10月15日 テクノロジー|TSMC最高益・KOSPI急落・米半導体株4.3%安

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本日の焦点は、TSMCが過去最高の純利益を発表した一方で、日本と韓国の半導体株が大きく売られ、決算の良さが株価に反映されにくい局面が続いていることです。韓国のKOSPI(韓国総合株価指数)は7.57%安の5,554.22で取引を終え、日経平均は約4.9%下落しました(Investing.com 10/15、Sensei.news 10/15)。米国でも10月14日に米半導体株指数(フィラデルフィア半導体株指数)が4.30%下げています(Sensei.news 10/15)。

前日までの記事で取り上げたASMLの決算、TSMCの決算前の見通し、米CPI(消費者物価指数)、サムスン電子の暫定決算、中国CXMTのDRAMは繰り返さず、今回はTSMCの確定した決算、本日のアジア市場の動き、韓国の輸出統計、日本のラピダスとCEATEC、NVIDIAの欧州投資、中国のヒューマノイド出荷統計を中心にまとめました。インドとロシアについては、前回記事以降に投資判断に使える新しい技術発表を確認できませんでした。10月14~15日に発表された大型のM&A(企業の合併・買収)や新規上場(IPO)も、本稿の調査では確認できていません。技術発表、企業の目標、市場予測、投資家向けの分析を区別しています。

本日の要点

  • 🇹🇼🇺🇸 TSMCの7~9月期は、売上が467.2億ドル(前年同期比41.2%増)、純利益が7,630億台湾ドル(68.7%増)でした。10~12月期の売上見通しは523億~543億ドルで、中央値は前期比約14.1%増です。ただし粗利益率の見通しは65~67%で、前期実績の66.4%と同じか低い水準です。
  • 🇰🇷🇯🇵 10月15日、KOSPIは7.57%安で7営業日連続の下落となり、日経平均は約4.9%安でした。AP通信の報道時点では、サムスン電子が9.7%安、SKハイニックスが11.1%安、東京エレクトロンが7.5%安、キオクシアが11.2%安でした。
  • 🇺🇸 10月14日の米国市場では、S&P500が1.1%安、ナスダックが1.9%安、米半導体株指数が4.30%安でした。アジア時間の米10年債利回りは5.11%と、10月14日朝の5.3%台から低下しました。
  • 🇰🇷 10月1~10日の韓国の輸出は261億ドル(前年同期比102.0%増)で、半導体は121億ドル(170.9%増)でした。ただし営業日が前年より2日多く、1日あたりに直すと約28%増です(本稿試算)。
  • 🇯🇵 ラピダスが10月5日に設計支援で17社との連携を発表し、2nm(ナノメートル)量産は2027年度後半の計画です。CEATEC 2026(10月13~16日)は821社・団体が出展し、「物理AI」が焦点です。
  • 🇺🇸🇪🇺 NVIDIAが欧州で追加20億ドルの投資を1週間以内に発表する方針です(10月13日)。IMF(国際通貨基金)は世界成長率を3.1%とする一方、AI関連株の調整を主要なリスクに挙げました。
  • 🇨🇳 中国メーカーが世界のヒューマノイド(人型ロボット)出荷の97%超を占めるとの統計が出ています(8月公表)。2026年上期の世界出荷は約1万9,100台で、首位は智元ロボット(AgiBot)です。

🇹🇼🇺🇸 TSMC:純利益7,630億台湾ドル、10~12月期は売上523億~543億ドルの見通し

TSMCは10月15日、2026年7~9月期の決算を発表しました。売上高は1兆4,942億台湾ドル(約467.2億ドル)で、前年同期比50.9%増(米ドルでは41.2%増)、前期比17.6%増です。純利益は7,630億6,400万台湾ドルで、前年同期比68.7%増、前期比8.0%増でした。1株利益は29.43台湾ドル(米国預託証券=ADR1株あたり4.60ドル)です。売上総利益率(売上から製造原価を引いた利益の割合)は66.4%、営業利益率は58.7%でした(TSMC 10/15)。7月に示した売上見通し(446億~458億ドル)の上限を約9億2,000万ドル上回り、決算前の市場予想(純利益7,463億台湾ドル)も約2.2%上回っています(CNBC 10/15、456X Semi-AI 10/15)。これらは会社が発表した確定値です。

成長の中身を見ると、売上の伸びの大半は「出荷量」ではなく「1枚あたりの単価」です。12インチ換算のウエハー(半導体を作る円盤)の出荷量は前期比3.2%増にとどまる一方、1枚あたりの売上は約13.9%増えました(456X Semi-AI 10/15)。より高価な先端品の比率が上がったためです。製造技術別の売上比率は、2nmが8%(前期は3%)、3nmが33%、5nmが28%、7nmが10%で、7nm以下の先端品が79%を占めます(TSMC 10/15、CNBC 10/15)。2nmは回路の細かさを示す単位で、数字が小さいほど微細で高性能です。用途別では、AIを含む高性能計算(HPC)が売上の68%で、前期比22%増、1年前の57%から比率が上がりました(456X Semi-AI 10/15)。

10~12月期の会社見通しは、売上523億~543億ドル、売上総利益率65~67%です(Rallies.ai 10/15)。中央値で見ると、売上は前期比約14.1%増(53.3億÷46.72億ドルによる本稿試算)、粗利益率は66.0%で前期実績より0.4ポイント低い水準です。粗利益の額で計算すると約352億ドルで、7~9月期の約310億ドルより約13.4%増える計算です(本稿試算)。Yahoo Financeは、2nmの立ち上げと海外工場の費用が利益率の重しになると伝えています(Yahoo Finance 10/15)。2026年の設備投資は600億~640億ドルの計画を据え置き、2026~2028年は過去3年よりかなり多くなる見込みと説明しています(BigGo Finance 10/15)。7~9月期の設備投資は138億ドル、1~9月累計は406億ドルなので(BigGo Finance 10/15、456X Semi-AI 10/15)、通期計画から逆算すると10~12月期に約194億~234億ドルが必要で、7~9月期の約1.4~1.7倍です(本稿試算)。次世代のA14は、2027年にリスク生産(量産前の試験的な生産)、2028年に量産を始める計画です(BigGo Finance 10/15)。Investing.comは、TSMCが米テキサス州での工場建設を検討していると説明したと伝えています(Investing.com 10/15)。同州への投資検討は9月にも報じられていました(Reuters 10/12)。

課題は三つあります。第一に、利益率の低下です。売上は前期比16.2%増(米ドル)でしたが、営業利益率は前期の60.3%から58.7%へ1.6ポイント下がりました(456X Semi-AI 10/15)。2nmの立ち上げ期は費用が先行するため、比率が上がるほど利益率の重しになる可能性があります。第二に、設備投資の増加です。フリーキャッシュフロー(営業で得た現金から設備投資を引いた、自由に使える現金)は4,766億台湾ドルと、前年同期の1,394億台湾ドルの約3.4倍で過去最高でしたが(CNBC 10/15)、次の四半期は投資額が増える見込みです。第三に、株価の反応です。TSMCのADRは10月14日に3.4%安の430ドルで終え、52週高値(487.47ドル)を約11.8%下回っています(本稿試算)。時間外取引では421.80ドルまで下げました(Yahoo Finance 10/15)。決算発表後の値動きは、本稿の時点では確認できていません。

関連銘柄は、TSMC(TSM・台湾積体電路製造の米国預託証券。台湾市場では2330)です。TSMCに設計を委託するエヌビディア(NVDA・エヌビディア)も、AI半導体の需要と供給能力の影響を受けます。ただし今回の決算が各社の売上に与える影響は、各社の発表で確認する必要があります。

🇰🇷🇯🇵🇺🇸 日韓の半導体株が急落:決算が良くても売られた理由

10月15日のアジア市場では、半導体株が大きく売られました。KOSPIは一時8%下落し、売買が20分間止まる措置が入りました。終値は7.57%安の5,554.22で、7営業日連続の下落です。これは2024年9月以来の長い連続下落で、1か月で16%超下がり、上昇した銘柄は916銘柄中52銘柄にとどまりました(Investing.com 10/15)。終値は4月7日以来の低水準でした(Sensei.news 10/15)。ソフトバンクグループは9.1%安でした(Sensei.news 10/15)。AP通信の報道時点(取引中)では、サムスン電子が9.7%安、SKハイニックスが11.1%安、東京エレクトロンが7.5%安、キオクシアが11.2%安で、日経平均は5%安の6万4,334.68円でした(AP 10/15)。キオクシアは終盤に12%超下げたとも伝えられています(TradingKey 10/15)。

米国の動きが先行していました。10月14日の米国市場ではS&P500が1.1%安、ナスダックが1.9%安でした(AP 10/15)。米半導体株指数は4.30%下げ、TSMCのADRも3.4%安でした(Sensei.news 10/15、Yahoo Finance 10/15)。TSMCの決算(10月15日15時、日本時間)はアジアの取引時間中に出たため、上の下落率には決算内容が十分には反映されていない可能性があります。決算の良さが株価に反映されたかは、今夜の米国市場の値動きで確認が必要です。

売りの理由として、各社の報道は主に三つを挙げています。第一に、米国のインフレ指標が予想より強く、利上げ観測が再び出たことです。9月の米CPIは前年比3.7%で、前日の記事では10年債利回りが5.3%台まで上がったことを伝えました(IndexBox 10/15)。第二に、AIへの巨額投資が十分な収益を生むのかという疑問です。投資家が安全資産へ資金を移しました(FinancialJuice 10/15)。第三に、中国のメモリー半導体の進展への警戒です(Investing.com 10/15)。IMFも、アジア経済のAI依存の高さに警告を出したと伝えられています(IndexBox 10/15)。同じ形は7月にもありました。7月16日にはTSMCの好決算の発表日にKOSPIが6.2%下落しており(Reuters 7/16)、好決算だけで株価が支えられにくい局面が数か月続いています。

債券市場では、アジア時間に米10年債利回りが8ベーシスポイント(1ベーシスポイントは0.01%)低下して5.11%、2年債利回りが7ベーシスポイント低下して4.72%となりました。MSCIアジア太平洋指数は2.8%下落し、7月以来の低水準に向かっています(FinancialJuice 10/15)。次の確認日程は二つです。一つは、10月15日21時30分(日本時間)に予定される米国の生産者物価指数(PPI。企業が出荷する段階の物価)です。もう一つは、10月16日にバンコクで予定される米連邦準備制度理事会(FRB)のウォーシュ議長の発言です(FinancialJuice 10/15)。

この下落は、個別企業の受注が悪化したことを示すものではありません。TSMCの売上、サムスン電子の利益、ASMLの受注見通しは、いずれも直近で強い数字が出ています。株価が下がっているのは、数字の良し悪しよりも、金利と投資回収の見通しに対する評価が変わったためと見られます(本稿の分析)。関連銘柄は、東京エレクトロン(8035・東京エレクトロン)、キオクシアホールディングス(285A・キオクシアホールディングス)、ソフトバンクグループ(9984・ソフトバンクグループ)、マイクロン・テクノロジー(MU・マイクロン・テクノロジー)、SKハイニックス(SKHY・SKハイニックス。日本の証券会社での取扱いは確認が必要です)です。サムスン電子(005930)は韓国市場の銘柄で、日本の個人投資家が通常の口座で買えるかは証券会社ごとに確認が必要です。

🇰🇷🇹🇼 韓国・台湾の輸出統計:AI向け半導体の出荷は伸びている

株価が急落した一方で、実際の出荷データは強いままです。韓国関税庁によると、10月1~10日の輸出は261億ドルで、前年同期比102.0%増でした。半導体は121億ドルで170.9%増となり、輸出全体の46.7%を占めます。中国向けは167%増の75.9億ドル、米国向けは159.9%増の36.5億ドル、EU向けは127.3%増でした(Korea Times 10/12、StockHub 10/12)。

ただし、この数字は営業日の違いに注意が必要です。10月1~10日の営業日数は、今年が5.5日、前年が3.5日で、今年のほうが2日多くなっています(StockHub 10/12)。前年同期の輸出額は、増加率から逆算すると約129億ドルです。1日あたりに直すと、前年は約3.7億ドル、今年は約4.75億ドルで、約28%増となります(本稿試算)。それでも高い伸びですが、「2倍」という見出しの数字より小さい点は押さえておく必要があります。また、10日間の速報値は月末の確定値で変わることがあります。

台湾でも同じ傾向があります。台湾の9月の輸出は前年同月比60.9%増の872億2,000万ドルで、過去最高でした。米国向けは106.2%増で、AIサーバーなどの需要が背景です(Trading Economics 10/8、10月8日公表)。韓国と台湾の統計が示すのは、AI向け半導体とサーバーの出荷が、株価の下落とは別に増えているという点です。株価は将来の利益や金利に反応し、輸出統計は足元の出荷を表すため、両者が一時的にずれることはあります。

確認したい点は三つです。10月1~20日の速報値で半導体の伸びが続くか、1日あたりの輸出額が減速しないか、そして米中の貿易政策が出荷に影響しないかです。関連銘柄は、サムスン電子(005930)、SKハイニックス(SKHY・SKハイニックス)、マイクロン・テクノロジー(MU・マイクロン・テクノロジー)です。韓国と台湾の輸出統計が各社の利益に直結するわけではなく、価格や製品構成を決算で確認する必要があります。

🇯🇵 日本:ラピダスの設計支援連合とCEATEC 2026の「物理AI」

日本の半導体新興企業ラピダスは10月5日、米国の半導体設計ソフトウェア企業シノプシスやインドのインフォシスなど17社と連携し、顧客の半導体設計を支援すると発表しました。目的は、製造を受注するための顧客探しです。同社は2nmの半導体を2027年度後半に量産する計画で、高市早苗首相も日本の半導体産業の再建を期待していると報じられています(Reuters 10/7)。これは企業の計画であり、量産の実績ではありません。

なぜ重要なのか。最先端の半導体は、TSMCが生産能力の大半を握っています。オムディアのアナリストは、TSMCの優先順位が低い顧客や注文量が小さい顧客は、生産枠を得にくいと指摘しています(Reuters 10/7)。ラピダスはその受け皿になる可能性があります。報道では、富士通がAI向け半導体の製造をラピダスに委託する計画で、キヤノンが先に画像処理用の半導体を発注したとされます(TrendForce 4/13)。

課題は、量産に向けた実績が示されていないことです。Tom’s Hardwareは、ラピダスが2nmの試作品で期待どおりの電気特性を確認した(7月)一方、歩留まり(製造品のうち正常に使える割合)の数字を公表しておらず、量の大きい確定顧客もまだないと整理しています(Tom’s Hardware 2026)。顧客が契約するかどうかは、歩留まり、価格、納期の実績で決まります。ラピダスは非上場企業で、個人投資家が直接買える銘柄ではありません。

日本の展示会CEATEC 2026は、10月13日に千葉・幕張メッセで開幕し、16日までの4日間で11万人超の来場を見込んでいます。出展は821社・団体で、前年の810社・団体を上回りました。新規出展は338社・団体(全体の41%)、スタートアップと大学・研究機関は246社・団体で、2014年以降で最多です。海外から31か国・地域の194社・団体が参加します(共同通信 10/13、電波新聞 10/6)。焦点は、ロボットなどを自律的に動かす「物理AI」で、人手不足や防災への応用が並びました。三菱電機は、製造現場のノウハウをデータ化して活用する「物理AI」を展示しています(三菱電機 8/31)。

展示会の発表は、受注や売上を示すものではありません。関連銘柄は、シノプシス(SNPS・シノプシス)、インフォシス(INFY・インフォシス。米国預託証券)、キヤノン(7751・キヤノン)、三菱電機(6503・三菱電機)ですが、今回の発表で受注額が増えたことを示す情報は確認できていません。テーマ関連として挙げています。

🇺🇸🇪🇺 NVIDIAの欧州投資とIMFの警告:AI投資の資金は誰が出すのか

NVIDIAのジェンスン・フアンCEOは10月13日、パリで、1週間以内に欧州のAI企業へ追加20億ドルの投資を発表すると述べました。過去1年に欧州へ投じた約80億ドルに上乗せされます。あわせて、フランスのDoctolib、Genesis AI、Pigment、Entalpicの4社への出資が示されました。ロンドン、ベルリンも訪れる日程です(TNW 10/13、Semafor 10/13)。個別の出資額や出資比率は公表されておらず、発表予定の金額であって、実行済みの資金ではありません。

この動きは、AI半導体の売り手が、買い手側の企業にも出資するという構造を示しています。Dealroomによると、NVIDIAが自社半導体を買う企業に持つ株式は、7月時点で990億ドルと、1年前の約70億ドルから大きく増えました(Dealroom 10/13)。顧客が資金を調達しやすくなれば、半導体の需要は支えられます。一方で、出資先が事業を拡大できなければ、需要と投資の両方が同時に減るリスクがあります(本稿の分析)。金利が高い局面では、この資金の循環が続くかが焦点です。NVIDIAの時価総額は約5.7兆ドルとされ、20億ドルは同社にとって小さな金額です。

IMFは10月13日の世界経済見通しで、2026年の世界成長率を3.1%、米国を2.3%とし、世界のインフレ率を4.7%と予測しました。リスクとして、債務の増加とAI関連株の調整を挙げています(AP 10/13)。IMFのゲオルギエワ専務理事は10月7日の講演で、AIの収益が投資に追いつかなければ、市場の失望が大きな衝撃になりうると述べています(Reuters 10/7)。10月12日の記事でIMFの成長押し上げ効果の試算(先進アジアで0.5~1.0ポイント)を伝えており、今回は警告の側面を補足しました。

関連銘柄は、エヌビディア(NVDA・エヌビディア)です。出資先のDoctolib、Genesis AI、Pigment、Entalpicはいずれも非上場で、個人投資家が買える銘柄ではありません。20億ドルの内訳は未発表のため、具体的な出資先と金額は、正式発表を確認する必要があります。

🇨🇳 中国のヒューマノイド:出荷は急増、ただし統計は8月の公表

中国のロボット産業は、出荷台数で世界を大きくリードしています。調査会社Smart Analytics Globalの推計では、2026年上期の世界のヒューマノイド出荷は約1万9,100台で、前年同期比272%増でした。智元ロボット(AgiBot)が約8,400台(世界シェア44%)で、宇樹科技(Unitree)の約5,900台(31%)を上回りました(Humanoid.guide 8月)。中国メーカーが世界の出荷の97%超を占めるとも報じられています(DIGITIMES 8/12)。これらは8月に公表された推計で、今回の調査では10月の新しい統計は確認できていません。前日までの記事では、中国のヒューマノイド出荷統計は扱っていないため、背景として補足します。

数字の読み方には注意が必要です。AgiBotは機種が多く、フルサイズの二足歩行型、小型機、車輪型を持ちます。Unitreeは小型の「G1」に出荷が集中し、教育・研究・展示の用途が多いと報じられています(Humanoid.guide 8月)。出荷台数が多いことと、工場や物流現場で採算に合う形で使われていることは別です。Unitreeの2025年の売上は17億元(約2億3,800万ドル)、調整後の純利益は5億9,100万元(約8,300万ドル)と、目論見書に記載されています(Humanoid.guide 8月)。同社は上海のSTAR市場への上場手続きを進めていると報じられましたが、上場後の株価や動向は本稿では確認していません。

投資家が見るべき点は、台数だけでなく、1台あたりの価格、継続的な利用、故障率、導入後の人件費削減額です。ヒューマノイドの導入計画は、韓国のロッテ・ハイマートが2028年から物流センターで導入する計画を10月12日の記事で取り上げました。今回の統計は、出荷が研究・教育向けから産業用へ広がるかを見る材料です。関連銘柄は、UBTech Robotics(9880・香港市場)、テスラ(TSLA・テスラ。Unitreeの目論見書で競合として挙げられています)です。AgiBotは非上場で、Unitreeは中国本土のSTAR市場の銘柄のため、日本の個人投資家が通常の口座で買えるかは別途確認が必要です。

投資家が確認したい指標

  • TSMC:決算発表後のADRの値動き、2027年の設備投資額、2nmの売上比率(7~9月期は8%)、10~12月期の粗利益率(見通し65~67%)を確認します。
  • 金利・物価:10月15日21時30分(日本時間)の米PPI、10月16日のFRB議長の発言、米10年債利回りが5.1%台で落ち着くかを確認します。
  • 日韓の半導体株:KOSPIが7営業日続いた下落から反発するか、売買代金と信用取引の動き、東京エレクトロンとキオクシアの値動きを確認します。
  • 輸出統計:韓国の10月1~20日の半導体輸出、1日あたりの輸出額、台湾の輸出受注の伸びを確認します。
  • ラピダス:確定した顧客の発表、歩留まりの数字、2027年度後半の量産計画に変更がないかを確認します。
  • NVIDIA:欧州で発表される20億ドルの出資先と金額、出資先の売上と資金調達の状況を確認します。
  • ヒューマノイド:1台あたりの価格、産業用途の導入台数、Unitreeなど上場企業の決算を確認します。

10月15日の材料で新しいのは、TSMCの確定した決算が「AIの需要は強い」ことを示した一方、市場は同じ日に「資金コスト」と「投資の回収」を意識して半導体株を大きく売ったことです。TSMCの利益、韓国と台湾の輸出は強く、売られているのは株価の評価です。投資家は「何が新しいか」に加え、「誰が費用を払い、誰が利益を得て、いつ実績に表れるか」を追う必要があります。TSMCの設備投資は装置メーカーの受注に1~2年後に表れ、半導体の出荷は輸出統計に数週間後に表れます。一方、金利の動きは毎日の株価に反映されます。時間軸の違う材料を分けて確認することが大切です。

参考記事:TSMC 10/15、CNBC 10/15、456X Semi-AI 10/15、Rallies.ai 10/15、BigGo Finance 10/15、Yahoo Finance 10/15、Reuters 10/12、Investing.com 10/15、Sensei.news 10/15、AP 10/15、TradingKey 10/15、FinancialJuice 10/15、IndexBox 10/15、Reuters 7/16、Korea Times 10/12、StockHub 10/12、Trading Economics 10/8、Reuters 10/7、TrendForce 4/13、Tom’s Hardware 2026、共同通信 10/13、電波新聞 10/6、三菱電機 8/31、TNW 10/13、Semafor 10/13、Dealroom 10/13、AP 10/13、Reuters 10/7、Humanoid.guide 8月、DIGITIMES 8/12

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