20260813_U.S. Stock Market Report

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ブログ更新をお休みしていたことについて

8月1日の午後に坐骨神経痛を発症し、強い痛みで歩くことも椅子に座ることも難しくなりました。その後、ほぼ2週間にわたって寝たきりに近い生活となり、パソコンに向かえなかったため、ブログの更新をお休みしていました。

毎朝ご覧いただいている皆さまには、事前にお知らせできないまま更新が途絶えてしまい、申し訳ありませんでした。まだ無理はできませんが、体調と相談しながら少しずつ再開していきます。引き続きよろしくお願いいたします。

室井のマーケット視点

8月13日の米国株式市場は、S&P500が+0.65%、Dow30が+0.13%、NASDAQが+0.81%となり、S&P500は過去最高値を更新しました。7月のPPIが前月比0.0%と市場予想を下回り、米10年国債利回りが4.641%へ低下したことで、追加利上げへの警戒が後退しました。とはいえ、指数の上昇だけでは、この日の市場内部で起きた変化を十分に説明できません。通信サービス(Communication Services)、先端技術(Technology)、不動産(Real Estate)が上昇した一方、素材(Basic Materials)は-1.64%となりました。AI関連でも、SandiskやWestern Digitalなどのメモリー・記憶装置関連が上昇する一方、Coherent、Lumentum、Corningなどの光通信関連は売られました。

さらに、Applied Materialsは好決算と強い見通しを発表しても時間外取引で下落しました。AI需要が弱まったのではなく、市場が売上高だけでなく、利益率、設備投資の継続性、株価へ織り込まれた期待まで厳しく見る段階に入ったと感じます。Workdayの買収報道による急騰も含め、同じ成長分野でも企業ごとの差が大きくなっています。

VIX指数は14.63と低く、市場全体が恐怖状態にあるわけではありません。ただし、中東情勢とホルムズ海峡の供給リスクは残っています。長期投資では、1日の上昇銘柄を追うより、S&P500やNASDAQ100などのETFで市場全体の利益成長を取り込む方が再現性は高いと考えています。指数が最高値を更新した日ほど、浮かれずに市場内部の資金移動を冷静に確認していきます。

S&P500ヒートマップ

5%以上上昇したS&P500構成銘柄

  • WDAY:Workday +17.78%
    人事・財務クラウド大手のWorkdayは、投資会社Silver Lakeが買収に向けて協議しているとの報道を受けて急騰しました。一時は約30%上昇しましたが、その後は上げ幅を縮小しています。買収条件などは確定しておらず、今後の正式発表が焦点となります。
  • SNDK:Sandisk +13.67%
    投資家説明会で示された長期的な業績見通しが評価され、急伸しました。AIデータセンターの増設でNAND型フラッシュメモリー(電源を切ってもデータを保存できる半導体)の需給が引き締まり、販売価格と利益率が改善するとの期待が高まっています。
  • GDDY:GoDaddy +9.45%
    独自の大きな企業発表は確認されませんでしたが、低調だったソフトウェア・インターネット関連株を買い戻す動きが広がりました。落ち着いたPPIを受けて米長期金利が低下し、将来の利益成長が重視される企業の株価評価が改善しました。
  • CSGP:CoStar Group +8.36%
    不動産情報サービスを提供するCoStar Groupは、不動産(Real Estate)株とソフトウェア株への買い戻しにより上昇しました。米長期金利の低下は不動産取引や資金調達の改善につながるため、年初から大きく下落していた同社株に短期資金が流入しました。
  • FISV:Fiserv +7.64%
    前週の決算で通期利益見通しを引き下げ、株価が急落していた反動から買い戻されました。決済関連株全体がそろって上昇しており、PPIの落ち着きと金利低下によって米国消費や企業取引が急減する懸念が後退したことも影響しています。
  • FDX:FedEx +7.61%
    原油価格の下落を受け、燃料費負担の軽減が見込まれる物流株が上昇しました。FedExは航空機やトラックを大量に使用するため、燃料価格の変化が利益に直結します。米国経済の安定と物流需要の回復を見込んだ買いも重なりました。
  • WDC:Western Digital +7.31%
    Sandiskが投資家説明会で示した強気のメモリー市場見通しを受け、同じ記憶装置関連のWestern Digitalにも買いが広がりました。AIデータセンター向け大容量ハードディスクの需要増加と、供給不足による販売価格上昇が期待されています。
  • GPN:Global Payments +7.12%
    決済サービス関連株への買い戻しが強まりました。同社はWorldpayの買収後、事業統合に伴う費用や債務増加が警戒されてきました。株価が低い水準まで下落していたため、金利低下と景気不安の緩和をきっかけに見直し買いが入りました。
  • INTU:Intuit +7.04%
    会計・税務ソフト大手のIntuitは、Workdayの買収報道をきっかけに企業向けソフトウェア株が全面的に買い直された流れに乗りました。PPIが市場予想を下回り米長期金利が低下したことも、高PER(株価収益率が高い)銘柄の再評価につながりました。
  • HPQ:HP Inc. +6.90%
    パソコン関連株への買い戻しが進みました。AI機能を搭載したパソコンへの更新需要や、企業による買い替え拡大への期待が続いています。米長期金利の低下とTechnology(先端技術)株への資金流入も、株価の反発を大きくしました。
  • FICO:Fair Isaac +6.37%
    信用スコアを提供するFair Isaacは、ソフトウェア株と金融サービス株の上昇に連動しました。独自の大きな発表よりも、PPIの落ち着きによる金利低下と、年初から売られてきた高収益ソフトウェア企業への買い戻しが中心だったと考えられます。
  • XYZ:Block +6.14%
    決済サービスのBlockは、Fiserv、Global Payments、Fidelity National Information Servicesとともに上昇しました。物価上昇への警戒が弱まり、個人消費と決済額の安定が期待されました。金利低下も成長企業の株価評価に有利に働いています。
  • NFLX:Netflix +5.43%
    著名投資家Bill Ackman氏の投資会社Pershing SquareがNetflix株を取得したことが明らかになり、買いが集まりました。広告付きプランの拡大、会員基盤の成長、値上げによる利益改善など、Netflixの収益力を再評価する動きにつながっています。
  • KDP:Keurig Dr Pepper +5.28%
    前週に発表した決算で調整後EPS(特殊要因を除いた1株利益)が前年同期比16.3%増加し、通期売上高見通しも維持しました。JDE Peet’s買収後の統合費用は残りますが、飲料事業の成長と年間7億ドルを超える現金収入が改めて評価されました。
  • FIS:Fidelity National Information Services +5.27%
    決済・金融技術関連株への買いが広がり、FISも上昇しました。Worldpay持分の売却とGlobal Paymentsから取得した発行会社向け事業により、事業構成の簡素化と継続的な現金収入の増加が期待されています。配当利回りの高さも注目されました。

5%以上下落したS&P500構成銘柄

  • TPR:Tapestry -16.49%
    CoachやKate Spadeを展開するTapestryは、2027年度の業績見通しが市場の期待に届かず急落しました。直近四半期の調整後EPS(特殊要因を除いた1株利益)は1.32ドル、売上高は前年同期比9%増の18.8億ドルと好調でした。しかし、株価が直前まで過去最高値圏にあったため、慎重な見通しをきっかけに利益確定売りが膨らみました。
  • CSCO:Cisco Systems -8.40%
    Ciscoは売上高が前年同期比18%増の173億ドル、調整後EPSが1.22ドルとなり、いずれも市場予想を上回りました。しかし、AI向け機器は販売量が多い一方で利益率が低く、粗利益率(売上高から製造原価を差し引いた利益の割合)は前年同期の68.4%から66.3%へ低下しました。AI需要の強さよりも収益性の悪化が警戒されました。
  • COHR:Coherent -7.99%
    光通信部品大手のCoherentは、好決算を発表した翌日の利益確定売りで大幅安となりました。売上高は前年同期比34%増の20.5億ドル、調整後EPSは1.74ドルとなり、市場予想を上回っています。ただし、株価は過去1年間で約3倍に上昇していたため、好業績を確認した投資家がいったん利益を確定する動きが優勢となりました。
  • LITE:Lumentum Holdings -5.58%
    AIデータセンター向け光通信需要への期待から直前まで急上昇していた反動で、利益確定売りが広がりました。CoherentやCorningも同時に下落しており、企業固有の悪材料というより、株価上昇が大きかった光通信関連株からメモリー関連株へ短期資金が移動した影響が大きいと考えられます。
  • GLW:Corning -5.32%
    光ファイバーやデータセンター向け接続部品を手掛けるCorningは、光通信関連株全体への利益確定売りに押されました。AIインフラ需要への期待から株価が大幅に上昇していた一方、この日はSandiskやWestern Digitalなど記憶装置関連株が急伸しました。AI需要が弱まったのではなく、AI関連内部で資金の移動が起きたと見ています。

 

セクター別騰落率

市場全体では、11セクター中6セクターが上昇しました。7月のPPIが前月比横ばいとなり、インフレと追加利上げへの警戒が後退したため、通信サービス、先端技術、不動産が買われました。一方、原油安でエネルギーが下落し、工業・産業と素材にも売りが広がりました。指数は上昇しましたが、景気敏感株から金利低下の恩恵を受けやすい分野へ資金が移る、選別色の強い相場となりました。

  • 通信サービス(Communication Services) +1.45%
    Netflixが、著名投資家Bill Ackman氏の投資会社による株式取得を受けて5.43%上昇しました。広告、動画配信、インターネット関連企業は将来の利益成長が重視されるため、米長期金利の低下も株価評価の改善につながりました。大型成長株への買いがセクター全体を押し上げました。
  • 先端技術(Technology) +1.27%
    Sandiskが13.67%、Western Digitalが7.31%上昇し、メモリーと記憶装置関連が上昇を主導しました。Workdayの買収報道を受けてソフトウェア株にも買いが広がりました。一方、Ciscoや光通信関連株は下落しており、AI関連内部で光通信からメモリーやソフトウェアへ資金が移動しました。
  • 不動産(Real Estate) +1.18%
    PPIが市場予想を下回り、米10年国債利回りが低下したことで不動産株が買われました。不動産会社やREIT(不動産投資信託)は借入金が多く、金利低下が資金調達費用の軽減につながります。CoStar Groupが8.36%上昇し、不動産取引や情報サービスの回復を期待する買いも入りました。
  • 素材(Basic Materials) -1.64%
    11セクター中で最大の下落となりました。原油を含む商品価格の下落や世界景気への慎重な見方から、金属、化学、建材関連が売られました。金利低下を受けて資金が通信サービス、先端技術、不動産へ向かったことも影響しました。景気敏感な素材株より、成長株を選ぶ動きが鮮明になりました。

主要3指数とドル円の動き

  • S&P500(7,798.99、前日比+0.65%)
    S&P500は7,763.18で始まり、午前中に7,816.70まで上昇した後も高値圏を維持し、過去最高値を更新しました。7月のPPIが前月比横ばいとなり、市場予想の+0.2%を下回ったため、FRBによる追加利上げへの警戒が後退しました。ただし、11セクターすべてが上昇したわけではなく、資金は通信サービス、先端技術、不動産へ集中しています。
  • Dow30(53,839.99、前日比+0.13%)
    Dow30は一時54,049.14まで上昇しましたが、その後は上げ幅を縮小しました。金融株や生活必需品株が上昇した一方、Tapestryが16.49%、Ciscoが8.40%下落し、原油安でエネルギー株も軟調でした。主要3指数の中で上昇率が最も小さく、景気敏感株や大型株全体へ買いが広がったというより、業績内容によって企業を選別する相場でした。
  • NASDAQ(26,803.03、前日比+0.81%)
    NASDAQは主要3指数の中で最大の上昇となりました。PPIの落ち着きを受けて米10年国債利回りが4.64%前後へ低下し、成長株の株価評価が改善しました。SandiskやWestern Digitalなどの記憶装置関連、Workdayなどのソフトウェア株が上昇しました。一方、Ciscoや光通信株は売られており、AI関連全体が一様に買われたわけではありません。
  • ドル円(159.4690円、前日比-0.02%)
    ドル円は159.4870円で始まり、159.4340円から159.5280円までの狭い範囲で推移しました。米PPIが市場予想を下回り、米長期金利が低下したため、ドル売り・円買いが入りました。ただし、日本の金利は米国より低く、日米金利差は依然として大きいため、円高は限定的でした。米国株へ長期投資する立場では、159円台の円安による円建て評価額の増加と、将来の円高による減少の両方を考える必要があります。

原油先物・米10年国債利回り・VIX・金先物の動き

  • WTI原油先物(81.18ドル、前日比-0.09%)
    WTI原油先物は小幅に下落しました。中東情勢とホルムズ海峡を巡る供給不安は残っていますが、インフレ指標の落ち着きや世界景気への慎重な見方から、原油を積極的に買う動きは限られました。原油高が一服すれば、物流、航空、小売など燃料費の影響を受けやすい企業には利益改善要因となります。
  • 米10年国債利回り(4.641%、前日比-0.88%)
    米10年国債利回りは、4.674%で始まった後、一時4.613%まで低下しました。7月のPPIが前月比横ばいとなり、市場予想の+0.2%を下回ったことで、FRBが9月に追加利上げへ動く可能性が低下しました。金利低下を受けて、先端技術や通信サービス、不動産などが上昇しました。
  • VIX指数(14.63、前日比+0.55%)
    恐怖指数と呼ばれるVIX指数は小幅に上昇しましたが、終値は14.63と低い水準です。S&P500が過去最高値を更新する一方、TapestryやCisco、光通信関連株には大幅な下落も見られました。市場全体が恐怖状態にあるのではなく、決算や株価水準による企業選別が進んでいると考えられます。
  • 金先物(4,414.90ドル、前日比-0.12%)
    金先物は小幅に下落しました。米長期金利の低下は、利息を生まない金に有利な要因ですが、この日は株価が上昇し、VIX指数も低い水準にとどまったため、安全資産として金を買う動きは強まりませんでした。ただし、中東情勢とインフレへの不安は残っており、金価格は引き続き高値圏を維持しています。

私の米国株ポートフォリオ +0.04%(前日比)

私の米国株ポートフォリオは、前日比+0.04%とほぼ横ばいでした。eMAXIS Slim米国株式(S&P500)が+0.27%となった一方、日本市場に上場するS&P500、FANG+、NASDAQ100の各ETFは変わりませんでした。米国市場ではS&P500とNASDAQが上昇しましたが、8月13日のニューヨーク市場の動きは、日本市場のETFや投資信託へ時間差で反映されます。GX超短期米国債も保有しているため、成長株だけの構成より値動きは穏やかです。長期投資では、1日の増減よりも複数の指数に分散しながら市場に居続けることを重視しています。

経済指標発表結果

  • 生産者物価指数(PPI、前月比0.0%)
    7月のPPIは前月比0.0%となり、市場予想の+0.2%を下回りました。企業が仕入れる商品価格が0.7%低下し、サービス価格の+0.2%を相殺しています。インフレ再加速への警戒が後退したため、米10年国債利回りは4.64%台へ低下し、S&P500とNASDAQの過去最高値更新につながりました。
  • コアPPI(前月比+0.2%)
    食品とエネルギーを除くコアPPIは前月比+0.2%となり、市場予想の+0.3%、前回の+0.4%を下回りました。変動の大きい品目を除いても企業段階の物価上昇が鈍化したため、FRBが9月に追加利上げを行う可能性は低下しました。長期金利の低下を受けて、先端技術や不動産が上昇しました。
  • 生産者物価指数(PPI、前年比+4.7%)
    PPIは前年比+4.7%となり、市場予想の+4.9%、前回の+5.5%を下回りました。物価水準はFRBの目標と比べて依然高いものの、上昇率の低下はインフレが悪化し続ける状態ではないことを示しています。株式市場は追加利上げへの不安が和らぎましたが、早期利下げを断定できるほど低い水準ではありません。
  • 新規失業保険申請件数(20.9万件)
    新規失業保険申請件数は20.9万件となり、市場予想の20.2万件と前回の20.0万件を上回りました。申請増加は雇用市場がわずかに減速している可能性を示しますが、絶対水準は依然として低く、深刻な景気後退を示す内容ではありません。インフレ鈍化と雇用の安定が両立する結果として受け止められました。
  • 失業保険継続申請件数(177.7万件)
    失業保険を継続して受給している人は177.7万人となり、市場予想の180.0万人、前回の179.9万人を下回りました。失業した人が新しい仕事を見つけにくくなる状況は確認されず、雇用市場の底堅さが続いています。FRBにとっては、物価を抑えるために追加利上げを急がず、経済指標を確認できる環境です。
  • 月次連邦財政収支(-4,320億ドル)
    7月の連邦財政収支は4,320億ドルの赤字となり、市場予想の3,483億ドル、前回の1,200億ドルを上回る赤字でした。財政赤字の拡大は国債発行の増加を通じて、長期的には米長期金利を押し上げる可能性があります。この日はPPIの影響が強く金利は低下しましたが、長期投資では米国の財政状況も無視できません。

主要銘柄の決算発表結果

  • AMAT:Applied Materials(先端技術)
    半導体製造装置大手のApplied Materialsは、調整後EPSが3.50ドルとなり、市場予想の3.40ドルを上回りました。売上高も前年同期比25%増の91.2億ドルとなり、予想の89.9億ドルを超えて過去最高を更新しました。AI向け半導体、DRAM(記憶用半導体)、先端パッケージへの投資が業績を押し上げています。
  • AMAT:好決算でも時間外取引で-4.84%
    次四半期は売上高102.5億ドル、調整後EPS4.02ドルを見込み、いずれも市場予想を上回りました。それでも通常取引で2.48%下落し、決算発表後の時間外取引でも4.84%下落しました。業績の悪化ではなく、AI需要と半導体設備投資への期待が株価へ先に織り込まれ、好決算だけでは投資家の高い期待を超えられなかったと考えられます。
  • TPR:Tapestry(一般消費材)
    CoachやKate Spadeを展開するTapestryは、調整後EPSが1.32ドルとなり、市場予想の1.25ドルを上回りました。売上高も前年同期比9%増の18.8億ドルとなり、予想の18.6億ドルを超えています。Coachの売上高は14%増加しましたが、Kate Spadeは7%減少し、ブランド間の差が広がりました。
  • TPR:慎重な売上高見通しで-16.49%
    2027年度の売上高見通しは84億~85億ドルとなり、市場予想をわずかに下回りました。中国と欧州の販売は伸びていますが、北米の成長鈍化とKate Spadeの不振が警戒されました。株価が直前まで過去最高値圏にあったこともあり、好決算より将来の成長率が重視され、通常取引で16.49%下落しました。時間外取引では0.95%反発しています。

 

主な経済ニュース

  • 7月のPPI横ばいで追加利上げ観測が後退
    7月のPPIは前月比0.0%となり、市場予想の+0.2%を下回りました。前年比も+4.7%と、前回の+5.5%から鈍化しています。企業段階の物価上昇が落ち着いたことで米国債利回りが低下し、S&P500は過去最高値を更新しました。ただし、物価上昇率は依然高く、早期利下げを織り込む段階ではありません。(Reuters:08/13)
  • Silver LakeがWorkday買収を協議
    投資会社Silver Lakeが、人事・財務クラウド大手Workdayの買収に向けて協議していると報じられました。実現すれば、ソフトウェア業界で過去最大級の買収になります。Workday株は17.78%上昇し、ソフトウェア株全体にも買いが広がりました。AIによる競争環境の変化で割安になった既存ソフトウェア企業を再評価する動きとして注目されます。(Reuters:08/13)
  • FRB内で追加利上げを巡る意見が分かれる
    クリーブランド連銀のHammack総裁は早期の利上げを主張する一方、リッチモンド連銀のBarkin総裁はインフレがすでに鈍化へ向かっている可能性を示しました。PPI発表後、市場が見込む9月の追加利上げ確率は低下しました。FRB内でも判断が分かれており、今後の雇用と物価指標によって金利見通しが変わりやすい状況です。(Reuters:08/13)
  • Applied Materialsは好決算でも時間外で下落
    Applied Materialsは、AI向け半導体、DRAM、先端パッケージ需要の拡大により、売上高と調整後EPSが市場予想を上回りました。次四半期の見通しも予想を超えましたが、時間外取引では4.84%下落しています。AI設備投資の拡大は続いているものの、株価には高い成長期待が織り込まれ、好決算だけでは上昇しにくくなっています。(Reuters:08/13)
  • 米国がイランへの海上封鎖長期化を検討
    米国は停戦協議の行き詰まりを受け、イランに対する海上封鎖を期限を定めず継続する可能性を示しました。ホルムズ海峡では船舶への攻撃も発生しており、原油と天然ガスの輸送リスクが残ります。原油価格はこの日下落しましたが、供給障害が深刻化すれば、インフレ、米金利、航空、物流、消費関連企業の利益へ再び影響する可能性があります。(Reuters:08/13)
  • 原油需要見通しの引き下げで原油価格が下落
    OPECが世界の原油需要見通しを引き下げ、在庫も高い水準にあることから、原油価格には売りが広がりました。中東の供給不安が続く一方、市場は戦争による世界景気の減速と需要減少も織り込み始めています。原油安はエネルギー株には不利ですが、燃料費や輸送費を負担する物流、航空、小売企業には利益改善要因となります。(Reuters:08/13)
  • 米国の7月財政赤字が4,320億ドルへ拡大
    米国の7月の連邦財政収支は4,320億ドルの赤字となり、市場予想の3,483億ドルを上回りました。この日はPPIの鈍化を受けて米長期金利が低下しましたが、財政赤字が続けば国債の発行量が増え、長期的には金利を押し上げる可能性があります。株価上昇だけでなく、企業の資金調達費用に影響する財政動向も確認する必要があります。(Reuters:08/13)
  • 米国が輸入ドローンへの関税導入を表明
    米政権は、ドローンと関連部品の海外依存を減らすため、輸入品に関税を課す方針を示しました。対象には同盟国からの輸入品も含まれる可能性があります。米国内の防衛・無人機関連企業には生産拡大の機会となる一方、海外製部品を使う企業にはコスト増加要因です。関税が物価へ及ぼす影響もFRBの判断を難しくします。(Reuters:08/13)
  • TapestryはKate Spadeの不振で急落Tapestryは四半期の売上高とEPSが市場予想を上回りましたが、2027年度の売上高見通しが期待に届かず、株価は16.49%下落しました。Coachの売上高は14%増えた一方、Kate Spadeは7%減少しています。米国消費全体が急減しているわけではなく、ブランド力や価格設定によって企業間の業績差が広がっていることを示しています。(Reuters:08/13)
  • 著名投資家Ackman氏の取得判明でNetflixが上昇
    Bill Ackman氏が率いるPershing SquareによるNetflix株の取得が明らかになり、同社株は5.43%上昇しました。広告付きプラン、会員数の拡大、料金改定による利益成長が再評価されています。通信サービス(Communication Services)セクターは+1.45%となり、金利低下と大型成長株への買いが指数上昇にもつながりました。(Bloomberg:08/13)

 

経済指標発表予定

以下の経済指標が発表される予定です。

主要銘柄の決算発表予定

8/14には主要銘柄の決算発表は予定されていません。

おわりに

8月13日の米国株式市場は、PPIの落ち着きと米長期金利の低下を受け、S&P500が過去最高値を更新しました。ただし、AI関連でもメモリーやソフトウェアが上昇する一方、光通信や半導体製造装置には売りが出ています。指数の上昇だけを見るより、資金がどの分野へ移っているかを確かめることが大切だと感じます。

長期投資では、毎日の値動きを正確に予想する必要はありません。私は、企業の利益成長と市場内部の変化を確認しながら、ETFを中心に市場へ居続ける姿勢を大切にしています。

本日もお読みいただき、ありがとうございました。それでは、今日も一日、明るく元気に笑顔で過ごしましょう。

このブログは、米国株へ投資する個人投資家の立場から毎朝更新しています。ご参考になりましたら、こちらから応援いただけると嬉しいです。

投資は自己責任にてお願いします。

おことわり

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図表のレファレンス

  • S&P500ヒートマップ: finviz
  • 主要3指数とドル円:  Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
  • セクター別騰落率: finviz
  • 経済指標結果/予定: investing.com日本語版
  • 決算発表結果/予定: investing.com日本語版
  • 主要指数の動き : Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
  • 自分の米ドル建ポートフォリオ:  Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ

著者プロフィール

室井一夫(Kazuo Muroi)
Muroi Universal Research on Investment LLC 代表社員
一級建築士・建築1級施工管理技士・工学修士
Facebookグループ「米国株_投資の部屋」管理人(約4.7万人)

米国株式市場と経済動向に関する情報を毎日発信しています。


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