室井のマーケット視点
8月27日の米国市場は、NVIDIAを中心とするAI関連株が相場を押し上げました。S&P500は+0.72%、NASDAQは+1.57%、Dow30は+0.20%です。NVIDIAが次年度に約70%の売上高成長を見込み、SalesforceやCrowdStrikeも好決算を発表したことで、AI投資の減速懸念はいったん後退しました。この状況を私は全面的な強気相場とは見ていません。11セクター中8セクターが下落したことからも、指数の上昇率ほど多くの銘柄が上昇したわけではありません。指数上昇の大部分を一部の大型ハイテク株が担った一日です。
一方で、企業業績には明るい材料があります。S&P500企業の約95%が4~6月期決算を終え、78%が市場予想を上回りました。利益は前年同期比約34.6%増える見込みです。株価が最高値圏にあるため、好決算だけでは上がりにくくなっていますが、現在の上昇が利益成長を伴っている点は長期投資家として評価できます。
問題は物価と金利だと思っています。7月の総合PCEは前年比+3.7%、コアPCEは+3.3%で、FRBが目標とする2%を上回りました。失業保険申請件数は20.3万件へ減少し、雇用も安定しています。さらにWTI原油先物が83.64ドルへ上昇しました。FRBが早期に金利を下げる条件は整っておらず、米10年国債利回りは4.67%台にあります。
今夜は、日本時間23時ごろにウォーシュFRB議長がジャクソンホール会議で講演する予定です。市場は9月の利上げ確率を約36%、年末までに少なくとも0.25%利上げする確率を約70%と見ています。大きな政策発表はないとの予想もありますが、インフレへの姿勢やFRBの独立性について、どこまで具体的に語るかが重要です。ドル円は159.40円付近にあります。講演後に米金利とドル円がどのように反応するのか、日本人投資家として注目したいと思います。
短期的な株価や為替の方向を予想することは難しいものです。私は企業利益の伸びや物価、金利を確認しながら、ETFを動かさず、今夜の市場反応を冷静に見守ります。
S&P500ヒートマップ
5%以上上昇したS&P500構成銘柄
- CRM:Salesforce +22.58%
Salesforceは市場予想を上回る決算と通期見通しの引き上げが評価され、急騰しました。Anthropicとの提携拡大による「Claudeforce」の発表も、AIが既存ソフトを駆逐するのではなく、顧客管理サービスの価値を高める可能性を示しました。企業向けソフトウェア全体への見方を変える上昇です。 - CRWD:CrowdStrike Holdings +20.50%
CrowdStrikeは売上高が前年同期比約26%増となり、会社側が「過去最高の四半期」と評価する好決算を発表しました。通期売上高見通しも引き上げています。AIの普及によってサイバー攻撃が高度化する一方、防御への投資も増えるという成長構造が確認され、同業銘柄にも買いが広がりました。 - VEEV:Veeva Systems +15.20%
製薬・医療業界向けクラウドサービスを提供するVeeva Systemsは、調整後EPSが2.35ドルとなり、市場予想を上回りました。売上高の増加に加え、通期見通しの引き上げも好感されています。景気変動の影響を比較的受けにくい医療分野で、クラウド化とAI活用を進める強みが評価されました。 - SNPS:Synopsys +13.39%
Synopsysは四半期売上高が24.77億ドル、調整後EPSが3.91ドルとなり、いずれも市場予想を上回りました。AI半導体の設計需要を背景に設計自動化事業が伸び、通期の売上高とEPS見通しも引き上げています。半導体の高性能化に欠かせない設計ソフト企業としての重要性が改めて評価されました。 - PANW:Palo Alto Networks +12.83%
Palo Alto Networksは、CrowdStrikeの好決算をきっかけにサイバーセキュリティ関連株へ資金が流入し、大幅高となりました。生成AIの導入が進むほど、企業が管理するデータと接続先が増え、攻撃を受ける場所も広がります。セキュリティ支出は削減しにくいとの見方が、同社の成長期待を押し上げました。 - NOW:ServiceNow +10.04%
ServiceNowは、Salesforceの好決算を受けて企業向けソフトウェア株が見直される中で上昇しました。AIが従来型クラウドサービスを不要にするとの懸念が後退し、業務の自動化や複数システムの統合を担う企業には、むしろ利用拡大の機会があると受け止められました。AI関連契約の成長も評価されています。 - FTNT:Fortinet +9.67%
Fortinetは、CrowdStrikeの好決算を受けたサイバーセキュリティ株の連鎖高となりました。企業がAIを業務へ導入するほど、ネットワークへの接続機器やデータ量が増え、防御範囲も広がります。同社は通信網とセキュリティを一体で提供できるため、AI時代の企業投資から継続的な恩恵を受けるとの期待が強まりました。 - NVDA:NVIDIA +8.74%
NVIDIAは市場予想を上回る決算に加え、次年度の売上高が約70%増加するとの見通しを示し、AI投資の減速懸念を打ち消しました。次世代GPU「Rubin」への強い需要も確認され、証券各社による目標株価の引き上げが相次ぎました。AI半導体だけでなく、関連するソフトウェア株の上昇にもつながっています。 - DDOG:Datadog +6.70%
クラウドシステムの監視サービスを提供するDatadogは、Salesforceを中心とする企業向けソフトウェア株の上昇に連動しました。AIサービスが増えるほどシステムは複雑になり、障害や処理速度、利用状況を一元的に監視する必要性も高まります。AIが既存ソフト企業の需要を拡大させる可能性が評価された形です。 - ADSK:Autodesk +6.21%
Autodeskは、Salesforceの決算によって企業向けソフトウェア全体への警戒感が和らぎ、買いが入りました。同社は建築、製造、土木分野の設計ソフトを提供しており、AIによる設計支援や作業自動化の恩恵が期待されています。決算発表を控えた期待も加わり、出遅れていたソフトウェア株を見直す流れに乗りました。 - ADBE:Adobe +5.73%
Adobeは企業向けソフトウェア株の全面的な見直しにより上昇しました。生成AIによって従来の画像・文書作成ソフトが不要になるとの懸念がありましたが、Salesforceの決算を通じて、既存サービスへAIを組み込む企業にも成長機会があるとの評価が強まりました。割安感を意識した買い戻しも入ったと考えられます。 - CDW:CDW Corporation +5.31%
企業や官公庁へIT機器と導入支援サービスを提供するCDWは、AI関連投資の継続を示すNVIDIAの決算を受けて上昇しました。AI導入には半導体だけでなく、サーバー、通信機器、クラウド、セキュリティを組み合わせる作業が必要です。顧客に適したシステムをまとめて提供する同社の役割が見直されました。
5%以上下落したS&P500構成銘柄
- HRL:Hormel Foods Corporation -10.25%
Hormel Foodsは調整後EPSが0.37ドルと市場予想を上回ったものの、売上高は前年同期比2%減の29.6億ドルとなり、予想に届きませんでした。消費者の節約志向による加工食品需要の低迷や燃料費上昇を受け、通期売上高見通しを121億~122億ドルへ引き下げたため、利益よりも成長力の弱さを警戒する売りが膨らみました。 - CASY:Casey’s General Stores -5.42%
Casey’s General Storesには、この日の下落へ直結する大きな企業発表は見当たりませんでした。株価は好業績やS&P500への採用を背景に過去1年間で大きく上昇しており、PER(株価収益率)も約40倍まで高まっています。9月9日の決算発表を前に、割高感を警戒した利益確定売りが優勢になったと考えられます。 - TPR:Tapestry -5.38%
CoachやKate Spadeを展開するTapestryは、8月13日の決算発表後から続く先行き懸念により下落しました。Coachは堅調ですが、Kate Spadeの販売不振が続き、2027年度の売上高見通しも市場の高い期待には届きませんでした。株価が8月上旬まで急上昇していた反動もあり、一般消費材(Consumer Cyclical)への慎重な見方から売りが続きました。
セクター別騰落率
市場全体では11セクター中3セクターが上昇し、8セクターが下落しました。先端技術(Technology)が+3.09%と突出し、S&P500とNASDAQを押し上げました。一方、生活必需品(Consumer Defensive)をはじめ幅広い分野が下落しており、指数の上昇ほど市場全体は強くありません。NVIDIAや企業向けソフトウェアへの資金集中が鮮明な一日でした。
- 先端技術(Technology) +3.09%
NVIDIAが+8.74%となったほか、Salesforce、CrowdStrike、Synopsys、Palo Alto Networksなどが急騰しました。NVIDIAの強い成長見通しによってAI向け設備投資の継続性が確認され、好決算を発表した企業向けソフトウェアやサイバーセキュリティにも買いが波及しました。 - 一般消費材(Consumer Cyclical) -1.00%
Teslaは+2.60%でしたが、Amazonが-1.54%となり、住宅用品、外食、ホテル、アパレルなども幅広く下落しました。インフレと高金利が消費者の支出余力を圧迫するとの警戒が残っています。Tapestryも-5.38%となり、AI関連株へ資金が移る中で消費関連株の弱さが目立ちました。 - 生活必需品(Consumer Defensive) -1.39%
Hormel Foodsが通期売上高見通しを引き下げて-10.25%となり、食品業界の需要低迷が改めて示されました。Walmart、Costco、Procter & Gamble、Coca-Cola、PepsiCoなどの大型株もそろって下落しています。生活必需品は景気に強いとされますが、仕入れ価格上昇と消費者の節約志向が企業収益を圧迫しています。
主要3指数とドル円の動き
- S&P500(7,730.99、前日比+0.72%)
S&P500は7,689.89まで下げる場面がありましたが、NVIDIAの好決算を受けたAI関連株への買いが広がり、終盤にかけて上昇しました。SalesforceやCrowdStrikeの決算も企業向けソフトウェアへの不安を和らげ、先端技術(Technology)が指数を牽引しています。ただし、上昇が大型ハイテク株に偏っており、市場全体が一様に強かったわけではありません。 - Dow30(53,569.44、前日比+0.20%)
Dow30は53,345.62まで下落した後に持ち直しました。構成銘柄のSalesforceが+22.58%、NVIDIAが+8.74%と大幅に上昇しましたが、消費関連株や生活必需品株の弱さが上昇幅を抑えています。好決算を発表した一部銘柄への買いが目立つ一方、景気や物価の影響を受けやすい企業には慎重な姿勢が残る、選別色の濃い相場でした。 - NASDAQ(26,541.35、前日比+1.57%)
NASDAQは主要3指数で最大の上昇となりました。NVIDIAが次年度に約70%の売上高成長を見込むと発表し、AI向け設備投資の継続性に対する不安が後退しました。さらにSynopsys、ServiceNow、Palo Alto Networksなども大幅高となり、半導体から設計ソフト、クラウド、セキュリティまで買いが波及しています。AI相場の裾野が再び広がった一日です。 - ドル円(159.3970円、前日比+0.08%)
ドル円は159.1080円から159.5260円の範囲で上下し、159円台前半で方向感に乏しい推移となりました。米新規失業保険申請件数が20.3万件へ減少したことはドル買い要因でしたが、米長期金利の小幅低下が上値を抑えました。市場はジャクソンホール会議でのウォーシュFRB議長の発言を待っており、日銀の追加利上げ観測も円高につながらず、狭い値幅にとどまりました。
原油先物・米10年国債利回り・VIX・金先物の動き
- WTI原油先物(83.64ドル、前日比+1.71%)
WTI原油先物は80.65ドルまで下落した後、83ドル台後半へ上昇しました。トランプ政権がイランとの停戦条件への復帰を否定し、追加制裁を発表したことで、ホルムズ海峡を通る原油供給への不安が再燃しました。ロシアとウクライナの緊張も価格を押し上げており、原油高によるインフレ再加速には注意が必要です。 - 米10年国債利回り(4.6720%、前日比+0.17%)
米10年国債利回りは4.6490%から4.6800%の範囲で推移し、小幅に上昇しました。新規失業保険申請件数が20.3万件へ減少し、雇用の底堅さが確認されたことに加え、原油高による物価上昇も警戒されています。高金利はグロース株に不利ですが、この日はNVIDIAなどの強い業績が金利上昇の影響を上回りました。 - VIX指数(14.54、前日比-4.40%)
VIX指数は14.54まで低下し、投資家の不安心理が後退しました。NVIDIA、Salesforce、CrowdStrikeの好決算を受け、AIや企業向けソフトウェアへの成長期待が再び強まっています。ただし、中東情勢と原油高が続く中でもVIXが14台にあることには、やや楽観的すぎる印象もあります。予想外のニュースによる急変には注意したい水準です。 - 金先物(4,657.90ドル、前日比+0.10%)
金先物は4,616.00ドルまで下落した後、4,657.90ドルへ戻しました。米長期金利の上昇は利息を生まない金に不利ですが、中東情勢やロシア・ウクライナ情勢への警戒が安全資産需要を保ちました。株価上昇とVIX低下によって積極的な金買いは限られたものの、地政学リスクとインフレへの備えとして高値圏を維持しています。
私のポートフォリオ +0.65%(前日比)
私のポートフォリオは、NASDAQ系を中心に堅調でした。iFreeETF FANG+が+1.12%、MAXISナスダック100上場投信が+0.90%となり、NVIDIAの好決算を受けたAI関連株への期待が反映されています。S&P500連動ETFも+0.60~0.65%でした。一方、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は+0.01%にとどまり、米国連続増配株ETFは-0.15%でした。投資信託と日本市場で取引されるETFでは、米国市場や先物の値動きが反映される時刻に差があります。今回はその違いがよく表れました。成長株に偏った上昇ですが、私はETFの分散を保ちながら市場に居続けます。
経済指標発表結果
- 新規失業保険申請件数(20.3万件、予想20.8万件、前回20.7万件)
新たに失業保険を申請した人は前週から4,000人減少し、市場予想も下回りました。企業による解雇が低水準にあり、米国の雇用市場が依然として安定していることを示しています。景気には安心材料ですが、FRBが利下げを急ぐ必要性も低下します。米10年国債利回りは上昇したものの、株式市場では景気の底堅さが前向きに受け止められました。 - 失業保険継続申請件数(177.8万件、予想179.0万件、前回179.6万件)
失業保険を継続して受給する人も前回から1.8万人減少し、予想を下回りました。新規申請と合わせて見ると、企業が採用を急拡大しているわけではありませんが、大規模な人員削減も起きていません。雇用悪化による景気後退への不安を和らげる一方、インフレ抑制を優先するFRBには政策金利を高く保つ余地を与える結果です。 - 良好な貿易収支(7月、-1,188.0億ドル、予想-1,008.0億ドル、前回-1,014.1億ドル)
物品貿易赤字は前月から174億ドル拡大し、予想を大きく上回りました。輸出が2.9%減少する一方、輸入は3.7%増え、特に半導体やコンピューターなどAI関連の資本財輸入が急増しています。AI設備投資の強さを示す半面、輸入はGDP(国内総生産)から差し引かれるため、7~9月期の成長率予想を押し下げる可能性があります。 - 卸売在庫(7月、前月比+1.3%、予想+0.2%、前回+0.2%)
卸売在庫は市場予想を大幅に上回って増加しました。在庫の積み増しは短期的にGDPを押し上げますが、販売が伴わなければ、企業が需要を過大に見込んで商品を抱えている可能性もあります。今回はAI関連を含む輸入増加と同時に在庫が膨らんでおり、設備投資の強さと需要鈍化リスクの両面を見ておく必要があります。
主要銘柄の決算発表結果
- MRVL:Marvell Technology(先端技術(Technology))
調整後EPSは0.94ドルと予想の0.93ドルを上回り、売上高も27.4億ドルと予想の27.1億ドルを超えました。AIデータセンター向けのカスタム半導体と通信製品が伸び、次四半期の売上高見通しも市場予想を上回っています。ただし、株価は通常取引で-1.51%、時間外で-2.55%となりました。今年に入り株価が大きく上昇し、好決算を織り込んでいた反動と見られます。 - ADSK:Autodesk(先端技術(Technology))
調整後EPSは3.30ドルと予想の3.12ドルを上回り、売上高も20.5億ドルと予想の20.1億ドルを超えました。建築・土木・製造分野におけるクラウド設計サービスの需要は堅調です。通常取引では企業向けソフトウェア株の上昇に乗り+6.21%となりましたが、時間外では-7.38%へ反落しました。決算前の急上昇で市場の期待が高まりすぎていたことに加え、買収に伴う費用負担も警戒されたようです。 - WDAY:Workday(先端技術(Technology))
調整後EPSは2.75ドルと予想の2.61ドルを上回り、売上高も26.5億ドルと予想の26.4億ドルをわずかに超えました。AIを組み込んだ人事・財務ソフトへの需要は続いていますが、市場が注目する継続課金収入の成長見通しは、株価上昇後の高い期待を満たせませんでした。通常取引では+1.48%でしたが、決算発表後は-5.46%となり、投資家が将来の成長速度を厳しく見ていることが分かります。 - DG:Dollar General(生活必需品(Consumer Defensive))
調整後EPSは2.48ドルと予想の2.00ドルを大きく上回り、売上高も113億ドルと予想の111.9億ドルを超えました。既存店売上高は3.5%増え、来店客数と1回当たり購入額がともに伸びています。会社側は通期見通しも引き上げました。インフレや燃料高で節約志向が強まる中、食品や日用品を低価格で提供する強みが表れ、株価は通常取引で+2.53%、時間外でも+0.88%となりました。 - DLTR:Dollar Tree(生活必需品(Consumer Defensive))
調整後EPSは2.70ドルと予想の1.11ドルを大幅に上回り、売上高も49億ドルと予想の48.5億ドルを超えました。ただし、EPSには関税の還付による一時的な利益が1株当たり約1.31ドル含まれています。次四半期は値下げや店舗運営へ再投資するため、利益見通しが市場予想を下回りました。株価は通常取引で-3.93%となり、時間外では+0.20%とほぼ横ばいでした。 - ULTA:Ulta Beauty(一般消費材(Consumer Cyclical))
EPSは6.55ドルと予想の6.17ドルを上回り、売上高も30億ドルと予想の29.8億ドルを超えました。既存店売上高は3.8%増加し、化粧品や美容サービスへの需要が維持されています。会社側は通期の売上高成長率を6.7~7.2%、EPSを28.70~29.00ドルへ引き上げました。通常取引では-0.57%でしたが、時間外では+1.18%となり、消費環境が厳しい中でも美容需要の底堅さが評価されました。 - BBY:Best Buy(一般消費材(Consumer Cyclical))
調整後EPSは1.47ドルと予想の1.35ドルを上回り、売上高も97.8億ドルと予想の95.4億ドルを超えました。パソコンやホームシアターが伸び、AI対応機器の需要も確認されています。通期売上高見通しを423億~428億ドル、EPSを6.70~6.90ドルへ引き上げましたが、一時的な関税還付や仕入れ価格上昇への懸念が残り、株価は通常取引で-4.44%、時間外では+0.53%でした。 - HRL:Hormel Foods(生活必需品(Consumer Defensive))
調整後EPSは0.37ドルと予想の0.35ドルを上回りましたが、売上高は29.6億ドルとなり、予想の30.5億ドルに届きませんでした。加工食品の販売数量が減少し、燃料費や原材料費の上昇も利益を圧迫しています。会社側は通期売上高見通しを121億~122億ドルへ引き下げました。株価は通常取引で-10.27%と急落し、時間外では横ばいでした。市場はEPSよりも本業の需要低迷を問題視しています。
主な経済ニュース
- NVIDIAの成長見通しがAI相場を再点火
NVIDIAは市場予想を上回る決算に加え、次年度の売上高が約70%増加するとの見通しを示しました。AI向け設備投資が減速するとの不安が後退し、株価は+8.74%となりました。買いは半導体だけでなく、設計ソフト、ネットワーク、クラウド、サイバーセキュリティへ波及しています。データセンターの電力・冷却設備を含め、AIインフラ投資はまだ拡大局面にあるようです。(Reuters:08/27) - SalesforceとCrowdStrikeがソフトウェア不安を一掃
Salesforceは通期見通しの引き上げとAnthropicとの提携拡大を発表し、株価が+22.58%となりました。CrowdStrikeも売上高が前年同期比約26%増となる好決算で+20.50%です。AIが従来型ソフトウェアを不要にするとの懸念が和らぎ、ServiceNow、Adobe、Palo Alto Networksなどにも買いが広がりました。AIを組み込める企業と対応が遅れる企業の選別は今後も続きそうです。(Reuters:08/27) - NVIDIAがHugging Faceを129億ドルで買収との報道
NVIDIAがAIモデル共有基盤のHugging Faceを129億ドルで買収することで合意したと報じられました。ただし、両社から正式発表はなく、別の報道では交渉中とされています。実現すればNVIDIAはGPUだけでなく、AIモデルや開発者が集まるソフトウェア基盤まで獲得します。OpenAIやAnthropicなどが独自半導体を開発する中、AI開発環境全体を囲い込む戦略と考えられます。(Reuters:08/27) - 米政権が半導体関税の対象拡大を検討
トランプ政権が半導体への追加関税を検討し、半導体そのものだけでなく、ノートパソコン、ゲーム機、データセンター用サーバーなどへ対象を広げる案が報じられました。米国内生産を促す狙いですが、サーバーや電子機器の価格上昇はAI設備投資の採算を悪化させます。この日の半導体株はNVIDIA決算で上昇しましたが、実施内容によってはAI相場の新たな不確定要因になります。(Reuters:08/27) - ウォーシュFRB議長のジャクソンホール講演に注目
市場の関心は、ウォーシュFRB議長がジャクソンホール会議で金融政策について何を語るかに移っています。7月の総合PCEは前年比+3.7%、コアPCEは+3.3%とFRBの目標を上回り、原油価格も再び上昇しています。米10年国債利回りは4.67%台にあり、講演が利上げに慎重でも、インフレへの厳しい姿勢を示せば高金利が長引く可能性があります。(Reuters:08/27) - 失業保険申請件数が減少し雇用の安定を確認
新規失業保険申請件数は20.3万件となり、予想の20.8万件と前回の20.7万件を下回りました。継続申請件数も177.8万件へ減少しています。企業による大規模な解雇が起きておらず、景気後退への不安を和らげました。一方、雇用が安定しているほどFRBは利下げを急ぐ必要がなくなります。株価には安心材料ですが、長期金利には上昇要因という両面があります。(Reuters:08/27) - AI関連輸入の急増で米国の貿易赤字が拡大
7月の物品貿易赤字は1,188億ドルとなり、前月の1,014億ドルから急拡大しました。輸出が2.9%減る一方、輸入は3.7%増加し、特に半導体やコンピューターなどAI関連の資本財輸入が増えています。これは米企業による設備投資の強さを示しますが、輸入はGDPから差し引かれるため、7~9月期の成長率を約1%押し下げる可能性があります。(Reuters:08/27) - イラン情勢とロシア・ウクライナ情勢で原油が反発
WTI原油先物は83ドル台まで上昇しました。トランプ政権がイランとの停戦条件への復帰を否定し、新たな制裁を発表したことで、ホルムズ海峡を通る原油供給への不安が再燃しています。ロシアがウクライナへの攻撃を強めるとの警戒も加わりました。原油高はエネルギー企業には有利ですが、物価と長期金利を押し上げ、消費や企業利益を圧迫する可能性があります。(Reuters:08/27) - 小売決算が米国消費の二極化を示す
Dollar GeneralはEPS、売上高とも予想を上回り、通期見通しも引き上げました。一方、Dollar Treeは一時的な関税還付で利益が増えたものの、次四半期の利益見通しが弱く、Best Buyも好決算にもかかわらず株価が下落しました。物価高と燃料高の中で消費者は生活必需品と低価格商品を優先しています。米国消費は崩れていませんが、支出先の選別が強まっている状況です。(Reuters:08/27) - Metaが最大180億ドルで州政府と和解
MetaはFacebookとInstagramが子どもの依存を招いたとの訴訟を巡り、米国のほぼ全州と最大180億ドルを支払うことで和解しました。10年間の分割負担となり、中核の広告事業や個人向け表示の仕組みは維持されるため、収益への影響は限定的と見られています。一方、若年利用者への時間制限などは、YouTube、TikTok、Snapにも広がる可能性があり、SNS業界全体の規制基準になりそうです。(Reuters:08/27)
経済指標発表予定
以下の経済指標が発表される予定です。
主要銘柄の決算発表予定
8/28には主要銘柄の決算発表が予定されていません。
おわりに
NVIDIAをはじめAI関連株が大きく上昇した一方、11セクター中8セクターが下落しました。指数が上がった日ほど、数字の内側で何が起きているかを確かめることが大切です。私も日々の上げ下げに一喜一憂せず、企業利益と市場全体の成長を見ながらETF中心の運用を続けます。
毎朝ブログを読んでいただき、ありがとうございます。皆さまと一緒に市場を見続けられることが、更新を続ける力になっています。
それでは、今日も一日、明るく元気に笑顔で過ごしましょう。
ご参考になりましたら、こちらから応援いただけると嬉しいです。
おことわり
投資は自己責任にてお願いします。
このブログには広告が挿入されています。この広告はGoogle社が読者の好みに応じて選んで提供しているものです。興味がございましたらご覧いただければ幸いです。投資に関する広告が表示されても、私の推奨ではないことをご理解ください。
図表のレファレンス
- S&P500ヒートマップ: finviz
- 主要3指数とドル円: Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
- セクター別騰落率: finviz
- 経済指標結果/予定: investing.com日本語版
- 決算発表結果/予定: investing.com日本語版
- 主要指数の動き : Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
- 自分の米ドル建ポートフォリオ: Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
著者プロフィール
室井一夫(Kazuo Muroi)
Muroi Universal Research on Investment LLC 代表社員
一級建築士・建築1級施工管理技士・工学修士
Facebookグループ「米国株_投資の部屋」管理人(約4.7万人)
米国株式市場と経済動向に関する情報を毎日発信しています。
コメントを残す