室井のマーケット視点
7月13日の米国市場は、S&P500が-0.79%、Dow30が-0.26%、NASDAQが-1.55%となり、先端技術株を中心に下落しました。半導体、AIインフラ、クラウド関連など、これまで上昇率の高かった銘柄に利益確定売りが集中しています。
この日の相場を動かした中心は、ホルムズ海峡をめぐる緊張と原油価格の急騰です。WTI原油先物は+9.45%の78.16ドルまで上昇し、エネルギー(Energy)は+2.73%となりました。一方、先端技術(Technology)は-2.39%、工業・産業(Industrials)は-1.44%となり、資金が成長株からエネルギー株へ大きく移動しています。原油高は、石油会社には収益拡大要因となりますが、株式市場全体には簡単な問題ではありません。ガソリン代、輸送費、原材料費の上昇を通じて物価を押し上げれば、FRBの利下げが遅れる可能性があります。米10年国債利回りが4.609%へ上昇したことも、高PER(株価収益率が高い銘柄)のAI・半導体株には厳しい環境でした。とはいえ、今回の下落をAI需要そのものの失速と見るのは早いと思います。AppLovin、Sandisk、Marvell Technology、Oracle、Lam Researchなどは大きく下落しましたが、いずれも業績期待やAI設備投資の拡大を織り込んで株価が上昇してきた企業です。市場は、AI関連であれば一律に買う段階から、設備投資負担、利益率、キャッシュフロー、株価水準を企業ごとに見極める段階へ移っています。
恐怖指数と呼ばれるVIX指数は+14.17%上昇しましたが、終値は17.16であり、全面的な恐怖状態の目安となる20は下回っています。株式市場から資金が一斉に逃げたのではなく、エネルギー、生活必需品、公益事業などへ移動したと見る方が実態に近いでしょう。
ドル円は162.45円まで上昇しました。米金利上昇によるドル買いに加え、日本は原油輸入国であるため、原油高による貿易収支悪化への懸念も円売りにつながっています。円建ての米国資産にはプラスですが、輸入物価の上昇や為替介入の可能性を考えると、単純に歓迎できる円安ではありません。
ホルムズ海峡をめぐる動きは、今後も予断を許しません。通航障害が長期化すれば、原油価格、インフレ、金利、企業利益を通じて米国株全体へ影響が広がる可能性があります。一方で、明日からは米国主要企業の決算発表が本格化します。私は地政学ニュースだけでなく、企業が原油高や高金利の中でも利益成長を維持できているか、AI設備投資が実際の売上高や利益へ結び付いているかに注目していきます。
長期投資では、日々の指数下落より、企業利益の方向と市場内部の資金移動を見ることが重要です。私は、今回の動きをAI相場の終わりではなく、割高になった銘柄を選別し直す調整局面と捉えています。
投資は自己責任にてお願いします。
S&P500ヒートマップ
5%以上上昇したS&P500構成銘柄
- INTU:Intuit Inc. +5.38%
会計ソフト「QuickBooks」や税務申告ソフト「TurboTax」を展開するIntuitは、ソフトウェア株への買い戻しにより上昇しました。同社株はAIによって既存サービスが代替されるとの懸念から大幅に調整していましたが、株価水準の低下に加え、人員削減による収益性改善やAI機能への投資集中が再評価されたとみられます。ただし、AIを実際の増収へ結び付けられるかが今後の焦点です。 - VLO:Valero Energy Corporation +5.38%
石油精製大手のValero Energyは、WTI原油先物の急上昇と中東情勢の緊迫化を受けて買われました。原油供給への不安からガソリンや軽油など石油製品の価格が上昇すると、クラックスプレッド(原油を精製して石油製品を販売する際の利幅)が拡大しやすくなります。同社は北米産原油を調達する比率が高く、海外からの供給混乱の影響を比較的受けにくい点も評価されました。 - PSX:Phillips 66 +5.27%
石油精製・輸送・化学事業を展開するPhillips 66は、原油価格と石油製品価格の上昇を背景に大幅高となりました。中東からの原油供給が滞るとの警戒が強まる一方、米国内の製油所は北米産原油を利用できるため、精製マージン(石油製品の販売価格から原油などの費用を差し引いた利益)の改善が期待されています。精製設備の稼働率向上やコスト削減も進んでおり、収益改善への期待が株価に反映されました。
5%以上下落したS&P500構成銘柄
- APP:AppLovin Corporation -12.65%
広告技術大手のAppLovinは、先端技術株から資金を引き揚げる動きに巻き込まれ、大幅安となりました。同社はAIを活用した広告配信の成長期待から株価が大きく上昇していたため、市場全体のリスク回避局面では利益確定売りが膨らみやすい銘柄です。業績の急変というより、高い成長期待を織り込んだ株価の調整という側面が強いとみられます。 - SNDK:Sandisk Corporation -12.63%
フラッシュメモリー大手のSandiskは、半導体株全体への売りが強まる中で急落しました。韓国市場でSK Hynixが大幅安となり、メモリー価格上昇とAI需要を前提に買われてきた関連銘柄へ利益確定売りが波及しました。同社株は過去1年間の上昇幅が大きく、メモリー市況の好調がいつまで続くかを慎重に見る投資家が増えたようです。 - MRVL:Marvell Technology, Inc. -7.75%
AIデータセンター向け半導体を手掛けるMarvell Technologyは、半導体株の一斉安により下落しました。カスタム半導体や高速通信分野の成長期待は続いていますが、AI設備投資の拡大が長期間維持できるかという不安から、高PER(株価収益率が高い銘柄)を中心に売りが優勢となりました。長期的な需要と短期的な株価調整は分けて考える必要があります。 - ORCL:Oracle Corporation -6.47%
クラウドとデータベースを展開するOracleは、AI関連投資への警戒が強まる中で売られました。同社はAI向けクラウド設備を急速に拡大していますが、巨額の設備投資が利益やキャッシュフローへ与える負担も注目されています。AI需要自体が弱まったというより、成長を実現するまでに必要な資金と時間を市場が改めて厳しく評価した動きです。 - INTC:Intel Corporation -6.12%
Intelは、世界的な半導体株安に押されました。SK Hynixを起点とするアジアの半導体株急落が米国市場にも波及し、製造設備への投資負担が大きいIntelにも売りが広がりました。同社は受託製造事業の再建とAI半導体市場での巻き返しを進めていますが、黒字化までの道筋には不透明感が残り、相場悪化時には売られやすい状況です。 - LRCX:Lam Research Corporation -5.83%
半導体製造装置大手のLam Researchは、メモリー関連株の急落を受けて下落しました。同社の製造装置はDRAMやNAND型フラッシュメモリーの増産に不可欠ですが、メモリー価格上昇がピークに近いとの警戒が強まれば、将来の設備投資計画にも慎重な見方が出ます。AI向け需要は堅調でも、半導体産業特有の景気循環には注意が必要です。 - ON:ON Semiconductor Corporation -5.83%
自動車・産業機器向け半導体を主力とするON Semiconductorは、半導体セクター全体の下落に加え、前年同期比の利益成長率がマイナスである点も嫌われました。AIデータセンター向け銘柄とは事業構成が異なり、電気自動車や産業機器需要の回復が収益改善の鍵となります。株価は半導体株の中でも景気動向に敏感な動きとなりました。 - STX:Seagate Technology Holdings -5.46%
ハードディスクドライブ大手のSeagate Technologyは、メモリー・データ保存関連銘柄への利益確定売りに押されました。AIデータセンターの拡大で大容量記憶装置の需要は増えていますが、同社株には将来の成長期待が相当程度織り込まれていました。半導体・記憶装置株全体の評価見直しが進み、業績の成長期待よりも株価水準への警戒が上回りました。 - COHR:Coherent Corporation -5.27%
光通信部品を手掛けるCoherentは、AIインフラ関連株への売りが広がる中で下落しました。データセンター内でGPU同士を高速接続する光通信需要は拡大していますが、同社株はAI関連の設備投資拡大を織り込んで大きく上昇していました。需要の長期的な成長性が否定されたのではなく、短期間で上がりすぎた株価の反動と考えるのが自然です。 - RL:Ralph Lauren Corporation -5.17%
高級衣料品大手のRalph Laurenは、原油価格の急上昇によるインフレ再燃への警戒から売られました。ガソリン価格や生活費が上昇すれば、消費者が衣料品などの裁量的支出を抑える可能性があります。同社はブランド力と利益率の高さを持つ一方、海外売上も多く、世界景気や為替の影響を受けやすいため、リスク回避局面で売りが膨らみました。 - TER:Teradyne, Inc. -5.14%
半導体試験装置大手のTeradyneは、半導体製造装置株への売りに連動して下落しました。AI半導体の高性能化に伴い試験工程の重要性は高まっていますが、株価には設備投資拡大への期待が大きく織り込まれていました。半導体市場は需要成長が続く一方で値動きも大きく、設備投資の減速懸念が出ると関連企業の株価が一斉に調整しやすくなります。
セクター別騰落率
市場全体では、原油高を背景にエネルギー(Energy)が大きく上昇した一方、先端技術(Technology)を中心に成長株が売られた。工業・産業(Industrials)、通信サービス(Communication Services)、素材(Basic Materials)も1%を超えて下落しており、地政学リスクとインフレ再燃への警戒から、資金がハイテク株から資源・エネルギー関連へ移動した一日であった。
- エネルギー(Energy) +2.73%
WTI原油先物が急上昇し、石油精製や石油開発関連を中心に買いが集まった。中東情勢の緊迫化による供給不安に加え、ガソリンや軽油など石油製品の価格上昇で、精製企業の利益率改善が期待された。株式市場全体が下落する中でも、エネルギー株はインフレ局面に比較的強い分野として選ばれた。 - 素材(Basic Materials) -1.08%
素材セクターは、世界景気の減速懸念と株式市場全体のリスク回避姿勢から下落した。原油価格の急騰は鉱山、化学、建材企業にとって輸送費や製造コストの上昇につながる。AIデータセンターや電力網整備による銅需要の長期的な拡大期待は残るものの、この日は短期的な景気不安が優勢であった。 - 通信サービス(Communication Services) -1.09%
大型インターネット広告やメディア関連企業を中心に売りが広がった。原油高によるインフレ再燃は、個人消費や企業の広告予算を圧迫する可能性がある。AI投資による収益拡大期待は続いているが、市場全体の変動率が上昇する中で、高い株価評価を受けてきた大型成長株から利益確定売りが出た。 - 工業・産業(Industrials) -1.44%
航空、物流、機械、建設関連を中心に下落した。原油高は燃料費や輸送費を押し上げ、企業の利益率を圧迫する要因となる。景気敏感株が多いセクターであるため、地政学リスクの高まりや将来の消費減速への警戒にも反応しやすい。ただし、データセンター建設や電力インフラ投資という長期需要は維持されている。 - 先端技術(Technology) -2.39%
先端技術セクターは全セクター中で最大の下落となった。半導体、AIインフラ、ソフトウェア関連を中心に利益確定売りが広がり、特に株価上昇が大きかった銘柄ほど下落率が拡大した。原油高によるインフレ再燃や長期金利上昇への警戒は、高PER(株価収益率が高い銘柄)に不利となる。AI需要の後退ではなく、株価水準の調整と見るのが自然である。
主要3指数とドル円の動き
- S&P500(7,515.34、前日比-0.79%)
S&P500は取引開始直後に7,565.37まで上昇しましたが、その後は売りが優勢となり、安値圏の7,515.34で取引を終えました。原油価格の急上昇によるインフレ再燃への警戒から、半導体やソフトウェアなど高PER(株価収益率が高い銘柄)を中心に売りが広がっています。一方、エネルギー株は上昇しており、市場全体から資金が一斉に逃げたというより、成長株から資源株へ資金が移動した一日でした。 - Dow30(52,498.64、前日比-0.26%)
Dow30は52,846.51まで上昇する場面がありましたが、終盤にかけて上げ幅を失い、小幅安で終了しました。構成銘柄にはエネルギー、金融、生活必需品などが多いため、先端技術株の比率が高いNASDAQより下落率は限定的でした。原油高は運輸や製造業にコスト増をもたらす一方、エネルギー企業には収益拡大要因となります。指数間の差には、各指数の業種構成が明確に表れています。 - NASDAQ(25,873.18、前日比-1.55%)
NASDAQは主要3指数の中で最も大きく下落しました。半導体、AIインフラ、クラウド、広告技術など、これまで上昇率が高かった銘柄に利益確定売りが集中しています。原油高が物価上昇を長引かせれば、FRBの利下げが遅れ、長期金利が高止まりする可能性があります。これは将来の利益期待で評価されるグロース株(高成長株)に不利です。ただし、AI需要の減速というより、株価水準と金利環境を見直す調整と考えています。 - ドル円(162.45円、前日比+0.48%)
ドル円は161.63円で始まり、162.48円まで上昇しました。原油高による米国のインフレ再燃懸念から、FRBが早期利下げへ動きにくくなるとの見方が強まり、米金利上昇とともにドル買いが進みました。日本は原油の多くを輸入しているため、原油高は貿易収支の悪化を通じて円売り要因にもなります。円建ての米国資産には為替面でプラスですが、162円台では政府・日銀による為替介入への警戒も必要です。
原油先物・米10年国債利回り・VIX・金先物の動き
添付図と情報源「原油先物・米10年国債利回り・VIX・金先物の動き」に従ってください。内部参照については消去して、直接ブログに貼り付けることができるHTMLで出力してください。
私の米国株ポートフォリオ
私の米国株ポートフォリオは前日比+0.32%となりました。日本市場で取引されるS&P500連動ETFや投資信託が+0.26%から+0.42%と上昇し、全体を押し上げました。iFreeETF FANG+も+0.19%、GX超短期米国債も+0.36%と堅調でした。
一方、MAXISナスダック100上場投信は-0.58%となり、AI・半導体など成長株への売りが反映されています。前夜の米国市場ではNASDAQの下落が大きかったものの、S&P500連動資産を中心に分散しているため、ポートフォリオ全体ではプラスを維持できました。
原油高、長期金利上昇、地政学リスクが重なる局面では、成長株の値動きが大きくなります。こうした日ほど、特定の分野へ偏りすぎず、ETFを通じて市場全体へ投資する方針の意味を感じます。
経済指標発表結果
- 3カ月物短期米国債入札(落札利回り3.760%、前回3.735%)
3カ月物短期米国債の落札利回りは3.760%となり、前回の3.735%から上昇しました。短期金利の高止まりは、FRBが早期利下げへ動きにくいとの見方を反映しています。株式市場では、高PER(株価収益率が高い銘柄)の先端技術株に不利となりやすく、この日のNASDAQ下落やドル高と方向性が一致しました。 - 6カ月物短期米国債入札(落札利回り3.860%、前回3.830%)
6カ月物短期米国債の落札利回りも3.860%へ上昇しました。原油価格の急騰でインフレ再燃への警戒が強まる中、市場は今後半年程度も政策金利が高い状態で続く可能性を織り込んでいます。短期債の利回り上昇はドル買いにつながりやすい一方、株式では将来利益の評価が下がりやすく、成長株への売りを強める要因となりました。 - 月次連邦財政収支(6月、-1,200億ドル、予想-1,358億ドル、前回-2,930億ドル)
6月の連邦財政収支は1,200億ドルの赤字となり、赤字額は市場予想の1,358億ドルや前月の2,930億ドルを下回りました。単月では改善していますが、米国の財政赤字と国債発行増加という中長期的な問題は残ります。国債供給が増えれば長期金利が上昇しやすくなるため、長期投資家としては日々の赤字額より、今後の国債需給と利払い負担を重視したいところです。
主要銘柄の決算発表結果
7/13には主要銘柄の決算発表はありませんでした。14日から決算発表期間が始まります。
主な経済ニュース
- 米国とイランの軍事衝突が再び激化
米国とイランによる攻撃の応酬が再開し、中東情勢への警戒が強まりました。トランプ大統領はイランへの海上封鎖を再開すると表明し、イラン側も湾岸地域への攻撃で対抗しています。株式市場では地政学リスクそのものより、ホルムズ海峡の混乱が原油供給と物価へ及ぼす影響が警戒されました。(Reuters:07/13) - ホルムズ海峡の通航不安で原油が急騰
原油輸送の要衝であるホルムズ海峡を巡り、船舶の通航量が大きく減少したとの報道から、WTI原油先物は前日比+9.45%の78.16ドルまで急騰しました。世界の原油供給が直ちに不足したわけではありませんが、タンカーや港湾施設への攻撃が続けば、価格へ上乗せされるリスクプレミアム(不確実性に対する追加価格)はさらに拡大します。(Reuters:07/13) - 原油高でインフレ再燃への警戒が強まる
原油価格の急上昇は、ガソリン代や輸送費、製品価格へ波及する可能性があります。市場では、インフレ鈍化を前提としたFRBの利下げシナリオが崩れるとの警戒が強まり、米10年国債利回りは4.609%まで上昇しました。原油高が一時的か長期化するかによって、今後の金融政策と企業利益への影響は大きく変わります。(Reuters:07/13) - AI・半導体株に世界的な利益確定売り
韓国市場でSK Hynixが15%を超えて急落し、Samsung Electronicsや日本の半導体関連株にも売りが広がりました。その流れは米国市場にも波及し、Sandisk、Marvell Technology、Intel、Lam Researchなどが大幅安となっています。AI需要が急減したというより、急上昇していた株価と高い市場期待を見直す動きが世界同時に起きました。(Financial Times:07/13) - NASDAQが主要3指数で最大の下落
NASDAQは前日比-1.55%となり、S&P500の-0.79%、Dow30の-0.26%を大きく下回りました。原油高と金利上昇が同時に進んだため、将来の利益を先取りして評価されるAI、半導体、クラウド、広告技術株が売られました。一方、エネルギー株は上昇しており、株式市場からの全面的な資金流出ではなく、分野間の大きな資金移動です。(Reuters:07/13) - エネルギー株が全面安の市場で逆行高
エネルギー(Energy)は前日比+2.73%となり、全11セクターで唯一1%を超えて上昇しました。Valero EnergyとPhillips 66は5%を超えて上昇し、原油価格やガソリン価格の上昇による精製利益の拡大が期待されています。ただし、原油高が長引けば世界景気を冷やすため、エネルギー企業にも需要減少として返ってくる点には注意が必要です。(Reuters:07/13) - 米国債利回り上昇で高PER銘柄が下落
原油高によるインフレ再燃への警戒から米国債が売られ、長期金利が上昇しました。金利上昇局面では、遠い将来の利益ほど現在価値が低く計算されるため、高PER(株価収益率が高い銘柄)が売られやすくなります。AppLovin、Oracle、Coherentなど、AI関連の成長期待から株価が大きく上昇していた企業ほど下落率が拡大しました。(Bloomberg:07/13) - ドル高・円安が進みドル円は162円台へ
ドル円は162.45円まで上昇しました。米国債利回りの上昇によってドル資産の利回り面での魅力が増したほか、日本は原油輸入国であるため、原油高による貿易収支悪化への懸念も円売りにつながりました。円建ての米国株資産には為替面でプラスですが、輸入物価の上昇や政府・日銀による為替介入の可能性も高まる水準です。(Bloomberg:07/13) - 金価格は安全資産需要に反して大幅下落
地政学リスクが高まったにもかかわらず、金先物は前日比-2.62%の4,006.10ドルまで下落しました。原油高によって米国の金利上昇観測が強まり、ドルも上昇したため、利息を生まない金の相対的な魅力が低下しました。安全資産だから必ず上昇するわけではなく、今回は地政学リスクより金利とドルの影響が勝った形です。(The Wall Street Journal:07/13) - VIX上昇も市場は全面的な恐怖状態には至らず
恐怖指数と呼ばれるVIX指数は前日比+14.17%の17.16まで上昇しました。中東情勢、原油高、金利上昇、半導体株安が重なり、投資家が株価変動の拡大に備えたためです。ただし、強い不安の目安となる20は下回っています。指数の下落は目立ちましたが、エネルギーや生活必需品などへ資金を移す冷静さも残っていました。(Reuters:07/13) - 市場の関心はインフレ指標と主要企業決算へ
今週は米国の物価指標に加え、大手銀行、Netflix、台湾積体電路製造などの決算が予定されています。市場予想ではS&P500企業の増益継続が見込まれていますが、原油高が企業コストや消費へ与える影響も確認されます。AI設備投資が実際の売上高と利益へどこまで結び付いているかが、半導体株の調整が一時的かを判断する重要な材料になります。(The Wall Street Journal:07/13)
経済指標発表予定
以下の経済指標が発表される予定です。
主要銘柄の決算発表予定
以下の主要銘柄の決算発表がなされる予定です。
おわりに
米国株市場は、中東情勢の緊迫化による原油急騰と米長期金利の上昇を受け、先端技術株を中心に下落しました。一方で、エネルギー株は上昇しており、市場全体から資金が逃げたというより、成長株から資源関連株へ資金が移動した一日です。私は、こうした局面ほど短期の値動きだけで判断せず、企業利益や市場全体の流れを見ることが大切だと考えています。AI需要そのものが失速したのではなく、株価水準や設備投資負担、金利環境によって企業ごとの選別が進んでいます。
毎朝このブログを続けられるのも、読んでくださる皆さまのおかげです。本日の内容が市場を落ち着いて見るための参考になりましたら、こちらから応援いただけると嬉しいです。
それでは、今日も一日、明るく元気に笑顔で過ごしましょう。
おことわり
投資は自己責任にてお願いします。
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図表のレファレンス
- S&P500ヒートマップ: finviz
- 主要3指数とドル円: Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
- セクター別騰落率: finviz
- 経済指標結果/予定: investing.com日本語版
- 決算発表結果/予定: investing.com日本語版
- 主要指数の動き : Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
- 自分の米ドル建ポートフォリオ: Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
著者プロフィール
室井一夫(Kazuo Muroi)
Muroi Universal Research on Investment LLC 代表社員
一級建築士・建築1級施工管理技士・工学修士
Facebookグループ「米国株_投資の部屋」管理人(約4.7万人)
米国株式市場と経済動向に関する情報を毎日発信しています。
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