局面では売られやすくなります。 - SNPS:Synopsys -5.63%
半導体設計ソフト大手のSynopsysは414.82ドルまで下落しました。Cadence Design Systemsと同様に、米国債利回りの急上昇による高PERのソフトウェア株売りが中心です。半導体の高性能化に伴って設計ソフトの重要性は高まっていますが、直近12カ月のEPS成長率は-55.68%であり、目先の利益動向に対する慎重な評価も加わりました。 - DDOG:Datadog -5.57%
クラウド監視サービスのDatadogは223.84ドルまで下落しました。原油高によるインフレ再加速と追加利上げへの警戒から、高い成長を前提に買われてきたソフトウェア株が売られました。同社の売上と利益は拡大していますが、PERは400倍を超えています。事業の成長性とは別に、金利上昇による企業価値評価の引き下げを受けやすい状態です。 - FTNT:Fortinet -5.31%
サイバーセキュリティ大手のFortinetは161.85ドルまで下落しました。この日はCrowdStrikeやPalo Alto Networksなど同業各社も下落しており、個別企業の悪材料というより、ハイテク株全体から資金を減らす動きが強く表れました。AIを利用した攻撃への防御需要は増えていますが、PERが57倍を超えるため、金利上昇局面では売りが出やすくなります。 - PANW:Palo Alto Networks -5.24%
Palo Alto Networksは362.09ドルまで下落しました。取引終了後の決算発表を前に、株価変動を避けたい投資家の売りが増えました。サイバーセキュリティ需要は堅調ですが、PERは約298倍で、市場の期待水準が非常に高くなっています。決算が予想を上回っても、今後の売上見通しや利益率が期待に届かなければ売られる可能性があるため、発表前に警戒が強まりました。 - ORCL:Oracle -5.23%
Oracleは141.32ドルまで下落しました。AIデータセンターへの巨額投資に伴う借入金の増加や、信用格付けの低下に対する警戒が続いています。この日は米国債利回りが上昇したため、資金調達費用の増加が改めて注目されました。クラウド事業の受注残は大きいものの、実際の売上と利益へ転換するまでの投資負担を慎重に見る動きが続いています。 - XYZ:Block -5.05%
決済サービス大手のBlockは77.88ドルまで下落しました。金利上昇と株式市場のリスク回避に加え、Bitcoinの下落が影響しました。同社はCash Appを通じて暗号資産取引サービスも提供しているため、暗号資産市場の投資家心理と連動しやすい傾向があります。直近12カ月のEPS成長率は-87.98%で、利益成長の鈍化も株価の不安定要因となっています。 - LITE:Lumentum Holdings -5.01%
光通信部品大手のLumentum Holdingsは868.95ドルまで下落しました。AIデータセンター向け光通信需要への期待で株価が急上昇してきた反動から、利益確定売りが入りました。米国債利回りの上昇によってAI設備投資の資金調達負担も警戒されています。直近12カ月のEPSは-82.23ドルであり、将来の成長を大幅に先取りした株価には慎重さも必要です。
セクター別騰落率
市場全体では11セクター中4セクターが上昇し、7セクターが下落しました。原油急騰を受けてエネルギー(Energy)が独歩高となり、公益事業(Utilities)やヘルスケア(Healthcare)にも資金が向かいました。一方、原油高と米10年国債利回りの上昇が企業収益や個人消費を圧迫するとの警戒から、素材(Basic Materials)、一般消費材(Consumer Cyclical)、工業・産業(Industrials)、先端技術(Technology)が大きく下落しました。
- エネルギー(Energy) +1.69%
WTI原油先物が前日比+5.87%の90.79ドルまで急騰し、11セクター中で最大の上昇となりました。中東情勢の緊迫化とホルムズ海峡を通る原油供給への不安から、Exxon Mobilが+2.24%、Chevronが+2.38%、ConocoPhillipsが+2.79%となりました。ただし、原油高が長引けばインフレと金利上昇を招くため、市場全体には厳しい影響が及びます。 - 先端技術(Technology) -1.23%
米10年国債利回りが一時4.800%まで上昇し、高PER(株価収益率)のAI、半導体、ソフトウェア関連株が売られました。NVIDIAが-1.45%、Microsoftが-1.19%となり、Dellやサイバーセキュリティ各社は5%を超えて下落しました。一方、Appleは+2.65%と逆行高となり、セクター全体の下落をある程度抑えています。 - 工業・産業(Industrials) -1.43%
原油高による燃料費や輸送費の増加と、金利上昇による設備投資の減速が警戒されました。Caterpillarが-2.30%となったほか、Union Pacificが-3.34%、CSXが-3.58%と鉄道株の下落が目立ちました。製造業指標や雇用関連指標にも減速感があり、景気の変化を受けやすい企業から資金を減らす動きが強まっています。 - 一般消費材(Consumer Cyclical) -1.76%
原油高によるガソリン価格の上昇と、追加利上げへの警戒が個人消費関連株を圧迫しました。Teslaが-3.22%、Amazonが-1.87%、Home Depotが-2.46%となっています。金利上昇は自動車ローンや住宅関連支出の負担を増やし、原油高は生活費を押し上げます。消費者の自由に使えるお金が減るとの不安が、セクター全体に広がりました。 - 素材(Basic Materials) -1.95%
11セクター中で最大の下落となりました。米国債利回りとドルの上昇を受けて金先物が-2.43%となり、Newmontも-2.72%下落しました。素材企業は世界景気や建設・製造業の需要に左右されやすく、金利上昇による景気減速への警戒も強まりました。原油高による製造費の増加も加わり、化学、建材、鉱業など幅広い銘柄が売られています。
主要3指数とドル円の動き
- S&P500(7,631.47、前日比-0.71%)
S&P500は一時7,663.63まで上昇しましたが、終盤に売りが強まりました。中東情勢の緊迫化で原油価格が急上昇し、インフレ再加速への警戒から米10年国債利回りが4.8%近くまで上昇しました。11セクターのうちエネルギーを除く幅広い分野が売られ、市場全体の値動きを示す指数らしい下落です。長期投資家としては、9月特有の値動きの大きさに慌てず、企業業績への影響を確認したいところです。 - Dow30(52,766.88、前日比-0.79%)
Dow30は寄り付き直後に53,176.60まで上昇しましたが、その後は下落し、一時52,691.31まで値を下げました。原油高による企業の燃料費や輸送費の増加に加え、金利上昇が景気を冷やす可能性も警戒されました。工業・産業(Industrials)や一般消費材(Consumer Cyclical)などの景気敏感株を中心に売りが増えています。大型優良株が中心の指数でも、地政学リスクと金利上昇が重なると逃げ場が少ない一日でした。 - NASDAQ(26,099.77、前日比-1.03%)
NASDAQは主要3指数の中で最大の下落率となりました。米国債利回りの上昇によって、将来の利益を先取りして買われてきたAI、半導体、ソフトウェア関連株の企業価値評価が引き下げられました。CrowdStrike、Dell、Cadence Design Systemsなどが大幅安となり、指数を押し下げています。AI投資の長期的な成長性が消えたわけではありませんが、高PER(株価収益率)の銘柄ほど金利変動に敏感であることが改めて表れました。 - ドル円(160.216円、前日比+0.31%)
ドル円は159.743円で始まり、160.272円まで上昇しました。原油高によるインフレ再加速への警戒から、FRBが9月に追加利上げする確率が高まり、米国債利回りの上昇とともにドル買いが進みました。原油を輸入に頼る日本では、原油高が貿易収支を悪化させやすいことも円売りにつながります。米国株を円建てで保有する投資家には円安による評価額の押し上げ効果がありますが、160円台では為替介入への警戒も必要です。
原油先物・米10年国債利回り・VIX・金先物の動き
- WTI原油先物(90.79ドル、前日比+5.87%)
WTI原油先物は90ドル台へ急騰し、一時90.95ドルまで上昇しました。米国によるイラン関連施設への攻撃再開や、ホルムズ海峡周辺の緊張によって原油供給が滞る可能性が高まりました。原油高はエネルギー株にはプラスですが、企業の輸送費や製造費を増やし、インフレと金利上昇を通じて株式市場全体には厳しい要因となります。 - 米10年国債利回り(4.796%、前日比+0.80%)
米10年国債利回りは一時4.800%まで上昇し、約19カ月ぶりの高水準となりました。原油高によるインフレ再加速への警戒から、FRBが9月に追加利上げする確率が上昇しています。長期金利の上昇は企業の借入費用を増やすほか、将来利益の現在価値を低下させるため、高PER(株価収益率)のAI・ソフトウェア株を中心に売りが強まりました。 - VIX指数(16.45、前日比+10.25%)
VIX指数は一時16.80まで上昇しました。中東情勢、原油価格、米国債利回りが同時に上昇し、投資家が株価変動の拡大に備えたことを示しています。ただし、一般に強い警戒水準とされる20は下回っており、全面的なリスク回避には至っていません。長期投資家としては、下落率よりもVIXが今後20を超えて上昇するかを確認したい局面です。 - 金先物(4,372.60ドル、前日比-2.43%)
金先物は一時4,510.50ドルまで上昇した後、4,369.70ドルまで急落しました。中東情勢の緊迫化は安全資産である金の買いにつながりやすい一方、この日は米国債利回りとドルが大きく上昇しました。利息を生まない金の相対的な魅力が低下し、利益確定売りが優勢となった形です。純金を資産の一部に持つ場合も、短期的な価格変動には注意が必要です。
私のポートフォリオ -0.16%(前日比)
私のポートフォリオは小幅な下落となりました。日本市場で運用しているため、9月1日の評価には8月31日の米国市場の動きが反映されています。eMAXIS Slim米国株式(S&P500)が-0.46%、iFreeETF FANG+が-0.25%となった一方、上場するS&P500連動ETFは-0.03%から-0.07%にとどまりました。投資信託とETFでは価格を計算する時間が異なるため、同じ指数に連動していても騰落率には差が出ます。全体では-0.16%ですから、気にするほどの動きではありません。ETF中心の長期運用では、毎日の上下よりも米国企業の利益成長が続くかを見ながら、市場に居続けることを大切にしています。
経済指標発表結果
- JOLTS求人件数(727.1万件、予想733.0万件、前回718.2万件)
7月の求人件数は前月から増加したものの、市場予想には届きませんでした。さらに採用者数は505.4万人へ減少しており、企業は大量解雇を避けながら、新規採用には慎重になっています。雇用の過熱感が和らいでいる点は本来なら利上げ観測を弱めますが、この日は原油高と製造業の価格上昇が注目され、米国債利回りの低下にはつながりませんでした。 - ISM製造業購買担当者景気指数(54.6、予想55.2、前回55.6)
8月のISM製造業景気指数は予想と前月を下回りました。ただし、景気拡大と縮小の境目である50を8カ月連続で上回っており、製造業そのものは成長を維持しています。景気後退を示すほど弱くない一方、成長速度は鈍化しています。株式市場では「景気は減速しているのに、物価圧力は強い」という組み合わせが警戒され、景気敏感株を中心に売りが増えました。 - ISM製造業価格指数(71.1、予想70.5、前回71.1)
企業が支払う原材料価格の動きを示す指数は予想を上回り、前月と同じ71.1という高水準でした。50を大幅に超えているため、製造現場では仕入価格の上昇が続いています。この日にWTI原油先物が90ドル台へ急騰したこともあり、インフレ再加速への警戒が強まりました。FRBの追加利上げ確率が上昇し、米10年国債利回りやドル円の上昇につながっています。 - ISM産業新規受注指数(53.7、予想56.8、前回56.7)
製造業の先行きを示す新規受注指数は53.7へ低下し、市場予想を大きく下回りました。50を超えているため受注は増加していますが、その勢いは明らかに弱まっています。企業が高金利や原材料価格の上昇を受けて、発注に慎重になっている様子がうかがえます。工業・産業(Industrials)や素材(Basic Materials)には、今後の売上成長を慎重に見る売りが入りました。 - ISM製造業雇用指数(51.2、予想52.5、前回52.8)
製造業の雇用指数は予想と前月を下回りました。50以上ですから雇用は増加していますが、採用の勢いは鈍化しています。JOLTS求人件数も予想を下回っており、労働市場が急激に悪化しているというより、企業が新規採用を絞り始めた段階と考えられます。FRBにとっては利上げを急がない理由になりますが、金曜日の雇用統計を確認する必要があります。 - 建設支出(前月比-0.5%、予想0.0%、前回0.0%)
7月の建設支出は予想外の減少となり、2023年10月以来の低水準まで落ち込みました。住宅ローン金利の上昇によって住宅建設が減少し、特に一戸建て住宅への支出が前月比-3.2%となっています。一方、AI需要を背景にデータセンター建設は伸びています。建設市場全体が強いのではなく、AI関連設備へ投資が集中している構図が鮮明になりました。 - アトランタ連銀GDPNow(2026年第3四半期+4.8%、予想+4.6%、前回+4.6%)
GDPNow(公表済みの経済指標からGDP成長率を推計するモデル)は、第3四半期の成長率を年率+4.8%へ引き上げました。製造業や建設には減速の兆しがある一方、米国経済全体は高い成長を続けている可能性があります。景気の強さは企業業績にはプラスですが、インフレが残る状況ではFRBが追加利上げを選びやすくなるため、株式市場には単純な好材料とはなりません。
主要銘柄の決算発表結果
- PANW:Palo Alto Networks(先端技術)
Palo Alto NetworksはEPSが1.02ドルと予想の0.98ドルを上回り、売上高も34.1億ドルと予想の33.5億ドルを超えました。売上高は前年同期比34%増加し、CyberArkやChronosphereの買収効果も表れています。ただし、今年の株価上昇で期待値が高く、買収に伴う株式数の増加や統合費用も警戒され、通常取引で-5.25%、添付図時点の時間外取引でも-1.96%となりました。 - DELL:Dell Technologies(先端技術)
Dell TechnologiesはEPSが7.04ドルと予想の4.87ドルを大幅に上回り、売上高も470億ドルと予想の448.4億ドルを超えました。AIサーバー需要が急増し、会社は2027年度のAIサーバー売上見通しを600億ドルから740億ドルへ引き上げています。通期の売上高と利益見通しも上方修正され、通常取引では-6.80%でしたが、時間外取引では+10.22%と大きく反発しました。 - MDT:Medtronic(ヘルスケア)
MedtronicはEPSが1.45ドルと予想の1.39ドルを上回り、売上高も98億ドルと予想の95.5億ドルを超えました。心臓関連機器の売上高が前年同期比19.5%増加し、不整脈治療に使う製品群が高い成長を示しています。会社は通期の売上成長率とEPS見通しを引き上げ、通常取引では+1.53%となりました。時間外取引は-0.17%で、ほぼ横ばいです。
主な経済ニュース
- 米軍がホルムズ海峡周辺のイラン拠点を攻撃
米軍は、商船や米軍要員への攻撃を企てたとして、ホルムズ海峡周辺のイラン革命防衛隊施設を空爆しました。イランはペルシャ湾からの原油輸出を妨げる可能性を警告しており、中東の軍事的緊張が再び高まっています。世界の原油輸送の要衝である海峡の混乱は、原油高、インフレ、金利上昇を通じて米国企業の収益と個人消費へ広く影響します。(Reuters:09/01) - 原油価格が5週間ぶりの高値へ急騰
中東情勢の緊迫化を受け、WTI原油先物は5%を超えて上昇し90ドル台、Brent原油は94.65ドルとなりました。中東やロシアの製油所を巡る問題も重なり、米国の軽油先物は52カ月ぶりの高値です。エネルギー株には買いが入りましたが、燃料費や輸送費の上昇は他の多くの業種にとって負担となり、インフレ再加速への警戒を強めました。(Reuters:09/01) - 世界的な国債売りで米長期金利が上昇
米国、英国、ドイツ、日本などで国債が売られ、政府の借入金利が一斉に上昇しました。米10年国債利回りは4.8%近く、日本の10年国債利回りは1996年以来となる3%へ達しています。巨額の財政赤字に加え、原油高によるインフレ懸念やAI企業の社債発行増加も債券需給を悪化させました。高金利に弱いハイテク株や不動産株には厳しい環境です。(Reuters:09/01) - 主要3指数がそろって下落して9月相場が開始
原油高と米国債利回りの上昇が重なり、S&P500は-0.71%、Dow30は-0.79%、NASDAQは-1.03%となりました。市場ではFRBが9月に0.25%の追加利上げを実施する確率が約68%まで上昇しています。エネルギー以外の幅広いセクターが売られましたが、VIX指数は16台にとどまり、投資家が全面的な悲観へ傾いた状態ではありません。(Reuters:09/01) - 米国がイランの銀行へ追加制裁を準備
Bessent米財務長官は、イランの銀行を対象とする追加制裁を週内に発表する可能性が高いと述べました。今後も金融機関や革命防衛隊と取引する企業へ制裁対象を広げ、イランをドル決済網から切り離す構えです。軍事攻撃と経済制裁が同時に強化されれば、イラン側の報復や原油輸送の混乱が長期化する可能性があり、エネルギー価格の変動も大きくなります。(Reuters:09/01) - 米製造業は拡大を維持するも成長速度が鈍化
8月のISM製造業景気指数は54.6となり、予想の55.2と前月の55.6を下回りました。50を超えているため製造業は拡大していますが、新規受注と雇用は減速しています。一方、価格指数は71.1と高水準を維持しました。需要は弱まりつつあるのに仕入価格は高いという組み合わせで、景気減速とインフレが同時進行するリスクが株式市場で警戒されました。(Reuters:09/01) - 求人件数は増加したが企業の採用活動は慎重
7月のJOLTS求人件数は727.1万件となり、前月の718.2万件から増加したものの、市場予想の733.0万件には届きませんでした。採用者数は前月から27.8万人減少して505.4万人となり、企業が人員採用に慎重になっている様子が表れています。大量解雇には至っていませんが、労働市場の勢いは弱まっており、週後半の雇用統計がより重要になります。(Reuters:09/01) - 米建設支出が約3年ぶりの低水準
7月の建設支出は前月比-0.5%となり、2023年10月以来の低水準まで減少しました。住宅ローン金利の上昇によって一戸建て住宅への支出が前月比-3.2%、前年同月比-6.5%となっています。製造工場への建設支出も前年同月比-21.7%でした。一方、データセンター建設は増加しており、AI関連へ投資が集中する構図が鮮明です。(Reuters:09/01) - テキサス州がデータセンターの新規電力接続を停止
テキサス州は、実際には建設されない計画や重複申請による「幽霊需要」を調べるため、データセンターの新規送電網接続を一時停止しました。米国の一部地域では大型需要家からの接続申請が700GWを超え、過大な電力設備投資が電気料金を押し上げる懸念があります。AI需要は本物でも、すべての建設計画が実現するとは限らず、電力会社や設備関連株の評価には選別が必要です。(Reuters:09/01) - 米国がG20に中国の貿易不均衡是正を要請
米国はG20財務相・中央銀行総裁会議で、中国の輸出主導型経済と巨額の貿易黒字を問題として取り上げました。Bessent財務長官は、中国製品の流入が各国の雇用や成長を圧迫しているとして、補助金の削減や国内産業の保護を求めています。各国が対中関税や輸入規制を強化すれば、米国企業にも調達費用の増加や中国市場での報復措置が及ぶ可能性があります。(Reuters:09/01) - DellがAIサーバー需要を受けて通期見通しを上方修正
DellはAIサーバー需要の急増を受け、2027年度のAIサーバー売上見通しを600億ドルから740億ドルへ引き上げました。通期売上高予想も1,920億ドルへ増額し、時間外取引で株価は大きく上昇しました。AI投資がGPUだけでなく、サーバー、通信、電源、冷却設備へ広がっていることを示す決算です。ただし、今後は受注拡大と利益率を両立できるかが重要になります。(Reuters:09/01)
経済指標発表予定
以下の経済指標が発表される予定です。
主要銘柄の決算発表予定
以下の主要銘柄の決算発表がなされる予定です。
おわりに
9月初日の米国株市場は、原油価格と長期金利の上昇が重なり、少し身構えたくなる一日でした。ただ、VIX指数は16台にとどまり、市場全体が混乱しているわけではありません。Dellの決算が示したように、AI関連の設備投資も着実に続いています。
長期投資では、下落した日だけを見て判断せず、企業の利益成長や経済の変化を落ち着いて追い続けることが大切です。私も毎朝の記録を積み重ねながら、市場に居続けたいと思っています。
本日もお読みいただき、ありがとうございました。それでは、今日も一日、明るく元気に笑顔で過ごしましょう。
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おことわり
投資は自己責任にてお願いします。
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図表のレファレンス
- S&P500ヒートマップ: finviz
- 主要3指数とドル円: Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
- セクター別騰落率: finviz
- 経済指標結果/予定: investing.com日本語版
- 決算発表結果/予定: investing.com日本語版
- 主要指数の動き : Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
- 自分の米ドル建ポートフォリオ: Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
著者プロフィール
室井一夫(Kazuo Muroi)
Muroi Universal Research on Investment LLC 代表社員
一級建築士・建築1級施工管理技士・工学修士
Facebookグループ「米国株_投資の部屋」管理人(約4.7万人)
米国株式市場と経済動向に関する情報を毎日発信しています。
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