9月21日 テクノロジー

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中国のメモリー半導体大手CXMTが、第5世代DRAM(パソコンやスマートフォンが計算中のデータを一時保存する半導体)の量産入りを発表しました。米国の輸出規制下で、中国が先端半導体の量産効率を高めた点が重要です。台湾ではMediaTekがTSMCの2ナノメートル製造技術を使うスマートフォン向け半導体を発表しており、AI端末の性能競争は設計から量産へ移っています。

🇨🇳 中国CXMT、次世代DRAMを量産

CXMTは、回路の主要部分の間隔を11.95ナノメートル(1ナノメートルは10億分の1メートル)まで縮めた第5世代DRAM製造基盤が量産に入ったと発表しました。複数回の露光で細い回路を作る「四重パターニング」を用い、従来世代比でウエハー1枚当たりのチップ数を50%以上増やせるとしています。

同社は24ギガビットのLPDDR5X(スマートフォン向けの省電力メモリー)を2製品発表しました。前世代の同等品より記憶容量が50%多く、すでに量産中です。DRAMの供給はサムスン電子、SKハイニックス、マイクロンの寡占度が高いため、中国製品の性能・歩留まり(製造したうち良品となる割合)が実証されれば、スマートフォンやAI端末の調達先が増える可能性があります。もっとも、発表された「チップ数」は不良品を除く前の総数であり、競争力の最終判断には実際の歩留まりと顧客採用の確認が必要です。Reuters 9月20日

投資面では、CXMTは上海科創板上場の688825ですが、日本の個人投資家には通常、直接売買しにくい銘柄です。競合・関連銘柄としては、米国上場のマイクロン・テクノロジー(MU)、韓国のサムスン電子、SKハイニックスのメモリー価格と設備投資への影響を確認する局面です。

🇹🇼 台湾の2ナノ製品化、端末AIの性能競争へ

台湾のMediaTekは、TSMCの2ナノメートル製造技術を使うスマートフォン用SoC(CPU、通信、AI処理などを一つにまとめた半導体)「Dimensity 9600 Pro」を発表しました。端末内で生成AIを処理するNPU(AI計算専用の回路)は、前世代より処理性能が51%向上したとしています。

これはクラウドにデータを送らず、スマートフォン本体で文章要約、翻訳、画像生成などを行う「オンデバイスAI」の性能改善を意味します。一方で、2ナノ製造は高価であり、AI機能を搭載する高性能スマートフォンの価格上昇と部品供給の逼迫も進み得ます。TSMCは米国預託証券(ADR)で台湾積体電路製造(TSM)、米国ではクアルコム(QCOM)が比較対象です。Reuters 9月15日

🇺🇸🇨🇳 米中協議、AIとレアアースが同じ議題に

米国のベッセント財務長官と中国の何立峰副首相は、AIの安全対策、関税、重要鉱物を協議しました。重要鉱物にはレアアース(高性能磁石や電子部品に必要な希少金属)が含まれ、AI半導体、データセンター、電気自動車、ロボットの供給網に共通する基礎材料です。

技術覇権競争は、半導体の設計・製造能力だけでなく、メモリー、製造装置、レアアース、AIモデルの安全管理までを含む総合戦になっています。中国のDRAM量産拡大は、その中で「半導体の供給自立」を一段進める動きです。米中関係が安定すれば供給制約は緩みやすくなりますが、協議が不調なら部材調達の分断リスクが再び高まります。Reuters 9月20日

まとめ

本日の焦点は、中国CXMTがDRAMの量産効率を大きく改善したことです。先端ロジック半導体だけでなく、AI端末に不可欠なメモリーでも中国の供給力が増え始めています。投資家は、メモリー価格、CXMT製品の実際の顧客採用、TSMCの2ナノ量産、米中協議におけるレアアース供給をセットで追うことが重要です。