室井のマーケット視点
9月2日の米国市場は、S&P500が+0.46%、Dow30が+0.56%、NASDAQが+0.45%と、3指数がそろって上昇しました。ただし、相場全体が素直に買われたわけではありません。DellはAIサーバーの旺盛な需要を背景に15.81%上昇した一方、金利上昇に弱いソフトウェア株は大きく売られました。
この日は素材が+1.83%、通信サービスが+1.16%、金融が+1.15%となり、上昇の中心が大型ハイテク株だけではなかった点に注目しています。鉄鋼価格の上昇、銀行の利ざや改善、広告・データ事業への期待など、それぞれ異なる理由で資金が動きました。指数以上に、業種間の資金移動が活発な一日だったと感じます。
一方、WTI原油先物は90.49ドル、米10年国債利回りは4.796%です。米国とイランの戦闘激化、40兆ドルを超えた政府債務もあり、インフレと金利の上昇は軽視できません。VIX指数が15.23まで低下している点には、少し楽観的すぎる印象もあります。
市場には強さと危うさが同居しています。それでも長期投資では、毎日の上下を予想して売買するより、企業の利益成長を確認しながら市場に居続けることが大切です。私は今回も慌てず、ETFを保有し続けます。
投資は自己責任にてお願いします。
S&P500ヒートマップ
5%以上上昇したS&P500構成銘柄
- DELL:Dell Technologies +15.81%
AI向けサーバーの需要拡大を受け、通期の売上高と利益見通しを大幅に引き上げたことから急騰しました。第2四半期の売上高は前年同期比58%増の470億ドル、調整後EPS(1株当たり利益)は7.04ドルとなり、ともに市場予想を上回りました。AIサーバーの受注残は950億ドルに達しており、データセンター投資が依然として強いことを示しています。 - RDDT:Reddit +9.31%
GoogleやOpenAIなどとのAI向けデータ利用契約について、更新リスクは株価へ十分に織り込まれたとのアナリスト評価を受けて買い戻されました。株価は前日まで年初来で大きく下落していたため、割安感に注目した資金も流入したようです。広告事業に加え、投稿データをAI企業へ提供するライセンス収入が中長期の成長源として期待されています。 - CHTR:Charter Communications +8.74%
Cox Communicationsの買収完了を受け、顧客基盤の拡大や重複費用の削減による収益改善を期待した買いが入りました。ブロードバンド契約者の減少は引き続き課題ですが、買収後の規模拡大と携帯電話事業の成長によって補える可能性があります。これまで株価が低迷していた反動もあり、見直し買いが膨らみました。 - SWKS:Skyworks Solutions +6.32%
Dellの好決算によってAI関連の設備投資が続くとの安心感が広がり、半導体株全体への買いが波及しました。Skyworksはスマートフォン向け高周波半導体への依存度が高い一方、車載機器や通信インフラ向け製品の拡大を進めています。この日は大口投資家とみられる積極的な買いも観測され、株価上昇が加速しました。 - XYZ:Block +5.88%
Piper Sandlerが投資判断を2段階引き上げて「オーバーウエート」としたことが好感されました。同社はAIの活用と人員削減によって経費を抑え、Cash AppやSquareの成長を利益へ結び付けやすくなっています。将来の利益成長と比べて現在の株価評価が低いとの指摘もあり、フィンテック(金融とITを組み合わせたサービス)株の中で買いが集まりました。 - STLD:Steel Dynamics +5.79%
米国の熱延鋼板先物が1トン当たり1,222ドルと約4年ぶりの高値へ上昇し、鋼材価格の上昇による利益拡大を期待した買いが入りました。米国とカナダの通商摩擦に伴う鉄鋼関税が輸入材の価格を押し上げ、米国内メーカーの販売環境を改善しています。Nucorなど同業他社も上昇し、鉄鋼株全体が買われました。 - BBY:Best Buy +5.29%
前週の決算発表後に売られた反動から、業績見通しの引き上げを改めて評価する買いが入りました。同社はAI対応パソコンや高機能家電への需要を背景に、通期売上高と調整後EPSの予想を上方修正しています。家電需要には慎重さが残りますが、AI機器、広告、サービスなど利益率の高い分野を伸ばす方針が見直されました。
5%以上下落したS&P500構成銘柄
- PANW:Palo Alto Networks -9.28%
第4四半期の売上高は34.1億ドル、調整後EPS(1株当たり利益)は1.02ドルとなり、市場予想を上回りました。しかし、株価が決算前まで最高値圏にあり、2027年度の会社予想に一段高い成長を期待していた投資家が利益を確定しました。好決算でも期待を大幅に超えなければ売られる、現在のサイバーセキュリティ株の難しさが表れています。 - DDOG:Datadog -6.53%
米長期金利と原油価格の上昇を受け、株価評価の高いソフトウェア株から資金が流出しました。Datadogは8月の決算で売上高と利益が予想を上回った一方、受注の伸び鈍化と第3四半期の慎重な見通しを示しています。Palo Alto Networksを起点としたソフトウェア株への売りが広がり、同社にも利益確定売りが膨らみました。 - EIX:Edison International -6.14%
カリフォルニア州の山火事に伴う電力会社の損害賠償責任を軽減する法案が、十分な保護策を盛り込めないまま採決を見送られたことから続落しました。同社は2025年1月のイートン火災を巡る巨額負担の可能性を抱えています。将来の賠償額を予測しにくい状態が続き、公益株としては例外的に高いリスクを警戒した売りが出ています。 - PLTR:Palantir Technologies -5.81%
個別の大きな悪材料はありませんでしたが、米長期金利の上昇を受けて高PER(株価が利益の何倍まで買われているかを示す指標)のソフトウェア株が売られました。Palantirは8月に約51%上昇しており、短期間で株価が過熱していた反動もあります。業績の成長期待は強いものの、期待値の高さが相場変動時の弱点となりました。 - CRWD:CrowdStrike Holdings -5.42%
Palo Alto Networksの決算後にサイバーセキュリティ株全体へ売りが波及しました。CrowdStrike固有の重大な悪材料というより、これまで上昇していたソフトウェア株からAIサーバーや半導体株へ資金が移動した影響が大きかったようです。高い成長率への期待が株価へ織り込まれているため、金利上昇時には利益確定売りが出やすくなります。 - PCG:PG&E -5.19%
カリフォルニア州の山火事に関する賠償制度への不安が続き、同社は経営・財務体制の戦略的な見直しを開始しました。さらに、2027年の設備投資計画を20億ドル減らし、114億ドルへ変更する方針を発表しています。賠償負担への備えが必要になる一方、投資削減によって将来の利益成長が鈍る可能性もあり、売りが続きました。 - OMC:Omnicom Group -5.03%
目立った個別の悪材料はありませんでしたが、直近で株価が1年ぶりの高値圏まで上昇していたため、利益確定売りが優勢となりました。広告業界では生成AIによって制作業務が自動化され、従来型広告代理店の収益が圧迫されるとの警戒が残っています。Interpublic買収後の統合作業や高金利による財務負担もあり、慎重な見方が強まりました。
セクター別騰落率
市場全体では11セクター中9セクターが上昇し、素材、通信サービス、金融が1%を超える上昇となりました。米長期金利の上昇を受けて高PERのソフトウェア株が売られる一方、鉄鋼、銀行、決済、インターネット関連へ資金が移動しました。AI関連でもDellやNVIDIAが上昇した一方、サイバーセキュリティ株は下落しており、業種や企業による選別が鮮明な一日でした。
- 素材(Basic Materials) +1.83%
全11セクター中で最大の上昇となりました。米国の熱延鋼板先物が1トン当たり1,222ドルと約4年ぶりの高値へ上昇し、Steel DynamicsやNucorなどの鉄鋼株が買われました。米国とカナダの通商摩擦に伴う関税が輸入鋼材の価格を押し上げ、米国内メーカーの収益改善につながるとの期待が高まりました。工業用金属にも買いが広がり、素材セクター全体が上昇しました。 - 通信サービス(Communication Services) +1.16%
Meta PlatformsやNetflixが2%を超えて上昇し、Alphabetも堅調に推移しました。RedditはAI企業とのデータ利用契約に対する過度な懸念が後退し、9.31%上昇しました。Googleが広告技術事業の強制分割を回避したことも、大型インターネット企業への安心感につながりました。広告、動画配信、AI向けデータ事業を持つ企業に買いが集まりました。 - 金融(Financial) +1.15%
JPMorgan ChaseやBank of Americaなどの銀行株に加え、Visa、Mastercard、American Expressなどの決済関連株も上昇しました。米長期金利の上昇は株式市場全体には警戒要因ですが、銀行には貸出金利と預金金利の差による収益改善が期待できます。米国景気と個人消費の底堅さも評価され、株価評価の高いソフトウェア株から金融株へ資金が移動しました。
主要3指数とドル円の動き
米国市場は3指数がそろって上昇しました。Dellの好決算によってAI向け設備投資の継続が確認され、NVIDIAなどの半導体株にも買いが広がりました。一方、米長期金利の上昇を受けてソフトウェア株は売られており、AI関連なら何でも上がる相場ではありませんでした。素材、通信サービス、金融が上昇を主導し、市場全体としては押し目買いが優勢となりました。
- S&P500(7,666.60、前日比+0.46%)
S&P500は35.13ポイント上昇しました。11セクター中9セクターが上昇し、素材、通信サービス、金融が指数を押し上げました。Dellの好決算でAIサーバー需要の強さが確認されたほか、鉄鋼価格の上昇を受けて素材株にも買いが広がっています。高PERのソフトウェア株は下落しましたが、資金が市場内を循環したことで指数全体は堅調に推移しました。 - Dow30(53,061.95、前日比+0.56%)
Dow30は295.07ドル上昇し、53,000ドル台を回復しました。NVIDIA、Disney、American Express、Boeing、Goldman Sachsなどが上昇をけん引しました。米長期金利の上昇は市場全体には警戒要因ですが、銀行株には貸出金利と預金金利の差による収益改善が期待できます。大型株へ幅広く買いが入り、3指数の中で最も高い上昇率となりました。 - NASDAQ(26,217.83、前日比+0.45%)
NASDAQは118.05ポイント上昇しました。Dellが15.81%、NVIDIAが3%を超えて上昇し、AIサーバーや半導体関連への資金流入が続きました。一方、Palo Alto Networks、Datadog、Palantir、CrowdStrikeなどのソフトウェア株は大幅に下落しています。AI投資の中心が、株価評価の高いソフトウェア企業から実際の設備需要を取り込む企業へ移った一日でした。 - ドル円(158.6980円、前日比-0.90%)
ドル円は160.1420円で始まった後、一時160.3940円まで上昇しましたが、158.1940円まで急落しました。日銀の高田創審議委員と植田総裁の発言から追加利上げへの警戒が強まったほか、日米当局者が円相場の安定を重視する姿勢を示したため、円買いが加速しました。為替介入やレートチェック(当局が銀行へ相場水準を問い合わせること)との観測も出ましたが、実際に介入が行われたとの確認はありません。
原油先物・米10年国債利回り・VIX・金先物の動き
株式市場では主要3指数がそろって上昇し、VIX指数は15台まで低下しました。一方、原油と金は上昇しており、投資家が中東情勢とインフレ再燃に備える姿勢も残っています。米10年国債利回りは前日と同水準でしたが、一時4.806%まで上昇しました。株価は落ち着きを取り戻したものの、原油高と高金利への警戒が消えたわけではありません。
- WTI原油先物(90.49ドル、前日比+0.30%)
WTI原油先物は一時92.29ドルまで上昇した後、上げ幅を縮小しました。米国の週間原油在庫が市場予想の110万バレル減を大きく上回る450万バレル減となり、供給の引き締まりが確認されました。製油所の稼働率上昇と原油輸出の増加に加え、米国とイランの緊張も価格を押し上げています。90ドル台の原油はインフレと企業コストの上昇につながるため、株式市場にも無視できない水準です。 - 米10年国債利回り(4.796%、前日比0.00%)
米10年国債利回りは一時4.806%まで上昇しましたが、終値は前日と同じ4.796%となりました。原油高によるインフレ再燃、米国の財政赤字、国債発行の増加を巡る懸念から、利回りには上昇圧力が残っています。一方、民間雇用指標の弱さと原油価格の高値からの反落を受け、債券売りは一服しました。5%に近い長期金利は、住宅や自動車の借入費用だけでなく、高PER銘柄の株価にも影響します。 - VIX指数(15.23、前日比-6.79%)
VIX指数は1.11ポイント低下し、15.23となりました。主要3指数がそろって上昇し、Dellの好決算をきっかけにAIサーバーや半導体株へ買いが戻ったため、投資家の短期的な不安が和らぎました。VIXは20を下回ると比較的落ち着いた相場とされます。ただし、米国とイランの緊張、原油高、米10年国債利回りの5%接近を考えると、市場がリスクを楽観し過ぎていないかは確認しておきたいところです。 - 金先物(4,431.80ドル、前日比+0.81%)
金先物は35.40ドル上昇しました。米長期金利とドルが日中の高値から下がったことで、利息を生まない金を保有する不利がやや薄れました。米国とイランの緊張を受けた安全資産需要に加え、民間雇用指標の弱さも買いにつながっています。株価と金が同時に上昇した点から、市場は株式を買いながら地政学リスクにも備えていると考えられます。長期投資では、純金を資産の一部に組み入れる意味が残る相場です。
私の米国株ポートフォリオ -1.01%(前日比)
私のポートフォリオは、すべての米国株関連商品が下落し、前日比-1.01%となりました。9月2日の日本市場で取引されたETFには、前日の米国市場でS&P500が-0.71%、NASDAQが-1.03%となった動きが反映されています。中東情勢の緊張による原油高と米長期金利の上昇が、株価を押し下げました。
FANG+が-1.45%と最も大きく下落し、S&P500連動ETFとNASDAQ100連動ETFも約1%下落しました。一方、米国連続増配株ETFは-0.34%にとどまり、高配当・増配銘柄の値動きの安定性が表れています。eMAXIS Slim米国株式(S&P500)も-0.40%となりました。1%を超える下落は気分のよいものではありませんが、保有商品ごとの値動きは想定した範囲です。成長株が弱い日に増配株が下落を抑える動きは、ETFを組み合わせている意味を実感させてくれます。
長期投資ですから、日々の上下で売買せず、今までどおり保有を続けます。
経済指標発表結果
- ADP非農業部門雇用者数(3.8万人増、予想4.7万人増、前回4.6万人増)
8月の民間雇用者数は市場予想を下回り、1月以来の低い伸びとなりました。教育・医療、レジャー、建設では雇用が増えましたが、製造業と専門サービスでは減少しています。雇用の減速はFRBの追加利上げを慎重にさせる要因であり、株価には安心材料となりました。ただし、9月4日発表の雇用統計を確認するまでは、金融政策の方向を断定できません。 - ベージュブック(米地区連銀経済報告)
米国の経済活動はわずかに拡大し、雇用も小幅に増加しました。物価は多くの地域で緩やかに上昇し、エネルギー、原材料、医療などのコスト増加が報告されています。一方、消費者の価格への敏感さが強く、企業はコスト上昇分を十分に販売価格へ転嫁できていません。景気後退を示す内容ではありませんが、FRBにとってはインフレと雇用減速の両方を警戒する難しい状況です。 - 米週間原油在庫(445.0万バレル減、予想40.0万バレル減、前回9.5万バレル増)
原油在庫は市場予想を大幅に上回る減少となりました。製油所稼働率が98%まで上昇し、原油輸出も増えたことが在庫減少の主因です。WTI原油先物は90ドル台を維持し、エネルギー関連企業には収益面でプラスとなりました。一方、原油高はガソリン価格や輸送費を通じて物価を押し上げるため、FRBの利上げ観測と米長期金利の高止まりにつながります。 - 製造業新規受注(前月比+0.9%、予想+0.7%、前回-0.2%)
7月の製造業新規受注は市場予想を上回り、前月の減少から回復しました。民間航空機・部品の受注が12.7%増加した影響が大きく、自動車や機械の受注も伸びています。AI関連を含む企業の設備投資需要が製造業を支えている一方、輸送機器を除く伸びは+0.6%にとどまりました。景気の底堅さを示しますが、金利上昇を招くほどの過熱感はありません。 - 耐久財受注(国防を除く前月比+1.3%、輸送を除く前月比+0.4%)
国防を除く耐久財受注は前月と同じ+1.3%、輸送機器を除く受注も前月と同じ+0.4%となりました。航空機など変動の大きい分野だけでなく、幅広い製造業で需要が維持されています。企業の設備投資が急減していないことは工業・産業株には安心材料です。ただし、高い借入金利と原材料費が続けば、今後の設備投資が鈍る可能性には注意が必要です。
主要銘柄の決算発表結果
- AVGO:Broadcom(先端技術(Technology))
BroadcomのEPSは3.32ドルと市場予想の3.21ドルを上回り、売上高も295.9億ドルと予想の292.5億ドルを上回りました。しかし、第4四半期の売上高見通しが348億ドルと市場予想の350.3億ドルを下回り、AI半導体の成長期待を十分に満たせませんでした。株価は通常取引で0.60%下落し、時間外でも4.42%安の351.00ドルとなりました。 - HPE:Hewlett Packard Enterprise(先端技術(Technology))
HPEのEPSは1.11ドルと市場予想の0.92ドルを上回り、売上高も122億ドルと予想の119.3億ドルを上回りました。AIサーバーとネットワーク機器の需要が強く、年間売上高見通しも引き上げています。一方、半導体やメモリーの供給制約と部品価格の上昇が2028年まで続く可能性を示しました。通常取引では1.89%上昇しましたが、時間外では1.23%下落しました。 - NTAP:NetApp(先端技術(Technology))
NetAppのEPSは2.58ドルと市場予想の2.11ドルを大幅に上回り、売上高も20.3億ドルと予想の18.3億ドルを上回りました。AIの普及に伴うデータ保存需要が、ストレージ製品の販売拡大につながっています。次期の売上高とEPS見通しも市場予想を上回りましたが、株価が年初から大きく上昇していたため利益確定売りが集中しました。通常取引で1.35%下落し、時間外では9.61%安となりました。 - BF.B:Brown-Forman(生活必需品(Consumer Defensive))
Brown-FormanのEPSは0.38ドルと市場予想の0.3696ドルを上回りましたが、売上高は9.11億ドルとなり、予想の9.1795億ドルをわずかに下回りました。ウイスキーやテキーラの販売は弱かったものの、缶入りカクテルなどのRTD(開封後すぐ飲める酒類)は伸びました。通期見通しを維持したことで安心感が広がり、通常取引で3.87%上昇し、時間外でも2.26%高となりました。
主な経済ニュース
- 米国とイランが7月以来最大規模の攻撃を応酬
米軍はイラン南部の防空設備、レーダー、海上施設などを攻撃し、イランはバーレーン、ヨルダン、クウェート、イラクの米軍拠点を標的に反撃しました。ホルムズ海峡を通過するタンカーも減少し、原油供給への不安が再び強まっています。戦闘が長引けば原油高、インフレ、金利上昇を通じて米国企業の利益を圧迫する可能性があります。(Reuters:09/02) - 米10年国債利回りの5%接近が株式市場の新たな警戒要因
米10年国債利回りは一時4.806%まで上昇し、5%が目前となりました。原油高によるインフレ、根強い物価上昇、米国債の供給増加が利回りを押し上げています。5%近い国債利回りは、株式より安全性の高い債券の魅力を高めるため、高PERの成長株には厳しい環境です。企業決算の発表が一巡した後は、金利の影響がさらに大きくなりそうです。(Reuters:09/02) - 米国債務が40兆ドルを突破し利払い負担が拡大
トランプ大統領は財政支出の抑制を掲げてきましたが、米国の政府債務は40兆ドルを超えました。減税、社会保障費、医療費に加え、イランとの戦争費用と国債金利の上昇が財政を圧迫しています。債務増加によって国債発行がさらに増えれば、長期金利が高止まりする可能性があります。住宅、企業融資、株価評価にも影響するため、長期投資家にも重要な問題です。(Reuters:09/02) - Dellの好決算がAIインフラ投資の継続を確認
Dellは第2四半期の売上高が前年同期比58%増の470億ドルとなり、通期売上高見通しを1,670億ドルから1,920億ドルへ引き上げました。AI向けサーバーの受注残は950億ドルに達しています。株価は15.81%上昇し、NVIDIAなどにも買いが広がりました。AI投資が半導体だけでなく、サーバー、ストレージ、通信、冷却設備まで続いていることが確認できました。(Reuters:09/02) - 円が急上昇しドル円は158円台へ下落
ドル円は一時160.3940円まで上昇した後、158円台まで急落しました。日銀の高田創審議委員と植田総裁の発言から追加利上げへの警戒が高まったほか、日米当局者が円相場の安定を求める姿勢を示しました。為替介入やレートチェック(当局が銀行へ相場水準を問い合わせること)との観測も出ましたが、実際に介入が行われたとの確認はありません。(Reuters:09/02) - ベージュブックは緩やかな景気拡大と物価上昇を報告
FRBのベージュブック(米地区連銀経済報告)は、米国の経済活動がわずかに拡大し、雇用も小幅に増えたと報告しました。物価は多くの地域で緩やかに上昇していますが、消費者の節約姿勢が企業の値上げを難しくしています。景気後退を示す内容ではない一方、インフレも十分には収まっておらず、FRBは雇用減速と物価の両方を見ながら判断することになります。(Reuters:09/02) - Googleが広告技術事業の強制分割を回避
米連邦裁判所は、司法省が求めていたGoogleの広告取引所AdXの売却を認めず、事業分割を回避させました。Googleには競合企業へリアルタイムの入札情報を提供するなどの是正措置が命じられますが、広告事業の中核を維持できます。Alphabetの事業基盤に対する重大な不安が後退し、同社株だけでなく通信サービスセクター全体にも安心感が広がりました。(Reuters:09/02) - Broadcomは好決算でも売上高見通しが期待に届かず
BroadcomはEPSと売上高が市場予想を上回りましたが、第4四半期の売上高を348億ドルと予想し、市場予想の350.3億ドルに届きませんでした。独自設計のAI半導体を巡る競争激化も警戒され、時間外株価は4.42%下落しました。AI需要が強くても、株価に高い成長期待が織り込まれた企業は、わずかな見通しの未達でも売られる局面となっています。(Reuters:09/02) - Snowflakeが通期見通しを引き上げ時間外で急騰
SnowflakeはAI機能とクラウドデータ基盤の需要拡大を受け、2027年度の製品売上高見通しを58.4億ドルから60.7億ドルへ引き上げました。第2四半期の製品売上高は前年同期比37%増の14.9億ドルとなり、時間外株価は20%を超えて上昇しました。AIの活用には大量のデータを保存、整理、分析する仕組みが不可欠であり、企業のAI投資が同社の収益へ結び付いています。(Reuters:09/02) - Uberが全従業員の10%に当たる約3,300人を削減
Uberは新型コロナ流行後で最大となる約3,300人の人員削減を発表しました。組織階層を減らして意思決定を速め、削減した費用を自動運転などの成長分野へ振り向けます。WaymoやTeslaのロボタクシーとの競争が強まるなか、Uberは自動運転関連へ100億ドルを超える投資を進めています。現在の収益を守りながら将来の移動市場へ対応するための再編です。(Reuters:09/02)
経済指標発表予定
以下の経済指標が発表される予定です。
主要銘柄の決算発表予定
以下の主要銘柄の決算発表がなされる予定です。
おわりに
米国株市場は3指数がそろって上昇しましたが、AIサーバーや半導体が買われる一方で、ソフトウェア株は売られました。原油は90ドル台、米10年国債利回りは5%目前です。指数の上昇だけを見て安心できる相場ではありませんが、Dellの決算からはAI関連の設備投資が続いていることも確認できました。
私のポートフォリオは-1.01%でした。この程度の上下は長期投資では何度も経験します。相場が不安定なときほど慌てて動かず、企業の利益と市場全体の流れを見続けることが大切だと思っています。
毎朝お読みいただき、ありがとうございます。それでは、今日も一日、明るく元気に笑顔で過ごしましょう。
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おことわり
投資は自己責任にてお願いします。
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図表のレファレンス
- S&P500ヒートマップ: finviz
- 主要3指数とドル円: Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
- セクター別騰落率: finviz
- 経済指標結果/予定: investing.com日本語版
- 決算発表結果/予定: investing.com日本語版
- 主要指数の動き : Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
- 自分の米ドル建ポートフォリオ: Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
著者プロフィール
室井一夫(Kazuo Muroi)
Muroi Universal Research on Investment LLC 代表社員
一級建築士・建築1級施工管理技士・工学修士
Facebookグループ「米国株_投資の部屋」管理人(約4.7万人)
米国株式市場と経済動向に関する情報を毎日発信しています。
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