【20260730】米国株式市場 投資研究レポート

Spread the love

室井のマーケット視点

7月30日の米国株式市場は、S&P500が+1.66%、Dow30が+1.19%、NASDAQが+2.78%となりました。WTI原油先物は-0.38%と小幅に反落しましたが、米10年国債利回りは4.663%へ上昇しています。それでも、Microsoftを起点としたAI関連株への買いが金利上昇を上回りました。とはいえ、セクター別では全面高ではありません。先端技術(Technology)は+5.55%と突出し、素材(Basic Materials)は+2.21%、金融(Financial)は+1.39%となりました。一方、通信サービス(Communication Services)は-2.26%、生活必需品(Consumer Defensive)は-1.89%、ヘルスケア(Healthcare)は-1.15%です。市場全体から資金が流入したというより、守りの分野からAIインフラ関連へ資金が大きく移動した一日です。

さらに個別株に目をやると、AI関連でも企業ごとの差が鮮明でした。Microsoftは+15.51%となり、Amazonも通常取引で+3.90%、決算発表後の時間外取引で+7.92%上昇しました。一方、Meta Platformsは-7.95%、Appleも決算後の時間外取引で-4.06%です。市場はAI投資額の大きさだけでなく、その投資が売上高、利益率、現金収入へどれだけ結び付いているかを厳しく見ています。半導体ではMicron Technology、AMD、Lam Research、Applied Materialsが大幅に上昇しました。さらに、SandiskやWestern Digitalなどのストレージ、LumentumやCienaなどの光通信、Quanta ServicesやEMCOR Groupなどの電力・設備工事にも買いが広がっています。AI需要が弱くなったのではなく、投資対象がGPUからメモリー、記憶装置、通信、電源、冷却設備へ広がったと見る方が自然です。

私はデータセンター工事に携わった経験がありますが、AIは半導体だけでは動きません。大容量の受変電設備、複数系統の電源、非常用電源、高速通信網、空冷と水冷を組み合わせた冷却設備が必要です。今回、工業・産業(Industrials)や素材(Basic Materials)が上昇した背景には、こうした建物と設備を含むAIインフラ投資の拡大があります。

一方、第2四半期GDPは+1.5%と予想を下回り、GDP物価指数は+6.3%、PCE価格指数は+5.1%となりました。景気成長が鈍る中で物価上昇率が高まる組み合わせは、FRBにとって扱いにくい状況です。米10年国債利回りが4.663%へ上昇したことからも、金利上昇リスクが消えたわけではありません。ただ、この日は企業の利益成長が金利への警戒を上回りました。

ドル円は163円台後半から一時157円台まで急落し、159.50円で取引を終えました。短時間で大きく円高へ振れましたが、私は長期投資では過度に気にする必要はないと考えています。日米の金利差、米国経済の相対的な強さ、日本の貿易構造を考えると、円安方向の基調が続く可能性があり、今回の急激な円高も時間の経過とともに打ち消されると見ています。ただし、為替の短期的な方向を正確に予測することは難しいため、円建て評価額の一時的な増減には一喜一憂しません。

恐怖指数と呼ばれるVIX指数は17.09まで低下しており、市場は全面的な恐怖状態ではありません。一方、金先物は+1.71%となり、株式を買いながら地政学リスクやインフレにも備える資金の動きが見られます。私は、株式と金を対立する資産とは考えず、異なる局面に備えるための組み合わせとして見ています。

今回の上昇は、AI関連株なら何でも買われる相場への逆戻りではありません。利益、現金収入、設備投資負担、株価水準によって企業が選別され、その中でAIの恩恵が半導体からクラウド、ストレージ、通信、電力、建設設備へ広がっています。長期投資家としては、1日の急騰や為替変動を追うより、米国企業全体の利益成長が続いているかを確認しながら、市場に居続けることが大切だと考えています。

投資は自己責任にてお願いします。

S&P500ヒートマップ

5%以上上昇したS&P500構成銘柄

  • SNDK:Sandisk Corporation +25.99%
    データセンター向けストレージ需要の拡大を期待した買いが集中しました。AI処理で生み出される大量のデータを保存する設備が必要となるため、GPUやメモリーだけでなく、記憶装置関連にも資金が広がっています。
  • EME:EMCOR Group +19.32%
    電気設備、空調、配管工事を手掛ける同社は、AIデータセンター建設の拡大による受注増加期待から急伸しました。データセンターには大容量電源と高度な冷却設備が欠かせず、建設設備企業の重要性が高まっています。
  • MU:Micron Technology +18.36%
    AIサーバー向けメモリー需要の拡大を期待した買いが入りました。生成AIでは高速処理用のHBM(広帯域メモリー)が大量に必要となるため、GPUメーカーだけでなく、メモリーメーカーにも成長期待が広がっています。
  • LRCX:Lam Research +17.98%
    半導体製造装置への投資拡大期待から大幅高となりました。AI半導体や高性能メモリーの増産には新しい製造設備が必要であり、半導体メーカーの設備投資が長期間続くとの見方から買いが集まりました。
  • PWR:Quanta Services +17.26%
    送電網や電力設備を建設する同社は、AIデータセンターによる電力需要の急増を背景に上昇しました。発電能力だけでなく、送電線、変電設備、施設内への電力供給まで整備する必要があり、受注拡大への期待が高まっています。
  • MSFT:Microsoft Corporation +15.51%
    クラウドと生成AI事業の成長期待から急伸しました。MicrosoftはAzure、業務ソフト、Copilotを組み合わせてAIを収益化できる企業であり、巨額の設備投資を継続しながら利益も伸ばせる点が評価されています。
  • WDC:Western Digital Corporation +15.37%
    AIデータセンター向けの大容量ストレージ需要を期待して買われました。生成AIの普及により保存するデータ量が急増しており、ハードディスクや関連記憶装置はクラウド設備を支える重要な構成要素となっています。
  • LITE:Lumentum Holdings +15.09%
    AIデータセンター向け光通信部品の需要拡大期待から上昇しました。多数のGPUやサーバーを高速で接続するには光通信技術が必要であり、通信容量の増強が続くとの見方から関連企業へ資金が向かいました。
  • AMAT:Applied Materials +14.97%
    AI半導体とメモリーの増産を背景に、製造装置需要の拡大が期待されました。半導体の微細化や積層化が進むほど製造工程は複雑になり、幅広い工程に装置を提供する同社の収益機会も増加します。
  • TER:Teradyne +14.43%
    半導体検査装置への需要拡大を期待した買いが入りました。AI向け半導体は高性能化と構造の複雑化が進んでおり、製造後の性能や品質を確認する検査工程の重要性が一段と高まっています。
  • HII:Huntington Ingalls Industries +14.09%
    米国最大級の軍用艦艇メーカーとして、防衛支出の拡大を見込んだ資金が入りました。地政学的な緊張が長期化する中、海軍力の増強や艦艇の更新需要が継続するとの期待が株価に反映されています。
  • AMD:Advanced Micro Devices +13.00%
    AI向け半導体市場での成長期待から大幅上昇しました。NVIDIAに次ぐ選択肢としてAIアクセラレーター(AI計算を高速化する半導体)の採用拡大が期待され、データセンター向けCPUの成長にも注目が集まっています。
  • CIEN:Ciena Corporation +12.62%
    通信事業者やデータセンター向けの高速光ネットワーク需要を背景に買われました。生成AIの利用増加に伴ってデータ通信量が急増しており、通信回線の大容量化に必要な設備投資が続くと見られています。
  • CMG:Chipotle Mexican Grill +12.50%
    外食需要の底堅さと収益成長への期待から上昇しました。高いブランド力や店舗運営の効率化が評価され、物価上昇が続く環境でも顧客を維持できる消費関連企業として買いを集めました。
  • MRVL:Marvell Technology +12.18%
    AIデータセンター向け通信半導体や専用半導体への期待から上昇しました。GPU間の高速通信やクラウド企業独自の半導体開発が拡大する中、AIインフラを裏側で支える企業として評価が高まっています。
  • COHR:Coherent +12.16%
    光通信部品とレーザー技術への需要拡大期待から買われました。AIデータセンターではサーバー間を高速かつ低消費電力で接続する必要があり、光通信技術への投資が増加しています。
  • FIX:Comfort Systems USA +11.70%
    データセンター向け空調、配管、電気設備工事の受注拡大期待から上昇しました。AIサーバーは大量の熱を発生させるため、空冷に加えて水冷設備の導入も増えており、高度な設備工事能力が求められています。
  • STX:Seagate Technology +11.41%
    クラウドとAIデータセンター向けの大容量記憶装置需要を期待して買われました。AIが生成する画像、動画、文章などの保存量は急増しており、低コストで大量保存できるハードディスクの需要が続くと見られています。
  • INTC:Intel Corporation +11.30%
    半導体製造能力の再構築やAI関連事業への期待から上昇しました。業績回復には時間を要するものの、米国内の半導体生産強化や外部企業から製造を受託する事業への期待が株価を押し上げました。
  • DELL:Dell Technologies +9.51%
    企業向けAIサーバー需要の拡大期待から上昇しました。GPUを搭載したサーバーの販売だけでなく、ストレージやネットワークを組み合わせたシステム全体を提供できる点が評価されています。
  • GEV:GE Vernova +9.07%
    発電設備と送電網への投資拡大期待から買われました。AIデータセンターの電力消費増加に対応するには発電能力と電力網の双方を増強する必要があり、同社はAIインフラ投資の重要企業となっています。
  • GLW:Corning +9.00%
    AIデータセンターと通信網で使用される光ファイバー需要の増加を期待して上昇しました。データ処理量の急増により、施設内の配線だけでなく、データセンター間を結ぶ高速通信網の整備も進んでいます。
  • FLEX:Flex +8.63%
    電子機器の受託製造やデータセンター向け電源設備への需要拡大期待から上昇しました。AIインフラの増設ではサーバー以外にも電源、制御装置、電子部品が必要となり、幅広い製造能力が評価されています。
  • ORCL:Oracle Corporation +8.34%
    クラウド事業とAI向け計算能力の拡大期待から上昇しました。企業データを保有するデータベース事業とクラウド基盤を組み合わせ、生成AIの導入を企業収益へ結び付けられる点が注目されています。
  • ANET:Arista Networks +8.26%
    AIデータセンター向け高速ネットワーク機器への需要拡大から買われました。大量のGPUを効率よく接続するには通信速度と安定性が重要であり、ネットワーク設備への投資は今後も拡大すると見られています。
  • BAX:Baxter International +7.99%
    医療機器事業の収益改善を期待した買いが入りました。AIや半導体株が相場を牽引する中でも、業績回復が期待されるヘルスケア企業には個別に資金が向かっており、銘柄選別の強さが表れています。
  • SMCI:Super Micro Computer +7.90%
    AIサーバーの需要拡大を背景に上昇しました。同社は最新GPUを搭載したサーバーを迅速に製品化できる強みがありますが、株価変動が大きいため、売上成長だけでなく利益率や現金収入の確認も重要です。
  • NRG:NRG Energy +7.84%
    データセンターによる電力需要拡大と電力価格上昇への期待から買われました。公益事業は安定配当を目的とする分野でしたが、現在はAIインフラの電力供給を担う成長分野としての評価も加わっています。
  • JBL:Jabil +7.45%
    サーバー、通信機器、電子部品の受託製造需要を期待して上昇しました。AI投資は半導体メーカーだけでは完結せず、機器の組み立てや部品供給を担う企業にも恩恵が広がっています。
  • ETN:Eaton +6.91%
    データセンター向け配電機器と電力管理設備への需要拡大を背景に上昇しました。大容量電力を安全かつ安定して供給するためには、受変電設備や無停電電源などへの投資が必要となります。
  • WTW:Willis Towers Watson +6.73%
    保険仲介と企業向けリスク管理事業の安定成長を期待して買われました。金利や景気の不透明感が続く中、継続的な手数料収入を得やすい事業構造が評価されたと考えられます。
  • APH:Amphenol Corporation +6.33%
    データセンター、通信、防衛向けのコネクター需要拡大から上昇しました。AIサーバーの高速化と高密度化が進むほど、電力やデータを安定して接続する高性能部品の重要性が増します。
  • MRNA:Moderna +6.29%
    新薬開発と事業再建への期待から買われました。ヘルスケアセクター全体は軟調でしたが、将来の製品群や研究開発の進展が期待される企業には個別に資金が流入しています。
  • ON:ON Semiconductor +6.19%
    自動車、産業機器、電力制御向け半導体の需要回復期待から上昇しました。AI関連株への買いが半導体全体へ広がる中、電力を効率的に制御するパワー半導体にも資金が向かいました。
  • REGN:Regeneron Pharmaceuticals +6.17%
    主力医薬品と新薬候補への成長期待から上昇しました。大型製薬株が下落する中でも、独自の研究開発力と利益成長が期待されるバイオ医薬品企業には選別的な買いが入りました。
  • HPE:Hewlett Packard Enterprise +6.08%
    AIサーバー、ネットワーク、企業向けIT基盤への需要拡大期待から上昇しました。GPUだけでなく、サーバー全体の設計や通信設備を含めたAIシステムを提供できる点が評価されています。
  • KLAC:KLA Corporation +5.96%
    半導体の検査・計測装置需要を期待して買われました。先端半導体の製造工程が複雑になるほど、微細な欠陥を発見して歩留まり(良品となる割合)を高める装置の重要性が増します。
  • AKAM:Akamai Technologies +5.90%
    クラウド、コンテンツ配信、サイバーセキュリティ事業への期待から上昇しました。AI利用の拡大に伴い通信量とサイバー攻撃が増えるため、安定したネットワーク配信と防御サービスの需要も高まっています。
  • Q:Qnity Electronics +5.78%
    半導体や電子機器向け材料の需要拡大期待から上昇しました。AI半導体の生産増加は製造装置だけでなく、特殊材料や電子部材にも波及しており、関連する供給企業へ買いが広がりました。
  • FCX:Freeport-McMoRan +5.75%
    銅需要の拡大期待から上昇しました。データセンター、送電網、電気設備には大量の銅が使用されるため、AI投資と電力インフラ整備が長期的な銅需要を増やすとの見方が続いています。
  • MPWR:Monolithic Power Systems +5.40%
    データセンター向け電源管理半導体の需要拡大期待から買われました。高性能なGPUやサーバーでは電力消費が増えるため、電圧を効率よく制御して発熱を抑える半導体の重要性が高まっています。
  • KEYS:Keysight Technologies +5.38%
    通信機器と半導体の測定装置需要を期待して上昇しました。高速通信や先端半導体の開発では性能を精密に測定する設備が不可欠であり、AIインフラ投資の拡大が試験・計測分野にも波及しています。
  • MCHP:Microchip Technology +5.10%
    産業機器、自動車、通信設備向け半導体の需要回復期待から上昇しました。AI関連への強い買いが半導体セクター全体へ広がり、これまで出遅れていた組み込み用半導体にも資金が向かいました。

5%以上下落したS&P500構成銘柄

  • FICO:Fair Isaac Corporation -17.01%
    信用スコア関連サービスを提供するFair Isaacは、この日のS&P500構成銘柄で最大の下落となりました。業績成長への期待が高く、株価水準も割安とは言いにくかったため、投資家が利益確定を急いだことで下落幅が拡大しました。
  • CHRW:C.H. Robinson Worldwide -15.44%
    物流仲介大手のC.H. Robinson Worldwideは大幅安となりました。景気や貨物輸送量の変化に業績が左右されやすく、今後の輸送需要や運賃収入への慎重な見方から売りが集中しました。出来高も増えており、投資家の見直し売りが強かったことがうかがえます。
  • MO:Altria Group -9.32%
    たばこ大手のAltriaは大きく下落しました。配当利回りは高いものの、予想EPS成長率がマイナスとなっており、将来の利益成長に対する慎重な評価が強まりました。先端技術や半導体株が上昇する中、高配当の生活必需品から資金が移る動きも重なっています。
  • LHX:L3Harris Technologies -8.61%
    防衛・通信機器大手のL3Harris Technologiesは下落しました。中東情勢への警戒が続いているものの、この日は半導体やデータセンター関連へ買いが集中し、防衛株では利益確定売りが優勢となりました。長期的な防衛需要と日々の株価は分けて考える必要があります。
  • META:Meta Platforms -7.95%
    Meta Platformsは大型ハイテク株の中で目立つ下落となりました。広告事業とAI投資への期待は続いていますが、株価が先行して上昇してきた反動に加え、巨額のデータセンター投資が利益や現金収入へ与える影響を慎重に見る売りが増えました。
  • IT:Gartner -7.68%
    企業向けIT調査・助言サービスのGartnerは大幅下落となりました。予想EPS成長率が大きなマイナスとなっており、企業のIT予算が従来型の調査やコンサルティングから、AIサーバー、クラウド、データ基盤へ移る影響が警戒されています。
  • CVNA:Carvana -7.36%
    中古車販売大手のCarvanaは下落しました。利益成長率は高いものの、株価変動も大きく、これまでの上昇に対する利益確定売りが入りやすい銘柄です。高金利が自動車ローンの返済負担を増やすため、中古車需要の持続性には慎重な見方も残っています。
  • VRSK:Verisk Analytics -6.01%
    保険会社向けデータ分析を手掛けるVerisk Analyticsは下落しました。安定した事業基盤を持つ一方、PER(株価収益率)は30倍を超えており、成長期待を相当織り込んだ株価水準でした。資金が半導体やAIインフラへ移る中、安定成長株から売りが出ました。
  • ERIE:Erie Indemnity -5.99%
    保険関連サービスを提供するErie Indemnityは下落しました。予想EPS成長率がマイナスとなっており、利益の伸び悩みが警戒されました。金融株全体は比較的堅調でしたが、保険分野では企業ごとの業績見通しによって株価の強弱が分かれています。
  • VTR:Ventas -5.94%
    医療施設や高齢者住宅を保有するREIT(不動産投資信託)のVentasは下落しました。利益成長への期待はあるものの、PERは非常に高く、金利の変化にも敏感な銘柄です。成長株への資金集中によって、不動産関連から資金が流出しました。
  • ADBE:Adobe -5.90%
    Adobeは生成AIを巡る競争激化への警戒から売られました。PERは14倍台まで低下していますが、市場は従来型ソフトウェアの収益がAIサービスによってどのように変化するかを厳しく見ています。AI機能の利用拡大を売上へ結び付けられるかが重要です。
  • WDAY:Workday -5.89%
    人事・会計クラウドを提供するWorkdayは下落しました。予想EPS成長率は高いものの、PERも49倍台と高く、今後の成長をかなり織り込んだ株価水準です。企業のIT投資がAIインフラへ集中する中、業務ソフトへの支出ペースが慎重に見られています。
  • EFX:Equifax -5.84%
    信用情報大手のEquifaxは下落しました。信用調査需要は安定していますが、景気や住宅ローン、自動車ローンの動きに影響されます。この日は信用情報関連のFair Isaacも急落しており、信用サービス企業への評価を見直す売りが業界内に広がりました。
  • ACN:Accenture -5.71%
    コンサルティング大手のAccentureは下落しました。予想EPS成長率がわずかなマイナスとなっており、企業が従来型コンサルティング支出を抑え、AIサーバーやクラウドへ予算を移す可能性が警戒されています。AI導入支援を収益拡大へつなげられるかが焦点です。
  • GDDY:GoDaddy -5.49%
    ウェブサイト作成やドメイン管理を手掛けるGoDaddyは下落しました。予想EPS成長率は高いものの、生成AIによるウェブ制作の自動化が競争環境を変える可能性があります。安定した継続課金収入に加え、AI時代でも顧客を維持できるかが問われています。
  • HPQ:HP Inc. -5.46%
    パソコンメーカーのHPは下落しました。PC需要の回復期待はあるものの、AIパソコンが本格的な買い替え需要を生み出すまでには時間が必要です。半導体やデータセンター関連が急騰する一方、消費者向けハードウェアは相対的に選別されました。
  • BRO:Brown & Brown -5.34%
    保険仲介大手のBrown & Brownは下落しました。継続的な手数料収入を持つ安定企業ですが、予想EPS成長率がマイナスとなっており、短期的な利益成長への慎重な見方が強まりました。金融株の中でも保険関連には売りが目立っています。
  • INTU:Intuit -5.29%
    会計・税務ソフト大手のIntuitは下落しました。予想EPS成長率は高いものの、企業や個人向け会計ソフトに生成AIがどのような影響を与えるかを市場は慎重に見ています。AI機能を既存サービスの値上げや利用拡大へ結び付けられるかが重要です。
  • MLM:Martin Marietta Materials -5.21%
    建設用骨材を供給するMartin Marietta Materialsは下落しました。予想EPS成長率は大幅なプラスですが、景気や公共投資、住宅建設の影響を受けやすい企業です。AI関連設備へ資金が集中する中、建設素材株では短期的な利益確定売りが出ました。
  • ESS:Essex Property Trust -5.03%
    集合住宅を保有するREITのEssex Property Trustは下落しました。配当収入は安定していますが、予想EPS成長率がマイナスであり、高金利が不動産の資金調達費用を押し上げます。成長株が買われる相場では、金利敏感な不動産株が売られやすくなります。

セクター別騰落率

市場全体では、先端技術(Technology)が+5.55%と突出し、半導体、メモリー、ストレージ、製造装置などAI関連へ資金が集中しました。素材や金融、一般消費材、工業・産業にも買いが広がった一方、通信サービス、生活必需品、ヘルスケア、不動産は下落しました。全面高ではなく、大型ハイテク株とAIインフラを中心とした資金移動が鮮明な一日でした。

  • 先端技術(Technology) +5.55%
    半導体、メモリー、ストレージ、半導体製造装置を中心に大幅高となりました。Microsoft、Micron Technology、AMD、Lam Research、Applied Materialsなどが上昇し、AI向け設備投資の恩恵がGPUからメモリー、記憶装置、通信、電源管理まで広がっています。ただし、Appleや一部ソフトウェア株は下落しており、先端技術全体が一様に買われたわけではありません。
  • 素材(Basic Materials) +2.21%
    銅や建設資材に関連する企業へ買いが入りました。AIデータセンターの建設には、電線、送電設備、冷却設備、建物など大量の資材が必要です。Freeport-McMoRanなど銅関連株の上昇は、AI投資が半導体だけでなく、電力網や建設材料の需要増加にもつながるとの評価を示しています。
  • 金融(Financial) +1.39%
    大手銀行や証券会社を中心に堅調でした。JPMorgan Chase、Bank of America、Wells Fargo、Goldman Sachsなどが上昇し、株式市場の活況や景気の底堅さを期待する資金が入りました。一方、保険や信用情報関連には大きく下落した銘柄もあり、金融全体の上昇というより、銀行と資本市場関連へ選別的に買いが集まった相場です。
  • 一般消費材(Consumer Cyclical) +1.19%
    Amazon、Tesla、Chipotle Mexican Grillなど大型銘柄の上昇がセクターを押し上げました。景気後退への警戒がやや後退し、個人消費や電子商取引、自動車需要が維持されるとの期待が強まっています。ただし、住宅関連や中古車販売などには下落銘柄もあり、消費者の金利負担を巡る不透明感は残っています。
  • 工業・産業(Industrials) +1.17%
    電力設備、空調、建設工事、防衛関連などに買いが広がりました。AIデータセンターの建設では、受変電設備、非常用電源、冷却装置、配管、送電網など大規模な設備投資が必要です。Quanta Services、EMCOR Group、Comfort Systems USAなどの上昇は、AI投資の恩恵が建設設備企業へ拡大していることを示しています。
  • ヘルスケア(Healthcare) -1.15%
    Eli Lilly、Johnson & Johnson、AbbVieなど大型医薬品株を中心に売られました。投資資金が半導体やAIインフラなど成長性の高い分野へ向かい、業績が比較的安定したディフェンシブ銘柄から資金が移りました。一方、Regeneron PharmaceuticalsやModernaなど上昇した銘柄もあり、医薬品の開発力や成長性による選別は続いています。
  • 不動産(Real Estate) -1.16%
    REIT(不動産投資信託)を中心に売りが優勢となりました。不動産会社は借入金が多く、金利が高い状態では資金調達費用が増加します。また、半導体や金融など上昇率の高い分野へ資金が移ったことで、高配当を目的とする不動産株の相対的な魅力も低下しました。
  • 生活必需品(Consumer Defensive) -1.89%
    Walmart、Costco、Procter & Gamble、Philip Morrisなど大型銘柄が下落しました。景気変動の影響を受けにくい安定株ですが、この日は投資家がAI、半導体、金融、景気敏感株を積極的に買ったため、守りの資産から資金が流出しました。Altriaの大幅下落もセクター全体の下落率を押し広げています。
  • 通信サービス(Communication Services) -2.26%
    Meta Platformsの-7.95%が大きく影響し、全セクターで最大の下落となりました。Alphabetも下落し、大型インターネット企業への売りが目立っています。AI関連設備への投資額が急増する中、市場は広告やクラウドの成長だけでなく、巨額の設備投資が利益率や現金収入へ与える影響まで厳しく評価しています。

主要3指数とドル円の動き

7月30日の米国株式市場は、Microsoftを中心とするAI・半導体関連株への買いが広がり、主要3指数がそろって上昇しました。特にNASDAQは+2.78%と大幅高となり、前日まで売られていたAIインフラ関連株が急反発しています。一方、ドル円は163円台後半から一時157円台まで急落しました。日本当局による為替介入が疑われましたが、米国市場終了時点では正式に確認されていません。

  • S&P500(7,437.63、前日比+1.66%)
    S&P500は121.48ポイント上昇し、日中高値に近い水準で取引を終えました。Microsoft、Micron Technology、AMD、半導体製造装置、ストレージ関連などが大幅高となり、AI向け設備投資への評価が急速に戻りました。一方、通信サービスや生活必需品、ヘルスケアは下落しており、市場全体が均等に買われたわけではありません。指数の上昇率以上に、資金がAIインフラへ集中した一日と見ています。
  • Dow30(52,208.06、前日比+1.19%)
    Dow30は613.92ポイント上昇しました。Microsoftの急騰による寄与が大きかったほか、金融や工業・産業にも買いが入り、5万2,000ドル台を回復しています。ただし、生活必需品や医薬品などの安定株は弱く、幅広い景気回復を織り込んだ上昇というより、指数構成銘柄の中でも成長力が高い企業へ資金が集中した結果です。長期投資家としては、1日の指数上昇より企業利益の持続性を確認したい局面です。
  • NASDAQ(25,122.18、前日比+2.78%)
    NASDAQは679.24ポイント上昇し、主要3指数で最大の上昇率となりました。Microsoft、Micron Technology、AMDに加え、メモリー、ストレージ、光通信、半導体製造装置まで買いが広がっています。AI需要がGPUだけではなく、データ保存、通信、電源、冷却を含む設備全体へ波及していることが改めて評価されました。ただし、Meta Platformsや一部ソフトウェア株は下落しており、AI関連でも利益率や設備投資負担による企業選別は続いています。
  • ドル円(159.50円、前日比-2.37%)
    ドル円は始値163.398円から一時163.739円まで上昇した後、157.923円まで急落し、159.50円で取引を終えました。短時間で約6円も円高が進んだため、日本当局による円買い・ドル売り介入が実施されたとの観測が強まりました。ただし、米国市場終了時点では財務省から正式発表はなく、介入の事実は確認されていません。なお、為替介入を決定するのは日銀ではなく財務省で、日銀は財務省の指示を受けて実務を行います。米国の経済指標やFRBの政策を受けたドル売り、月末の持ち高調整も円高を増幅した可能性があります。

原油先物・米10年国債利回り・VIX・金先物の動き

株式市場ではAI・半導体関連株が急反発し、恐怖指数と呼ばれるVIX指数は17台まで低下しました。一方、米10年国債利回りは4.663%へ上昇しており、株高と金利上昇が同時に進んでいます。WTI原油先物は前日の急騰後に小幅反落しましたが、中東情勢による供給不安は残っています。金先物も上昇し、市場が株式へ資金を戻しながら、地政学リスクやインフレにも備えていることが分かります。

  • WTI原油先物(84.14ドル、前日比-0.38%)
    WTI原油先物は前日の急騰後に小幅反落しました。高値85.94ドルから82.97ドルまで下げる場面があり、短期的な利益確定売りが出ています。ただし、中東での軍事衝突や米国の原油在庫減少を背景とした供給不安は解消していません。原油価格が80ドル台で高止まりすれば、輸送費や製造コストを通じてインフレを長引かせる可能性があります。
  • 米10年国債利回り(4.663%、前日比+0.89%)
    米10年国債利回りは0.041ポイント上昇しました。FRBが政策金利を据え置いた後も、原油高によるインフレ再加速や、将来の利上げを警戒する債券売りが続いています。通常、長期金利の上昇は高PER(株価収益率が高い)銘柄に不利ですが、この日はMicrosoftなどの好材料が金利上昇を上回り、NASDAQは大幅高となりました。
  • VIX指数(17.09、前日比-17.28%)
    恐怖指数と呼ばれるVIX指数は、前日の20.66付近から17.09まで急低下しました。Microsoftを中心にAI・半導体関連株が反発し、前日に強まった相場急落への不安が後退しています。17台は全面的な恐怖状態ではありませんが、米金利、中東情勢、原油価格の不確実性は残ります。1日の急低下だけで相場が安定したと判断するのは早いと考えます。
  • 金先物(4,166.90ドル、前日比+1.71%)
    金先物は69.90ドル上昇し、高値4,180.20ドルまで買われました。ドル安に加え、中東情勢、原油高、米国の財政やインフレへの警戒から、安全資産としての需要が強まっています。株価上昇と金価格上昇が同時に進んだ点から、市場は強気一辺倒ではありません。私は金を短期売買の対象ではなく、インフレや予期せぬ危機に備える資産として見る方が自然だと考えています。

私の米国株ポートフォリオ -1.34%(前日比)

私のポートフォリオは、S&P500連動ETFや投資信託、NASDAQ100、FANG+がそろって下落し、前日比-1.34%となりました。特にFANG+が-1.78%、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)が-1.62%と下落幅が大きく、前日の米国市場で見られた大型ハイテク株の調整が、日本市場の商品へ反映された形です。一方、GX超短期米国債は+0.09%となり、株式とは異なる値動きが分散効果を示しました。翌日の米国市場ではAI・半導体株が急反発していますが、日本市場の商品には時間差があります。長期投資では1日ごとの上下に反応せず、ETFを通じて市場全体へ投資し続ける姿勢を大切にしています。

経済指標発表結果

  • 国内総生産(GDP、前期比年率+1.5%)
    第2四半期のGDP速報値は+1.5%となり、市場予想の+2.1%、前回の+2.1%を下回りました。米国経済は成長を維持しているものの、勢いは鈍化しています。通常なら利下げ期待を高めやすい結果ですが、同時に発表された物価指標が強かったため、株式市場は景気減速よりもインフレ再加速を強く警戒しました。
  • GDP物価指数(前期比年率+6.3%)
    GDP物価指数は+6.3%と、市場予想の+4.1%、前回の+3.6%を大きく上回りました。経済全体の物価上昇圧力が再び強まったことを示しており、FRBが利下げへ動きにくい内容です。米10年国債利回りは上昇しやすくなりましたが、この日は好決算を発表したAI・半導体関連株への買いが金利上昇を上回りました。
  • PCE価格指数(第2四半期、前期比年率+5.1%)
    第2四半期のPCE価格指数は+5.1%となり、前回の+4.6%から伸びが加速しました。PCEはFRBが金融政策を判断する際に重視する物価指標です。GDPの伸びが鈍化する一方で物価上昇率が高まる状況は、スタグフレーション(景気停滞と物価上昇が同時に進む状態)への警戒を強める組み合わせです。
  • コアPCE価格指数(前月比+0.1%、前年比+3.3%)
    変動の大きい食品とエネルギーを除くコアPCEは、前月比+0.1%と市場予想の+0.2%を下回り、前年比では+3.3%と予想通りでした。月次では物価上昇の鈍化が見られましたが、第2四半期全体では+3.40%と依然高い水準です。短期的な改善と基調的なインフレ圧力が混在しており、FRBには判断しにくい内容です。
  • 個人消費支出(前月比-0.1%)
    個人消費支出は前月比-0.1%となり、市場予想と一致しましたが、前回の+0.5%から減少へ転じました。米国経済の約7割を占める個人消費に減速の兆しが表れています。ただし、実質個人消費は+0.4%を維持しており、物価上昇を除いた消費活動が急激に悪化したわけではありません。
  • 個人所得(前月比+0.2%)
    個人所得は+0.2%となり、市場予想の+0.3%、前回の+0.7%を下回りました。所得の伸びが鈍化すれば、今後の消費や企業売上にも影響する可能性があります。一方、支出も減少しているため、家計が高金利と物価高を警戒して支出を抑え始めた可能性も考えられます。
  • 新規失業保険申請件数(19.7万件)
    新規失業保険申請件数は19.7万件となり、市場予想の20.1万件を下回りました。失業保険を新たに申請する人が少ないことは、雇用市場が依然として堅調であることを示します。景気後退懸念を和らげる一方、雇用の強さが賃金と物価を押し上げる可能性もあり、FRBの利下げ期待を抑える要因となります。
  • 失業保険継続申請件数(178.2万件)
    継続申請件数は178.2万件となり、市場予想の180.0万件、前回の178.9万件を下回りました。失業者が再就職しやすい状態が続いていると解釈できます。GDP成長率は鈍化しましたが、雇用の急激な悪化は確認されておらず、米国経済が景気後退へ直ちに向かっている状況ではありません。
  • アトランタ連銀GDPNow(第3四半期、+5.0%)
    第3四半期の実質GDP成長率を推計するGDPNowは+5.0%を示しました。これは公式予測ではなく、発表済みの経済統計を機械的に反映した推計値です。第2四半期GDPが+1.5%へ減速した一方、次の四半期には再加速する可能性が示され、米国景気の底堅さを市場に印象付けました。

主要銘柄の決算発表結果

  • AAPL:Apple Inc.(先端技術(Technology))
    EPSは2.02ドルとなり、市場予想の1.89ドルを上回りました。売上高も1,094.2億ドルと、予想の1,088.6億ドルを上回っています。ただし通常取引で-1.41%、決算発表後の時間外取引でも-4.06%となりました。市場は今回の上振れだけでなく、今後の成長率、利益率、AI投資を実際の製品売上へ結び付けられるかまで厳しく評価しています。
  • AMZN:Amazon.com Inc.(一般消費材(Consumer Cyclical))
    EPSは5.75ドルと市場予想の1.81ドルを大幅に上回り、売上高も2,006億ドルと予想の1,961.6億ドルを上回りました。通常取引で+3.90%となった後、時間外取引ではさらに+7.92%上昇しています。電子商取引、クラウド、広告を組み合わせた収益構造の強さが数字に表れ、巨額のAI設備投資を利益成長と両立できるとの期待が高まりました。
  • MA:Mastercard Incorporated(金融(Financial))
    EPSは5.04ドルとなり、市場予想の4.77ドルを上回りました。売上高も93億ドルと予想の90.6億ドルを上回っています。通常取引では+2.49%でしたが、時間外取引は-0.34%と小幅に下落しました。決済額の増加を背景に業績は堅調ですが、好決算をある程度織り込んでいたため、発表後に上昇が加速するほどの驚きはなかったと考えられます。
  • SYK:Stryker Corporation(ヘルスケア(Healthcare))
    EPSは3.69ドルと市場予想の3.49ドルを上回り、売上高も66億ドルと予想の65.8億ドルを上回りました。それでも通常取引で-1.20%、時間外取引では-8.35%と大きく下落しています。決算数値そのものは堅調でしたが、市場は今後の利益率や成長見通しに対して、事前に高まっていた期待ほど強い内容ではないと判断した可能性があります。
  • BMY:Bristol-Myers Squibb Company(ヘルスケア(Healthcare))
    EPSは2.04ドルとなり、市場予想の1.61ドルを大幅に上回りました。売上高も129.7億ドルと予想の117.1億ドルを上回っています。通常取引で+2.80%、時間外でも+0.62%となりました。主力医薬品の特許切れという長期的な課題は残るものの、今回の業績は既存製品の収益力が市場想定より強いことを示しています。
  • MO:Altria Group Inc.(生活必需品(Consumer Defensive))
    EPSは1.48ドルとなり、市場予想の1.50ドルをわずかに下回りました。一方、売上高は61.1億ドルと予想の53.5億ドルを上回っています。株価は通常取引で-9.32%と急落し、時間外取引では+0.23%でした。高配当だけでは株価を維持できず、利益成長率や紙巻きたばこ以外の事業への移行速度が厳しく問われています。
  • SO:The Southern Company(公益事業(Utilities))
    EPSは1.13ドルと市場予想の0.99ドルを上回りましたが、売上高は69.8億ドルと予想の72.4億ドルを下回りました。通常取引では-1.78%、時間外取引は横ばいです。電力需要の長期的な増加期待は続いているものの、売上高の未達によって短期的な評価は伸びませんでした。AIデータセンター需要が今後どの程度利益へ反映されるかが焦点です。
  • PWR:Quanta Services Inc.(工業・産業(Industrials))
    EPSは4.24ドルと市場予想の3.29ドルを大きく上回り、売上高も95.6億ドルと予想の86.1億ドルを上回りました。株価は通常取引で+17.26%と急騰し、時間外取引でも+0.61%です。AIデータセンターの増設に伴う送電網、変電設備、電気工事への需要拡大が業績へ結び付き、AI投資の恩恵が半導体以外にも広がっていることを示しました。
  • MPWR:Monolithic Power Systems Inc.(先端技術(Technology))
    EPSは6.50ドルとなり、市場予想の5.85ドルを上回りました。売上高も9.806億ドルと予想の9.014億ドルを上回っています。通常取引で+5.40%となった後、時間外取引では+12.07%と一段高になりました。AIサーバーでは消費電力と発熱が増えるため、電圧を効率的に制御する電源管理半導体の需要拡大が強く評価されています。

主な経済ニュース

  • MicrosoftのAI投資が利益成長へ結び付き株価急騰
    Microsoftはクラウドと生成AI事業の成長を示し、株価は+15.51%と急騰しました。時価総額は1日で約4,500億ドル増え、米国企業として過去最大級の増加です。設備投資額が想定ほど膨らまなかったことも安心感につながり、AI投資では支出額よりも、利益と現金収入へ転換できるかが評価基準になっています。(Reuters:07/30、WSJ:07/30)
  • 半導体・メモリー・ストレージ株が一斉に反発
    Microsoftの決算を受け、半導体指数は約8%上昇しました。Micron Technology、AMD、Sandisk、Lam Researchなどが大幅高となり、買いはGPUからHBM(AI向け高速メモリー)、記憶装置、製造装置、光通信へ広がっています。AI設備投資の裾野の広さを市場が改めて評価した一日です。(Reuters:07/30、WSJ:07/30)
  • MetaはAI投資負担を警戒され大幅下落
    Meta PlatformsはAI関連費用の増加によってフリーキャッシュフロー(事業から得た現金から設備投資を差し引いた残り)が大幅に減少し、株価は-7.95%となりました。同じ巨額投資でも、Microsoftは利益成長が確認され、Metaは費用負担が注目されました。AI企業間の選別が一段と厳しくなっています。(Reuters:07/30、WSJ:07/30)
  • Amazonは好決算を受け時間外で約8%上昇
    AmazonはEPSが5.75ドル、売上高が2,006億ドルとなり、いずれも市場予想を上回りました。通常取引で+3.90%となった後、時間外取引では+7.92%上昇しています。電子商取引、広告、AWS(クラウド事業)の組み合わせにより、AI向け設備投資を利益へ結び付けられるとの期待が強まりました。(Yahoo! Finance:07/30)
  • Appleは予想を上回る決算でも時間外で下落
    AppleはEPSが2.02ドル、売上高が1,094.2億ドルとなり、市場予想を上回りました。それでも通常取引で-1.41%、時間外で-4.06%となっています。株価が決算前まで上昇していたことに加え、市場はAI機能の収益化、中国事業の持続性、今後の成長率に、さらに高い内容を求めていたと考えられます。(WSJ:07/30)
  • 米GDPは+1.5%へ減速する一方で物価圧力が残る
    第2四半期GDPは前期比年率+1.5%となり、市場予想の+2.1%を下回りました。一方、GDP物価指数は+6.3%、PCE価格指数は+5.1%へ上昇しています。景気の伸びが鈍る中で物価が高い状態は、FRBにとって政策判断が難しい組み合わせです。企業利益の持続性と金利上昇への耐久力が問われます。(Reuters:07/30)
  • FRB内部で利上げを求める反対票が3人に拡大
    FRBは政策金利を据え置きましたが、3人の委員が0.25ポイントの利上げを主張しました。新議長の下でこれほど反対票が出るのは異例で、インフレへの対応を巡る意見の隔たりが表面化しています。株式市場はMicrosoft決算を優先しましたが、長期債市場では金融政策の不透明感が残りました。(Reuters:07/30)
  • 米30年国債利回りが2007年以来の高水準へ上昇
    米30年国債利回りは5.2%台へ上昇し、2007年以来の高水準となりました。原油高や物価上昇に加え、FRBがインフレ抑制に十分動くのかという不安が長期債売りにつながっています。この日は大型ハイテク株の好決算が金利上昇を上回りましたが、高PER銘柄には無視できない水準です。(Reuters:07/30、WSJ:07/30)
  • ドル円が約6円急落し為替介入観測が強まる
    ドル円は163円台後半から一時157円台まで急落しました。取引量が短時間で急増したため、日本政府による円買い介入との観測が強まりましたが、当日時点で公式な確認はありません。為替介入を決定するのは財務省で、日銀はその指示を受けて実務を担当します。円建て米国資産には為替差損が生じやすい動きです。(Reuters:07/30、Bloomberg:07/30)
  • 米国とイランの緊張が原油と金利の不安定要因に
    米国とイランを巡る軍事的緊張が続き、原油市場は大きな値動きとなっています。WTI原油先物はこの日84ドル台へ小幅反落しましたが、供給障害への警戒は消えていません。原油高が長期化すれば、輸送費や製造コストを通じて物価を押し上げ、FRBの利上げ観測と米長期金利の上昇につながります。(Reuters:07/30)

経済指標発表予定

以下の経済指標が発表される予定です。

主要銘柄の決算発表予定

以下の主要銘柄の決算発表がなされる予定です。

おわりに

7月30日の米国株式市場は、AI・半導体関連が大きく反発する一方、物価上昇と米長期金利の上昇、ドル円の急変動も重なりました。指数だけを見れば強い一日でしたが、市場の中では企業ごとの利益成長や設備投資負担を厳しく選別する動きが続いています。

長期投資では、1日の上昇や下落に振り回されず、市場に居続けることが大切だと考えています。毎朝このブログを読んでいただき、ありがとうございます。

それでは、今日も一日、明るく元気に笑顔で過ごしましょう。

ご参考になりましたら、こちらから応援いただけると嬉しいです。

おことわり

投資は自己責任にてお願いします。
このブログには広告が挿入されています。この広告はGoogle社が読者の好みに応じて選んで提供しているものです。興味がございましたらご覧いただければ幸いです。投資に関する広告が表示されても、私の推奨ではないことをご理解ください。

図表のレファレンス

  • S&P500ヒートマップ: finviz
  • 主要3指数とドル円:  Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
  • セクター別騰落率: finviz
  • 経済指標結果/予定: investing.com日本語版
  • 決算発表結果/予定: investing.com日本語版
  • 主要指数の動き : Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
  • 自分の米ドル建ポートフォリオ:  Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ

著者プロフィール

室井一夫(Kazuo Muroi)
Muroi Universal Research on Investment LLC 代表社員
一級建築士・建築1級施工管理技士・工学修士
Facebookグループ「米国株_投資の部屋」管理人(約4.7万人)

米国株式市場と経済動向に関する情報を毎日発信しています。


コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です